やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。 作:きょうポン酢
気が付けばもう夕方になってしまっていた、俺たちは生徒たちの弁当を頂いた後自由時間を過ごしている
俺は外を眺めていると奴らがグラウンドで徘徊しているのが見える
あいつらは何を思って行動しているのだろうか、それとも思考なんて存在しないのであろうか
俺がもの思いに耽っていると、隣に雪ノ下がやってきてふと溜息をつく
八幡「お前も溜息なんかするんだな、意外だよ」
雪乃「私だって不安を感じることもあるわ…わたしは完璧では無いのだから」
八幡「完璧と言えばお前の姉さんだよな…あの人はこの状況をどう思っているんだろうな」
雪乃「姉さんはこんな状況でも生きていると思うわ…むしろ楽しんでいるのかもしれないわね」
八幡「あの人どんだけだよ…さすがの俺でも引くレベル」
雪乃「ただこんな状況になって分かったことがあるわ」
八幡「なにが分かったんだ?」
雪乃「こんな世界になってしまっても、あなたが隣に居るのなら案外悪くないのかもしれないということね」
八幡「こんな世界にでもならなきゃ俺とは一緒に居たくないってことか?」
雪乃「あなたは相変わらずよね…自分は変わらないと言いながらも、あなたは周りを変えていく」
雪乃「そんなあなただから…わたしは…」
八幡「雪ノ下…」
いろは「せんぱ~い!平塚先生が呼んでますよ~!」
一色の声により俺たちは驚いてしまう 雪ノ下は今なんて言おうとしたのだろうか…
雪乃「比企谷君、一色さんが呼んでいるわ」
一色に腕をひかれながら見た雪ノ下の顔はなんだか寂しそうに見えて、それが俺の頭から離れることはなかった
静「一色、比企谷を連れてきてくれて助かる」
いろは「はい!ではわたしはこれで~」
一色が出ていった後、教室には俺と先生だけになる
八幡「先生、話っていうのは?」
静「君から見てみんなの様子はどう見える?」
八幡「みんな精神的にもしっかりしていますし、問題は無いと思います」
静「全員の精神がこんな状況で安定していられるのは何故だと思う?」
平塚先生は煙草に火をつけながら問いかける
静「君がどんな状況になっても前を向いているからだ、人間は誰かに頼りたい生き物なのだよ」
八幡「俺は…ただ必死に生き延びようとしているだけです」
静「君はみんなの希望になっているということを実感する必要があるよ、君が前を向いているだけでみんなは頑張ろうと思えるんだ」
八幡「……本当になんで先生が結婚できないのか疑問に思いますよ」
俺があと十年早く生まれていたなら、俺は心底この人に惚れていたんだろうな
静「そうだ私は悪くない、悪いのは見る目のない男どものせいだ」
八幡「生きていれば先生にもいい人が現れますよ」
静「だといいのだがな、話は以上だ、今日はもう遅いからな、明日に備えて早く寝たまえ」
八幡「見張りの時間になったら、起こしてください」
俺は教室を出て他のみんなが寝ている教室で横になる 平塚先生の言ったことが頭の中を巡る 俺がみんなの希望になるなんて出来るのだろうか… それでみんなが救えるのなら俺は…
今回も読んでいただきありがとうございます。こんな状況になったらと思うと怖いですよね。
セリフを少し修正しました。