仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
平成ライダージェネレーションズ、楽しみです。
ファヴは、ラ・ピュセルがウィザードという魔法使いへの変化を信じれなかった。
ウィザードへ質問を投げつける。
『ラ・ピュセル、アバターキャラ変更は出来ないはずぽん。まさかのチート使ったのかぽん?』
「いや、俺はラ・ピュセルじゃないから」
『じゃあ乗っ取りってやつぽん?』
「悪く言えばそうなるな。俺の魔法で少しの間だけラ・ピュセルのデータを変身させたんだ」
~少し前~
「ラ・ピュセル、それ面白そうだな。ちょっと借りていいか?」
「え、いいけど晴兄には使えなさそうだよ」
「まぁ見てな。こいつでどうかな?」
ドレスアップ、プリーズ!
ウィザードはドレスアップの魔法をマジカルフォンに使い、アバターのラ・ピュセルをウィザードに変身させた。
「うわっ!本当にウィザードに!」
「じゃ、ちょっと借りるぞ」
「というわけで今はラ・ピュセルのデータを借りてるんだ」
『なるほど、分からないぽん。』
ファヴが困惑の表情を見せていると、銃を持った少女がウィザードに近づいてくる。
「ん?どうしたんだ?」
ウィザードは声を掛けるが無視され、その代わり顔に銃を突きつけられた。
「おっと、これは一体…?」
「自己紹介だよ。あたしはカラミティ・メアリ。とりあえずあたしを煩わせるな、ムカつかせるな、オーケイ?」
「ちょ、姐さんやめて!落ち着いて!」
「あんたには聞いてないよトップスピード。ほら、ウィザードだっけ、オーケイ?」
トップスピードが収めようとしたが聞く耳を持たない様子。
「ウィザード!ここは謝っとけ!じゃないと撃たれる!」
「えぇ…なんだかよくわかんないけど、撃たれるのは御免だね」
「あんた、なんかムカつくね…さっさと答えろ」
「じゃ、お詫びに魔法を見せてやるよ」
ウィザードがそう答えた瞬間、カラミティ・メアリは銃の引き金を引いた。
「ウィザードさん!」
チャットルーム内に銃声が響き渡り、同時に大きな光が魔法少女達を包んだ。
トップスピードら魔法少女は声も発することなく硬直し、唯一スノーホワイトはウィザードに声を掛けたが、そこにウィザードの姿は無い。
「あたしをムカつかせたのが死因だね…」
そう言い、足を動かそうとしたカラミティ・メアリだったが、足が動かない。
おまけに銃を持った手すら動かせない。よく見ると鎖で拘束されており、足下は魔方陣で囲まれていた。鎖も魔方陣から出ているようだ。
「くっ…まさか…」
「言ったろ、魔法を見せてやるって」
カラミティ・メアリの目の前には、さっき撃ったはずのウィザードが現れた。
「ウィザード!何で生きてるんだ!」
トップスピードは驚きの声をあげる。スノーホワイトも、ウィザードの無事に安心した様子。
「撃たれる前に、まず光を生み出す魔法で視界を眩ませて、テレポートで避けてからカラミティ・メアリを少し動けなくしただけだ。どうだ、俺の魔法は」
カラミティ・メアリは怒りの表情を見せたが、その後どうすることも出来ず、ただ無言で黙っていた。
『これはとんでもないのがやって来たぽん…』
「ウィザード!お前とことん強いな」
トップスピードがウィザードに駆け寄る。
「これがこの指輪の力だ。魔法なら結構使えるぞ」
「ひえー、恐れ入るぜ」
「すごい魔法ですね、ウィザードさん」
ウィザードの前に今度は二人の魔法少女がやってきた。
「私はシスターナナと申します。どうぞ宜しく」
「ヴェス・ウィンタープリズンだ。ウィザード、その力で例の怪物とやらを倒したのか」
ウィンタープリズン、シスターナナと名乗った二人は、特にウィザードと戦う気配は無いようだ。
「あぁ、そんなもんだな。というか二人共…」
ウィザードは二人に小声で話しかける。
「あのカラミティ・メアリってのはいつもあんな感じなのか?」
「そうだな。前にシスターナナもメアリの縄張りに入って撃たれかけたこともある」
「うわぁ…そりゃ恐ろしいな」
「まぁ、その時はウィンタープリズンが助けてくれたんですよ」
そういうシスターナナは更にウィンタープリズンの武勇伝を語りだした。余程仲が良いのだろう。
「いい仲間だな、二人は」
ウィザードがそう言うと、シスターナナは更に顔が赤くなった。
微笑ましいと思っているウィザードに、またまた声を掛ける少女達がいた。
「あなた、カラミティ・メアリを封じるなんて、すごい力を持っているのね」
そう言うのは、いかにも女王の見た目をした少女である。
「そりゃどうも。しっかしメアリって奴はみんなに怖がられてんだな」
ウィザードは先ほどまでカラミティ・メアリが居た方を見たが、その姿は無かった。
もう帰ったのだろう。どうやら彼女自身も今日のような敗北は初めてだったようだし、今の状況に耐えきれなかったのではないだろうか。
「あいつには少し恨みがあってね…何だか今のでスカッとしたわ。それだけ」
「わーツンデレー」
「ルーラがデレた!」
後ろにいた4人のうちの双子の天使のような魔法少女がルーラをからかった。
「うるさい!後で痛い目に遭わせるわよ!」
「ひえー!」
「冗談だよルーラ!」
「ふん、まぁいいわ。私はルーラ、覚えておきなさいウィザード」
「ユナエルでーす」
「ミナエルでーす」
「「二人合わせてピーキーエンジェルズでーす!」」
「漫才するな!」
ユナエルとミナエルの双子にルーラがツッコミを入れる。仲が良さそうな雰囲気である。
「あ、あの…たまって言います…宜しくお願いします…」
「私はスイムスイム…」
ルーラの近くにいた残りの二人もやってきた。
たまと名乗る少女は犬の着ぐるみのような格好で、愛らしい見た目である。
一方、スイムスイムはスクール水着のようなものを着用しており、かなり胸が強調されている。
「おう、宜しくな」
ルーラは4人も仲間を連れていて、人望が厚いのだろうとウィザードは感じた。
「他にも魔法少女はいるんだけどよ、今日は来てないみたいだ。」
トップスピードにそう言われ、どんだけいるんだよとウィザードは思っていたところ、今まで沈黙を保っていたファヴが話を始めた。
『挨拶は終わったみたいだぽん。これから超重要な話をするぽん。ラ・ピュセルにも伝えたいから、ウィザードは変わって欲しいぽん』
「そうか、分かった。じゃあなみんな」
そう言うとウィザードはチャットルームから消え、ラ・ピュセルが再び現れた。
「全く晴兄、死んじゃうかと思ったじゃないか」
「悪い悪い。でも今こうやって生きてるから問題無しさ」
現実では、颯太が晴人に説教をしていたが、小雪の一言で遮られる。
「二人とも、始まるよ」
~チャットルーム~
『今居ない魔法少女には後で誰かが伝えて欲しいぽん』
『今回召集をかけたのは、ある情報を知らせるためだぽん』
『現在魔法少女は、昨日新しく入った魔法少女含めて16人いるぽん』
『さすがに多すぎるとファヴは考えたぽん』
『そこで、魔法少女の数を減らすことにしたぽん』
『詳細は後日また教えるぽん。じゃあシーユーぽん』
そう言ったのを最後にファヴは消えてしまった。
そしてファヴの言葉をすぐに理解したものは、誰もいなかった。
~ある廃屋にて~
『まさかお前の警告していた魔法使いがこんなに早く現れるとは思ってなかったぽん』
「私にとっても予想外です。魔法少女を乗っ取って行動していれば、ウィザードに嗅ぎ付けられることは無いと思っていたんですが…」
『恐らくはファットソウが暴れ出したからだぽん。ファントムが出たと知られたら、来るのは当たり前ぽん』
「申し訳ないですね。こうなったらしょうがないですね、計画を早めましょう」
『本当はもう少し魔法少女共の仲を深めてから一気に突き落とすつもりだったんだぽん』
「でもまだ大丈夫です。これからでも十分でしょう」
『こっちも出来るだけ隠密にやってくつもりだぽん。でも恐らくあいつは現れるぽん』
「その時は、私自ら倒すのみです」
『楽しみぽん。魔法少女共の絶望する顔が早くみたいぽん』
というわけで4話でした。
いよいよゲスぽんが本性を出しました。
次回もお楽しみに!