やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

28 / 30
第二十六話

俺たちは地下運搬列車に武器を運び込んだ後、雪ノ下邸で間食を頂いていた、これは雪ノ下家の使用人の方々が俺たちのために作ってくれていたものだ

 

陽乃「うーん、やっぱりテレビは同じことばかり報道してるねー」

 

そうなのだ、実は総武放送があの放送をした後、爆撃の一日前まで報道を続けると言っていた

 

結衣「この人たちも早く逃げないと危ないのに...」

 

どうやら総武放送の人たちは、ギリギリまで放送を見ていない人のために報道をするらしく、その努力のおかげで沢山の人が脱出しようと思っているだろう

 

静「爆撃となると...米軍基地は機能しているということだろうか?」

 

陽乃「部隊がどこから来るのかは分からないど、爆撃するだけの余裕があるってことはある程度安全が確保されてないと出来ないと思うなー」

 

沙希 「とにかく爆撃なんて絶対に認められないよ、どれだけの人が死ぬと思ってるんだか」

 

いろは「それに本当に爆撃して、日本が取り戻せるんですかねー?」

 

それは俺も疑問に思っていたことだ、奴らの多い地域を爆撃したとしても、自衛隊が機能していないことに変わりは無い、爆撃する以外の場所にも奴らはいるのだから実質的に脅威度はあまり変わっていないのでは無いかと思う

 

 

 

 

そんな時だった、使用人の方々が慌てて俺たちの元へ駆け寄ってくる

 

「陽乃様!雪乃様!ご報告がございます!!」

 

陽乃「何があったの?」

 

「現在、雪ノ下家正門前にて謎のクリーチャーを確認致しました!!」

 

「使用人共がクリーチャーの討伐へ向かっております!!」

 

「クリーチャーの体長はおよそ3mで、人型をしております!!」

 

八幡「あの怪物野郎...生きてやがったのか...」

 

結衣「そんな!!あたしがあの時倒したはずなのに!?」

 

雪乃「とどめが浅かったのかしらね...」

 

全員が戦慄する

 

「続報です!!クリーチャーが正門を突破しようとしているとの事です!!」

 

戸塚「あの怪物は体の心臓部が弱点なんです!!それを伝えてください!!」

 

陽乃「あの鋼鉄製の門を突破しようとするなんて相当だね...皆そんなのと戦ったの??」

 

本当によく生き延びられたと自分でも思う

 

八幡「そうですね、俺たちのファンみたいなもんです!!」

 

静「我々は先に倉庫へ向かい、列車へ乗り込むぞ!!あの怪物もあそこまでは来れないはずだ!!」

 

沙希「刺客の登場って訳かい...」

 

材木座「者ども!武器を持つ事を忘れるなよ!」

 

葉山「あの怪物は一体...」

 

俺たちは荷物運搬用倉庫へ急いで行き、辿り着くと使用人の方から連絡が入った

 

「クリーチャーが正門を突破しました!!使用人の部隊はほぼ壊滅状態だそうです!!」

 

なんてことだろうか、あの怪物は沢山の銃を持った使用人たちの部隊を突破したのか⋯⋯!?

 

陽乃「全員、すぐにエレベーターへ乗り込むよ!!急いで!!」

 

俺たちは倉庫へ入り、鋼鉄製の扉を閉める

 

 

 

ドッドッドッド

 

 

外から足音が聞こえてくる

 

 

小町「エレベーターを呼びました!!もうすぐ来ます!!」

 

 

 

ドゴォン!

 

京華「ひっ!」

 

 

倉庫の扉に衝撃が走る、鋼鉄製の扉は歪んでしまっており、あと何発か衝撃を加えられると壊れてしまいそうだった

 

静「全員、銃を持つんだ!!エレベーターを待っている時間は無い!!時間を稼ぐんだ!!」

 

俺たちは銃を構えて、怪物を待ち構える

 

 

 

ドゴォン!!

 

 

 

優美子「あーしたち殺されちゃうのかな...?」

 

結衣「そんなこと言わないで!!生き残るの!!」

 

 

 

ズガァン!!!

 

あと一発もらったら壊れてしまいそうだ

 

 

八幡「エレベーターが来るまで持ち堪えるんだ!!戦えない奴は後ろへ下がれ!!」

 

 

 

 

 

ズガァァァン!!!!

 

鋼鉄製の扉は壊され、怪物が中へ入る

 

怪物の見た目は以前見た時よりも変化してした

 

体長はそのままだが、腰の辺りから新たな腕が二本生えている、その腕は拳が肥大化しており鋭い爪を生やしていた

 

そして背中のトゲのようなものは一層長くなっている

 

そして弱点だったはずの心臓部は硬質化した組織に覆われてしまっていた

 

 

 

「Ruinousは目標、"トツカサイカ"を確認、code:Genesisを遂行せよ」

 

 

戸塚!?戸塚だと!?なんで戸塚の名前が出て来るんだ!!

 

八幡「あの怪物は戸塚を狙っている!!奴から戸塚を守るんだ!!」

 

戸塚「八幡!!」

 

八幡「心配すんじゃねぇ!俺たちが守ってやるからな!!」

 

 

怪物は歩きながら戸塚の元へ迫る

 

静「戦える者はあの怪物をエレベーターが来るまでの間足止めするんだ!!」

 

材木座「我に任せるのだ!!」

 

葉山「他のみんなは下がるんだ!」

 

戸部「一丁やってやるぜ!」

 

津田「俺もあのデカブツをぶっ殺したい気分なんだ」

 

雪乃「私も加わるわ!!」

 

陽乃「私も忘れてもらっちゃ困るよ」

 

結衣「みんな援護するよ!!」

 

八幡「戸塚は渡さねえ!!」

 

 

俺と材木座は一気に加速し怪物の元へ迫る

 

材木座「我は右足をやる!貴様は左だ!」

 

八幡「おう!!」

 

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

俺と材木座は二手に分かれ、怪物の足へショットガンを喰らわせる

 

 

 

オオオオアアァァ!!!!

 

怪物は触手の生えている右手で材木座を薙ぎ払う

 

材木座「ぐべらぁぁ!!」

 

材木座は後方へ吹き飛ばされてしまう

 

いろは「厨二先輩が!!」

 

しかし、材木座はメイスを持ちながら、立ち上がる、運良くマットなどの緩衝材があったがあれが無かったら即死だったかもしれないが⋯⋯!?

 

材木座「我をなめるなぁぁ!!」

 

沙希「あいつ!あの一瞬で攻撃をメイスで防いだっていうのかい!?」

 

留美「八幡!!」

 

そうしている間にも怪物の斧の左手が俺を襲う

 

八幡「うおおおお!!」

 

反応が遅れた!このままじゃ避けれない!!

 

結衣「ヒッキーー!!」

 

 

パン!!

 

結衣の撃ち込んだ弾丸が斧を弾く

 

俺はその隙に後方へ退避する

 

八幡「すまん!助かった!!」

 

結衣「ヒッキー、油断しないでよね!」

 

津田「前を見ろ!!奴が来るぞ!!」

 

 

怪物が腕を振り上げ走りながら、こちらへ突進してくる

 

 

ドッドッドッドッドッ

 

 

静「全員、避けろ!!」

 

しかし、小町の反応が遅れてしまう

 

八幡「小町ーーーー!!!」

 

俺は小町を押し倒して、奴の攻撃線から小町を外す

 

八幡「大丈夫か!?小町!!」

 

小町「うぐっ!腰を打ったけどなんとか大丈夫...」

 

八幡「ぼーっとしてんじゃねぇ!死ぬかもしれなかったんだぞ!」

 

小町「あはは...小町たちはやっぱり兄妹なんだね...」

 

こんなところで大事な小町を失うわけにはいかない!

 

いろは「せんぱい!小町ちゃん!!」

 

陽乃「ぼけっとしない!来るよ!」

 

陽乃さんはアサルトライフルを怪物へ撃ち込み続ける

 

静「全く、悪夢だな!!」

 

平塚先生はボウガンを撃ち込む

 

葉山「くそっ!」

 

戸部「こいつマジでねぇって!!」

 

葉山と戸部はサブマシンガンを撃ち込み続ける

 

雪乃「一旦距離を取るわ!体勢を立て直すのよ!!」

 

雪乃はベレッタM92を撃ちながら怪物から距離を取る

 

津田「デカブツの心臓部を狙え!!」

 

津田さんはライフルを撃ち込む

 

 

オオオオアアアァァ!!!

 

 

怪物がいきなり飛び上がったかと思うと、天井の鉄筋の資材を下へ落とそうとする

 

 

まずい!鉄筋の下には雪乃がいる!!このままじゃ下敷きになっちまう!!

 

 

葉山「雪乃ちゃん!危ない!!」

 

近くにいた葉山が雪乃を突き飛ばす

 

雪乃「っ!葉山君!!」

 

鉄筋の資材が葉山の元へと迫る

 

 

ーのーーはーしいーーへとーまーーわー、ーーなーーはーのーーにーーすーーだ

 

葉山「ああ...そうだったんだ」

 

葉山「俺は...」

 

 

 

ゴガアァァン!!!

 

 

鉄筋の資材が葉山の元へ降り注ぐ、葉山は下敷きにされてしまい、潰されたところからは血が滲み出してしまっていた

 

戸塚「葉山君!」

 

雪乃「葉山君...」

 

雪乃は鉄筋の資材の横で座り込んでしまっている

 

 

優美子「隼人ーーーー!!!」

 

三浦が葉山だったものの元へ向かおうとする

 

いろは「行っちゃダメです!!危険です!!」

 

姫菜「優美子!」

 

優美子「離して!!隼人が!隼人がぁ!!」

 

 

俺は唇を噛む、血の味が口の中へ広がるがそんな事は気にしない

 

 

 

俺たちは葉山隼人を失ってしまったのだ

 

 

八幡「陽乃さん!あのデクノボウの胸部をショットガンとアサルトライフルでこじ開けます!!」

 

陽乃「比企谷君と初めての共同作業だね!!」

 

八幡「結衣と津田さんはこじ開けた心臓部を狙撃するんだ!!」

 

津田「了解!」

 

結衣「任せて!!」

 

俺と陽乃さんは怪物の元へ走る

 

静「比企谷!陽乃!私と戸部と材木座が二人を上に上げるぞ!」

 

材木座「あい分かったぁ!!」

 

戸部「気合い入れんぞ!デブ!」

 

俺と陽乃さんは三人を踏み台にして、怪物の胸部へ迫る

 

「障害を排除せよ」

 

怪物が脇腹の腕で俺たちをなぎ払おうとする

 

パン!パン!

 

雪乃「比企谷君と姉さんの邪魔はさせないわ」

 

雪乃が援護射撃をしてくれたおかけで胸部が空く

 

陽乃「行くよ比企谷君!」

 

八幡「はい!」

 

 

ババババババババ!!!

 

ドン!ドン!ドン!

 

 

「オオオオアアアアァァァ!!!」

 

怪物の心臓部の硬質層が剥がれかける

 

八幡「今だーーーー!!!」

 

結衣と津田さんは同時に引き金を引く

 

ライフルから放たれた弾丸は真っ直ぐに怪物の心臓へと向かう

 

そして二発が同時に怪物の心臓を貫いた

 

撃ち抜かれた怪物は力なく膝をつく

 

怪物の体から真紅に染められたそれは空を舞っているように思える

 

怪物は地に沈んだ、残るのは虚しさだけ

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

エレベーターが到着する

 

永遠にも思えた戦いの時間は幕を閉じた

 

陽乃「みんな...行こうか」

 

全員は重苦しい雰囲気でエレベーターへ乗り込む

 

 

 

俺たちは仲間であった葉山隼人を失ってしまったのだ、その事実が全員へ重くのしかかる

 

 

戸塚「僕が...僕が狙われてたから...」

 

戸塚は呟く、誰も反応はしない

 

八幡「お前のせいじゃない...誰のせいでも無いんだ...」

 

俺たちは葉山隼人を後にしてプラットホームへと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

「俺は...」

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

「そうだ...」

 

ドクンッ!ドクンッ!

 

「平和のために...」

 

 

Ruinousの血液が鉄筋の下敷きになってる葉山の口元へと流れていく

 

 

 

オペレーション

 

code:Genesis

 

この世界は新しい世界へと生まれ変わり、新たな人類はこの世界に君臨するのだ




バイオハザードRe2やりたい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。