やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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八幡たちが奮闘している一方、葉山隼人は何をしていたのか


番外編①

これは八幡たちが奴らと遭遇する前の出来事である

 

俺の名前は葉山隼人 今日は学校が早めに終わったから優美子や戸部、姫菜達と駅に遊びに来ているんだ、部活はあるところとないところがあるみたいだね

 

優美子「あんさぁ隼人ー、あーし新しいネイル買いに行きたいんだけどー」

 

葉山「そうだな、時間もあるし寄って行こうか、みんなもいいかい?」

 

戸部「優美子この前もネイル買ってたしマジやばすぎっしょー」

 

優美子「戸部うっさいし、いいから来る!」

 

俺たちは駅前のデパートに来ていた。平日ということもあり、あまり人はいないようだ

 

優美子「今日は新作のネイルでデコレーションするし!姫菜にもやってやるし」

 

姫菜「え~私は良いよ~、それよりも今ははやとべが…ぐ腐腐腐」

 

優美子「姫菜擬態しろし」

 

俺はこんななんでもない日常が好きだ 俺はこいつらともっと一緒にいたい こいつらとなら本物になれる気がするんだ… 

 

突然女性の悲鳴が聞こえる どうやらデパートの外で何かが起きたようだ 俺は外から入ってきた人に話を聞いた

 

葉山「一体何が…外で何があったんですか!?」

 

男1「人が不審者に襲われたらしい…それに暴動が起きているようなんだ!」

 

男2「おいまずいぞ!暴漢たちが人を手あたり次第に襲っているらしい!デパートを封鎖するんだ!急いでくれ!」

 

そう言うとデパートの中の人たちは出入り口を長椅子や家具やらで封鎖しはじめた

 

戸部「やべぇっしょこれ~、なんか大変なことになってるっぽいっしょ~」

 

男2「おい、そこの高校生たち!デパートの裏口も封鎖してきてくれないか! 何かあるといけないからこいつを持っていけ!」

 

どうやら俺たちに声をかけているらしい 男は俺たちにスポーツ用品店から取ってきたであろうバットと工具店から取ってきたであろう鉈を渡される

 

葉山「仕方がない非常事態だ、俺たちも協力しよう」

 

戸部「この鉈すげえ頑丈っしょー まじやべーって」

 

優美子「隼人!あーしたちも行くし!」

 

葉山「それは危険だ!俺たちに任せておいてくれないか?」

 

姫菜「私たちだって何もしないでいるのは嫌だよ」

 

隼人「危なくなったらすぐ逃げるんだぞ?それが条件だ、大和や大岡もいいな?」

 

大和「おう!」

 

大岡「分かったぜ」

 

俺たちはデパートの裏口へ急いで向かう 裏口が開いていたようだ

 

大和「なんだよ開いてんじゃねえか」

 

大和が扉を閉めると同時に何かが大和に掴みかかっていった

 

大和「なんだこいつ!いてぇ!噛まれた!」

 

俺たちがどうすることもできない間、俺たちの後ろから銃声が鳴り響いた

大和に噛みついていた暴漢は頭を打ちぬかれて沈黙していた

 

???「大丈夫かお前ら!」

 

銃声を鳴らした本人であろう人物が声をかけてきた

 

葉山「あなたは…?」

 

津田「俺の名前は津田 叫び声が聞こえたんで駆け付けたんだ」

 

津田さんは俺たちを寝具のあるスペースへ案内する

 

津田「ケガを負ってしまったようだな こちらで手当てしよう」

 

そういって津田さんは大和をベッドへ寝かした

 

葉山「いったい何が起きているんですか?この騒ぎはどこから…」

 

津田「俺にもさっぱり分からん…この銃はいつも射撃練習場で使っているものなんだ」

 

津田さんはライフルを掲げる 実銃なんて初めて見たな…

 

戸部「マジ!?これ本物っしょ!触りてえ~」

 

優美子「戸部調子乗んなし、間違えて壊したりでもしたら大変だし!」

 

俺はデパートに避難していたであろう人たちの中からある人たちを見つける

 

葉山「川崎さんに戸塚君?材木座君もいるみたいだ」

 

俺は彼らに声を掛けた

 

沙希「あん?あんたは葉山じゃないか」

 

戸塚「葉山君?君たちもここに避難してたんだね!」

 

材木座「むむ!あれはいけ好かないイケメンリア充ではないか!」

 

彼らの中に懐かしい顔がいるようだ

 

葉山「君は…留美ちゃんだよね?林間学校の」

 

留美「…」

 

もう会うことはないと思っていたがこんなところで会うなんて

 

葉山「久しぶりだね留美ちゃん!あの時は怖がらせちゃってごめんね?」

 

留美「あれは八幡が仕組んだことだってわかってるから 気にしなくていい」

 

沙希「大志と京華の服を買いにきたらこの騒ぎに巻き込まれてね…」

 

戸塚「僕は新しいテニスラケットを買いに来てたんだ」

 

材木座「けぷこんけぷこん、我は新しいラノベを買いにきたのだ!」

 

材木座君が何か背中に背負っているようだ

 

優美子「あんたの背負ってるのなんだし」

 

材木座「これはメイスだ!デパートに展示されていたものを拝借したのだ」

 

姫菜「なんかかっこいいね!メイスが」

 

材木座「げふぅ!我は?…」

 

津田「どうやら全員知り合いみたいだな、いつまでもここにいても救助が期待できん、この近くの避難所へ行くのはどうだろうか?」

 

戸部「マジで!?外出るのは厳しいっしょ~」

 

俺はみんなが話している間、大和の様子を見ようとしたが大和がいなくなっていることに気が付いた

 

葉山「みんな大和を見なかったか?噛まれて重傷のはずなんだけど…」

 

材木座「噛まれただと…お主それは本当か!?」

 

するとデパート内に悲鳴が響き渡った それは大和が女性に噛みついているように見えた

 

優美子「大和!なにしてるし!離れろし!」

 

大岡が引きはがしにかかる

 

大岡「お前なにやって…ぐわあ!」

 

大岡も噛まれてしまったようだ

 

戸塚「大岡君!」

 

留美「外の人たちも噛みついてた…噛まれるだけでもうダメなのかも…」

 

津田さんが俺たちへ叫ぶ

 

津田「まずいどんどん人が噛まれてる…ここはもう危険だ!避難所を目指そう!」

 

デパートにいた警察官が俺たちに声を掛けてきた

 

警官「警察署に連絡をして救援を要請した!護送車で避難所へ向かうぞ!」

 

沙希「救援とやらが来るまでどれくらいかかるのさ!」

 

警官「20分ほどで着くそうだ、それまで持ちこたえよう!」

 

葉山「みんな!ひとまず落ち着いてくれ!戦える人は武器をもって前へ!戦えない人は後ろへ!」

 

津田「正面はふさがっているから、裏口から出よう!」

 

俺はバットを持ち戸部は鉈、津田さんは銃を、材木座君はメイスを、川崎さんは素手のようだ

 

姫菜「サキサキ素手で大丈夫なの?」

 

沙希「サキサキ言うな!あたしは空手の有段者だよ?あんなやつらに負けるもんか」

 

俺たちは裏口を死守することになった

 

材木座「材木座ぁ…クラッシャー!!」

 

材木座君は目の前の奴らをミンチにしてしまった

 

俺と戸部もすかさず応戦する

 

戸部「これ切れ味やべえっしょー!マジ職人さん感謝だわー!」

 

戸部が奴らの首をチョンパする

 

津田「材木座君、囲まれているよ!」

 

津田さんが銃で援護していく

 

沙希「気持ち悪い奴らだね…!」

 

川崎さんは上段蹴りを繰り出す、奴らの頭は吹っ飛んでしまった

 

戸塚「みんな!がんばって!」

 

優美子「隼人!負けたら承知しないし!」

 

留美「みんな…すごい…」

 

俺たちが応戦している間に、護送車両が着いたようだ

 

警官「君たち!早く護送車へ急ぐんだ!しんがりは私が務める!」

 

警察官の方が応戦している間、俺たちは護送車へ乗り込む

 

津田「さああなたも早く!」

 

津田さんが叫ぶが、警察官の方は奴らに噛みつかれてしまっていた

 

警官「私に構わず行けぇ!君たち若者にはこの国の未来がかかっているんだ!」

 

警察官の方は裏口を閉めてしまった…俺はまた誰かを犠牲にしてしまったんだ…

 

津田「くそ!すまない…」

 

材木座「彼ほど勇敢な者を我は初めて見たぞ…」

 

優美子「こんなことって…こんなのってないし…」

 

俺たちはデパートを後にして避難所へ向かった、途中車の窓から見える光景は地獄のように思えてくる 俺は今まで何も選ばなかった… この世界では選ぶことを強制されるんだ…俺はすすり泣く優美子を支えながら、俺の本物を守ると決意したんだ

 




読んでいただきありがとうございます。葉山隼人はこれをきっかけに変われるのでしょうか...次回もよろしくお願いします。

矛盾点を修正しました。

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