無課金に80連爆死はツライ、割とマジで…
「ーーうん、デカい」
目の前にあるのは巨大な城門。
その建物は“
「あー…転校初日の中学生レベルで緊張する」
「そうかい?言うほど緊張しているようには見えないけど…」
「…まぁ、転校したこと無いですし。」
今日の予定は、合格が決まった上での役員面接の後、契約確認。
敷地内の施設見学の後で、体力測定…というより、歌唱力やダンスの巧さを見てもらった上で、今後の大まかなスケジュールを決める…ってな感じらしい。
最初に行われた役員面接は、常務兼執行役員の
トントン、お入りください、失礼しますの3コンボ。
大学入試を思い出す流れだった。
相手をしていただいた美城常務は…結果主義?というか、可能性より確実性…みたいな人だった。
「〜します」って言うと「それらは現時点で実現可能ですか?」って返してくるタイプ。
デキる女感満載の美城常務と1対1で見つめ合いながらの超圧迫面接。
合格するって分かっててもアレは辛い。ほんとマジ。
契約書にサインした後は俺の担当が今西さんだってことを社長さんから聞いて、今西さんと二人で施設見学。
…あ、ちゃんと契約書は読んだぜ?社会人としてそれは当然。
施設見学は…うん。
みしろぷろだくしょんはすごいとおもいました(小並感)
…いや、ジムとか売店とかシャワー室…くらいは予想できるけれども、スパにカフェ、サウナ、プール、ジャグジー、それに346プロ専用撮影スタジオって…
ついでに言うと、レッスン室は8部屋、スタジオは2部屋ある。
やったねたえちゃん、いっぱいいても大丈夫だよ!(意味深)
…建物自体は4棟有って、90°が二つある台形みたいに配置されている。
渡り廊下を使って全部を回ろうとすると、まずフロントとかお偉いさんがいる
本館エレベーターホール手前で右に曲がって、東に抜けるとジムやプール、スパなんかがある
そこを真っ直ぐ北に抜けると我らがアイドル部門がある
んで、西に行けば女優俳優部門、声優部門、芸人部門がある
なんで全然人がいないアイドル棟があるのに旧部門棟にこんな詰まってんのかって言うと、中の人たちが愛着が云々でごねた結果らしい。
まぁ部屋数は足りてるからいいか、と上も押し負けたんだそう。
因みに、敷地の真ん中には中庭があるが、現状建物間のショートカットにしか使われないらしい。哀れ。
その次は
高校時代のカラオケ通いが功を奏したのか、歌に関してはトレーナーさんから及第点をもらった。
が、そのせいもあってか歌い方に変なクセがあるらしい。うーん、褒められているのかそうでないのか…
あ、歌わされたのはジュピターの【カレイドツーリズム】だった。
そういえば
彼らは1990年代で言う
へー、知らなかった(平成人)
…え?ダンス?
いやな、事件だったね。
…いや、俺も最初から上手いとは思ってなかったけど、慰める前にもうちょい言い方とかあったんじゃないですかね?
3時間くらいぶっ続けで練習させられて、本番始まって10秒あるかないかのところで「ハイ下手ー」って言われてぶった切るとか…
トレーナーさんマジぐう畜ですわ
んで、今に至る…と。
「ーー冬に入っちゃうと、良い新人が出てきても、現役の年明け年末ライブとか
「…いや、だからって
準備期間1ヶ月って…えぇ?(困惑)
「春・秋の歌はバラードとか、そういうゆったりしたモノ…要は、売れてるアーティストの新曲が主流になる。
若さを売り込むには、夏ウタ枠でドカンと沸かせる…っていうのが業界の定石らしい」
無視ですか。
…まぁ、理屈は理解できるけどさ。
「それに、君はもう夏休みだろう?」
トントンとスケジュール帳を指差す今西さん。
やめて!世の中にはレポート提出を溜めるタイプの人間だっているんですよ!
「…まぁ、今西さんがそんなに推すってことは、我に策ありってことですよね」
「ーーうん。レッスン漬けだね」
「やっぱ帰っていいっすか?」
「ごめん、もう関係各所に連絡は行ってるんだ」
「事後承諾!?」
鬼!悪魔!今西!
こんな
………あれ、楓さん?