やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第二十七話

俺たちはエレベーターに乗り込み、プラットホームへ移動する

 

優美子「隼人...」

 

姫菜「優美子...大丈夫?」

 

戸部「優美子は隼人君が...」

 

優美子「大丈夫じゃないし...隼人は死んじゃったんだし...」

 

三浦はもの凄く落ち込んでおり、海老名さんが励ましている

 

雪乃「彼は私をかばって鉄筋の資材の下敷きになってしまったわ...」

 

優美子「雪ノ下さんのせいじゃないって事くらいあーしにも分かるし、隼人が自分で行動した結果だし...うぅ」

 

結衣「優美子...」

 

三浦は泣き出してしまった

 

留美「八幡...守ってくれてありがとう」

 

八幡「気にすんな、お前らを守りたかっただけだ」

 

いろは「せんぱいかっこよかったです! 葉山先輩は残念でしたけど、みんなを守ってくれてありがとうございます」

 

八幡「お、おう」

 

いつもあざといこいつが素直なところを見ると動揺してしまう

 

大志「お兄さん、流石っす!」

 

八幡「まあな、てかお兄さんじゃねえ、小町はやらん」

 

津田「あのデカブツを何とか倒せてよかったな」

 

静「それにしてもあの怪物は何が目的だったのか...」

 

平塚先生は腕を組んで考えている

 

いろは「執拗に私たちを狙ってましたよね」

 

八幡「あの怪物は戸塚の名前を言っていました...目標とも」

 

陽乃「code:Genesis計画とも言っていたね...戸塚君と何か関係でもあるのかな?」

 

小町「黒幕とあの怪物は関係がありそうですね〜」

 

沙希「あれを奴らが作ったってんなら、命に対する冒涜だよ」

 

戸塚「僕に一体何があるんだろう...」

 

八幡「何にせよ、戸塚は絶対に渡さない、大事な友達だから...な」

 

戸塚「八幡!」

 

材木座「八幡!我は我は?」

 

八幡「はいはいトモダチダネー」

 

材木座「我の時だけ扱い違くない?」

 

俺たちは地下運搬列車へ乗り込もうとする

 

 

 

 

 

ズン

 

 

 

 

空間が揺れる、俺は嫌な予感がして皆へ声をかける

 

 

 

八幡「皆!列車を早く走らせるんだ!」

 

静「どうしたんだ、比企谷?」

 

結衣「どうしたのヒッキー?」

 

雪乃「比企谷君?」

 

八幡「いいから!言う事を聞け!!」

 

陽乃「だめ!列車に配電するのに時間がかかるよ!この騒ぎで配電が一時ストップしてたの!!」

 

何て事だ...俺たちはすぐにでもここから脱出出来ないと言う事だ

 

 

ズン

 

 

 

沙希「ねえ...何か音がしない?」

 

いろは「確かに...地震ですかねー?」

 

留美「本当に地震...?」

 

 

 

ズン

 

 

 

優美子「この音って...」

 

戸部「なんかヤバそうっしょー、これー」

 

姫菜「まさか...」

 

 

 

 

ガン!

 

 

エレベーターのドアが軋む

 

 

 

陽乃「嘘...だよね?」

 

津田「本当にしつこい野郎だ!」

 

 

 

 

ガン!

 

 

エレベーターのドアが歪み始める

 

 

 

八幡「戦えない奴は列車へ入るんだ!!」

 

 

そして数人が入った時に列車のドアが閉まってしまう

 

プラットホーム内でのアナウンスが入る

 

 

ープラットホーム内での異常を確認、プラットホーム内での異常を確認ー

 

 

ー列車の扉を全て閉めます、問題を確認し安全になり次第出発しますー

 

 

くそ!戸塚や大志は戦えないんだぞ!!

 

 

 

ボガァン!!!

 

エレベーターの扉がこじ開けられる

 

 

 

 

オオオオアアァァァ!!!!

 

 

 

怪物の体はまたもや変化してしまっている

 

二足歩行だった怪物は四足歩行となり、元々の両腕は肩の上へ移動しており前を向いている

 

背中の棘はより一層伸びて、頭側の方へ何本ものトゲが突き出ている

 

弱点だった心臓部は何層もの硬質の皮膜に覆われており、ちょっとやそっとでは貫けそうになかった

 

「最終自己修復プログラム起動、スタンバイ1、2、3、起動完了」

 

怪物からそんな機械音声が発せられる、やはりあの怪物は何か人為的なものなのか⋯⋯?

 

 

ー落石の可能性が考えられるため、掘削機の充電を開始しますー

 

プラットホームからアナウンスが流れる

 

ブオオォォォン

 

何やら充電が始まっているようだが⋯⋯

 

 

陽乃「あれは雪ノ下家御用達の掘削機だよ!!」

 

雪乃「あれであの怪物を粉微塵にするという訳ね!!」

 

静「よし!!掘削機の充電が終わるまでの間なんとか持ち堪えるんだ!!」

 

 

ー充電レベル1ー

 

 

オオオオアアァァァ!!!

 

怪物は肩から生える腕を伸ばして俺たちを潰そうとする

 

八幡「避けろ!!」

 

 

 

ズガァァン!!

 

怪物はより一層巨大化しているためスピードはそれほどでは無いが、破壊力は途轍も無い威力であった

 

プラットホームの床にクレーターが出来てしまったのだ

 

 

材木座「コンクリートの床をこれほど破壊するとは!」

 

小町「直撃したら即死は免れないね!!」

 

 

ー充電レベル2ー

 

津田「援護は任せろ!!」

 

結衣「あたしも加勢するよ!」

 

結衣と津田さんが列車の上に乗り狙撃を開始する

 

八幡「奴の心臓部を狙うんだ!!俺たちは奴の動きを止めるぞ!!」

 

俺と材木座は怪物に少しだけ近寄りショットガンをぶっ放す

 

 

オオオオアアァァァ!!!

 

怪物は背中のトゲを伸ばし、俺たちを突き刺そうとする

 

 

 

 

ボガァン!!

 

 

怪物の背中に爆発が起きる

 

 

陽乃「これは手榴弾だよ!!もしもの時のために置いておいたの!!」

 

雪乃「私も加わるわ!!」

 

雪乃と陽乃さんは手榴弾を投げ込む

 

 

ボガァン!!ボガァン!!

 

しかし、怪物の背中は硬質の皮膜で覆われているため、あまりダメージは通らない

 

 

ー充電レベル3、充電が完了しましたー

 

 

静「よし!!掘削機の充電が完了したぞ!!」

 

雪乃「だめです!!このまま突っ込んでも掘削機を奴に潰されてしまいます!!」

 

 

そうなのだ、掘削機にスピードは出ないため奴の動きを止める必要があるのだ

 

 

そんな時だった

 

 

留美「八幡!!これを使って!!」

 

列車の上から何かが投げ込まれる

 

 

 

それはRPGであった

 

 

八幡「これは!?」

 

 

 

陽乃「実は倉庫で見つけてからみんなに内緒で運んでおいたの♪」

 

まじかよ...

 

結衣「あたしたちが怪物の腕を下げるからその間にそれを撃ち込んで!!」

 

静「私がやろう!これの使い方が分かるのは私だけだろうからな!!」

 

平塚先生はRPGを構える

 

全くハイスペックなアラサーだぜ!

 

八幡「俺は掘削機であいつを粉微塵にします!!」

 

俺は掘削機に乗り込みエンジンをかける、重低音がプラットホーム内に響き渡る

 

陽乃「使い方は私が教えるよ!」

 

陽乃さんも掘削機へ乗り込む

 

結衣と津田さんと材木座と雪乃と戸部は一斉に奴の腕に目掛けて射撃する

 

雪乃「平塚先生!お願いします!!」

 

静「任せたまえ!!」

 

平塚先生は膝をつき、RPGを発射させる

 

 

 

シューーー!!!

 

 

ロケット弾が怪物の心臓部へ目掛けて飛んで行く

 

 

ボゴォォォォオン!!!!

 

見事にRPGが炸裂した

 

 

 

戸部「よっしゃー!!」

 

 

 

オオオオアアァァァ!!!

 

怪物が悲鳴をあげる

 

 

陽乃「比企谷君!!お願い!!」

 

八幡「了解です!!」

 

俺は掘削機の操縦レバーを下げ、掘削機を進める

 

 

オオオオアアァァァ!!!

 

 

怪物は掘削機を巨大な両腕で抑えるが、ダメージがあるらしく全力を出せていない

 

 

八幡「この死に損ないがぁぁぁあ!!!」

 

俺はエンジンを全開にする

 

結衣「いけーー!!ヒッキーーー!!」

 

雪乃「比企谷君!!お願い!!」

 

沙希「やっちまいな!!」

 

小町「お兄ちゃん根性見せろーー!!」

 

留美「八幡!!」

 

陽乃「比企谷君ならできるよ!!」

 

 

 

 

ギャギャギャギャギャ!!!!

 

掘削機は騒音を鳴り響かせながら、怪物の肉を粉微塵にしていく

 

 

 

オオオオアアァァァ!!!

 

怪物の抵抗も虚しく、掘削機は肉を削り取っていく

 

 

ギャルギャルギャルギャル!!!

 

掘削機をが動作を止めたと同時に怪物は見る影も無くなっていた

 

結衣「ヒッキーーー!!やったね!!」

 

雪乃「比企谷君!!」

 

小町「お兄ちゃん!!かっこよかったよ!!」

 

陽乃「比企谷君はやっぱりやる漢だね!!」

 

俺は掘削機から降りた後、こいつらに抱きつかれる

 

八幡「お前ら苦しいって...」

 

 

津田「やったな!比企谷君!」

 

静「これで怪物とはおさらばだな」

 

 

ープラットホーム内の安全を確認しました、列車内全ての扉を開きますー

 

 

 

アナウンスが鳴り列車の中の奴らが出てくる

 

優美子「ヒキオ!やったし!!」

 

留美「八幡!!やっぱりだいすき!!」

 

いろは「せんぱーい!!」

 

留美と一色が俺に駆け寄って、飛び込んでくる

 

戸塚「八幡!!やったね!!」

 

八幡「ああ!!」

 

俺と戸塚はハイタッチをする

 

 

陽乃「じゃあ皆、列車に乗り込もうか、すぐにでも出発しよう?」

 

静「やっと脱出できるんだな...長い戦いだった...」

 

八幡「ああ、やっと...」

 

 

 

するとプラットホームに声が響く

 

 

 

???「本当に凄いね君は、まさかこんなことになるなんて」

 

俺たちは謎の声に振り向く

 

八幡「お、お前...生きてたのか!?」

 

あいつは生きていた、だが何か様子がおかしい

 

???「本当に驚いたよ、Ruinousは倒されてしまったしね」

 

???「でも良いんだ、全ては思い出したから」

 

 

 

ーcode:Genesis計画を....ー


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