仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
プレミアム前売り券は買い逃しちゃいました…
ウィザードは今回出ません
仮面ライダーウィザード、操真晴人が魔法少女ねむりんの命を救った日の深夜、魔法少女達のほとんどが退室したチャットルームで、ファヴは一人の魔法少女と話をしていた。
『…思いの外魔力を吸収できていないぽん。何でだぽん』
「ねむりんの魔力がその程度だったのでは?」
『まぁいいぽん。計画は進めるぽん』
「いいでしょう。では私もそろそろ戦わせてもらいましょうか」
『それはまだ早いぽん。二人目が死んでからだぽん。』
「…分かりました。では私はもうしばらく外野で音を奏でるだけの存在でありましょう」
そう言った一人の魔法少女、クラムベリーは一瞬だけ化け物のような姿となり、チャットルームから退室した。
『グッバイぽん、クラムベリー…いや、もう奴はクラムベリーじゃないぽん』
ファヴもそう言い残してチャットルームから退室した。
次の日、チャットルームにて…
『魔法少女のみんな、ねむりんは脱落してしまったけど、今週も頑張るぽん!』
「何が脱落だ…」
「ねむりん、死んじゃうところだったんだよ!」
ラ・ピュセル、そしてスノーホワイトの意外な言葉に魔法少女達は騒然となる。
「お、おいスノーホワイト、死ぬってどういう事だ?」
トップスピードが理由を尋ねる。しかしスノーホワイトからは衝撃の返答が帰ってきた。
「キャンディー集めで最下位になった魔法少女は魔法少女を辞めさせられるどころか、死んじゃうんだよ」
「はぁ!?何だよそれ!」
「おいファヴ、説明して!」
魔法少女達は驚きを隠せない様子。そして質問の矛先はファヴへと変わる。
『言いがかりは止して欲しいぽん。それにそんなの誰が言ったんだぽん』
「ウィザードだ。実際に彼がねむりんを救ったと聞いている。」
『でも、本当にファヴは何も知らないぽん。』
「じゃあ今回ねむりんがこうなったのは誰がやったんだよ!」
『そんなの余計に分からないぽん』
「じゃあせめて、魔法少女を減らすのを延期出来ないのか!」
『それは出来ないぽん。一度決めたルールは変更が難しいぽん』
「何でよ!じゃあ私達どうなるのよ!」
「死ぬくらいなら魔法少女やめるわ!」
「やめるわ!」
「勝手に魔法少女にされて、今度は死ぬかもなんていい加減にしてよ!」
「…もういいじゃないですか、そういうの」
そう言って怒りの収まらない魔法少女達を制止したのは、クラムベリーだった。
「ファヴは分からないと言っているのです。これ以上探っても何もなりません」
「でも何も分からない状態でキャンディー集めなんか出来ないじゃないか!」
「ねむりんが助かったのはたまたまかもしれないし、次の脱落者が助かる保証も無いじゃない!」
「第一クラムベリー、あんたも死ぬ危険性があるんだ。それでもいいのか」
「だったら、なんだって言うんです?」
「…え?」
クラムベリーは全く動じていないようだった。
「生き残るには死なないようにキャンディーを集めるしかない、そういうことではないのですか?」
「それはそうだが…」
「自分が生き残るには他人の心配なんてする必要は無いのです」
「あんたは人の命がどうなっても良いのか!」
『ま、待つぽん!今日はチャットルームお開きということで頼むぽん!』
『ファヴもこの状況を打開できるようにいろいろやってみるぽん』
そのファヴの言葉を最後に、今日のチャットルームは終了となった。
魔法少女達は強制的に退室させられた。
しかしクラムベリーとファヴは、チャットルームに残っていた。
『危ないところだったぽん。助かったぽん』
「いいえ、こんなところで計画が崩れるのも困りますし」
『おかげで、ねむりんからの魔力が少なかったのはウィザードのせいってことも分かったぽん』
「やはり、ウィザードは邪魔な存在です…多くのファントムを葬って来ただけあります」
『君達ファントムも苦労してたぽんねぇ…』
「私の正体が知られる日も近いかもしれません…私もそろそろやるしかないですね」
『すまないぽん。君の力も借りるぽん』
「これもウィザードを倒し、計画を進めるためです…」
『こちらもどんどん計画を進めていくぽん。』
「宜しくお願いしますよ…」
『勿論だぽん。クラムベリー…いや、ファントム・オーガ』
「その名前は出すんじゃねぇ…いや、出さないで貰えませんか?」
『失礼したぽん。では、また宜しく頼むぽん』
「そろそろ見えてきたかな?名深市とやらは」
「待ってろ、晴人!そして…」
「俺も早く魔法少女に会いてぇー!でもその前に寝る!おやすみなさい!」
というわけでウィザードが全く登場しない7話でした。
クラムベリー衝撃の正体と、最後のアイツは一体!?
ご閲覧ありがとうございました!