仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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はい、今回はメアリ編ラストでございます。
先に言いますが、今回は魔法少女達は終盤空気気味ですので、ご了承を。
そして、メアリの運命や如何に!?

せっかく投稿頑張ると言って息巻いていたのですが、こちらのミスでデータが飛んでいきまして、結局投稿が延びたことをお詫びします。


第40話 いつかその日まで

仮面ライダーウィザード、操真晴人は、魔法少女カラミティ・メアリを死から救うため、彼女のアンダーワールドに突入して行った。

 

 

 

一方、仮面ライダードライブ、泊進ノ介は魔法少女スイムスイム、ミナエルと激闘を繰り広げていたが…。

 

 

 

「お姉ちゃん…」

「…ユナ…」

 

 

 

ミナエル、そしてスイムスイムの前に対峙するユナエルとたま。

ドライブはそれを黙って見つめている。

 

 

 

…何故こんな状況になったのか、というのも、少し前。

 

 

 

「おい!ドライブ!」

「お、お前はウィザード!」

 

 

 

ドライブがスイムスイム達と戦っている最中、現れたウィザード、そしてスノーホワイトを始めとした魔法少女達。

その中には、ユナエル、たまの姿も。

 

 

「久しぶりの再開ってとこだが、それは後だ。ドライブ、一体これはどういう状況だ…?」

「この二人がいきなり襲いかかってきたんだ、取り敢えず、リップル達は避難させたが、メアリが突然苦しみ出してな…リップル達はお前しか対処出来ないって言ってた、早々悪いが、そっちに行ってくれるか?」

「あぁ、分かった。メアリの事は任せろ。行くぞ、みんな!」

「晴人さん、メアリを助けに行くんですか?」

「当たり前だ、今までの事があったとはいえ、死なせられるか」

「やっぱ凄いな、晴兄…いやウィザード。私達も行こう」

「すまん、こっちはなんとか抑えるから、メアリの事は任せる」

「あ…それと、この2人はここに置いていくから」

 

 

 

そう言って、晴人はユナエルとたまを送り出す。

 

 

 

「何故、この2人を?ていうか、双子か?」

「まぁな。とにかく、自分達のトラブルは自分達でケリを付けたいらしい。二人を頼む。じゃあな」

「あ、あぁ…気を付けろよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この状況となったのだ。

対峙していたユナエルが、先に口を開いた。

 

 

 

「お姉ちゃん、もう分かってるでしょ、こんなこと無駄だって…」

「ユナこそ、何今更善人ぶってんのさ。そっちこそ無駄な足掻きなんじゃないの?」

「だからって、魔法少女を殺していったって意味無いよ…虚しいだけだよ…」

「じゃあ何もせず死ねって言うのかよ!ここまでやってきて、もう私達は戻れないんだよ!ルーラを殺そうとしたその時から!」

「何で…何でよ…お姉ちゃん」

 

 

「たまちゃん…だよな?話を聞いた感じ、君たちは元々仲間だったのか?」

「はい…元々はルーラっていう魔法少女とも一緒に組んで、5人で活動してたんです…でも、ケンカとか色々して、今ではこんな風に…」

「そうか…深い事情は分からないが、苦労してるんだな」

『君たち魔法少女にも、色々あるのだね…』

 

 

 

同情するドライブとクリムから視線をスイムスイムへと移したたま。

なんとかスイムスイムにも交渉出来ないものか、とたまは声を掛ける。

 

 

 

「ねぇ、スイムちゃん…」

 

 

 

ゆっくりとスイムスイムへ近づくたま。

しかし、そんなたまに、攻撃が迫る。

 

 

「危ないっ!」

 

 

ドライブの援護で、なんとか攻撃を避けたたま。

しかし、攻撃を与えてきた主は…

 

 

 

「…たま。よく聞いて」

 

 

 

 

攻撃してきたのは、スイムスイムだった。

そして、たま達を見つめてこう言う。

 

 

 

「今日はもう終わり。これから二人がどうするのかは、二人で決めて」

「スイム…ちゃん…?」

「だけど、もしこれからも私達を邪魔するようなら…その時は容赦しない」

 

 

 

スイムスイムから放たれた言葉は、実質チーム解散を宣言されているようなものだった。

 

 

 

「ミナエル、帰ろう」

「…分かった」

 

 

 

ユナエルから視線を外し、スイムスイムと共に帰ろうとするミナエル。

ユナエルは堪らずに声をかける。

 

 

 

「お姉ちゃん!」

 

 

 

ユナエルが声を掛けたが、ミナエルは振り向くことは無かった。

そしてたまもユナエルも、スイムスイム達が帰っていくのを見つめる事しか出来なかった…。

 

 

 

「お姉ちゃん…私は…」

「…」

 

 

 

たまもユナエルも黙り込んでしまい、沈黙の時間が流れる。

 

 

 

「あの二人の事は、また話し合えばいい…」

「そうですよね…分かってくれますよね…?」

「あぁ、きっとな。今はメアリやウィザードの元へ急ごう」

「…はい」

 

 

 

ドライブ達はウィザード達に合流するため、移動を始めた。

しかし、たまには、先ほどのスイムスイムの言葉が、心の中に錘として残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エンゲージ、プリーズ』

 

 

 

仮面ライダーウィザード、操真晴人はたった今、魔法少女カラミティ・メアリのアンダーワールドに突入した。

彼女のアンダーワールドへダイブし、世界に足を踏み入れる。

そこに広がっていたものは…。

 

 

 

 

「…へぇ、これが彼女の“希望の世界”か…」

 

 

 

 

目の前に広がるのは、家族と思われし3人が、幸せに暮らしている風景である。

娘らしきまだ幼い少女と遊ぶ父。

そして、それを見守る母。恐らく彼女が、カラミティ・メアリだろう。

 

 

 

 

「やっぱり、誰にだってこういう希望は残ってるんだ。だから…」

 

 

 

ウィザードが振り返る。

そこには、アンダーワールドの景色を破壊しながら進むファントム、サイクロプスの姿が。

しかし、以前ウィザードはサイクロプスを撃破している。

 

 

 

 

「こいつらはやっぱ人造ファントムか…だが、そんなの関係ない。大切な希望を、こんな所で無くしてたまるか!」

 

 

 

 

ウィザードは指輪を付け替える。

付け替えた緑の指輪をベルトにかざし、形態を変化させる。

 

 

 

『ハリケーン…ドラゴン!』

 

 

 

ハリケーンドラゴンへ変化したウィザードは、サイクロプスの攻撃を華麗に避けて、ソードガンで脚部を攻撃する。

巨大な図体をしているサイクロプスは、脚への的確な攻撃でよろめき、バランスを崩す。

その隙を付き、ウィザードは必殺魔法を発動する。

 

 

 

『チョーイイネ!スペシャル、サイコー!』

 

 

 

翼を生やしたウィザードがそのままサイクロプスに突撃する。

しかし、サイクロプスが手に持っていた棍棒を振り回して応戦したため、棍棒に弾かれウィザードは吹き飛ばされた。

 

 

 

「うおっ!?全く、とんでもない暴れん坊だな…だったらこっちも力技だ!」

 

 

 

ウィザードは青い指輪を付け、姿を変化させる。

 

 

 

『ウォーター…ドラゴン!』

 

 

 

「さてと、早速で悪いが、動きを封じさせてもらうぜ…」

 

 

 

『チョーイイネ!ブリザード、サイコー!』

 

 

 

ブリザードの魔法で、サイクロプスを凍らせていく。

最後まで抵抗を続けるサイクロプスの攻撃を避けていきながら、ブリザードの魔法を放ち続ける。

そして、最後まで暴れ続けていたサイクロプスも、ついには完全に凍ってしまった。

 

 

 

「よし、フィナーレだ!」

 

 

 

『チョーイイネ!キックストライク、サイコー!』

 

 

 

魔法陣が現れ、ウィザードは水の力を増大させる。

そして、そのまま回転しながらサイクロプスに必殺、ストライクエンドをお見舞いする。

 

 

 

「だあああああああ!」

 

 

 

凍った状態のサイクロプスは、断末魔を挙げることも無く、氷のようになった全身を砕かれて消滅した。

 

 

 

「ふぃー…」

 

 

 

壊されかけていた世界が修復されていく。

そして、アンダーワールドの中には家族の暖かい空間が戻ってきた。

 

 

 

「…この笑顔が、今のメアリにも戻ると良いんだがな…」

 

 

 

アンダーワールドから戻ってきたウィザード。

そこには魔力を失い、人間の姿に戻ったメアリの姿があった。

その姿は、あまり綺麗な姿とは言えず、暗い雰囲気を醸し出していた。

 

 

「お疲れ様でした、晴人さん」

「上手く行ったようで何よりだよ」

「ウィザード!なんとかなったみたいだな!」

「あぁ、トップスピードもリップルも、ありがとな」

「やるべき事をしただけ」

 

 

 

 

待っていたスノーホワイト達が声を掛けてくる。

彼女達と話した後、リップルとトップスピードに礼を言ったウィザード。

そして、メアリに声を掛けた。

 

 

 

「あんたがメアリの人間体か。取り敢えず、あんたが死ぬことはもう無い、安心してくれ」

「そうかい。一応感謝しておくよ。こんなあたしでも助けた事をね」

「どういたしまして。って言っておくよ」

 

 

「おーい!ウィザード!」

 

 

 

ウィザードが振り向くと、ドライブ達がやって来ていた。

 

 

 

「ドライブ!それにたま、ユナエルも。あいつら、どうだったんだ?」

「それがだな…」

「…これ以上邪魔するなら、容赦しないって…」

「そっか…スイムスイム達、一体何考えてるんだか」

「そういうお前は、メアリを助けられたようだな」

 

 

 

そういうドライブは、メアリの人間体を見て、驚きの声を挙げた。

 

 

 

「おっ!?お前まさか…山元奈緒子…?」

「…そうだよ、あたしが山元だよ」

「泊刑事、山元奈緒子って…」

「あぁ、警察が探してた人間だ。まさかお前とは…」

「あたしを捕まえるんだろ?」

「…そうなるな。今回の1件もそうだが、お前には児童虐待の罪も重なっている」

 

 

 

ドライブの告げた言葉に驚くウィザードや魔法少女達だったが、当のメアリこと山元奈緒子は冷静だった。

 

 

 

「ドライブ、あんたにやられた時にもう分かってた事さ。どの道あたしに残されたものはもう無い。どうぞ捕まえてくれ」

「メアリ…」

「いや、もう無い、なんてことは無いかもしれない」

「…は?」

 

 

 

ウィザードにそんな事を言われ、驚く奈緒子。

そのままウィザードは続けた。

 

 

 

「確かにあんたは全てを失ったかもしれない。でも、その無くしたものを、また1から取り戻していけばいいんじゃないのか?」

「ハハッ…面白い事言うね。でも、私はもうそんな事出来る状況じゃないのは、あんたも分かってるだろ?」

「今は、な…だからお前が罪を償って、もう一度戻ってこれる時が来たら、またやり直していけばいいさ」

「…そうかね。まぁ、いつかそんな日が来るならね」

「来るさ。絶対な」

 

 

 

ウィザードがそう言うと、奈緒子は笑って応えた。

…少し経った後、ドライブこと泊進ノ介によって奈緒子はやって来たパトカーに収容されていった。

最後の別れの際に奈緒子は、世話になった。とウィザードや、魔法少女達に告げていった。

そしてウィザードは、いつか彼女にも希望が再び灯る事を信じて見送っていた。

 

 

 

 

「これで、取り敢えず一段落だな」

「確かに、今回はドライブ。お前のお陰で助かった事もある。ありがとうな」

「礼には及ばないさ。それに、まだ全部は終わってないだろ」

「…そうだな。この件の元凶含め、まだ解決してない事がたくさんだ」

「俺も協力するよ。せっかくベルトさんが帰ってきたんだ、俺たちにも出来ることがあるはずだ」

「俺からも頼む。これからも手を貸してくれ、ドライブ。いや、進ノ介」

「こちらこそ。晴人」

 

 

 

晴人と進ノ介は、固い握手を交わした。

そして、今起こっている出来事を整理する。

 

 

 

「取り敢えず、俺はスイムスイム達の件をどうにかしたい。進ノ介、お前は永夢や仁藤達の方に向かってくれ」

「それは構わないが、スイムスイムってのも結構厄介だぞ、あれを止めるのは相当…」

「…宛がある」

「えっ、そうなのか?」

「完全に止めるのは困難かもしれないが、現状のあいつらをどうにか出来るかもしれない」

「そんな人がいるのか?」

 

 

「あぁ。1人、スイムスイムが目標にしてる奴がな…」




というわけで、メアリ編は終了し、無事に?メアリは罪を償うでしょう。
少々メアリの過去関連は情報が少ないので、オリジナル設定を適用しました。
次回は、今回描写しなかったゴースト、エグゼイド達の戦いを主にやっていきます。
そして、久々にあのキャラの登場もあります。

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