やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第二十八話

俺たちはプラットホームで謎の怪物...Ruinousを倒した後、列車へ乗り込もうとする、そんな時謎の人物の声により俺たちは驚愕する

 

???「いやー、本当に予想外だったよ、Ruinousを倒せる人間がいるなんて」

 

八幡「お前...何言ってんだ!?それじゃあまるで...」

 

優美子「隼人!!無事だったんだし!!!」

 

三浦が謎の人物の元へ駆け寄る、俺にはあいつが本当に葉山なのかは分からない...

 

葉山「優美子か、よく生きていられたな」

 

優美子「隼人...何言って...」

 

すると葉山は三浦を振り払い俺たちがいる方へ三浦を投げ飛ばす

 

優美子「きゃあ!」

 

戸部「優美子ーー!!」

 

戸部が飛ばされた三浦を抱きとめる

 

戸部「隼人君どうしたん!?優美子に手を出すなんてさ!!」

 

葉山「お前は...戸部か」

 

姫菜「隼人君、目を覚ましてよ!!」

 

葉山「姫菜か...俺はもう目が覚めているよ、最高の気分だ...」

 

葉山は両手を広げて、天井を見つめる

 

葉山「俺は思い出したんだよ、やるべきことを...code:Genesis計画を!」

 

津田「葉山君!!何があったんだ!!」

 

八幡「葉山!!お前どうしちまったんだ!?何があった!!」

 

俺は葉山へ叫ぶ

 

雪乃「葉山君!私のせいであなたを鉄筋の下敷きにさせてしまったのは謝るから...」

 

陽乃「隼人!!」

 

葉山「雪乃ちゃんには感謝しているよ、そのおかげで思い出せたんだから」

 

葉山「...始めようか」

 

葉山はそう言うと同時に胸を反らす

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

葉山の胸部が収縮する

 

小町「ひっ...!」

 

いろは「葉山先輩...!」

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

材木座「あのイケメンリア充...」

 

静「葉山...一体何を!!」

 

戸塚「葉山君...」

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

葉山「アァァァァアアア!!!」

 

葉山が奇声を上げて、俺たちを見据える

 

葉山の全身からは静脈が浮き上がり、葉山の目は赤黒く、爬虫類のような目になってしまう

 

そして葉山の肩甲骨から骨が隆起し、よりシャープに形作られていった。

 

葉山「さぁ...戸塚君を渡してもらうよ、彼は新人類の希望なんだ」

 

葉山は離れた位置から人間離れした速度で距離を詰める

 

八幡「この野郎!目を覚ませ!!」

 

俺は葉山と戸塚の間に割り込み、葉山に殴りかかる

 

葉山「遅い!全然遅いよ!!」

 

八幡「ぐあぁ!」

 

俺は葉山に蹴りを入れられ吹き飛ばされるが、なんとかガードして体制を立て直す

 

しかし、肘を打撲してしまった⋯⋯

 

なんて威力なんだ!?

 

静「葉山を止めるんだ!戸塚君を渡す訳にはいかない!!」

 

平塚先生は葉山へボウガンを放つ

 

葉山「ふっ!」

 

葉山はボウガンを素手で掴み、平塚先生へ裏拳を繰り出す

 

静「そんな!?うっ!!」

 

平塚先生はそれを避けることが出来ずにモロにくらってしまう

 

結衣「平塚先生!!」

 

津田「元傭兵を舐めるなぁ!!」

 

葉山「津田さんにはがっかりですね」

 

津田さんがナイフを持ち切りかかるが、一本背負いされてしまい、プラットホームの床に叩きつけられてしまう

 

津田「がはっ!」

 

雪乃「葉山君!恨まないで頂戴!!」

 

雪乃がベレッタM92を葉山へ向けて撃つが、葉山は銃弾を全て避けてしまう

 

材木座「リア充め!成敗してくれる!」

 

材木座が葉山へ向けてショットガンを撃つが、葉山は横っ飛びで回避し材木座に迫る

 

葉山「ハッ!」

 

葉山は肘鉄を材木座の腹へ突っ込む

 

材木座「ぐおぉ」

 

材木座ほ突っ伏してしまう

 

八幡「葉山ァァァ!!」

 

俺は葉山に掴みかかり、肘の関節を極める

 

八幡「このままならお前の骨はブチ折れる!さすがのお前もこの極めなら力が出ないだろう!!」

 

拳法の柔術とは、相手との力の差があっても技術さえあれば、相手の動きを封じ込めることが出来る

 

そう、普通の相手ならば...

 

葉山「甘いよ比企谷」

 

 

ボキ!

 

葉山は強引に力を入れ、自らの腕の骨を折る

 

八幡「なに!?」

 

葉山は俺に頭突きをくらわせる

 

八幡「がっ!」

 

俺は頭を抑えてよろけてしまう

 

葉山「俺は普通の人間じゃないんでね、こんな怪我すぐに治るんだ」

 

葉山は折れた肘を強引にはめる

 

そして葉山は一瞬で近づき俺の顔を横殴りする

 

八幡「ぐは!」

 

吹っ飛ばされたところを回り込まれ、あばらに蹴りを入れられてしまう

 

 

ボギャ!!

 

あばらが悲鳴をあげる

 

八幡「ああああぁ!!」

 

陽乃「比企谷君!!」

 

俺は悶えることしか出来ない、腹の脇の痛みは尋常ではない

 

葉山「さあ、戸塚君を渡してもらうよ」

 

戸塚「はちま...うっ!」

 

葉山は戸塚の元へ一瞬で移動し、戸塚を気絶させてしまう

 

 

八幡「と...つかぁ!!戸塚ァァァ!!」

 

葉山「じゃあな比企谷、もう会うことも無いだろうね」

 

葉山は戸塚を抱きかかえ、エレベーターのドアから上へ登っていく

 

俺たちはしばらく動き出す事が出来なかった

 

 

ーとある通信ー

 

???「ええ、目標は捕捉しました、Ruinousは倒されてしまいましたが」

 

???「そうか...まあ良い、Ruinousは現段階の持てる我々の最高傑作だ、だが目標のおかげでさらなる進化をする事が出来るぞ?」

 

???「目標を...どうなさるのですか?」

 

???「君も楽しみにしたまえ、君のその肉体もさらなる高みへ登る事が出来るだろう」

 

???「ええ、自分も楽しみですよ、いろいろとね」

 

???「では直ちに帰還せよ、千葉は米軍により爆撃を受けてしまうからな」

 

???「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は戸塚を守るどころか葉山に手も足も出なかった

 

俺はボロボロの体を雪乃に起こされる

 

八幡「とつか...」

 

雪乃「行きましょう比企谷君、今は体を回復させることが先決よ...」

 

結衣「ヒッキー、肩を貸すからね」

 

材木座「八幡よ...戦略的撤退をするのだ」

 

俺は三人に抱えられて列車の中へ入る

 

陽乃「静ちゃんも...行くよ」

 

静「ああ、分かっている」

 

俺は列車へ連れられて、座席に寝かされる

 

留美「八幡...大丈夫?」

 

八幡「ああ...なんとか打撲だけで済んだみたいたが⋯⋯」

 

小町「お兄ちゃん...葉山さんは一体...」

 

八幡「俺にも分からない...なんであいつがあんな事をしたのか...」

 

沙希「比企谷...あんたは頑張ったよ、全部は守れなかったけどあんたが守ったものもあったんだ」

 

八幡「ああ...」

 

いろは「せんぱい...頑張りましょうよ、手がかりを探して戸塚先輩を連れ戻すんです」

 

八幡「ああ...」

 

今は何をする気にもなれない、俺は戸塚を守れなかった、このまま葉山に追いついて戦いを挑んでも勝てないことくらい分かる

 

 

陽乃「腑抜けてんじゃない!!比企谷八幡!!」

 

 

パァン!

 

俺は陽乃さんにビンタされる、その一撃は俺の身と心に重く響く

 

陽乃「あなたが諦めたら、戸塚君はどうなるの!?殺されちゃうかもしれないんだよ?実験体にされちゃうかもしれないんだよ?比企谷君はそんなの見過ごせるの?」

 

八幡「俺は...」

 

陽乃「諦めないでよ!諦めずに希望を持つって言ったのは比企谷君でしょ?どんな些細な手がかりでも飛び付くくらいの勢いじゃないと戸塚君は救えないよ!!比企谷君にとって戸塚君はその程度の存在だったの!?」

 

陽乃さんの言葉が響く、彼女は仮面を捨てつつあり、彼女自身の本音を俺にぶつけてくる

 

 

人の本音というのは重く響く、俺の陰口を聞いてしまった時はとても衝撃的だった

 

逆に嘘は軽く、そして優しい、だから俺は優しい女の子は嫌いだし、結衣の事をかつて誰にでも優しい女の子と評した事もある

 

だが彼女は誰にでも優しい女の子なんかじゃない、自分が大切に思う存在にしか優しくなんかしない

 

本音は重くのしかかるが俺は本音が好きだ、本音を言われると俺の心にとても響く、本音には裏表が無い、だからこそ俺の求めるあるのかも分からない"本物"に限りなく近いものなのだと思う

 

だから、俺は本音をぶつけてくれた陽乃さんに俺の本音をぶつける、それがきっと"本物"に近いから

 

 

 

八幡「嫌だ!!戸塚が殺されるなんて嫌だ!!俺の大切な友達が実験体にされるなんて嫌だ!!俺に裏表なく接してくれたあいつと離れ離れになるなんて嫌なんだーー!!!」

 

俺は叫ぶ

 

 

本音をぶつける、正面からぶつける、裏表なくぶつける

 

 

八幡「戸塚ーーーーー!!!!」

 

隣で笑いかけてくれた戸塚、俺を励ましてくれた戸塚

 

俺はそんな存在を失ってしまったのだ

 

 

 

静「よく言った比企谷!!あの葉山を懲らしめてやらんといかんからな!!」

 

結衣「ヒッキー!頑張ろうよ!さいちゃんだってヒッキーの事待ってるよ!!」

 

雪乃「腑抜けた比企谷君はふやけたモヤシみたいだったけれど、いつもの腐った貴方の方が百倍マシよ!」

 

小町「小町はお兄ちゃんにどこまでも付いていくよ!」

 

沙希「根性出しな!!あんたらしく無いよそんなのは!!」

 

大志「そうっす!!お兄さんはそんなもんじゃないっす!!」

 

京華「はーちゃんがんばれー!」

 

いろは「せんぱい!!いつもの斜め下の発想でこの状況を切り抜けてくださいよ!!」

 

留美「八幡!!私を救ってくれたみたいに戸塚さんも救って!!」

 

材木座「ムハハハハ!!あのイケメンリア充に借りを返さなければな!!」

 

優美子「あーしムカついたし!!隼人に会ってガツンと言ってやるし!!」

 

戸部「優美子それあるわー!このまま黙ってらんないっしょ!」

 

姫菜「隼人君にはきっちりと言いたいこと言わせてもらうよ」

 

津田「葉山君にはお返しをしないといけないからな」

 

陽乃「ほら、みんなこう言ってるよ、何か言うことは?」

 

本当、みんなには感謝しないといけないな

 

プロのボッチであるこの俺があのイケメン爽やかリア充に負けるのは間違っている

 

 

八幡「ああ!戸塚には毎日俺の味噌汁を作って貰わなきゃいかんからな!!」

 

 

 

 

 

雪乃「比企谷君それは流石に気持ち悪いわ、近寄らないでくれるかしら」

 

結衣「ヒッキー、キモっ!...キモっ!」

 

小町「ごみいちゃん...」

 

いろは「せんぱい流石に男同士はどうかと思います、気持ち悪いですごめんなさい」

 

留美「八幡には私が毎日味噌汁作ってあげるからね?味噌汁だけじゃなくて夜も...」

 

沙希「比企谷...あんたはそういう奴だよね」

 

大志「じゃあ比企谷さんは俺がも「あ?」いやなんでも無いっす」

 

京華「はーちゃん、ファイトー」

 

材木座「なぬ!?戸塚殿は我が「あん?」ゴホン!戸塚殿を取り戻さねばならぬな!」

 

優美子「ヒキオは相変わらずキモいし」

 

戸部「ヒキタニ君マジぱないわー!」

 

姫菜「ぐ腐腐腐腐、はち×とつが...いや!やっぱりとつ×はちが「擬態しろし」」

 

津田「モテる男は辛いなぁ...」

 

陽乃「私は残念な比企谷君でも気にしないからね♪」

 

どうやらこいつらは俺の我儘について来てくれるらしい

 

 

 

プロのボッチじゃ敵わなかった

 

 

全てを一人で切り抜けてきたプロのボッチだが、相手が人為的な、プロの組織だってんならスーパーボッチになってやる

 

 

 

 

それでダメなら

 

 

 

 

 

俺は新世界のスーパーハイブリッドボッチになる

 

 

 

 

陽乃「列車を発車させてください!」

 

「分かりました」

 

地下運搬列車が走り出し、長いトンネルを通過する

 

 

静「我々の戦いはこれからだ!という事だな!」

 

 

俺はもう二度と諦めたりなんかしない、拾いたいものは全て拾う、一人じゃ抱えきれない時は、周りを利用するハイブリッドボッチ

 

 

ボッチが周りと関わったらボッチじゃ無くなる訳じゃない!ハイブリッドになるんだ!!

 

 

 

それで俺は思うんだ、こんな世界で

 

 

 

八幡「やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている」

 

 

 

 

 

〜完〜




これにて完結となります。
更新が途絶えてしまったのにも関わらずお待ちいただいた読者の方々に感謝します。
最後まで読んでくださりありがとうございました!

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