やはり俺がこの終末世界を生き延びようとするのは間違っている。   作:きょうポン酢

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第一話

春の陽気のまだ残るある日のことだ

 

今日は午前で授業が終わり、奉仕部で何時もの様に過ごしている

 

俺たちは三年生に進級し、奉仕部に小町が加わった四人で活動していた

 

 

今日はとてもよく晴れている、こんな日は部屋の中で読書をするに限るな

 

いろは「せんぱ~い、助けてくださいよ~」

 

そう言いながら一色が奉仕部部室へ入ってきた 何やら面倒事を抱えているようだが…

 

八幡「何の用だ一色、あいにく俺は今忙しいんだが」

 

雪乃「あら、比企谷君、あなたさっきから読書しかしていないじゃない」

 

八幡「俺の読書は最優先事項なんだよ」

 

小町「いろはさんやっはろーです」

 

結衣「やっはろー! いろはちゃんどうしたの?」

 

静「比企谷…君は変わらんな全く、少しは成長したと思っていたんだが」

 

八幡「平塚先生も相変わらず独神の様でなによりです」

 

静「フン!」

 

俺は独神の拳を喰らい、床へ倒れこむ、平塚先生は思いやりがもう少しあれば、結婚出来ないなんて事は無いと思う

 

雪乃「比企谷君、床に吐瀉物を吐くのをやめてもらえるかしら、気化して吸ってしまったらどう責任を取るつもりなのかしらね」

 

雪ノ下の毒舌は相変わらず容赦が無い

 

いろは「うわっ、せんぱい!さすがにキモいです!」

 

結衣「ヒッキー... さすがに吐いちゃうのはどうかと思う...」

 

八幡「いや吐いてねえから、なんでさっきから俺がゲロぶちまけたみたいな流れになってんの?」

 

小町「小町は部室で吐いちゃうような残念なお兄ちゃんでも気にしないからね!あ!今の小町的にポイント高い!」

 

最後のが無けりゃな

 

 

この世界は平和である、古来、人類は持ち前の知能を駆使する事で自分たちを食物連鎖から切り離す事に成功した、現在、人類に天敵は全く存在しないと言えるだろう

 

 

故にこの世界は平和である

 

 

この世界が平和で無くなるという事はどういう事だろうか、つまり、

 

 

 

 

 

人類に自らの生命の危険を脅かす存在が現れるという事になるだろう

 

 

 

 

 

「キャーーッ!!」

 

 

突然の悲鳴 

 

 

 

 

校舎内がざわつくのはすぐの事だった

 

八幡「一体何が起こって…」

 

殺人事件でも起きたのであろうか

 

静「今日は半ドンだったからな 校舎内に生徒たちはあまり残ってないだろう」

 

いろは「半ドンって… いつの時代の言葉ですか?」

 

雪乃「とりあえず落ち着きましょう… まずは状況を確認することが先決よ、非常事態には冷静さが不可欠だわ!」

 

結衣「一体何が起きてるの… こんな事って…」

 

小町「見てください‼ グラウンドの方‼」

 

そこには明らかに生きているとは思えない奴らが生徒たちを貪っていた…

 

手足が外れている者、顎の下が無くなってしまっている者、地面を這いずりながら移動している者

 

この世の者とは思えないほどの光景がグラウンドに広がっていた

 

 

全身から汗が滲む、心臓の鼓動が速くなり、胃の底から何とも言いがたい恐怖が湧き上がってくる

 

 

なんなんだよあれ… とにかくここは危険だ‼

俺は全員へ叫ぶ

 

 

八幡「屋上へ行こう! あそこは出入り口が一つだけだから奴らの侵入を防げるはずだ!」

 

静「よし全員屋上へ向かうぞ! これだけの騒ぎなら自衛隊の救助があるはずだ!」

 

雪乃「途中で武器になるものを捜しながら行きましょう 丸腰では危険だわ」

 

結衣「うう…あたしたちどうなるんだろう…」

 

小町「結衣さん行きましょう! きっと救助は来ますよ!」

 

いろは「葉山先輩達は大丈夫だといいんですけど…」

 

俺たちは屋上へ向かうことになった やつらに遭遇しなければいいのだが…

 

静「君たち止まりたまえ! 囲まれてしまったようだ!」

 

雪乃「何とかしてこの場を凌ぐ必要があるわね…」 

 

八幡「先生、俺、雪ノ下は前へ! 小町は由比ヶ浜を頼む!一色は周囲の警戒を!」

 

いろは「了解です先輩!」

 

結衣「ヒッキー!危ないよ!」

 

小町「大丈夫です結衣さん!お兄ちゃんは小町と小さいころから拳法の道場へ通っていたんです! あんなやつらお兄ちゃんなら余裕です!」

 

八幡「親に通わされてたんだけどな… 俺たちが足止めしてる間階段へ駆け抜けるんだ!」

 

静「くらえ…!衝撃のファーストブリットォ!!」

 

奴らが数体巻き込んで吹き飛ぶ なんて腕力してるんだよあの人は…

さっき喰らった拳の威力とは桁違いであった

 

雪乃「そんな動きじゃ私に触れることすらできないわよ?」

 

さすが雪ノ下だ… 突っ込んできた奴らをいとも簡単に投げ飛ばしやがった、確か昔校内で襲ってきた男子生徒3人を返り討ちにした様なことを言っていたと思う

 

「オオオアアァ」

 

俺の前にも奴らが立ち塞がる

俺は正面にいたやつの肘の関節を極めてそのままの勢いで壁に頭をぶつけてやった

 

八幡「やっぱり映画みたいに頭が弱点みたいだな… 今のうちだ小町!由比ヶ浜を!」

 

俺たちが奴らに応戦している間小町たちは何とか階段へたどり着いた

 

雪乃「早くここを離れましょう! このままだと私たちが危険になるわ!」

 

静「雪ノ下の言う通りだな 我々も急ぐぞ!」

 

八幡「お前らが先だ! 俺が後から行く!」

 

そういってこの場を退散しようとした瞬間床を這いずる奴らに足をつかまれてしまった

 

なんて力だ...

 

足の骨が軋む、鈍痛が全身を駆け巡る

 

いろは「せんぱい!」

 

俺は俺の足を掴むモノの頭へ全体重をかけて蹴り蹴り上げる

 

八幡「悪い!油断していた」

 

そう言いながら階段を駆け上がる

 

静「この状況では油断は命取りになると忘れるなよ、比企谷」

 

結衣「ヒッキー食べられちゃうところだったんだよ!」

 

八幡「もう油断しない、すまなかった」

 

小町「本当だよお兄ちゃん!」

 

そうこうしてるうちに屋上へ着いたようだ ドアを開けて外がどうなっているのかを確認しないとな

 

静「天文部の部室に机や椅子があるはずだ!協力してバリケードを設置するぞ!」

 

平塚先生や一色、小町に由比ヶ浜が天文部の部室へ入る

 

ふと外を見た瞬間、校外はひどい有様になっていた 立ち上る煙、燃え盛る火の海、鳴り止まぬ怒号

 

どこからともなく聞こえてくる悲鳴 まさに終末世界といっても差支えのない光景だった

 

 

雪乃「日本中でこんなことが起きているというの…? 自衛隊は…米軍だって出動しているはずなのに…」  

 

八幡「この病気が…そもそも病気かどうかもわからんがせめて原因が分かれば対処法も分かるんだろうが… 今の俺たちには全く手掛かりがないがせめてネットさえ見ることができれば…」

 

雪乃「こんな通信が混み合っている状況では難しいでしょうね 大掛かりな施設でもあれば別なんだろうけれど」

 

静「バリケードの設置は終わったぞ とりあえず部室に集まってくれ」

 

八幡「雪ノ下、部室の中へ行こうぜ もう日が暮れてきてるから」

 

雪ノ下「ええ分かったわ …本家はどうなっているのかしら」

 

天文部部室に集まった俺たちはこれからどうするかについて話し合うことになった

 

静「これからどうするかだが…何か意見のある者はいるかね?食料はここに備蓄されているものでこの人数で1週間ほどはもつと思う」

 

八幡「いつまでもここに留まる訳にもいかないでしょう ただ脱出するとなると準備するものや脱出経路を考えなくてはいけないと思います」

 

雪乃「この近くの避難所を目指すというのはどうでしょうか?避難所なら救助が期待できると思います」

 

結衣「でもゆきのん…外は危ないよ?ママやサブレも気になるけどさ…」

 

小町「でもこのままだとみんな餓死しちゃいますよ? いくら校内の安全が確保できたとしても限界がくると思います…」

 

いろは「わたしは雪ノ下先輩に賛成です もしかしたら同じ高校の人が避難してると思うので」

 

静「まずは校内の行動範囲を広げていこう、それから脱出のための乗り物や食料、武器などを調達し避難所へ行くというのが当面の目標でいいな?」

 

八幡「今日はもう遅いですし就寝する方がいいと思います、全員で6人なので2人組で見張りをした方が良いと思います、時間になったら別の2人組を交代します」

 

 

今日はこんなことになるなんて…俺はこいつらを 俺の居場所を守ることができるのだろうか…

 

 

俺は見張りの交代を待つべく、天文部部室で眠りについたのだった

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。小説を書くのは初めてなのでできていないところも多いと思いますが、どうか温かい目で見守ってください。


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