仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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結局前回投稿から1ヶ月経ってしまいました。すいません。
今回からいよいよ物語もラストに向けて加速していきますよ〜
いよいよ明かされるこのゲームの真実に、魔法少女達は何を思う…?


第45話 決戦前夜

久々に姿を現したファヴは、魔法少女達に明日、チャットルームに集まるように。という言葉を残してまた姿を消した。

その言葉の中には、魔法少女のみの参加を強調していた。

仮面ライダー達の介入を嫌っているのが丸わかりの魂胆ではあるが、どのみちライダー達に情報が伝わるのはファヴも分かりきっているだろう。

チャットルームで何かを起こさないとも限らない。

ウィザード達はスノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスを集め、3人のチャットの動向を覗く事になった。

珍しく朝に集合な為、少しばかり眠気を感じさせる3人だったが、そんな事言っている場合でもないのは分かっていた。

時計の針が朝の8時を指す頃、姫河家の付近に集合した晴人、仁藤、小雪、颯太、亜子の5人。

仁藤はしばらく別行動であったが、今は晴人達と合流していた。

晴人はこの3人と共に行動しているが、他の魔法少女達にも、最低限の警戒はするようにと伝えてあった。

 

 

 

「多分、みんな集まってる頃だね」

「僕達も入ろうか」

「はい…」

「流石にチャットルームで何か起こるとは思わないけど、どうなんだ晴人?」

「そりゃ分からないけど、注意深く行った方がいいだろ。相手はもう何をしてくるか分からないからな」

「チャットルームに入りましたよ」

「おう。じゃあ、見せてもらいますか…」

 

 

 

 

〜チャットルーム〜

 

 

 

『みんなほぼほぼ時間通りに集まってくれて嬉しいぽん。円滑に進められるぽん』

「…」

 

 

 

チャットルーム内ではファヴが調子良く振舞っていたが、魔法少女達は言葉を発さずにファヴを見つめる。

集まった。とは言うものの、クラムベリーだけは姿を現していない。

既にスイムスイム達4人、そしてラ・ピュセルに襲撃を掛けた際に、正体がファントム・オーガであったことは知れ渡っている。

そして、クラムベリーとファヴが何やら企んでいる事も分かっていた。

何かを隠しているのは明白だった。

 

 

「ファヴ。最初に1ついいか?」

『なんだぽん?正直ここにいるみんなが聞きたいことが何なのかはある程度目星付いてるから、こちらからそれを含めて説明したいんだけども…だめぽん?』

「…分かったよ」

 

 

初めにファヴを問い詰めようとしたのはトップスピードだった。

しかし、ファヴが説明すると言うのなら、それを聞くことにした。

 

 

『まぁ、取り敢えず話させてもらうぽん。ここ最近は脱落者という脱落者は出てなかったぽん。まぁこの時点で気付いてたりするかもしれないけど、脱落者なんてものは、本来無くてもいいものだったぽん。要するに魔法少女を選抜する為のテストだったぽん。ごめんなさいぽん』

 

 

場が固まる。脱落者は本来必要無かったという言葉は、魔法少女達の色々な思いを全て無に帰した。

困っている人を助けてキャンディーを集めるのはまだ良いとしよう。

それ以外にも、生き残る為に良心を殺し、他の魔法少女を蹴落そうとし、裏切り、殺し合った者達もいた。

それが全て無駄、無意味だったのだ。

ウィザードに救われたものの、魔法少女としての生命を終える事となったねむりん、ルーラ、マジカロイド、メアリ達の犠牲は本来無かった筈だったのだ。

 

 

 

『必要の無い戦いを強いてしまった事は申し訳無かったぽん。でも、結果的に死者はゼロ。不幸中の幸いぽん』

 

 

そんな無神経な事を言うファヴに、魔法少女達の一部は怒りを抑えきれなくなった。

 

 

「幸いなわけないでしょ…。事実ねむりん達は死にかけたんだぞ!ウィザード達がいなかったら本当に命を落としていたのかもしれないのに!」

『だから、結果的にはウィザード達仮面ライダーがいたから良かったと言ってるんだぽん』

「そういう話じゃない!本当は殺す気だったんだろ…」

「意味が…無いなら…私はルーラを倒さなくて良かった…の?」

「うん…スイムちゃんも、私達も、他の魔法少女達を襲ったりする必要なんて無かったんだよ…?」

「そう…。ルーラは生きててよかったのに、殺そうとしてしまった…」

 

 

この話に敏感に反応したのはスイムスイム達。

彼女達は生き残る為に、ルーラを、そして魔法少女達を1度殺しかけた。

そんな事をする必要は無かったのだ。

スイムスイムは落胆し、ミナエルとユナエルは怒りでいっぱいである。

 

 

 

「ふざけんな!私達の戦いに意味は無かったってのか!」

『ちょ、ちょっと落ち着くぽん。だからこそ、最後のミッションを与えたいと思うぽん』

「これだけ言われても、まだ殺し合いを見たいのか!」

『違うぽん違うぽん!1度静かにしてほしいぽん』

「う、うん。みんなも、落ち着いて。ここで怒っても、も、もう仕方ないよ…」

 

 

ファヴを庇うわけでは決して無いが、このままいつまでも騒がしいままではファヴの意図は汲めない。

スノーホワイト達の呼びかけで、静寂がやって来るチャットルーム。

ファヴはこの隙に話を続けた。

 

 

『最後のミッションと言っても、後はこの街に現れたファントム達を討伐するだけぽん!』

「討伐って…そもそもファヴはファントムと組んでたんじゃ無かったのか」

「あれはオーガってファントムに脅されてたんだぽん。この土地、そして魔法少女達の魔力を喰いたいだけのアイツに、逆らえなかったぽん」

 

 

その言葉に、一同はまた静まり返る。

魔法少女達はこの言葉を信じているのか知らないが、スノーホワイト達の端末から会話を覗いている晴人にとっては、このファヴの言い訳は嘘だろうと断定していた。

メアリと接触したドライブ、泊進ノ介の言葉によれば、オーガを暴れさせていたのはファヴ本人であるとのこと。

分かりきった嘘をつくのなら、向こうにも何か意図があるのかもしれない。

本来ならここで攻め入るのも手かもしれないが、敢えて晴人達はファヴの言葉を信じたフリをする事にした。

 

 

 

『その肝心のオーガを中心にした残存ファントム。そいつらの討伐、完全撃破が最終目的ぽん。それが終われば、みんな魔法少女としてめでたく合格だぽん』

「何処もめでたい事なんてあるか。…まぁファントム達を倒せば、この戦いもお終いなんだな?」

『そうだぽん。その後は、みんな正式に魔法少女として活動できるぽん。色々ファヴ達の責任だけど、これで最後ぽん。詳しくはまたお知らせするから、宜しく頼むぽん!』

 

 

 

そう言い残し、ファヴはチャットルームから退室した。

最後までファヴへの罵倒は止むことは無かったが、最終目的のファントムの討伐。これを信じた魔法少女達は、ファントム討伐への最終準備を行うべく、順に退室して行った。

 

 

 

「何がファントム討伐だ…本当はなにか隠してるんだろうに!」

「そうちゃん落ち着いて」

「焦っても仕方ないと思います…」

「小雪…亜子ちゃん…そうだね。ごめん」

「落ち着いたか。…にしても、ファヴは自分が絡んでるのは最後の最後まで隠し通すつもりか…?」

「やっぱりあの野郎、ゲスだな…!でも晴人、あの時に乱入しなかったのは…」

「あぁ、少しアイツの口車に乗ったフリをする。それに、下手に動いてみんなに被害が及んじゃまずい」

「そういう事か。取り敢えずは様子を伺うんだな」

「そうしようと思う。小雪ちゃん達も、この策に乗ってくれるか?」

「はい!そうちゃん達も、それでいい?」

「うん。晴兄達に乗るよ」

「私も…皆さんに協力します…!」

「ありがとうな。あいつらはいつ仕掛けてくるか分からないから、慎重に行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、晴人、仁藤と別れて家に戻った小雪。

しかし、そこには颯太と亜子の姿も。

 

 

「…そうちゃん、亜子ちゃん。魔法少女って…何だろう…?」

「小雪?」

「…どうしたんですか?」

 

 

しばらく無言だった3人だが、最初に口を開いたのは小雪だった。

 

 

「私さ、今までこうやって魔法少女になって色んな事を経験したけど、私の信じる魔法少女って何なのか分からなくなっちゃった…」

「小雪…」

 

 

小雪が発した言葉は、颯太と亜子の想像とは違っていた。

 

 

「晴人さん達の前では、あんな事言っちゃったけどさ、本当は怖いんだ…私」

「どうしてですか…?」

「魔法少女として色んな人の助けになりたかったんだ。でも実際は怪物と戦ったり、生き残る為に他の魔法少女達とも殺し合いになって!…こんなの魔法少女じゃないよ…!」

 

 

1度叫ぶと、思いは止まらない。

泣きそうになりながら宛もない怒りをぶつける姿は、魔法少女スノーホワイトとしての面影を失っていた。

 

 

「次の戦いもどうなるか分からない…本当はもう戦いたくない!逃げ出したい!」

「小雪、落ち着けって…」

「そうちゃんだって!仁藤さんがいなかったら死んでたかもしれないんだよ!…もう誰かが傷つくのは見たくないよ…死にたくないよ…!」

 

「小雪ィ!」

 

 

怒りと怯えの収まらない小雪を止めたのは、颯太だった。

颯太は強く、また優しく小雪を抱きしめた。

突然の事で小雪は驚いていた。

 

 

「そうちゃん…?」

「…ごめんな、お前の気持ちに気付いてあげられなくて」

 

 

泣きそうになっている小雪を支え、優しく囁く颯太。

そして、そのまま続けた。

 

 

「ここまでの事は、多分小雪が夢見てたモノとは違う世界だと思う。嫌になるのも…分からないわけじゃない。でも、魔法少女も、仮面ライダーと同じなのかもしれない」

 

 

こう話す颯太の脳裏には、いつの日か晴人から聞いた、晴人自身の戦いの話を思い浮かべていた。

 

 

「晴兄が言ってたんだ。苦しくて、辛くて、逃げたくなる事もある。でも後悔したり、諦めたりするよりも、前に進むんだって。その通りかもしれない」

「でも…私…」

「無理に戦え、なんて僕は言えないよ。でもこれだけは言わせて…!小雪。君の事は絶対僕が守る。魔法少女としても、1人の人間としても、僕は君の剣になるよ」

「う…うん。ありがとう、そうちゃん…本当に…!」

「あ、あぁ」

 

 

あまりにも素直に礼を言われるものだから、少しばかり照れている颯太。

そこに、今まで2人を静観していた亜子も加わった。

 

 

「…私も、スノーホワイトの、小雪さんの力になりたい…です。だって、私が魔法少女になりたいって思ったのは、貴方の優しい笑顔と、前向きな気持ちに憧れたからなんですから…」

「亜子ちゃんも、ありがとう…」

「いいんです。それに、颯太さんはあなたの剣になると言いました。なら、私はあなたの盾になります…。怖がらせてしまうかもしれませんが、ある程度の攻撃なら、再生します…」

「それはまずいだろ!」

「ふふっ…ありがとうね、そうちゃんも亜子ちゃんも。私も元気出たよ!」

「それでこそ、小雪だよ」

「その笑顔が一番ですよ…!」

「うんっ!最後まで絶対生き残ろうね。そうちゃんも亜子ちゃんも、そして魔法少女みんなと晴人さん達で!」

 

 

消えかけていた小雪の希望を取り戻したのは、仲間であり、大切な幼馴染でもある颯太と、新参ながら小雪の身を案じ、彼女自身に憧れている亜子であった。

再び最後の戦いへの決意を固めた彼女ら3人。

 

 

また一方で、他の魔法少女達は…。

 

 

「はぁ…こりゃまた随分と大変な事になっちまったなー…なぁ、リップル」

「ファントムを倒せば終わるんでしょ…?だったら、言葉通り、倒せばいい」

「それ言っちゃそうなんだけどもな…」

 

 

トップスピードとリップルは、街から少し離れた公園に集まっていた。

今の時間は誰も来ておらず、人気は全く無い。

それを狙ってこの場所にした、という事もあるのだが。

 

 

「なんか、色々あったなー…俺が魔法少女になってから。まさかここまで壮大なモンになっちまうなんて」

「何でそう思うの…?」

「ほら、最初は魔法少女になったこと自体に驚いてて、でもゆったりと人助けしていって…気付いたらファントムって奴らと戦ったり、魔法少女同士で戦ったりさ…それにここから先も、どうなるか分からないからな」

 

 

そう言ったトップスピードは自分のお腹を見つめてそう言った。

それに気付いたリップルは、慌てて言葉をかける。

 

 

「トップスピード…。何かあったら、私が守らないと」

「あんがとよ、リップル。でも心配には及ばないぜ。俺だってそう簡単にくたばるつもりは無いさ」

「うん。絶対生き残る…!」

「その為には、お前の力も必要だ。改めて宜しくな、リップル」

「…こちらこそ。トップスピード」

 

 

2人は改めて生き残る事を誓った。

そしてリップルは、トップスピードの大切な新しい家族を守り抜く、その決意と共に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リーダー…私達、大丈夫かな?」

「何で?」

「ほら、だって私達さ、今までどちらかと言うと他の魔法少女達を襲ったり殺そうとしてた立場だったじゃん?…その、今更他のみんなと同じ場所にいていいのかなって」

 

 

王結寺に再び集まっていたスイムスイム達。

明日の最後の戦いを前に、彼女達は様々な思いを打ち明けていた。

自分達は他の魔法少女達と同じ場所に立っても良いのか。そう話したのは、ピーキーエンジェルズのミナエル、ユナエルであった。

 

 

「じゃあ…やめる?」

「えっ」

「行きたくないなら、やめればいいと思う」

 

 

2人にそう言い放ったのは、スイムスイムだった。

今までもスイムスイムのハッキリとした言動はあったが、これは彼女の幼さ故の感情から来ているのかもしれない。

 

 

「そこまでストレートに言われるとは思わなかったわ…」

「わわわっ!ほら、ミナちゃんもユナちゃんもさ、私はみんなと一緒に戦うべきだと思うよ!迷惑をかけてきたからこそ罪滅ぼし…にはならないかもだけど、助けになる事が大切だと思うよ」

「そう…だよね、たま」

「要するに、恩返しって事だね。そう考えたら良いかも!」

「そういう事なら…たまも戦う?」

 

 

スイムスイムはたまに聞いた。

たまは大きく頷き、了承する。

すると、スイムスイムも頷き、口を開いた。

 

 

「なら、私も恩返しする。全員で協力して戦う」

「そう…みんな成長したのね」

 

 

そう言ってスイムスイム達に声をかけたのは、先程まで後ろで静観していた早苗だった。

 

 

「ルーラ…」

「私にも、何か手伝える事ってあるかしら?」

「いや、ルーラは来ない方がいい。変身出来ない以上危険。死んで欲しくない」

「…そう、分かったわ。じゃあ私はあなた達を応援するわ」

 

 

命の危険を語られた以上、流石に早苗も素直に頷いた。

そして、早苗からの激励に、スイムスイム達は笑顔で応えた。

 

 

「絶対に戻ってくるから、ルーラ」

「何があっても、絶対生きて戻るよ」

「当たり前よ、死んだら許さないわよ!」

「死んじゃったら分かんないよー!」

「ちょっと、ユナちゃん!不謹慎だよー!」

 

 

こうして、彼女達は必ずもう一度5人でここで会うと約束した。

そして、必ず約束を守る為に、生き残る覚悟を決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、別の場所でも、戦って生き抜く覚悟を固めた2人がいた。

 

 

「奈々、ここまで色々あったけど、私はこうやって奈々といれることが1番嬉しいんだ」

「私も。雫といれるのが本当に嬉しいわ」

「あぁ。ありがとう」

 

 

ヴェス・ウィンタープリズンの変身者、亜柊雫と、シスターナナの変身者、羽二重奈々。

同じマンションで同居している2人は、性別は女性同士でありながら、性別を越えた関係を持っていた。

お互いに信頼し合い、また愛情を持っている2人は、これまでの戦いを共に乗り越え、生き延びて来た。

ここから先の戦いに、彼女達が出した答えは…。

 

 

「次が最後の戦いになるかもしれない。それが終われば、私達は争いから解放される…と私は思ってる」

「ええ。やっと魔法少女の本来の役目に戻れるかもしれないのね」

「ただ、相手はファントムの軍団だ。得体のしれない奴らだから何をしてくるか分からない。何が起こるか分からない以上、奈々を戦わせたくないっていう気持ちもあるんだ」

「雫…。でも、私だって魔法少女よ。雫を1人で戦わせるわけにはいかないし、私の力も役に立つはず。行くなら一緒よ。それに、仮面ライダーさん達への恩返しもしなくちゃいけないし…」

「確かにそうだね。君がいてくれたら、私はもっと強くなれる」

「なら、決まりね。一緒に行きましょう!」

「分かった。持てる全ての力で、君を守り抜く」

「私も頑張るわ。あなたの力になりたいから」

「ああ。それと奈々、この戦いが終わったら、また何処かに2人で出掛けよう」

「ふふっ、そうね。その為にも絶対に生きて戻ってきましょう、雫」

 

 

 

奈々と雫。2人の出した答えも戦い、生き残る事だった。

こうして、ここまで生き抜いてきた魔法少女達は、決戦に向けて準備を整えていた。

1度は殺し合おうとしたり、憎みあったりもしていたが、今の彼女達の目的は再び1つになろうとしている。

そして、ここまで魔法少女達をサポートし、助けてきた男達も、準備を整えていた。

それは操真晴人と仁藤攻介である。晴人は颯太と連絡を取り合い、仁藤は街の夜景を眺めながら、黄昏ていた。

 

 

「小雪ちゃん、大丈夫だったみたいだ」

「へ?何かあったのか晴人?」

「ほら、なんとなくではあるけど、あんまり調子良くなさそうだったろ?気になったから、颯太に先に連絡を入れておいたんだ」

「いつも通りっぽく振舞ってたけど、確かに調子悪そうだったな…にしてもお前、気配りのプロだな」

「戦いたくないのに、無理に戦わせるのは酷だろ?小雪ちゃんの本心がどうなのかは分からないが、このメールを見る限り、とっくに覚悟は決まってるみたいだ」

「なら安心だな。じゃあ俺達もあいつらをぶっ倒さないとな!」

 

 

 

ファントム達と、真の黒幕を倒すと高らかに宣言した仁藤であったが…。

 

 

 

「だからと言って特攻するのも良くないですよ、仁藤さん」

「おっと…聞かれちまってたか。なぁ永夢」

「正確には、永夢だけじゃないんだけどな」

 

 

 

晴人達の姿を少し遠くから見ていたのは、永夢、タケル、進ノ介、紘汰の4人だった。

これまでは、それぞれ別行動を取っていた彼らだったが、やっとの事で合流を果たしたのであった。

 

 

 

「皆さん、また会えましたね」

「あぁ。でも、出来ればいい知らせとして会いたかったな」

「そうは言っても神様、あんた地球に危機が訪れないと帰ってこないだろ?」

「…まぁ、そうだな。今回も舞に向こうの世界を預けてるからな」

「にしても紘汰。最初に会った時から、お前が1番進化してるよな、色々。武神の世界であった時には、まさか神様になるとは思わなかったよ」

「え?そうか?みんなだって色々あるだろ?」

「確かに色々ありますけど、神様って聞いて驚きましたからね、僕。最初に会った時は空から降りてきましたし」

「パックマンの時は、急いでたからさ。ダイナミックに来るのもいいかなーって。俺としては、永夢のムテキゲーマー?とやらが凄いと思うんだけどな。だって、ダメージ受けないんだろ?」

「えぇ。まぁ、常時無敵って感じです。凄いのはお互い様かもしれませんね。紘汰さんは、本当に神様って感じがしますもん」

「本当にって、何かあるのか?」

「まぁ、僕達の所には自称神がいるんですけど、これまたうるさくて…。でも、その人がこのハイパームテキを作ったんですけどね」

「へぇ、そりゃすごい。充分神じゃないか?」

「え?ガシャットを作ったって事は…。永夢先生、もしかして、幻夢の社長さんが?」

「うん…。黎斗さんが作ったんだ」

「アレ…そんな人でしたっけ?」

「まぁ、色々あってね…今は社長じゃなくなったし、あの人の技術は凄いんですけど、何せうるさくて…」

「ははっ、みんな色々あったもんなんだな」

 

 

今までの話や思い出話をしていた、晴人、紘汰、進ノ介、タケル、永夢。

そんな彼らに、仁藤が割り込んだ。

 

 

「ちょっとお前ら、何5人で楽しそうに談話してるんだよ!全く混ざれねぇ!」

「しょうがないだろ、ほとんどお前がいなかった時の話なんだから」

「くっそー!パックマンとやらが出てきた時も、俺には連絡無しで行っちまうし、晴人羨ましいぞ!でも、紘汰が神になったってのは分かったぞ!」

「結局そこかよ!」

「さーてと、思い出話もこんくらいにしとくか。ここからは何が起こるか分からない。最後まで、手伝ってくれるか?」

 

 

晴人が、他の5人に問う。

分かっていたが、全員の答えは同じだった。

 

 

 

「当たり前だ!ファントム食って、キマイラのランチにしてやる!」

「僕も戦いますよ、パックマンの時にお世話になりましたから」

「俺もです。みんなの為に、最後まで戦いますよ!」

「あぁ。トップスピード達も心配だし、俺からも協力をお願いするよ」

「魔法少女のみんなを助ける為にも、この街の怪物共を倒す為にも、俺も戦うぜ」

 

 

仮面ライダー達の答えを聞いて、晴人も同意した。

 

 

「みんな、ありがとう。ここからは後少しだ、取り敢えずは明日、ファントム達を倒す!」

 

 

晴人の言葉に、5人も頷く。

そして、晴人はこう呟いた。

 

 

「本当のショータイムはここからだ…!」

 

 

 

 

いよいよ、最後の戦いの火蓋が、切って落とされる…!




という訳で、次回から終章に入っていきます。
仮面ライダー集合の乱戦バトルはもう少しだけ先ですので、もう暫しのお待ちを!
ちなみに、この話の時系列は平成ジェネレーションズFinalよりも前の話で、エグゼイド組は最終回からトゥルーエンディングまでの間に起こった話という事で最終決定です。(色々ズレてたりしてる気がしますが、すいません。御容赦を。)

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