やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第十九話

八幡たちに無線を送った一色たちはその頃何があったか

 

静「この奴らに囲まれた状態では身動きが思うように取れんな」

 

平塚先生は煙草を吸い始める

 

いろは「せんぱいに無線で連絡しました!今から助けに来てくれるそうです!」

 

小町「さすが小町のお兄ちゃんだね!」

 

葉山「くっ」

 

ーのーーはーしーーーへーーーーーわー、ーーーーーはーーーーーーーーるーだ

 

葉山「(一体何なんだこれは...)」

 

葉山「今は比企谷たちに任せるしかないな」

 

沙希「赤色の彩煙弾を持っていて良かったよ、これが無かったら詰んでるところだね」

 

姫菜「ほんとだよね...比企谷君には感謝しないと」

 

留美「八幡なら...ちゃんと助けてくれると思う」

 

戸部「それあるわー!ヒキタニ君肝心な時はやる男だっしょ!!」

 

優美子「ヒキオは優しい奴だし」

 

戸塚「八幡...危なくなったら逃げていいんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは物陰から奴らに囲まれたマイクロバスを見る

 

八幡「これ...どうすっかなぁ......」

 

俺はどうするべきか悩んでいた

 

結衣「バスに凄い群がっちゃってるよね...どうしてこんなに集まっているんだろう...」

 

結衣「しかも後ろの方に...」

 

由比ヶ浜は首を傾げる

 

雪乃「確かにそうね...いくら音を立てたからってこんなに集まるものなのかしら...」

 

俺は今までの奴らの習性から何が原因かを洗いざらい考え出す

 

材木座「奴らは音以外に何か反応するものは無いのか?」

 

津田「俺はあまり深く考えていなかったな...避難所の皆を奴らから守ることに必死だったからな」

 

八幡「音以外だって...?」

 

視覚が原因か...?

 

違う、奴らは雑巾の音に反応していた、その事から考えて奴らに目は見えていない

 

臭いか原因か...?

 

違う、俺たちがここまで接近していて気づかれていない、そのこと事から奴らは臭いを感じ取ることは出来ないだろう

 

何かマイクロバスに集まる理由がある筈だ...

 

雪乃「もしかしたら...何か未知の物に反応しているのでは無いかしら...?」

 

雪ノ下の言ったことから俺はある事に気が付く

 

今までには無くて、今ある物は...

 

 

そうか!

 

 

八幡「分かったぞ!こんな事になっている原因が!」

 

結衣「ヒッキー、原因って...?」

 

雪乃「比企谷君、教えて貰えるかしら?」

 

八幡「今までに無くて、今ある物...」

 

 

八幡「それは怪物の触手だ!」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

雪ノ下の言った未知の物...音以外に反応する...後ろの方へ多く集まっている...今までに無くて、今ある物...

 

それは全ての条件に当てはまる!!

 

材木座「そうか!怪物が最後に投げた触手が奴らの集まる原因になっていると言うのだな?」

 

八幡「ああ...それなら俺たちのするべき事は決まってくるな」

 

八幡「奴らを倒しながら触手を取り外すか、人間と触手の優先順位を確認する事だ」

 

津田「もし人間の優先順位が低かったら...みんなをバスから誘導できる...!」

 

八幡「今から実験をします、他の人は控えておいて下さい」

 

結衣「ヒッキー大丈夫なの...?」

 

雪乃「比企谷君、あなたまた...」

 

八幡「勘違いしないでくれ、これからやる事は俺独りでやる事じゃない」

 

八幡「お前らにも手伝って欲しいことがある」

 

俺は全員へ作戦を説明し、行動に移した

 

 

 

マイクロバスの中の視点では

 

静「比企谷たちはもうとっくに着いている筈なんだが...」

 

優美子「あーしたち見捨てられた、なんて事は無いよね...?」

 

葉山「比企谷...」

 

戸塚「八幡はそんなことしないよ!」

 

すると外から声が聞こえてくる

 

「こっちだ!こっちに美味しい肉があるぞ!」

 

いろは「この声...せんぱいです!」

 

小町「お兄ちゃんが助けに来てくたんだ!」

 

静「全員上の窓から様子を見るぞ!」

 

一行はマイクロバスの上へ上がる

 

沙希「比企谷!あんた何やってんだい!?」

 

八幡がバスの前方からバールで奴らを倒しながら叫んでいた

 

八幡「おらどうした!食えるもんなら食ってみやがれ!!」

 

留美「八幡!」

 

八幡「お前ら喋んじゃねえ!脱出出来そうになったらバスから降りろ!」

 

マイクロバスの前方にいた奴らは八幡へ向かっていく、だが、後方の奴らは八幡の声に反応していないように見えた

 

結衣「ヒッキー!バスの前方の奴らは少なくなって来たよ!」

 

由比ヶ浜が木の上から奴らを狙撃する、由比ヶ浜のAR10にはサイレンサーが着いており、音を最小限にすることが出来た

 

その八幡たちの後方では材木座、津田らが森から八幡の声に呼び寄せられて来た奴らを倒していた

 

八幡「今だお前ら!荷物持ってすぐにバスから脱出しろ!」

 

いろは「分かりました、せんぱい!」

 

マイクロバスの前方から続々と皆が降りてくる

 

小町「留美ちゃん!私が最後に降りるから先に降りて!」

 

留美「う...うん!」

 

留美がバスから降りると足を滑らせて着地に失敗してしまう

 

その近くにいた奴らが留美へ迫る

 

オオオオアアァァァ

 

留美「い、嫌!」

 

一体の奴らが留美へ覆い被さろうとした時だった

 

八幡「この腐肉野郎どもがぁぁ!!」

 

俺の投げたバールは円を描きながら、奴らの頭へ突き刺さる

 

留美「八幡!!」

 

留美が八幡へ抱きつく

 

八幡「大丈夫か留美!!噛まれて無いか!?」

 

留美「大丈夫だよ!八幡が助けてくれたから!」

 

小町「お兄ちゃん!バールを!」

 

俺は小町から投げられたバールを受け取る

 

静「全員雪ノ下家へ向かうぞ!今なら奴らはバスの後方へ群がっている!」

 

八幡「はい!」

 

俺たちはバスを後にして雪ノ下家を目指し始めた

 

 

 

 

今俺たちは雪ノ下家の門の前に居る

 

 

雪ノ下家の門は4m近くの鋼鉄製で出来ていた、雪ノ下家を覆う柵も鋼鉄製のようでこれでは奴らは入れそうに無かった

 

門の奥には私有地が広がっている

 

結衣「ゆきのんちって凄い...」

 

由比ヶ浜が感嘆の声を上げていた

 

静「こんなに金持ちなら、酒や煙草、車に買いたい放題では無いか!羨ましい!」

 

平塚先生が戦慄している

 

優美子「雪ノ下さんちって凄い金持ちだったんだし...」

 

姫菜「これが本物の金持ちなんだね...」

 

戸部「凄え...要塞みてえ!」

 

戸部がはしゃぐ

 

雪乃「この家が物心ついてから、明らかにおかしいという事に気がついたわ...」

 

葉山「雪ノ下家は建設会社を運営しているからね、本家がこうなるのも無理ないと思う」

 

戸塚「雪ノ下さんってご令嬢さんだったんだね!」

 

沙希「大志と京華にも見せたいな...」

 

雪乃「比企谷君...こんな家の女の子は嫌いかしら...?」

 

八幡「いやそんな事ないぞ、お前はお前だからな、それだけは変わらないだろ?」

 

雪乃「比企谷君...」

 

雪ノ下が顔を染める

 

結衣「むー!」

 

いろは「せんぱい!」

 

沙希「比企谷!」

 

留美「八幡!」

 

津田「モテる男は辛いな、比企谷君!」

 

津田さんに肩を叩かれる

 

八幡「なんの事すか...」

 

すると門のスピーカーから音声が流れる

 

 

???「ひゃっはろー!みんな久しぶりだねー!初めましての人も居るみたいだけど」

 

雪乃「姉さん...やっぱり生きていたのね」

 

陽乃「雪乃ちゃんを残して死ねる訳ないでしょー?」

 

八幡「さすが魔王と言ったところか...」

 

陽乃「比企谷君ひどーい!私悲しい...」

 

雪ノ下さんが泣いているような声をスピーカーから出す

 

雪乃「要件を言いなさい、姉さん」

 

陽乃「こっちから迎えを出すから、門の中で待っててねー」

 

すると鋼鉄製の門が自動に開く

 

 

 

 

俺たちは雪ノ下家で何を見るのか、そして、何を知り、何を思うのか

 

俺たちはこの事件の真相に少しは辿りつくのだろうか

 

 

 

俺はそんなことを考えながら、雪ノ下家の門をくぐり、迎えを待つのであった

 

 

 


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