やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第十八話

俺は段々と意識を取り戻す、目の前にいるのは戸塚...?

 

戸塚が笑っている

 

それは天使の様で、それは何か神々しく思えて

 

「八幡!」

 

戸塚が俺を呼んでいる、行かなきゃ...

 

俺は戸塚に手を伸ばそうとすると...

 

 

 

 

 

「オオオオアアァァ!!」

 

 

俺は現実へと引き戻される

 

目の前にいるのは戸塚なんかじゃない、俺たちの敵、俺たちの憎むべき相手

 

 

 

奴らだ

 

 

 

「オオオオアアァァァ!!」

 

奴らが迫る

 

 

肉を求めるように、餌にありつかんとするように

 

 

八幡「ッ!!」

 

俺は後ろへ這いずりながら、武器になるものを探す

 

探す、探す、探す

 

1m程さきにバールを見つける、あれは俺の腰に括り付けてあったものだ

 

 

俺はバールを掴もうとするが、足を奴らに掴まれてしまう

 

八幡「ぐっ!!」

 

俺は何とかバールを持ち

 

八幡「お前らの餌になんかなってたまるか!!」

 

俺は奴らの頭へバールを振り下ろす

 

振り下ろす、振り下ろす、振り下ろす

 

俺を捕食しようとしていたモノは沈黙する

 

 

八幡「はぁ、はぁ」

 

俺は深呼吸をして息を整える

 

意識を失う前の事を思い出す、俺たちは謎の怪物に命を狙われたのだ、俺と雪ノ下と由比ヶ浜と材木座と津田さんと戸塚の協力により怪物を退けた筈...だったのだが...

 

怪物が触手を投げつけ、車輪に絡まり崖へ転落してしまったのだ

 

とにかく皆と連絡を取りたい

 

幸い崖の高さはそれほどでは無く、木へ落ちれば、衝撃が吸収されそうなほどの高さであった

 

俺は近くに落ちていたリュックサックとバールとイサカM37ショットガンを取り、リュックサックの中身を確認する

 

八幡「これだ!これがあれば皆と連絡が取れる...」

 

俺は信号拳銃と無線機を取り出す

 

まずはここが雪ノ下家からどれくらいの距離かを把握しなければならない

 

そのためには誰かと合流するのは第一にすべき事であった

 

 

「うう...」

 

 

どこからか人の声が聞こえる

 

俺は声の聞こえた方へ向かう

 

雪乃「うう...」

 

そこに倒れていたのは雪ノ下雪乃であった

 

八幡「雪ノ下!大丈夫か!?」

 

俺はすぐに彼女の元へ駆けつける

 

雪乃「比企谷君...かしら?」

 

八幡「雪ノ下!どこか怪我でもしているのか!?」

 

雪乃「比企谷君...悪いけれど肩を貸してもらえないかしら...?足を挫いたみたいで自力で立ち上がれそうに無いのよ...」

 

俺は雪ノ下の拳銃とリュックサックを背負い、雪ノ下へ肩を貸す

 

雪乃「ありがとう比企谷君...あなたは本当に有事の時は頼りになるわね」

 

八幡「お前らしくも無いな、そんな事を言うなんて」

 

雪乃「そうね...怪我をして弱っているからかもしれないわね」

 

俺たちは周りに木が比較的少ない、周りが見渡せる場所へ移動する

 

八幡「ここで彩煙弾を撃とうと思う、あいつらそこまで離れてはいない筈だし」

 

俺は緑色の彩煙弾を取り出す、これはこちらの安全を確認し、目的地へ向かう旨を知らせるものだ

 

雪乃「500m以内なら無線機で連絡を取れるものね」

 

俺はリュックサックから信号拳銃を取り出そうとしていると...

 

雪乃「比企谷君...」

 

 

 

俺は雪ノ下に顔を掴まれて強引に唇を塞がれる

 

雪乃「んっ...はぁ...れろ...ちゅっ」

 

俺は雪ノ下に強引に唇を貪られてしまう

 

俺は息が苦しくなり雪ノ下から離れる

 

八幡「いきなり何すんだよ...」

 

雪乃「比企谷君、あなた由比ヶ浜さんとキスしたでしょう」

 

雪ノ下は真っ直ぐと俺を見つめる

 

八幡「な、なにがなんのことやらさっぱりで...」

 

雪乃「私たちがどれだけ一緒に居たと思っているのかしら?由比ヶ浜さんの変化なんて簡単に分かるわ、それにあなたの変化も...」

 

八幡「お、おう」

 

雪乃「仲間ハズレは嫌なのよ、それに抜けがけされるのも...ね」

 

俺は顔が熱く火照ってしまう、一体なぜ雪ノ下がこんな事をしたのか分からないが、俺は照れを誤魔化すために緑色の信号弾を空へ向けて撃つ

 

数十分ほどすると俺の無線機に連絡が入る

 

『けぷこんけぷこん、我は剣豪将軍であるが...』

 

『材木座か、今どこに居るんだ?』

 

『スルーされた...ゴホン!今津田殿とスイーツと共に緑色の信号を確認して無線機で連絡を取った次第である』

 

スイーツというのは由比ヶ浜の事だろう、バスの上に居たのは由比ヶ浜だったからな

 

『そっちはケガ人はいないのか?こっちは雪ノ下が足を挫いていて肩を貸している状態なんだ』

 

『な!?女子に肩を貸すなどなんて羨まけしから...ゴホン!こちらは負傷者はゼロであるぞ』

 

そうか...由比ヶ浜は無事なんだな...

 

『俺たちは緑の信号の真下に居るから、すぐに合流してくれ』

 

『あい分かった!皆の者!目標へ進むのだ!』

 

無線が切れる

 

雪乃「相変わらず彼はうるさいわね...」

 

八幡「逆にああいうのが居てくれれば明るくなるっていうのもあると思うけどな」

 

しばらくすると木の陰から由比ヶ浜と材木座と津田さんが現れる

 

結衣「ヒッキー!ゆきのん!無事だったんだね!!」

 

由比ヶ浜が俺たちに抱きつく

 

雪乃「由比ヶ浜さんも...無事で良かったわ」

 

津田「他の皆とはまだ合流出来ていないようだな」

 

津田さんかライフルを肩に掛けながら俺に話しかける

 

八幡「ええ、俺たちの信号を見てくれるか、あちらが信号を出してくれれば分かると思うんですが...」

 

すると1kmほど先に赤色の煙幕が打ち上がる

 

材木座「あれは赤色ではないか!!」

 

赤色の煙幕というのは危険があり、身動きが取れないもしくは救助を要請する信号であった筈だ

 

八幡「すぐに向かおう!ある程近づいたら無線機で連絡を取るんだ!!」

 

俺たちは煙幕の方向へ急ぐ

 

 

ある程度近づくと無線機に連絡が入る

 

『せんぱいですか!?やっと繋がった...』

 

『その声は一色か!?一体何があったんだ!!』

 

俺は無線機へ叫ぶ

 

『バスが崖から落ちた後、落下の衝撃でブレーキが効かなくなって...今バスが横転してて、周りに大量の奴らが...ううっ...』

 

一色は涙を流してしまったらしい

 

『全員バスの中に居るのか!?』

 

『はい...』

 

『諦めるな!俺たちが助けに向かうからそこから動くなよ!!』

 

俺は無線を切り、周りに状況を伝える

 

八幡「今一色から無線が入った、パスが横転してしまって、大量の奴らに囲まれてしまっているらしい!」

 

結衣「助けに行こうよ!このまま見捨てられないよ!」

 

雪乃「ええそうね、本家へはもうすぐだし、助けられるものを見捨てる道理もないわね」

 

津田「了解した、彼らとはいろいろと縁があるからな」

 

材木座「モハハハハ!!援軍を向かわせ戦況をひっくり返すのも将軍の役目よのう!!」

 

八幡「よし!全員すぐに向かうぞ!」

 

俺は雪ノ下に肩を貸し、出来る限りの速度で急ぎながら森の中を進んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「雪乃ちゃん、もうここまで来てたんだ...」

 

???「比企谷君...やっぱり君は最高だね〜」

 

???「雪乃ちゃんには勿体無いかな♪」

 

 

 

 

 

 

謎の人物は嗤う

 

 

 

 

まるで面白いものを見つけた子どものように

 

 


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