やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第二十話

 

 

陽乃「やあやあ、比企谷君に雪乃ちゃん、久しぶりだねー、なんか雰囲気変わったねー!お姉さんそっちの方が好きだぞ♪」

 

雪ノ下さんは俺たちに迎えのバンを数台寄越してくれて、今俺と雪ノ下と雪ノ下さんと由比ヶ浜、小町で1つのバンに乗って私有地を走らせている

 

八幡「雪ノ下さん、聞きたいことがあるんですが良いですか?」

 

陽乃「だめだぞー、私の事は陽乃って呼んでね?」

 

八幡「雪ノし「陽乃」...陽乃さん」

 

陽乃「何かなー比企谷君、お姉さん何でも答えちゃう!」

 

陽乃「あ!でもエッチなことはだめだぞ♪」

 

俺は陽乃さんにペースを握られてしまう、この人は相変わらず食えない人なのだ

 

雪乃「比企谷君、なぜ姉さんは名前で呼んで、私は名字なのかしら?」

 

結衣「そうだよヒッキー!!あたしも名前で呼んで欲しい!!」

 

二人が猛抗議する

 

小町「ほほーん、これは面白くなって参りました!!」

 

お前は自重しろ

 

八幡「はぁ...分かったよ、雪乃」

 

雪乃「何かしら?」

 

雪乃はいつもでは考えられないような優しい微笑みをする

 

八幡「結衣」

 

結衣「何かな?」

 

結衣はもの凄い笑顔だ

 

陽乃「二人ともなんか雰囲気変わったねー!これは大人の階段を登っちゃったのかな!お姉さん妬いちゃうな〜」

 

雪乃「大人の...」

 

結衣「階段...」

 

陽乃さんは俺たちの雰囲気が変わっている事を分かった上でこの質問をしているのだ

 

二人の顔が真っ赤に染まる

 

俺の顔も赤くなる

 

小町「ええのう、ええのう、若いのう!!」

 

小町はニヤニヤしている、お前どんなキャラだ

 

八幡「茶化すのはやめてください、俺たちは避難所でマニュアルを見ました、陽乃さんも知っていたんでしょう?」

 

陽乃「そっかー、あれを見ちゃったかー、だから本家に来たんだね〜」

 

陽乃さんはうんうんと頷く

 

陽乃「その話は全員が集まった時にしようか、その時に答えるよ」

 

陽乃さんは真顔で返答する

 

陽乃「ほら、もう着いたみたいだよ、降りてお風呂に入って食事にしよー!」

 

雪乃「そうね、まずは体を休めないといけないわね」

 

八幡「雪ノ下家は電気が使えるんですね」

 

陽乃「そうだよ、雪ノ下建設御用達の発電設備だよん♪」

 

小町「使用人の人たちは全員ここにいるんですか?」

 

陽乃「違うよ、使用人達は家族の元へ行った人もいるね」

 

結衣「ゆきのんのご両親は家にいらっしゃるんですか?」

 

陽乃さんは黙り込む

 

陽乃「お父さんとお母さんはね...この騒ぎが起きてから家に戻っていないの、私はたまたま家にいて使用人達と家を封鎖したから無事だったんだ、その後は家の周辺でいろいろやったりとかかな」

 

結衣「そうなんですか...ゆきのん...」

 

雪乃「そうなのね...お母様とお父様は...」

 

陽乃「きっと無事だと思うな、あの人たちがそんな簡単にやられるタマじゃないと思うしね」

 

俺たちがバンを降りると、葉山たちがバンから降りてこちらにやって来た

 

葉山「久しぶりだね、陽乃さん」

 

陽乃「久しぶり、隼人もなんか変わった気がするなー、前よりはマシになったかも」

 

葉山「そうか...」

 

陽乃「静ちゃんも元気そうだね、良い人見つかった?」

 

静「陽乃も相変わらずだな、それは余計なお節介だよ...」

 

平塚先生のテンションが一気に下がる

 

陽乃「みんな入って入って!おもてなしするよ〜」

 

俺たちは雪ノ下家の玄関ホールへ入る、玄関ホールは二階への階段が中央から伸びており、天井には巨大なシャンデリアが佇んでいた

 

いろは「すごいです...」

 

材木座「まるで城のようだな!!」

 

優美子「あーしこんなの初めて見たし...」

 

戸部「あの電球でけえぇ!!」

 

姫菜「戸部っちあれシャンデリアだし...」

 

留美「すごい...」

 

小町「ほえー小町ビックリ」

 

静「これほどとはな...」

 

陽乃「こちらの方はどちら様?」

 

陽乃さんが津田さんに向けて話かける

 

八幡「こちらは津田さん、俺たちのピンチを何度も助けてくれたんだ」

 

津田「津田です、昔傭兵として働いていました」

 

陽乃さんは津田さんをじっくりと見る

 

陽乃「ありがとうございます、うちの雪乃ちゃんを助けてくださったんですね」

 

陽乃さんは強化外骨格をフル活用して挨拶する

 

津田「いえ...当然の事をしたまでですよ」

 

津田さんも頭を下げる

 

陽乃「では皆さんお先にお風呂に入ってくだいね!」

 

陽乃さんは全員をホールへと招く

 

八幡「津田さんから見て陽乃さんはどう思いますか?」

 

俺はこっそりと津田さんに話しかける

 

津田「彼女は素の顔を見せないようにしているね...幾重にも仮面に仮面を重ねているような...そんな感じがするよ」

 

津田「あまり深くまでは詮索したいとは思えないね...」

 

俺は津田さんの言葉を聞いて考える

 

俺の雪ノ下陽乃への評価は強化外骨格を持ち、それを操る魔王である

 

雪ノ下陽乃という人物に出会った人間は大抵はその本質に気づかない、そして本質に気付いた人間は怯えるか関わらないようにすると思う

 

津田さんも雪ノ下陽乃の本質を見抜いたが、あまり深く詮索したくないと言っていた事からもそれは本当なのであろう

 

陽乃「あ!川崎沙希ちゃんだっけ?君に良い知らせがあるよ」

 

沙希「え、私ですか...?」

 

すると食堂の方からある声が聞こえてくる

 

「姉ちゃん!!」「さーちゃん!!」

 

沙希「大志...!けーちゃん...!」

 

そこに居たのは川崎大志と川崎京華であった

 

川崎は二人の元へ駆け寄る

 

沙希「あんたたち無事だったんだね...!良かった...本当に良かった...」

 

川崎は二人を抱きしめながら涙を流す

 

陽乃「うんうん、感動の再会だねー」

 

結衣「あたしも涙が出てきちゃった」

 

小町「大志くん無事だったんだね!」

 

大志「比企谷さん久しぶり!お兄さんも!」

 

八幡「俺はお前の兄貴になった覚えはねえ、小町はやらねえぞ」

 

沙希「あんた、大志がダメな男だって言うの?」

 

俺は川崎に顔を鷲掴みにされる

 

痛い痛い!

 

京華「あ!はーちゃんだ!!」

 

けーちゃんが俺の元へ駆け寄り抱きついてくる

 

八幡「おー、久しぶりだなけーちゃん、元気だったか?」

 

京華「うん!京華元気だよ!」

 

八幡「良かったな」

 

俺はけーちゃんの頭を撫でる

 

沙希「あの...二人を助けてくれてありがとうございました!」

 

川崎が陽乃さんへ頭を下げる

 

陽乃「いいよ、いいよー、家の使用人たちが街に物資を集めに行った時に助けただけだから〜」

 

大志「俺たちは奴らに追われているところを陽乃さんの使用人さん達に助けてもらったっす、でも、母さんと父さんは俺たちを逃すために...」

 

沙希「それでも私はあんた達が生きていてくれた事が何よりも嬉しいんだ、お母さんとお父さんに感謝しないといけないよ...」

 

八幡「お前は漢だよ、京華を護って川崎に無事会わせる事が出来たんだ」

 

八幡「川崎も生き延びてりゃ、絶対に希望は見えてくるって言ったろ?お前が諦めなかったからこいつらに会う事が出来たんだ」

 

沙希「そうだね...ありがとう比企谷、あんたのおかげだよ」

 

川崎はいつものキツい表情とは違う、柔和な微笑みを向ける

 

八幡「おう」

 

川崎は生き延びる事を選び、大志や京華と再会することを望んだ、その結果あいつらはまた会う事が出来た、俺は諦めずに希望を叶えたこいつらを見て嬉しく思う

 

静「では、話がひと段落したところで我々も浴場へ向かおう」

 

女子は女風呂へ、男子は男風呂へと向かう

 

 

八幡「戸塚と一緒に風呂かぁ...、鼻血出るかもしれん」

 

戸塚「八幡...恥ずかしいからあんまり見ないでね??」

 

 

 

俺は戸塚の裸を見るのを楽しみにしながらも風呂へ向かうのだった

 

 


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