さばげーがえり!   作:一織

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これは『むこうがわ』のお話。


閑話集
第13話 むこうがわ


美紀「あっ、図書館に新刊だ、借りて行こう」

 

 

美紀「由紀先輩も薫男先輩ももっと本を読めばいいのに...そうすれば由紀先輩は相応の言葉遣いに...薫男先輩は相応の知識が...」

 

 

 

美紀イメージ

 

 

薫男「美紀、今日の気温は16℃、湿度は30%、天気は晴、不快指数は...」

 

 

 

美紀イメージ終了

 

 

 

美紀「......ありえないか」

 

 

ふと、窓の外を見ると、トラックを走る生徒が見える

 

 

美紀「陸上部かな?胡桃先輩どこだろう?」

 

 

美紀「ふう、今日も平和だ」

 

 

最近、学校が楽しい。まあ前がつまらなかったという訳では無いけど

 

素敵な先輩に、憧れの先輩、ちょっと頭のネジが足りないかなって思う先輩もいるけど

 

 

ジョン「ちょ!」

 

 

すごく楽しい。私は学校が好きだ。

 

 

 

美紀「さてと、帰ろう」

 

 

美紀「あれ...?」

 

 

なんだろう...この違和感は......何か、大切な何かを忘れているような...

 

はっ!

 

 

凜音「美紀さん、放課後にサバゲ部の弾速チェックと、ジュールチェックお願い」

 

 

忘れてたー!

 

 

先生「こら、廊下を走ったらいけませんよ!」

 

 

 

美紀「す、すいません!」

 

 

急いで走っていたので、廊下の曲がり角から出てきた生徒とぶつかって転ばせてしまった

 

 

美紀「す、すいません急いでて、怪我とかありませんか?」

 

 

 

生徒「...ちょっと足首捻っただけ」

 

 

美紀「本当にすいません保健室に...」

 

 

 

生徒「大丈夫」

 

 

美紀「えっ...」

 

 

生徒?「だぁ...いじょ......うぶ」

 

 

 

美紀「ひっ......あっ...あ...あ...」

 

 

 

先生?「だから、廊下を走ったらだめって言ったでしょ?」

 

 

美紀「.........っ!」

 

 

私は大切な事を忘れている

 

 

―――――――

 

 

 

胡桃「下校の時間だな」

 

 

 

ジョン「ああなっても、律儀に生活してんのな」

 

 

美紀「生きてはいないですけどね。時々思います、彼らの中では前と変わらない日々が続いていてここは未だに平和な世界であり続けているんじゃないかって」

 

 

―――――――

 

 

美紀「先輩!」

 

 

美紀「良かった...みんな無事だったんですね」

 

 

ジョン「......下がってろ」

 

 

 

美紀「ジョン......?」

 

 

 

だからふと思ってしまうことがある。

 

 

 

『むこうがわ』の方が

 

 

 

 

幸せなのではないのだろうかと...

 

 

 

美紀「.........」

 

 

 

 

美紀「寝てた......」

 

 

 

 

ジョン「うなされてたな、大丈夫か?」

 

 

 

圭「最初は良かったんだけど、途中からすごい辛そうだったよ?」

 

 

 

美紀「大丈夫。」

 

 

 

 

きっと、「生きていることって素晴らしい」と思えるうちは『むこうがわ』に行くのは早いのだろう...




如何だったでしょうか?
元ネタは「がっこうぐらし!公式アンソロジーコミック壊」の「むこうがわ」です!そこにオリ主達を混ぜました!読んでくださった皆様ありがとうございますm(_ _)m

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