【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~ 作:ただの名のないジャンプファン
~side銀時~
恭也との絡みが終わっていよいよこの世界へ態々やってきた目的である翠屋のいちごパフェかと思った矢先に、
「銀さん、これ運んで欲しいの」
なのはが差し出したのは、
「ん?何これ?」
「バーベキュー用品」
そう、なのはが銀時に差し出したのは、バーベキューコンロ・木炭・着火剤・軍手・チャッカマン・うちわ・食材が入っているであろうクーラーボックスなどのバーベキュー用具だった。
「え?あれ?なのはさん‥あの‥パフェは?」
( ゚д゚)ポカーンとする銀時を尻目になのははバーベキューに使う食材や機材を準備する。
「さっき、はやてちゃんに夕ご飯の用意は殆ど出来ているから早く道具を持ってきてって言われて...」
「.......」
「だから先に運ばないと」
「ちょっっっと待て!!何で、何でパフェ食いに来ただけなのにそれを運ばないといけねぇんだ!!俺はもう糖分がきれてきれて...ちくしょうめ!」
といじけた。
折角楽しみにしていたパフェを食べられると思ったら、店の手伝いをさせられ、その後はなのはの兄に絡まれて、やっと食べられるかと思ったら、今日の夕食の食材と機材運びで食べる事が出来ない。
まさに、銀時にとっては踏んだり蹴ったりの結果だった。
「ロストロギアが見つかるまではここに居るから、その間に食べればいいでしょう?」
となのはは子供を慰めるように銀時を説得した。
「あぁ、クソ、こうなりゃやけだ!!さっさと運んでやる!!」
と起き出した。
「そんで、奴らの分の肉も全部俺が食ってやる!!」
散々人の楽しみの邪魔をしたのだ。せめて一矢報いて、夕食の肉を全部食べてやると意気込んだ。
~sideコテージ~
少し前になのはと銀時以外こちらに戻ってきてはやてを中心に夕ご飯の準備を始めていた。
「とりあえず、食材はこれでええやろ。んじゃ皆てきぱき動いてな」
で全員動き始めた
「はやてちゃん私も何か手伝おうか?」
「大丈夫やですずかちゃん」
月村すずか、なのは達の友人の1人で、アリサ同様この人も金持ちで、姉の月村忍はなのはの兄、恭也の奥さんであり、なのはとすずかは義姉妹の関係でもある。
「あの、拙者達は何をすれば...」
バジルが何をすればいいか戸惑っていると
「とりあえず、この人数や、素材の下ごしらえだけでもぎょーさん時間くうし野菜の皮を剥いといて」
「わかりました。」
と聞いてバジルやツナが作業に入ろうとすると獄寺も入ろうとしたのでツナが
「ご、獄寺君は少し待っといて」
と、獄寺に待ったをかける。
「え?ですが...」
「いいから」
獄寺が以前厨房に入っただけで厨房がめちゃくちゃになったそれだけでなく料理の腕も壊滅的なのでツナがストップをかけた。
作業が進んでいくとリボーンがはやてに
「ほぉ~はやてにも特技があったんだな」
感心する様に言う。
「ひどっ!それは酷いでリボーン君!私かてそりゃ特技の1つや2つぐらいあるわ!」
元々はやては早くに両親を亡くしおり、当時、まだ闇の書であった夜天の書が稼働するまで1人暮らしをしていたので、家事に関してはお手の物であった。
はやてがリボーンに言い当のリボーンは、
「冗談だぞ。」
と返すが視線はやてから逸らしていた。
「何や?リボーン君のは冗談に聞こえへんけど」
ジト目でリボーンを睨むはやて。
「ねぇ、はやてちゃん?」
「なに?すずかちゃん」
「何でこの子はこんなに喋れているの?」
すずかは赤ん坊姿のリボーンがペラペラと喋っているのに疑問を感じたのだ。
その質問に対してリボーンの返答は、
「そういうのは気にしちゃダメだぞ、すずか」
お決まりの台詞を吐いた。
「あっ」
と炎真が声を出して何かと思えば皮をむいていた時に指を包丁でやってしまったらしい。
「大丈夫、炎真くん」
シャマルが心配そうに声をかける。
「だいしょーふでふ‥‥」
と指を咥えながら言う。そして、シャマルが絆創膏を渡した。
「古里殿はゆっくりしといてください。拙者がやっておきます。」
こういう行動はバジルの性格が伺える。
「新八~、何しているアルか、お前も手伝ってこいヨ」
「お前も何かしろよ!つまみ食いばっかしやがって!!」
と神楽は、流石に肉は生だから食わなかったが炊飯器の中はカラになっていた。
「ちょ、神楽あんたどんだけ食べるの!?」
アリサが驚いたように言う。
自分と声がそっくりの人物がまさか此処までの大食いだとは信じられなかったからだ。
「これぐらい普通ネ。私よりもスバルとエリオの方がもっと一杯食べるネ」
とあっけからんとした表情で言った。
「食べるってどれくらい?」
「いつもこんな山盛りのパスタを平気で食べているネ。あれは私でもお腹パンパンになるけど、スバルとエリオはへっちゃらな顔でしかもお腹もパンパンにならずに平らげているアル」
「へ、へぇ~」
神楽は山盛りパスタをジェスチャーでアリサに伝える。
そしてアリサは神楽の言っている事が本当なのか確かめようがないが、もし神楽の言っている事が本当ならばスバルとエリオの食欲に関しては恐ろしいモノを感じた。
特にエリオに関してはまだ10歳なのだから‥‥
「あぁ~!!私もつまみ食い期待してたのにぃ~」
神楽同様生肉は食えないので炊飯器のご飯を狙っていたスバルはアテが外れた事に落胆する。
「何言ってんのバカスバル!これじゃ私達のご飯完全になくなるでしょう!!」
「まぁまぁ、お米はまだあるし、また炊きなおすよ」
フェイトがそんな宥めて事態を収拾した。
「そういや、はやて」
「ん?どないしたん?リボーン君」
「バーベキュー用品はどこにあるんだ?」
バーベキューをやるにしても肝心のバーベキュー用具がこの場にはまだない。
これではバーベキューをしたくても出来ない。
「それはなのはちゃんが家から持ってくるって言っとったから...そのうちに来るやろう。まずはすぐに焼けるように食材の下拵えをすまさなんとな。」
と時間が経過していくらなんでも遅いなという事でなのはに連絡を入れたらあちらも手伝いで忙しかったらしく今やっとこちらに来てくれた。
「遅いヨ、銀ちゃん、私もうお腹と背中がくっつくアル。従業員を飢えさせるなんて、社長失格アルよ」
「うるせぇ、こっちも結構イライラしてんだよ!!」
と糖分がきれて半分八つ当たりになった。
そしてやっとバーベキュー大会が始まり‥‥
「銀ちゃん!!その肉は私のネ!!」
「へっ、教えただろう。食卓は戦場だ!!」
と銀時が言っていると銀時が焼いていた肉が横から何者かに掠めとられた。
「銀さん。甘いよ、そんなんじゃ」
スバルが自慢げに言うと
「なかなか、やるじゃねぇかスバルだが‥‥」
と今度はスバルからまた肉を奪い、
「ちょ、大人気ないよ!!さん~」
スバルがまた銀時から肉を奪おうとした。
「てめぇら!そんなに肉食うと、10代目の分がなくなるだろうが!!」
と言いつつ、ちゃっかり自分の皿にも肉が乗っていた獄寺。
「ちょっと、そんなに慌てないでください。みっともないですよ。」
と新八が皿の食べ物を食べようとすると皿には何もなかった。
「あ、あれ?僕の肉は!?」
新八は気付かなかった。隣にいた赤ん坊の口が動いていた事そしてその赤ん坊の皿にはまだ肉があったことを...
「う、う~ん、」
唸っていたのはエリオとキャロだ。両者はあの中に入れずに皿には肉も野菜も満足に取れてない状況だった。
「どうしよ、なかなか手が出せない銀さん達が...」
スバルと獄寺はまだいいだが銀時と神楽は鬼気迫る気迫で争っていた。一応言っておくが台は2つあるが両方抑えられている。そんな時に
「はい」
「君達の分は取っておいたよ」
と肉を差し出したのはツナと炎真だ。
2人はあの中から肉をとりエリオとキャロの分を分けていた
「あ、ありがとうございます!!」
「ありがとうございます!!」
エリオとキャロはやっとご飯にありつけた。
しかし、スバル並みの大食いであるエリオにはちょっと少なかった。
そしてバジルも‥‥
「沢田殿達もしっかり食べないといけません、拙者の分少ないかもしませんが...」
「あ、ありがとうバジル君」
ツナがバジルから肉を貰おうとするとフェイトも
「わ、私のも食べていいよ、ツナ」
とバジルと少し張り合う感じで言った。
(ま、負けられない、この人凄く性格もいい...)
「ありがとうございます。フェイトさん」
ツナはフェイトからも肉を貰えた。
そして場面は変わるが
「なぁ、バジルちゃん」
「はい、何でしょう?はやて殿?」
(えっ?ちゃん?)
はやてから自分の言い方が「君」ではなく「ちゃん」であったことに疑問を感じながらもそれを口にはせずにいるバジル。
「バジルちゃんは何処の国出身なん?」
「拙者はイタリア出身です。」
「イタリアか~何やツナくん達と言い、あんたらの世界の地球はイタリア中心の世界何か?」
「た、たまたまですよ」
「それと、何でそんな喋り方なん?」
イタリア人のバジルが日本人ですらもう口にはしない江戸時代の武士口調なのに疑問をもつはやて。
はやてのこの質問には地球出身の人が何故か食いついた。
神楽と銀時は食っていたがツナがとくに過剰に反応した。
「スバル殿からも聞かれましたが...拙者日本のーー」
「そ、そんな事よりもバジル君もお肉を食べよ、早くしないと神楽ちゃんと銀さんが食べ尽くしちゃうよ」
「え?沢田殿?何ですか急に?」
「な、何でもないよ」
「ちょ、邪魔せんといて、ツナ君!」
「ほのひふもん、わらしもひましたよ」
と口にものを入れながら喋ったのはスバルだ。
「ちょ、スバル行儀が悪いわよ!食べ終わってから喋りなさい!!」
ティアナがスバルに注意した。
モグモグ‥‥ゴックン‥‥
「その質問なら私もしましたよ。確か親方様が教えてくれたって」
「ぐっ‥‥」
「親方...様?」
フェイトが疑問に持ち聞いた。
この時聞いた時に六課の地球組+何故か銀魂メンバーもバジルに日本の間違えた知識を教えたこの『親方様』はろくでもない人だなと思っていた。
「ねぇ、その人は誰なの?」
フェイトはバジルに間違った日本の知識を教えたその親方様の正体が気になりバジルに直接親方様が誰なのかを尋ねる。
「フェイトさん、その質問はちょっと‥‥」
ツナが言うとリボーンがニヤリと悪そうな笑みを浮かべて、
「なら、そいつが誰か教えてやろうか?」
「ちょ、やめろリボーン!!」
とツナがリボーンを抑えようとするがあっさりと返り討ちにあった。
「親方様ってのはな、本名は沢田家光ってんだ」
「さわだ‥いえみつ?ん?沢田?」
沢田と言う苗字を聞いて全員がツナを見た。
ツナの苗字も親方様と同じ沢田だからだ。
「ま、まさか親方様って‥‥」
フェイトは顔を引き攣らせてツナに尋ねる。
すると、涙ながらツナは答えた。
「はい、俺の父さんです...」
ツナにとっては恥ずかしい秘密だった。バジルに変な事を教えたり家光自身が変わった性格の為にツナは何度も振り回された記憶がある。
そんなツナを見ると新八が、
「変な父親持つと、息子は苦労するよね?ツナ君...」
同情の眼差しをしてツナの肩にポンと手を置く。
「新八さん?...わかってくれるんですか!?」
ツナは新八の言葉に地獄に仏と言わんばかりに、期待の目をして新八を見る。
「わかる。わかるよ。父親が変だと、どんだけ息子はが苦労するか‥‥」
ここに変わった友情が芽生えた瞬間だった。
「何やろう。何とも言えへん、確かにバジルちゃんを見ていると何となく想像がつく。」
はやてが微妙な顔をした。
一方フェイトは、
「ツナの...お父さん」
ツナの父親が変わり者だと言う事が分かったがそれはあくまでその人物の一辺であり、どんな顔なのか?どんな声なのか?そんな事を考えていた。
「まぁ、元気をだして下さい、拙者は沢田殿とこうして知り合うことが出来て嬉しいのですから」
「バジル君‥‥」
「さぁ、肉を食べて元気を出してください」
「う、うん」
バジルが皿に乗っていた肉をツナに食べさせる。
「‥‥」
バジルとツナのその行為をフェイトはジッと見ていた。
(ツナ‥私とショッピングモールの時はあんなに恥ずかしがったのに、バジルの時はあんなにあっさり‥‥やっぱりツナはバジルの事を‥‥)
フェイトの胸にモヤモヤした感情は渦巻いた。
そんなこんなで晩御飯を食べ終わりなのはが、
「じゃ次は皆でスーパー銭湯に行こう!!」
張り切って言った。
しかし、この銭湯が一部の人達にとって悲惨な結果を生む事をまだ知る由もなかった。
・・・・続く
ではまた次回。