やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第十六話

 

 

 

俺たちは避難所を出て雪ノ下本家へ向かうべくマイクロバスで山道を走っている、今は日が傾いてきており、後数時間ほどで夕暮れ時になる頃であった

 

静「今日中に雪ノ下家へ着くのは難しいな、どれ、ここらでキャンプでもしていかんかね?」

 

平塚先生がマイクロバスを運転しながら後部座席にいる俺たちに話しかける

 

八幡「そうですね、夜中に山道を走るのはいろいろ危険がありますから」

 

雪乃「私も賛成です、どこか川の近くにマイクロバスを止めた方が良いと思います」

 

結衣「キャンプ!?なんか楽しそう!」

 

由比ヶ浜が雪ノ下に抱きつく

 

雪乃「由比ヶ浜さん暑苦しいのだけれど...」

 

葉山「食料などは避難所から一部拝借しましたから、食料調達の必要は無いと思います」

 

優美子「キャンプかー、あーし暗いの嫌なんだけど」

 

戸部「キャンプファイヤーすればいんじゃね!?そしたら明るいっしょ〜!」

 

姫菜「そんな大掛かりなこと出来ないよ...」

 

戸塚「普通に薪を拾って、火を炊けばいいと思うよ!」

 

戸塚は戸部に抗議する、頬を膨らましているようだ、とつかわいい

 

津田「周囲の警戒は何人かで見張りを立てましょう、一応、トラップをいくつか仕掛けておきます」

 

元傭兵は罠を仕掛けることが出来るようだ、もはや何でも出来そうである

 

静「ありがたいです、ではここらの川でキャンプをすることにしよう」

 

平塚先生はマイクロバスを川の手前の舗装されていない道路へ止める

 

沙希「料理は任せな、いつも大志や京華たちに作ってるからね」

 

川崎はやる気マンマンのようだ

 

結衣「あたしも料理手伝う!」

 

由比ヶ浜が手をあげる

 

八幡「まぁ、そのなんだ、お前はお前にしか出来ない事をした方がいいと思うぞ」

 

結衣「ヒッキー酷いし!いいもん、あたしはライフル持って奴らを倒すから!」

 

由比ヶ浜はAR10を持って、プンスカしながら川の方へ向かう

 

雪乃「私はラジオで情報収集をすることにします」

 

留美「私も手伝う」

 

雪乃「では、ラジオの情報のメモをお願い出来るかしら?」

 

雪ノ下と留美はラジオで情報収集を行うようだ、あの二人はどこか雰囲気が似ているから何か通じあうものでもあるのだろうか

 

小町「私は薪を拾ってきます、戦える人が拾いに行く方が良いと思いますからね〜」

 

静「私も行こうか」

 

材木座「我も薪を拾ってくるぞ!皆の生命線は我にかかっていると言っても過言では無いな!」

 

材木座は変わらずにテンションが高い

 

優美子「あーしは荷物の整理をするし」

 

姫菜「私も手伝うよ」

 

二人はバスの中へ入っていく

 

いろは「わたしは料理を手伝います〜、せんぱいに美味しいご飯食べさせてあげますね!」

 

一色が頭に拳を置いて舌を出している、あざとい

 

八幡「俺と葉山と戸部と津田さんとで周囲の警戒を行います、食事になったら呼びに来てください」

 

戸部「俺に任せてくれっしょ!!」

 

葉山「しっかり守らないとな、みんなが安心して準備ができるように」

 

津田「俺はトラップを仕掛けてくる」

 

俺は無線機とパールとイサカM37ショットガンを持ち、皆から離れた位置で周囲を警戒する

 

しばらくすると草陰から奴らが出て来たので、俺はバールで奴らの頭を粉砕する

 

 

結衣「ヒッキーぃ...」

 

由比ヶ浜が俺の元へやってくる

 

八幡「どうしたんだ?」

 

結衣「ヒッキー...あたし忘れられないの」

 

結衣「だから......ね?」

 

心臓の鼓動が加速する、これから起こることを無意識に感じ取る

 

由比ヶ浜の顔は上気してしまっている

 

 

 

 

『せんぱ〜い、料理の準備が出来ました〜』

 

一色から無線が入る

 

『了解した、すぐに向かう』

 

 

八幡「由比ヶ浜、とりあえずみんなのところへ戻ろうぜ」

 

結衣「......うん」

 

俺と由比ヶ浜が川へ戻ると全員が食卓を囲んでいた

 

沙希「ほら、あんたの分だよ」

 

川崎から肉の缶詰を開けたものや、白米、野菜炒めなどが入った食器を渡される

 

八幡「悪いな、サキサキ」

 

沙希「サキサキ言うな!あたしが作ったんだからマズイなんて言わせないよ」

 

俺は野菜炒めを食べる、程よい塩加減でとても美味しく感じられた

 

雪乃「全員に話があるわ」

 

雪ノ下が全員へ声をかける

 

雪乃「私と留美さんでラジオを聞いていたら、新たな情報が入ってきたわ」

 

留美「アメリカが被害地域を隔離したって...」

 

俺たち全員は驚愕する、この騒ぎで隔離に成功する国が出たのだから

 

雪乃「アメリカは米軍を派遣して被害地域を封鎖したわ、近々爆撃を開始する予定だそうよ」

 

なんという事だろうか、アメリカは被害地域の住民を救助するより、これ以上被害が拡大させない事を選んだのだ

 

葉山「嘘だろ...被害地域に残っている人達はどうなるんだ...」

 

葉山は呟く

 

静「アメリカは世界的に経済大国でもあり軍事大国でもある、これ以上被害が広がるのは防ぎたかったんだろうな」

 

材木座「沖縄は被害が比較的少ないそうだな、米軍と自衛隊の活躍による賜物なのであろうな」

 

優美子「ならあーしらも沖縄に行けば助かるんじゃ!?」

 

戸部「優美子、それありえるっしょー!」

 

雪乃「それは難しいでしょうね、もはや空港は機能していないも同然よ、感染の危険がある私たちを入れてくれるかどうかなのよね」

 

姫菜「それはあると思うんだよね、沖縄は多分感染の危険がある私たちを入れてはくれないよ」

 

いろは「でもアメリカの軍人さんが救助してくれる可能性はありますよねー、身体検査とかすれば大丈夫だと思います」

 

小町「なら米軍が日本に来て救助してくれるかもしれないって事ですよね!」

 

八幡「どうなんだろうな」

 

俺は小町の頭を撫でる

 

本当にそうなのだろうか、米軍は自らの国に核を落とした、日本とアメリカは安全保障を結んでいるが、日本に救助など来るのだろうか

 

 

 

 

現実的に考えて有るとするならばそれは...

 

 

 

 

 

日本との同盟が一方的に破棄されるか、日本を爆撃して奴らを殲滅するということだろう

 

 

 

 

 

ーーーその頃内閣により閣議決定がされ臨時国会が秘密裏に開かれていた

 

 

「総理!この事態をどう収拾するつもりですか!」

 

「世界各国は今や大混乱に陥っています!」

 

「各駐屯地の自衛隊はほぼ壊滅状態に陥っています!もはやアメリカに頼る他無いのではないですか!?」

 

総理「...分かりました、アメリカ大統領と緊急首脳会談を行います」

 

臨時国会では少人数の議員たちによる日本の方針について話し合われていた

 

 

 

 

.........

 

 

 

 

WARNING! WARNING!

 

 

警報が鳴り響く

 

 

 

第一フェイズに移行しました、これより起動準備を開始します

 

 

 

 

起動まで5秒前...4、3、2、1

 

 

 

 

"Ruinous"起動します

 

 

 

 

code:Genesis計画を始動

 

 

 

目標の位置を最適化

 

 

障害を取り除け

 

 

あらゆる物を破滅へと導け

 

 

失敗は許されない

 

 

 

 

 

 

この世界は新しい世界へと生まれ変わり、新たな人類はこの世界に君臨するのだ

 

 

 


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