やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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完結させます。


第二十三話

陽乃さんによって一騒動起きた朝の後、俺はトレーニングルームで鍛錬を積んでいる

俺たちは雪ノ下邸でそれぞれの時間を過ごしていた

 

八幡「フッ!ハッ!」

 

俺は陽乃さんの使用人から借りたサンドバッグに拳打を放つ

 

これはこうなる前には日課で行っていたことだ、ここしばらく出来ていなかったので久しぶりに体を鍛えることにしたのだ

 

八幡「ふーっ、こんなもんかな」

 

俺は体を休めて、ベッドに腰掛けながら水分を取る

 

これではダメなのだ、あのような怪物も出てきたことや、もっと強力な奴らが出てきては皆を護ることが出来ない

 

俺はもっと強さを身に付けなければいけないのだから

 

すると誰かが扉をノックする

 

八幡「開いているぞ」

 

ガチャ

 

葉山「失礼するよ」

 

葉山が俺の元を訪ねるとは珍しいこともあるもんだな

 

八幡「何か用か?」

 

葉山「ああ、実は聞いてもらいたいことがあるんだ」

 

葉山が話し始める

 

葉山「陽乃さんが言っていたcode:Genesis計画というものだが、俺はどこかで聞いたことがあるような気がするんだ」

 

八幡「なんだと...?」

 

葉山がcode:Genesis計画を聞いたことがある...?この計画がどんなものかも分かっていないのに

 

葉山「たまに、頭の中に聞こえてくるんだ、code:Genesis計画っていうのもなんだかしっくり来るような気がするんだ」

 

八幡「しっくりくるねぇ...どうしてこの話を俺に?」

 

葉山「比企谷なら何とかして謎を解いてくれるような気がしたから、ただそれだけだよ」

 

葉山は俺に背を向け部屋から出て行こうとする

 

葉山「俺はこの世界の平和を願っているんだよ」

 

八幡「ああ、俺もこの世界の平和を願ってる」

 

葉山は部屋から退出する

 

 

俺は昼食を頂くべく食堂へ向かうと陽乃さんと出会う

 

陽乃「ひゃっはろー、比企谷君」

 

陽乃さんに笑みがこぼれる、どうやら彼女は少しずつ仮面が取れてきているようだ

 

八幡「こんにちは陽乃さん、そういえば聞きたかったことがあるんですが良いですか?」

 

陽乃「うん、何かな?」

 

八幡「陽乃さんは雪乃がこの家に来た時、全然驚いてませんでしたよね?まるで無事なのが分かっていたかのような」

 

陽乃「比企谷君はやっぱりすごいね、なんでもお見通しなんだ」

 

八幡「なんでもってことはありませんよ」

 

陽乃「そうだよ、雪乃ちゃんにはGPSが付いているの、家に向かっていれば生きているんだって分かったからね」

 

八幡「なるほど、そういうことでしたか」

 

陽乃「私正直に言ったよ?だからご褒美ちょうだい♪」

 

八幡「はいはい」

 

陽乃さんが抱きついてくる、そう言ってにやにやしている陽乃さんはいつにも増して綺麗だった。

 

俺は陽乃さんの頭を撫でながら食堂へ向かう、陽乃さんはとても幸せそうな表情をしていたのを俺は忘れないだろう

 

俺たちが二人で食堂に着いた時、一悶着あったのだが、それは別の話

 

雪乃「全員に話があるのだけれど、良いかしら?」

 

食事を終えた俺たちは雪乃の言葉に耳を貸す

 

静「何かね、雪ノ下?」

 

雪乃「実は今日午後1時に、総武放送で日本政府がある発表をするようなの」

 

雪乃はどうやら情報を仕入れていたみたいだ

 

いろは「そうなんですかー、一体何を言うんですかねー?」

 

結衣「なんだろー、救助の知らせとかかな!?」

 

優美子「救助だったらあーしたち助かるかもしれないし!」

 

戸部「優美子それあるわー!」

 

津田「どちらにせよ、情報が入るというのは良いことだな」

 

戸塚「それとも自衛隊が奴らを全員倒しちゃうって話かもしれないね!」

 

留美「奴らがいなくなったら平和になる」

 

大志「平和になったら今までどうりに戻る日も遠くないってことっすね!」

 

京華「わーい!」

 

沙希「そうだったら良いんだけどね」

 

材木座「ムハハハハ!!ついに平和が訪れるという訳だな!」

 

小町「やったよ、お兄ちゃん!小町たちの兄妹ライフが戻ってくるんだよ!赤飯だよ!」

 

小町よ⋯⋯ 赤飯は違うのではないかと思う

 

本当にそうなのだろうか、救助の知らせが入るならもっとこの事件が起きてすぐに発表されていないとおかしい

 

日本政府と言えば、アメリカへの救助の要請はどうなったのだろうか、自衛隊があまり機能していない今、奴らを殲滅するとしても米軍の協力は不可欠になると思う

 

現在被害地域の隔離を成功しているアメリカへ救助されるということだろうか?

 

いや違う、日本の生き残りの全員をアメリカへ移動させる訳がないし、そんなことは不可能だろう

 

そんなに大量の人間を移動させてしまっては、きっと感染を防ぐことは難しい、一人でも感染した人間が紛れ込んでいれば酷い事になる

 

陽乃「あ!そろそろ放送が始まるよ!」

 

俺たちはテレビに注目する

 

 

『こちらは総武放送です、全国放送でお送りしております、現在内閣府から新しい情報の通達を受けました、今から国民の皆さんの前で読み上げたいと思います』

 

八幡「いよいよだな...」

 

『国民の皆さん、私は内閣総理大臣です、これは我々が臨時国会を開き、アメリカ大統領と会談を行った結果決まったものです』

 

『この度の暴動で自衛隊は機能しなくなっております、このままでは日本の未来は無いにも等しい状態であります、そこで日本政府は首都を移転することを決定しました』

 

姫菜「危なくなってきたってことなんだね...」

 

『我々はアメリカ大統領と会談し、3日後に人口の多い、東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、兵庫、福岡を米軍の協力の元、爆撃を開始する事になりました、国民の皆様は速やかにそこから脱出してください、繰り返します...』

 

俺たち全員に戦慄が走る

 

いろは「こんなことって...」

 

結衣「そんな!そこに避難してる人たちだっているのに!!」

 

戸部「そこから動けない人たちだっているっしょ⋯⋯」

 

いやそれよりも問題なのは⋯⋯

 

沙希「千葉って...私たちも含まれてんじゃないか!」

 

静「本格的にまずい状況になってしまったようだな...」

 

 

どうやら俺の予想は当たってしまったらしい、俺の愛すべき故郷である千葉は爆撃により更地になってしまうだろう

 

 

国を守るために国土を爆撃するなんてお笑い草も良いところだ

 

 

 

手に入れた平安は長くは続かない

 

 

俺たちは3日後までに脱出の準備をしなければならなくなったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二フェイズに移行しました、これより"Ruinous"の再起動を開始します

 

 

 

再起動まで残り2日ほど待機

 

 

 

code:Genesisを遂行せよ

 

 

 

この世界は新しい世界へと生まれ変わり、新たな人類はこの世界に君臨するのだ

 

それと同時になにやら不穏な動きがあるのを八幡たちは知らない


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