問題児たちと転生ライダーが異世界から来るそうですよ?   作:shimito18

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第4話 問題児たちが秘密を知るそうですよ?

「黒ウサギお前、決定的なことをずっと隠してるよな」

「な!?」

「答えろよ、何でお前は俺たちを呼び出す必要があったんだ?」

「そ、それは前にも言った通り恩恵(ギフト)を持っている十六夜さんたちに、面白おかしく過ごしていただこうと…」

「噓はやめたらどうだ黒ウサギ」

 

俺は嘘を言う黒ウサギに本を閉じ近寄った。

 

「な、何を言ってるんですか九十九さん。噓だなんてそんな」

「俺の能力というか恩恵(ギフト)と呼んだほうが良いのか?俺のギフトには"星の本棚"という物がある」

「ほ、星の……」

「本棚?なんだそりゃ?」

「星の本棚とは地球上のデータベースに検索をかけることであらゆる知識を得ることが出来る能力の事です」

 

黒ウサギの説明に逆廻は「ほぅ」と呟きどう見ても一層俺に興味がわいたって感じの顔をしている。(喧嘩対照的に…)

 

「そう、それが本来の星の本棚。でも何度かこの世界で検索をかけてみたところ、どうやら地球以外の事この世界の事も検索ができるようになっているようだ。しかも過去だけじゃなく現在そして未来まで」

「マジかよ!それじゃあ俺たちの事も検索済みってことか?」

「残念ながらどういう訳か逆廻のは生年月日と名前くらいだ。後の久遠と春日部、そして黒ウサギそれから黒ウサギのコミュニティのリーダージン=ラッセルの事に関しては生年月日に名前、過去と今と未来に起きること後はついでにスリーサイズも」

「ほぉ~で、黒ウサギのスリーサイズは」

「何を聞いてるんですかおバカ様!」

 

黒ウサギは逆廻の頭をどこから出したのか分からないが、ハリセンで思いっきり叩いたのかパシーン!といういい音が鳴った。

 

「基本的に個人情報は金次第だ」

「九十九さんもなにおバカなことを言っているのですか!」

 

俺も逆廻同様にハリセンで思いっきり叩かれた。

 

「話は戻すが、つまり黒ウサギのコミュニティの事に関しても検索済みだ。何なら俺がそのことについて話してやろうか?」

「……………………分かり…ました」

 

俺たちは場所を変え、腰を下せるところへ移動した。

 

「九十九さんは知っての通り私たちのコミュニティは困窮に瀕しております。コミュニティとは大小在れど国の様な存在です故に活動する上で箱庭に名と旗印を申告しなければなりません」

「というと国旗のような物か?」

「Yes、その多くは領土の誇示に使われます。数年前まで私達の旗は東区画のいたるところで靡き、その輝かしい栄光を誇っていました。ですがある日、私たちは手を出してはならない者に目をつけられてしまいました。そして、経った一夜にして壊滅させられたのです。魔王の力は強大でした、ギフトゲームに敗れた私達は「名」と「旗印」を奪われノーネームとなったのです」

「名無しって事か」

「Yes、現在コミュニティの中核をなすメンバーは一人も残っておらず、ゲームに参加できるのは現リーダーであるジン坊ちゃんと黒ウサギだけ。後の120人余りは10歳未満の子供たちばかりなのですよ」

「「まさに崖っぷちだな♪」」

「ホントですね♪」

 

俺たちがそろって明るいテンションで言うとそれと同じくらいのテンションで返した黒ウサギは、一層テンションがガタ落ちしたのであった。あと逆廻、地味に笑ってやんなよ口角上がってんぞ

 

「それでも黒ウサギたちは必死に生きています。子供たちは遠くの川まで水を汲みに行き、住むところ以外は植物も生えない死んだ土地だというのに……」

「へぇ~そんなにひでぇ状況ならいっその事潰して新しく作っちまえばいいんじゃねえのか?」

「ああ、俺もそう思うぞ」

 

星の本棚は検索対象の今の現状とかは分かっても対象の心理状況は分からねえからな。

 

「駄目です!私達は仲間が帰ってくる場所を守りたいのです!そしていつの日か魔王から「名」と「旗印」を奪い返しコミュニティの再建を果たしたいのです。その為には十六夜さんたちの様な強力な力を持つプレイヤーに頼るほかありません!お願いします私たちに力を貸してください!」

「ふぅん、魔王を相手にコミュニティの再建か……いいな、それ」

「え?!」

「"え"じゃねえよ、もっと喜べ黒ウサギ。魔王を相手に"名"と"旗印"を取り戻す、ああそいつはロマンがある。協力するには上等な部類だ。せいぜい期待してろよ黒ウサギ。で、お前はどうすんだ九十九?」

 

逆廻は立ち上がり熱弁し、自身の意志を示すと俺の方を向き俺の意志を聞いてきた。

 

「逆廻、それは愚門ってもんじゃないか?俺はお前が黒ウサギから説明を受けるまで何となくは分かっていたとしても、完全ってわけじゃないだろ?」

「ああ」

「俺は元から事情を分かってて入ろうとしてたんだ。確かにあのまま有耶無耶のまま、俺らを入れようとしてたらそのまま適当なコミュニティに入ろうと思ってたがな」

「っゔ、申し訳ございませんでした」

 

黒ウサギは耳と腰を項垂れ冷や汗のような物を掻きながら謝ってきた。俺はその姿を見て少し面白くニヤついてしまった。うん、面白いなこの愛玩動物は……

 

「ま、仲間に対する最低限の事をしたんだし許してやるさ。それに対魔王戦面白そうじゃねえか、何度も言うが俺の好きな事は面白い事で嫌いな事は面倒な事だ。まあ逆廻だけじゃなくて俺にも期待するんだな黒ウサギ」

「…………はい!」

 

黒ウサギは頭を緋色に染め笑顔で返事をした。

 

「あ、それから九十九俺のこと下の名前で呼べよな」

「構わないが理由を聞いて良いか?」

「別に大したことじゃないが、これから仲間になるのに苗字で余所余所しいのも変な話だろ?」

「………それもそうだな、改めてこれからよろしくな十六夜!」

「こっちこそよろしく頼むぜ!」

 

俺たちは笑みを浮かべて握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォ、"フォレス・ガロ"とゲームをする~!?なぜそんな急展開な…………」

「「腹が立ったから後先考えずにケンカを振った、反省はしていない」」

「おバカ様!おバカ様!」

 

黒ウサギのどこからともなく取り出した愛刀ハリセン丸(←勝手に命名)を久遠と春日部に食らわせた。

 

「でも、何でこんなことに?!」

「ごめん、でもどうしてもあいつが許せなくて……」

「お気持ちは分かりますが……まあ良いです、フォレス・ガロ相手なら十六夜さん一人でも」

「俺は出ねえぞ」

 

黒ウサギの振り返った時の笑顔から一変、十六夜が断った瞬間に一瞬にしてアホな顔になった。

 

「は?」

「はじゃねえよ、このケンカはこいつらが売ったんだ。俺が入るのは無粋ってもんだ」

「あら、分かってるじゃない」

「で、でしたらツクモ………」

「俺が出ると思うかそんな面白くもなさそうなゲームに?」

「もう、好きにして下さい……」

 

結局黒ウサギは原作と変わらず色々と苦労をするのだった。あ、俺は協力する気ねえから




今回は戦闘もライダーの登場も無し!

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