「俺の幼馴染の胸元がキャベツ」   作:里芋(夏)

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まずは謝罪を、
本当に申し訳ございませんでした!



およそ半年に及ぶエタ。

昨日の投稿詐欺(時差のせいか予約投稿しようとするとダイレクトになってしまいました)



こんなクソ作者のファッキンノベルを気に入ってくれた方々に感謝を込めて、この話を投稿させていただきます。







大学での

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー君…アイドル、やってみないかい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…確かあれは、大学二年生の六月中頃。

 

放課後、学内併設のカフェテリアで『彼女』が来るのを待っていた時。

 

 

既に茶色一色のカフェオレを、意味もなくカランカランと混ぜていると、スーツを着た初老の男性に声を掛けられた。

 

 

 

曰く、「相席、いいかい?」と。

 

 

 

 

周りを見れば、カップルやウチの付属高校のうるさい高校生で席が埋まっていた。

 

なるほど一人の俺に声を掛けるワケだと納得し、どうぞどうぞと勧める。

 

 

 

「お言葉に甘えて」と男性が座った。

 

 

 

 

 

 

ーー…きみ。今、何歳だい?

 

 

 

…まさか、『彼女』じゃなく俺がナンパされる日がくるとは。

 

…しかもこの人、四十(しじゅう)ちょっとと見た。

 

 

 

 

ーー19、ですけど…?

 

 

言外に「何の用だ?」と問いかける。

 

 

 

 

ーー芸能界に、興味ないかい?

 

 

 

 

 

ーー……芸能界、ですか。…まぁ、人並みには。

 

 

 

 

 

ーー実は、僕はこういう者でね。

 

 

そう言って男性が胸ポケットから取り出したのは、一枚の紙。

 

名刺には男性の名前と、チーフプロデューサーという地位。そして346(美城)プロの文字が踊っていた。

 

 

 

 

ーー……346プロ?

…あぁ。駅前の、お城みたいな建物ですか?

 

 

 

 

 

ーーそうそう。来年四月設立のアイドル部門。

君がその男性アイドル1号って訳だ。

 

 

…んな昭和ライダーみたいなネーミングでいいのか芸能事務所。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アイドル』

 

 

男だと、315(サイコー)プロ。

特に、元961(黒井)プロのJupiterなんかが有名だ。

カレイドなんちゃらって曲は俺でも聞いたことがある。

 

 

っていうか『芸能界に興味ある?』っつーか『芸能界入りする気はある?』のほうが正しいんじゃ…

 

 

 

 

 

ーー…ああ。別に、今すぐ決めろとは言わないよ。

いつでもいい。

まぁ、早いに越したことはないけどね。

 

連絡をくれれば、すぐに日取りを決めて話し合おうと思ってる。

 

 

 

 

なんつーか、あまりに話がサクサク進みすぎて、何が何だかわからなくなってきた。

 

…っていうか、

 

 

 

 

ーーすいません、お話はありがたいのですが…

何故出会ったばかりの俺を、こんなに熱くスカウトしていらっしゃるのか…正直、よく分からない。といいますか…

 

 

 

 

ーーあー…つまり、スカウトの理由を聞きたいってことだね?

全部挙げていったらキリがないから、大きいのだけででいいかい?

 

 

 

 

コクリと首肯。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー…笑顔、だね。

 

 

 

 

 

ーー………笑顔…ですか?

 

 

 

 

いや…え?それだけ?

 

笑顔っつっても、「相席どうぞ」の時の愛想笑いくらいしか見せてないと思うけどなぁ…

 

 

 

 

ーー…ああ!言っていなかったね!

君のゼミの教授、いるだろ?

彼、僕の高校・大学時代からの親友なんだよ。

今日は彼と久々に会うことになってね。

 

いやー、二十数年は大きかったね!

地味キャラだった彼があんなに…

 

 

 

 

 

 

 

ーー…っとお、本題からいつの間にかずれてたなぁ。

いや、失敗失敗…。

あれ、何の話をしていたんだっけ?

 

 

 

 

ーー…はぁ。

俺の笑った顔をいつ見たんですか?…って話です。

んで、うちのゼミの教授とプロデューサーさんが旧友だってとこまで…

 

 

 

 

 

ーーそうそう!

それで、歓迎会の時の写真を見せてもらったんだよ!

いやぁ、いい笑顔してたねぇ。

 

…本当は、君の隣にいた…あの茶髪の女の子もスカウトしようと思ったんだけどねぇ。

 

 

 

 

茶髪、ねぇ…。十中八九あいつだろうな。

 

 

 

 

ーーあぁ。でもあいつ、もう

 

 

 

 

ーー聞いたよ聞いた。

いやぁ、一歩遅かったかぁ…

 

 

 

途端、何処からかピリリリと鳴り響くガラケーの着信音。

 

正面の男性はサッとそれを取り出すと耳に当て、相手と二、三言交わすとこちらへ向き直った。

 

 

 

 

ーー…すまないね、呼び出しがかかってしまった。

じゃあ、いつでも連絡してくれ。いい返事を、待っているよ。

 

 

 

 

 

ーーお話、ありがとうございました。頑張ってください今西さん(・・・・)

 

 

 

 

ーーありがとう、それじゃあ。

 

 

 

 

 

 

ぼーっと、カバン片手に出入り口へと歩く男性の背中を首を右に捻りつつ追っていくと、突然プニッと右頬に指が刺さった。

 

 

 

そして、塞がれる視界。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー…だーれだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーああ、終わったんだ。じゃ、帰ろうぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー…むぅ………だーれだっ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー…っあー、はいはい。

俺の可愛い可愛い幼馴染さん…だろ?

 

 

 

 

 

突如、俺の目にパッと光が帰ってきた。

 

 

 

後ろを振り返れば『彼女』は嬉しそうにはにかんで、頬を桃色に染めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーふふっ♫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…大正解、ですっ。

 

 

 

 

 

 

 













里芋師匠、頑張りますっ!(エヘ顔ダブルピース)




































…ああ、待って!無言でブロックリストにブチ込まないでぇぇぇぇぇぇぇ!!(ビクンビクン)


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