仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
そんなこんなで49話です。
色々モリモリでお送りします。
※この物語は魔法少女育成計画の原作やアニメ設定から変更したり、都合よく解釈したりしています。繰り返しになりますがご了承の上お読みください。
「ファヴ…お前、オーガの体を乗っ取ったのか!」
「お、察しが早くて助かるぽん」
ウィザード・インフィニティスタイルの一撃で瀕死となったファントム・オーガ。
かろうじて息絶えてはいなかったのだが、その体は呆気なくファヴによって乗っ取られてしまったのだった。
オーガの体から聞こえるファヴの声。電子的な音ではなくなったが、確かにファヴの声をしている。
そして、乗っ取られた体の腰部には、ワイズマンドライバーが巻き付いていた。
「最初からこうするつもりだったのか」
「初めからではないぽん、ただ使えなくなったものを再利用したくなっただけぽん。リサイクルは大事ぽん」
「ふざけてる場合か!それに、やっぱりお前が裏で何かしてたんだな!」
そんなふざけた口調のファヴに、ラ・ピュセルは怒りの声を上げる。
他の魔法少女たちも何か言いたげだったが、フレイムスタイルへと戻ったウィザードはそれを制止した。
「みんな落ち着け。ようやく種明かしってところだろうし、聞かせてもらうぞ。俺も、なんでお前がそのベルトを持ってるのか気になるしな」
少し前までしらを切っていたファヴがここにきてウィザードや魔法少女たちの目の前に現れたのだ。おそらく何かをしでかす気ではあるのだろう。
目的から何から、まずは聞く必要があるとウィザードは判断した。
「みんな、大丈夫か!」
「何か重い雰囲気だし、ファントムいるしでどうなってんの?」
このタイミングで、シスターナナやスイムスイム達も合流した。
それと同時に、ファヴは口を開いた。
「都合よくみんな揃ってくれたみたいだし、お話させてもらうとするぽん」
「都合よく…だと?」
ウィザードはファヴの妙な言い回しが気にかかった。
そんな素振りを一切気にせずファヴは続けた。
「こうなった以上隠しても仕方ないから結論から言うと、そもそも魔法少女のみんなを集めたのは優秀で強い魔法少女を選んで魔法の国の正式な魔法少女になってもらうためだったぽん。まぁ、選抜試験ってやつだぽん」
「選抜試験って、どういうことなの?」
「今までは正式なものじゃなかったってことなのか…?」
「あれ、言ってなかったぽん?まぁどうでもいいぽん」
スノーホワイト達は驚く。選抜試験、正式な魔法少女、理解に時間がかかる単語ばかりが飛び出しているためだろう。
だが、ファヴは彼女たちに考える隙を与えず言葉を続ける。
「ついでに言うなら選抜試験もここまでハードなものにする必要もなかったぽん。試験に落ちて脱落になっても元々は死んだりはしなかったぽん。」
「え?」
「今、何て…」
「そんなに驚かなくてもいいぽん、というかファヴが前に問い詰められてごまかした時点で何となく察してくれてると思ってたぽん。今更そんな無意味なことでショック受けられても困るぽん」
魔法少女たちは言葉を失う。呆然としている者や言葉を失い俯く者などそれぞれの反応を見せる。それも当然であろう。生き残るために誰かを犠牲にしようとしたり、辛くても悲しくても必死に生き残ろうとした日々は、無意味なものであったと突き付けられたからだ。
そんな彼女たちの姿を見て、ウィザーソードガンをファヴに向けるウィザード。
「何でそんなことをした。無意味だとお前も分かっているなら、こんなこと必要なかったろ」
「何でって、簡単だぽん」
今一度問い詰めるウィザードに対し、ファヴは無機質に返事を返すのだった。
「つまんなかっただけぽん。みんなだって簡単なゲームをずっと続けてると飽きちゃうと思うぽん。くだらないなれ合いやおままごとみたいな事を何度も繰り返してたらファヴだって飽きちゃうのは当たり前ぽん。だからこそ刺激が欲しくなるぽん。魔法少女同士の殺し合いや裏切り、それを乗り越えて生き残っていくゲーム!そういうのが見たかったんだぽん!」
その場にいた者がみな沈黙する。理解が追いつかない様子だ。
しかしファヴは全く気にすることなく、続けて言い放つ。
「まぁ、これはあくまでファヴの目的ぽん。ここから先は、協力してくれたファヴの本当のマスターの目的を果たさせてもらうぽん」
「何…?」
ファヴが言葉を言い終えたと同時に、オーガの右手に指輪を出現させる。そして、そのままワイズマンドライバーにかざす。その瞬間、何かを察したウィザードは魔法少女達に向かって叫ぶ。
「避けろ!」
チェイン…ナウ!
突如スノーホワイト達魔法少女に鎖が巻き付き、腕と脚を狙う。
一瞬の事で誰もその鎖を避けることは叶わず、みな拘束されてしまった。
「えっ!?なにこれ!」
「ぐっ、動けねぇ…」
「何するんだよ!」
魔法少女たちは抵抗するも、ワイズマンドライバーから発動した魔法は強力で、身動きが取れない。
「みんな!くそっ…ファヴ!どういうつもりだ!」
「どうもこうも、これがマスターの目的らしいからぽん」
「目的だと…!?それに、マスターって誰だ!」
「マスターのことは結局後でわかる事ぽん。それよりも、今から何が起きるか知りたいんじゃないぽん?」
そんなことを言いながら、ファヴはウィザードにある指輪を見せつけた。その指輪はかつて、笛木が使っていたある儀式に用いるための指輪、エクリプスウィザードリング。
効果は日蝕を発動させるというもの。
ウィザードは一瞬でファヴ、そして裏に隠れている黒幕の目的を察した。
「お前ら、まさか…サバトを!?」
「ご名答だぽん。このドライバーも、マスターがサバト用にって作った模造品ぽん」
「サバトには膨大な魔力が必要だ!スノーホワイト達を使って補うっていうのか!」
「そうなるぽん」
「スノーホワイト達がどうなるか分かってるのか!」
「面白いじゃないぽん?運よく生き延びたけど、結局仲良く魔力を吸われて死ぬって滑稽ぽん」
「ふざけるな…!」
ウィザード自身もかつてサバト発動のための柱となってしまったことがある。だが当時は賢者の石を宿したコヨミを蘇生するための儀式だった。
サバトを引き起こして、ファヴ達は何を狙っているのか。ましてや自分たちと違う仕組みの魔法少女達が人柱とされようとしている。
「私たち、どうなるの…?」
「死なないよね?大丈夫だよね?」
「どうだろうぽん。マスターもいつもとは勝手が違うからどうなるかわからないらしいぽん。死なないことを祈ってるといいぽん」
「う、嘘…」
少しずつ怯えていく魔法少女達。誰にもこの先どうなるかが分からない時ほど恐ろしいことはない。
「みんな!…ファヴ!お前らの好きなようにはさせない!」
「威勢がいいのは別にいいぽん。まぁ、人柱をここだけに密集させるわけないけどぽん」
「まさか…おい、よせ!」
ファヴが指輪を付け替える、テレポートの指輪だ。
ウィザードがそれに気づき、ファヴを攻撃したが…間に合うはずもなく。
テレポート…ナウ!
「ちょ、何!?」
「えっ…?」
抵抗することもできず、魔法少女達はそれぞれのそばに浮かんだ魔法陣の中に吸い込まれ、どこかへ転送されてしまったのだった。
「ラ・ピュセル!アリス!みんな!」
「…チッ」
この場に残ったのは、スノーホワイトとリップルの二人のみ。残りの魔法少女は別のどこかへ消えた。
叫ぶスノーホワイトと、舌打ちをするリップル。彼女たちを見て、ファヴは愉快そうである。
「いやー、うるさいのが減って心地いいぽん」
「みんなをどこへやった!」
ウィザードはフレイムドラゴンへ変化し、ファヴに詰め寄る。ウィザーソードガンで攻めるが、ひらりと躱されてしまう。
「そんなに怒る事ないぽん。このサバトは範囲をこの名深市に限定してるぽん。この街のどこかにみんな一人ずつ移動しただけぽん。ま、ここは中心だから少し強い魔力がいるし、二人残しただけぽん」
「魔法少女から魔力を奪ってここに集めるつもりか!」
「そうぽん。そして集まった魔力でサバトを起こし、この街の人間から更に魔力を奪うらしいぽん。ついでにファントムが生まれたらラッキーぽん。結局魔法少女のみんなが生き残たところで、サバトのリソースになってもらうのは変わらないぽん。必死にあがく姿は面白くて良かったぽん」
「ふざけるな!みんなをサバトの生贄になんてさせてたまるか!」
「なら頑張って止めるぽん。運のいいことにこれから魔力を集めるからしばらくは実行に移せないぽん。今のうちにファヴを止められたらきみの勝ちぽん」
「言われなくてもそうさせてもらう!」
「まぁ、ファヴの操作一つで魔力を一気に吸収することもできるんだけどぽん」
「なんだと…」
「ウィザード、君が変に抵抗したらこの二人の命は保証できないぽん」
ウィザードはファヴの一言で動きを止めざるを得なかった。
二人の命が危険にさらされている以上、下手な動きをしてはいけないと判断したのだ。
「それでいいぽん。魔法少女の命綱を握ってるのはファヴだって分かってもらえたぽん?」
「相変わらず卑怯なことを…」
「なんとでもどうぞぽん」
ファヴはウィザードの攻撃を止めたウィザードを蹴り飛ばした後、ワイズマンドライバーを操作する。
待機音が流れ、左手に変身用の指輪であるチェンジウィザードリングを装着する。
「いよいよお披露目ってやつだぽん」
「ファヴ、お前がオーガを乗っ取った本当の狙いか…!」
「黙って見てろぽん」
シャバドゥビタッチヘンシーン…
「変身」
チェンジ…ナウ!
チェンジウィザードリングをドライバーにかざす。そのままファヴは魔法陣に包まれていく。
そして、ファヴの姿は魔法使いへと変化した。
ウィザードにとっても強く記憶に残っているその姿は、白い魔法使い、またの名を仮面ライダーワイズマン。
「ふ…ふふっ…あははは!案外簡単に手に入っちゃったぽん!これが魔法使いの力!」
「お前…」
「今まで散々邪魔してくれたぽん。今度はファヴがとことんまでサンドバッグにしてやるぽん」
ファヴが、ウィザードに宣戦布告する。
白い魔法使いは笛と剣どちらでも使える武器、ハーメルケインを駆使してウィザードに猛攻を仕掛ける。
変に抵抗しようものならスノーホワイト達が危険だ。ウィザードは何もできないまま、攻撃を受け続けるしかできない。
そんな時だった。
「うぁぁぁぁ!」
「がっ…あぁ…」
「おい!スノーホワイト、リップル!?」
「あー、魔力を吸われはじめたみたいだぽん」
苦しみ始めるスノーホワイトとリップル。サバトに必要な分の魔力を吸収され始めたのだ。
これはこの二人に限った話ではない。恐らく名深市各地に転送された他の魔法少女達も同じであろう。
そんな中ファヴは、ウィザードに対してさらに猛攻を仕掛ける。
「いやーいい気味ぽん!何も抵抗できないまま痛めつけられる気分はどうぽん!」
「お前…話が違うぞ!」
「お前が抵抗したらすぐに魔力を全て奪うって言っただけで、あの二人の安全を保障するなんて一言も言ってないぽん、引っかかったぽん」
そのまま白い魔法使いは、指輪を付け替えて魔法を発動する。
「これで終わり、くたばれぽん!」
エクスプロージョン…ナウ!
エクスプロージョンの魔法が炸裂する。ウィザードの辺り一面に大爆発が起こった。
いくらウィザードとはいえ一たまりもないような威力のものであった…。
「ハッ!大爆発ぽん!」
「うっ…ウィザードさん…!」
「あーあ、元から魔力を集めるには時間がかかるって言ってたのにぽん、嘘だって見抜けなかったお前の負けだぽん、ウィザード!」
「人を騙して…酷いよファヴ…!」
「なーに言ってるぽん?お前らが無様に捕まって何の抵抗もできてないからこんな事になったんだぽん。自分たちのせいぽん…ん?」
スノーホワイトの訴えを一蹴するファヴ。しかし…
「こんなもので、俺は絶望なんてしない!」
今のウィザードはこの程度で倒れるはずもなかった。
爆炎の中から尚も立ち上がるウィザードの姿がそこにはあった。
「まさかぴんぴんしてるとは思わなかったぽん。流石は正義のヒーローぽん」
「そりゃどうも。ちょっと冷静さを失ってたとはいえ、騙されちまった分をここで返させてもらうぞ」
「第二ラウンド突入は構わないぽん。でもいいぽん?こんなとこで時間かけちゃったらみるみる魔力が吸われていっちゃうぽん?」
「黙ってろ、お前の煽りに乗る気はない!」
「煽りじゃないぽん。実際そうぽん?まぁお前の頼れる仲間達が頑張ってくれるといいぽん」
「何が言いたい!」
「少なくともこの場所で必要な魔力はもう直に集まるぽん!お前らがくたばるのが先か、魔法少女共がくたばるのが先か、見ものだぽん!」
「ここからは本気で行かせてもらうぞ!ファヴ!」
ウィザードはインフィニティリングを装着し、ドライバーにかざす。
インフィニティ!プリーズ!
インフィニティスタイルへ再び変化したウィザード。アックスカリバーを構え、高速移動で一瞬にして白い魔法使いに詰め寄る。ハーメルケインで攻撃を捌く白い魔法使いと、アックスカリバーで果敢に戦うウィザード。少しずつウィザードが優位に立ちつつあるのだが…
白い魔法使いの言う通り、今もスノーホワイトとリップルの魔力は吸収され続けている。限界が近いことは確かである。
苦しみながらもウィザードの戦いを見つめることしかできないスノーホワイトとリップル。そんな中、スノーホワイトはリップルに語りかける。
「リップル…うっ…私たち…利用されてただけなのかな…?」
「スノー…ホワイト…」
弱ったスノーホワイトの言葉はもはや独り言に近いくらい小さなものだったが、リップルは耳を傾けた。
「私は、ずっと魔法少女に憧れてた…。周りのみんなが少しずつ興味をなくしていっても…いつか魔法少女になれたら…色んな人たちを…助けたりして…今度は私が誰かの憧れになれたらって…でも、こんな事に…なって…ファヴ達の操り人形みたいになって…もう死んじゃうかもしれない…」
「…」
「私…魔法少女に…憧れなんて持たなきゃよかったのかな…リップルも、私みたいなのは嫌いだったでしょ…?私は…魔法少女になるべきじゃなかったのかな…」
スノーホワイトの口からこぼれたのは、後悔と諦めのような言葉。
しかし、それを聞いたリップルの返事は…
「嫌いなんかじゃ…なかった…」
「…え?」
「むしろ逆…。私は…貴方が憧れだった…私みたいな…怖い魔法少女じゃなくって…みんなに優しくしてて…正義感が強くて…貴方ほどに魔法少女って言葉が似合う人はいない…!」
「私…が…?」
「そう…!私にとっての…憧れ…!私だけじゃない…アリスって子も…きっと…そう思ってる!貴方はもう誰かの憧れなの…!」
「私が…憧れ…」
「だから…なるべきじゃなかったなんて…言わないで。貴方は魔法少女スノーホワイト、私たちに…希望をくれた…憧れの魔法少女…!」
スノーホワイトは驚いていた。会うたびに舌打ちされたり、あまり1対1での関わりがなかったのもあって、嫌われていたんだろうなと思っていたリップルから励まされるとは思ってなかったからだ。
だが、スノーホワイトにとって、それは今この状況において最もうれしかった。
憧れ、希望…知らずのうちに、スノーホワイトは自分の目標に近づいていたのだ。
「そっか…ありがとうリップル。私…まだ、諦めない!」
「そう…それが貴方…私の知ってる…スノーホワイト」
「だったら…いつまでも…こうしてられない!はぁーっ!」
スノーホワイトは今あるすべての力を集中させ、拘束から脱出しようと試みたのだ。
強力な魔法で作られた頑丈な鎖はなかなか壊せない。だが、今のスノーホワイトは諦めない。
「何だ!?」
「スノーホワイト!?」
「いつまでも助けてもらってばかりじゃだめだと思ったんです!自力で脱出します!」
「は!?何言ってるぽん!?そんなもん無理に決まってるぽん!このベルトの魔法に敵うわけ…」
「それでも…私は!」
スノーホワイトは全身全霊をかける。そしてついに…
「はぁーっ!」
魔法の力で作られた鎖が千切れる。拘束は解かれ、スノーホワイトは解放された。
そしてすぐに、隣のリップルの元へ向かう。
「リップル、あなたも!」
「う、うん…分かった!」
スノーホワイトの力とリップルの力で、鎖を破壊した。これでリップルも解放されたのだった。
「大丈夫?」
「私は大丈夫。それにしても、スノーホワイト、貴方はやっぱりすごい」
「リップルが励ましてくれたからだよ。私こそ、ありがとう」
ウィザードは白い魔法使いから距離を置き、スノーホワイト達の所へ駆け寄った
「スノーホワイト、リップル!二人共、やるじゃん」
「ウィザードさん、ごめんなさい。いつも負担ばかりかけて…」
「いや、今回は二人のお手柄だよ。俺の方こそ、ごめん」
「そんな…ウィザードさんは謝る事ないですよ」
そんな会話を始めた3人に、ファヴは魔法で攻撃を仕掛ける。
イエス!サンダー!アンダースタンド…!
サンダーの魔法を放たれたが、3人はとっさに避けるのだった
「おっと危ない、ファヴ、スノーホワイト達に抜け出されて悔しかったのか?」
「まさか、ふざけたこと言うんじゃないぽん。意味の分からない謎パワーを使ってお前ら二人が抜け出したところで、他の奴らの魔力があるぽん!」
そういった白い魔法使いだったのだが…
「ん?なぜだ、さっきから魔力が増えていないぽん?」
魔力を吸収しているはずなのに、必要な分の魔力が集まり切らないことを不思議がる白い魔法使い。
すると…
「増えてないのはこういうことだ!」
「何ぽん!?」
シックス!バッファ、セイバーストライク!
白い魔法使いめがけて、まずはビーストが一撃。そして…
オレンジチャージ!
ヒッサーツ!フルスロットル!
オメガブレイク!
マイティ!クリティカルフィニッシュ!
鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイドが追撃を加える。
不意に必殺級の攻撃を5発も受け、白い魔法使いは大きくよろける。
「今しかない!」
ターンオン!
その瞬間を突き、ウィザードはアックスカリバーで白い魔法使いの持っていたエクリプスウィザードリングを破壊したのだった
「なんてタイミングの悪い合流ぽん!」
「仁藤!それに鎧武達も!」
「すまねぇ晴人、遅くなった!…んでこのワイズマンは誰?」
「こいつがファヴだ。どこからかドライバーを持ってきてオーガの体を乗っ取った」
「なんだそりゃ、何でもありってか」
「お前ら、こんなとこに集まってきてもいいのかぽん?この街に魔法少女は散りばめられてるはずぽん!」
焦りながらも白い魔法使いはまだ威勢を張っている。そんなファヴに、ドライブが答える。
「それに関しちゃ心配いらないさ。…な、みんな!」
「…は?」
困惑している白い魔法使い。すると、ライダー達から少し遅れて、ラ・ピュセル、アリス、トップスピードなど魔法少女達全員が合流したのだった。
「トップスピード!無事でよかった…」
「当たり前だ!こんなんで死ぬかっての!お前こそ、無事でよかったぜリップル!」
「ラ・ピュセル!アリス!みんな!」
「見ての通り、私達は無事だ。スノーホワイトも無事で安心したよ」
「なーんでお前らそろいもそろって生きてるぽん!ライダーなんかせいぜいウィザード抜いて5人しかいないのに、すぐに救助されてるなんてインチキぽん!」
激昂する白い魔法使い。そんな姿を見て、エグゼイドが煽るように続けた。
「インチキじゃない。それこそ、裏技だよ。う ら わ ざ。」
「舐めてんのかぽん!」
「ここには合流してないけど、みんな思いは一つだったんだ」
ゴーストが答え、鎧武はウィザードの横に並び立つ。何があったのかウィザード自身も気になって尋ねた。
「実際、どうやってみんなを助けたんだ?」
「仮面ライダーは俺たちだけじゃないって事さ。さぁウィザード、反撃と行こうぜ!」
鎧武の言葉にウィザードは一瞬で何かを察し、ふふっと笑って仕切り直す。
「そうだな、ここからが本番だ。ファヴ!」
「散々寒い友情ストーリーを聞かされるのはうんざりぽん。サバトは上手くいかなかったけど、こっちにだってまだ隠し玉はあるぽん!」
そう言うと、魔法陣が4つ浮かび上がる。そこから現れたのは…。
「お前らライダーに因縁がある敵を呼び出してやったぽん。これでいい勝負ぽん」
現れた4人の敵。
仮面ライダーマルス、ゴルドドライブ、仮面ライダーエクストリーマー、仮面ライダークロノス。ファヴが隠し持っていた切り札である。
そして、数えきれないファントムやグールの大群も続々と呼び出された。
「そっちも戦力総出ってわけか、だが俺たちはここで負けるわけにはいかない…そうだよな?」
「当たり前だ!まだ食い足りないしな!」
「俺達は絶対に諦めない!」
「さて、走るぜベルトさん!」
『OK、いくらでもついていこう!』
「俺達の、思いの力を見せてやる!」
「この戦いも、俺たちが攻略して見せる!」
決意を固める仮面ライダー達。そして、
「私達だって戦います!」
「幾度となく助けてもらったんだ、借りは返す!」
「…生き残るために、私も戦います…」
「やるよ、トップスピード」
「ノリノリじゃねえかリップル!よし、飛ばすぜ!」
「みんな、やるよ」
「もちろん、リーダー!」
「恩返し、だもんね」
「わ、私も、みんなと戦うよ!」
「ナナ、私達も!」
「もちろん。最大限の援護を!」
魔法少女達も、共に並び立つ。全ての元凶を打倒するため。この戦いを終わらせるため。
ウィザードがマントを翻す。
「さぁ、ショータイムだ!」
今、仮面ライダーと魔法少女達の総力戦の幕が上がるのだった。
というわけで49話でした~。お待たせしてました!
ちょっと魔法少女の影が薄かったかなー…すみません
ここから最終決戦!というところなのですが、次回は49.5話、少し巻き戻ってどのようにしてラ・ピュセル達魔法少女が救い出されたのかのお話になります。
短めにはなるかもしれませんが、ビーストや鎧武達はもちろんのこと、最近登場していない外科医ライダーや、主人公達と共に戦ったあのライダー達の姿が見れるかも…!
お楽しみに!