やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第十四話

 

 

 

 

これは八幡たちがキャンプに向かって数時間後の避難所の話である

 

いろは「せんぱい達もうすぐ帰ってきますかね〜?」

 

結衣「どうだろう、ヒッキーたち大丈夫かな...」

 

小町「大丈夫ですよ結衣さん、お兄ちゃんならちゃんとやってくれますって」

 

材木座「左様!八幡ならば任務を遂行するであろう!」

 

留美「八幡...」

 

 

 

 

ブゥン!ブゥン!

 

ブロロロロロ!!

 

 

優美子「なんか音がするし」

 

沙希「比企谷たちかい?」

 

戸塚「いや!違うよ!」

 

姫菜「こんなバイクみたいな音する車乗って

ないはずだよ!」

 

材木座「もしや襲撃か!?」

 

ガシャン!!

 

一台のトラックがバリケードを突き破り、バイクの集団が避難所の敷地へ入ってくる

 

結衣「みんな!待合室に銃を取りに行くよ!」

 

全員は動けなくなってしまう

 

結衣「早く動いて!間に合わなくなってもいいの!?」

 

由比ヶ浜たちは待合室へと急ぐ

 

 

 

俺たちはキャンプへ向かった後、謎の集団に手を拘束されて、マイクロバスに乗り、避難所まで連れ戻され避難所の広場で銃を向けられている

 

ジン「我々は平等と利益を求める者だ!!」

 

ジン「避難所の者に告ぐ!全員手を上げて静かに広場へ移動しろ!! 繰り返す!全員手を上げて静かに広場へ移動しろ!!」

 

ジンがメガホンで警告する、そんなに大声を出してしまうと奴らを集めてしまう、今はだ朝で奴らは少ないが...

 

城廻「フフフフッ!これが私の求めていたもの!これこそ真の平等なのね!」

 

城廻先輩は嗤う

 

雪乃「城廻先輩...」

 

避難所の人たちが続々と出てくる

 

ジン「これで全員か?お前ら!中に入って確かめて来い!」

 

侵入者たちは避難所へ入っていく

 

大男「なんだお前たちは!俺たちにどうしろっていうんだ!!」

 

大男がジンに突っかかる

 

イノマティ「静かにって言ってんでショーガッ!!」

 

大男「ぎゃあ!」

 

イノマティが大男の顔面に金槌を叩き込む、馬乗りになって叩く、叩く、叩く、叩く

 

イノマティ「言われたことには素直に従いないィィ!!」

 

大男の顔面はぐちゃぐちゃに潰れてしまう

 

葉山「なんでこんな酷い事を...すまない、すまない...」

 

戸部「こんなの悪夢っしょ...」

 

「うわあぁぁぁ!!!」

 

避難所の住民が外に逃げ出そうとするが侵入者たちによって射殺されてしまう

 

女の子「うぇぇぇぇん!」

 

突然女の子が泣きだしてしまった

 

イノマティ「チミも分からないねェ...悪い子にはお仕置きダァ!」

 

母親「お願いです!私は何をされてもいいですから、どうかこの子だけは...」

 

イノマティ「そうだねェ、お前たちィ!この母親と子どもを連れて行けェ!」

 

侵入者が母親の髪を引きずる

 

母親「イヤァ!誰か!誰か助けて!」

 

このままじゃ犠牲が増すばかりだ...俺は深呼吸をして、大声で叫ぶ、この策に賭けるしかない!

 

八幡「由比ヶ浜!!戦え!戦うんだ!戦わなければやられる!お前はそれでいいのか!お前の力はそんなもんなのかよ!お前は守りたく無いのかよ!お前の...俺たちの居場所を!!」

 

侵入者「お前!静かにしろって言ってんだろ!」

 

俺の頭部に衝撃が走る

 

八幡「ウグッ!」

 

雪乃「比企谷君!」

 

 

 

 

パン!

 

 

乾いた音が鳴る 後ろの侵入者が頭を撃ち抜かれていた

 

 

結衣「ヒッキーを傷付けるな!!」

 

由比ヶ浜が避難所の屋上からAR10を構えている

 

パン! パン!

 

由比ヶ浜は撃ち続ける、それは何か作業でもするように、まるでそうする事が当たり前かのように

 

銃を持った侵入者は優先的に倒れていく

 

 

俺はこいつらに遭遇して思った事がある、こいつらは平等だ、利益を得るだと言っていたが利益を追求すれば利益だけを生むのではない、利益に伴う代償を誰かが必ず払っている、win-winの関係など有りはしない、だから利益を追求する権利があるのは代償を払う覚悟がある者だけだ、こいつらも目先の利益に目が眩んでその代償を見抜くことが出来なかった者たちなのだろう

 

 

少し前避難所内で何があったか

 

 

侵入者「おい!徹底的に探し出すんだ!誰か隠れているかもしれんからな!」

 

侵入者たちは避難所を手当たり次第に荒らし始める

 

待合室では由比ヶ浜たちは隠し部屋から銃を取り出していた

 

優美子「このままじゃ見つかっちゃうし...」

 

留美「私たち殺されちゃうのかな...」

 

戸塚「八幡も捕まっちゃったよ...」

 

由比ヶ浜は全員へ声をかける

 

結衣「みんな何でそんな事言うの!?あたしたちが殺されたら、誰がヒッキー達を助けられるの!」

 

結衣「戦うの!あたし達が殺されないように!あたし達の居場所を守るために!」

 

沙希「由比ヶ浜の言う通りだね、このまま舐めらてる訳にはいかない」

 

材木座「侵入者どもを血祭りにしてやるのだ!モハハハハ!」

 

小町「そうです!武術は正義のために使うんです!」

 

いろは「私たちも協力します!」

 

姫菜「作戦を立ててみたんだけど、これなら上手くいく気がするんだよね、みんなどうかな?」

 

結衣「うん!それ良いよ!」

 

姫菜「留美ちゃん、協力してくれるかな?」

 

留美「うん...!やってみる」

 

 

場面は避難所の廊下に移る

 

侵入者「この先は探してないな!お前ら行くぞ!」

 

留美「...」

 

戸塚「こっちだよー!」

 

いろは「いやーん、見つかっちゃいました〜」

 

留美と戸塚と一色が廊下の突き当たりから侵入者を待ち受けて廊下の奥へと消える

 

侵入者「待て!奴らを逃がすな!」

 

侵入者たちが廊下の突き当たりに差し掛かった時、廊下には誰も居なかった

 

侵入者「ど、どこへ行きやがったんだ!?」

 

天井から侵入者たちに影が迫る

 

沙希「ずあぁっ!!」

 

侵入者「ふおおお!!!」

 

川崎の飛び膝蹴りにより侵入者は地へひれ伏す

 

小町「小町的にポイント激低だよ!」

 

小町が侵入者へスプリングフィールドM14を使い、薙ぎ払う

 

廊下の奥から材木座の影が迫る

 

材木座「材木座ァーデストロイヤー!!」

 

材木座が侵入者たちの固まりにメイスを振り回しながら突っ込んでいく

 

侵入者「ごわぁぁ!!すげえデブが来たた!!」

 

侵入者たちは材木座のメイスにより挽き肉にされてしまう

 

侵入者「舐めやがって!死にやがれ!」

 

侵入者がショットガンを構える

 

パン!

 

由比ヶ浜が侵入者の頭に銃弾を叩き込む

 

結衣「あたしたちを舐めないでよね!」

 

由比ヶ浜はAR10を構えていた

 

姫菜「上手くいったね!」

 

優美子「結衣たち凄かったし!」

 

結衣「ヒッキーたちを助けに行かないと!」

 

由比ヶ浜たちは屋上へ向かっていった

 

 

 

話は由比ヶ浜が射撃したところへ戻る

 

 

津田「だあああ!!」

 

津田さんは手の縄を外し後ろの侵入者の首にナイフを突き立てる、まるで赤い閃光が空を舞っているようであった

 

 

俺も手を拘束していた縄を解いていく、拳の手のひら側を上にして縛られることで手の甲同士を合わせることにより縄に隙間を作る事が出来る、これは津田さんに教えて貰っていた事だ

 

 

ジン「貴様ら何をもたもたしているんだ!皆殺しにしろ!!」

 

八幡「お前ら!今から縄を解くからな!」

 

侵入者「チョーシこいてんじゃねえぞ!」

 

葉山「比企谷危ない!!」

 

侵入者が俺の腹にナイフを突き立てようとする

 

八幡「俺が対人戦で負けるかぁぁ!」

 

俺は敵の攻撃線を体捌きで躱し、ナイフを持つ手首を掴む、手首の関節を極め、侵入者の頭部を地面のコンクリへ全力で投げ飛ばす

 

 

侵入者「ごっ!」

 

今の勢いなら脳挫傷は免れないだろうな

 

静「比企谷!私の縄を頼む!」

 

八幡「了解です!」

 

イノマティ「なあにをやってくれてんですかァ!!」

 

イノマティが平塚先生に金槌を振り下ろす

 

イノマティ「なっ!?」

 

平塚先生は金槌を片手で受け止める

 

静「撃滅のセカンドブリットォ!!」

 

平塚先生はイノマティの腹に拳を叩き込む

 

イノマティ「グボォ!」

 

イノマティはうずくまり、苦しそうに悶えている

 

静「よくもまぁ、好き勝手にやってくれたなぁ〜」

 

平塚先生はバキボキと拳を鳴らす

 

イノマティ「ひぃ!助けてェ!」

 

静「無、理♪」

 

平塚先生はイノマティの頭部へ肘を叩き込むと奴は気絶してしまった、平塚先生はイノマティの体を運び、バリケードの外へ捨てる、このままじゃあいつは奴らに食われてしまうだろうな

 

 

 

いろは「せんぱーい!!中に入って来た人たちは結衣先輩と川崎先輩と小町ちゃんと厨二先輩がやっつけましたー!!」

 

材木座「我に敵は居らぬ!故に無敵!ガハハハハ!」

 

沙希「比企谷!こっちはもう大丈夫だよ!」

 

小町「お兄ちゃん!小町頑張ったよ!」

 

結衣「ヒッキー!!銃を持ってる人たちはあたしが倒したからね!」

 

八幡「ナイスだお前ら!!」

 

ジン「我々は、平等な世界を目指すのだ!貴様ら全員等しくあの世行きだ!!」

 

ジンが足元に落ちていたアサルトライフルを俺たちに向ける

 

 

パン!

 

由比ヶ浜の手により、ジンの眉間に風穴が開く、ジンは人形のように膝から崩れ落ちていった

 

 

 

 

 

城廻「そんな...私はただ平等であって欲しかっただけなのに...」

 

 

 

 

 

世界は必ずしも平等では無い、この世界が始まってから平等であったことは一度たりとも無い、小学校の教師は言うだろう、差別は駄目だと、みんな平等にと、真の平等など何処にも存在しない、必ず格差は存在する、有るとするならばそれは欺瞞に満ちた見かけ倒しの平等という名のハリボテだけなのであろう

 

 

 

 

 

城廻めぐりの誤算は由比ヶ浜結衣の実力を侮っていたことだ、あいつはもはや以前のあいつでは無い

 

 

 

 

 

お前たちは生存競争に負けたのだ

 

 

 

 




今回も読んで頂きありがとうございます。

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