仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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第37話 復活する戦士は何の為に走るのか

「おい、今の爆発はなんだ!」

「分かりません。でも向こうの方で何かが起こったんじゃ…」

 

 

 

 市街地についたウィザード、スノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリス。

突然の爆発に驚く4人だったが、その場所へ急いで向かう。

その場所とは、高層ビルが建ち並ぶ、如何にも街という場所である。

しかし、そこには割れたビルの窓ガラスが散らばっており、横転している車から炎が燃え盛り、地面には血痕が残されている。

 

 

 

「なんだこれは…」

「酷い…」

「まるで、爆発でも起こったような…」

「…皆さん、向こうに何かいます」

「本当だ、何かあるかもしれない、急ごう」

 

 

 

 ウィザード達が進んだ先には、赤い車が止まっていた。

ウィザードはその車に近づく。

すると、車の中から、小さいミニカーが飛び出してきた。

 

 

 

「わわっ、なにこれ?」

「何なんだこの車…?」

「以外にも…かわいいミニカー…」

 

 

 

 スノーホワイト達3人は不思議がっているが、ウィザードはこのミニカーに見覚えがあった。

 

 

 

「確かこれって…ドライブの…」

 

 

 

 ウィザードがそう呟いた途端、その小さなミニカーから声が聞こえた。

 

 

 

『やぁ、仮面ライダーウィザード。久し振りだね』

 

「うわぁ、喋った!?」

 

 

 

 スノーホワイト達は突然話はじめたミニカーに驚いているが、ウィザードは久々の再開である。

 

 

 

 

「あぁ、久し振りだな。でもあんたはまた封印されたんじゃなかったのか?」

『財前との戦いの後、確かに私はもう一度ドライブピットの地下に自らを封印した』

『でも、また鎧武に呼び起こされてね。緊急事態だと聞いているよ』

「そうだったのか、やっぱ神って何でもアリなんだな」

『そのようだね。科学的な思考では理解出来ない領域に行ってしまっているよ』

 

 

 

「…ねぇそうちゃん。話分かる?」

「分かるわけないよ、晴兄の仲間ってことしか分からないよ」

「…でも、仲間が増えるのは良いことなのでは?」

 

 

 

 

 話に付いていけない3人に気付いた晴人はミニカーに3人を紹介する。

 

 

『彼女達が、魔法少女かい?』

「あぁ、よく分かったな」

 

「あ、あの…私はスノーホワイトって言います!」

「私はラ・ピュセル」

「…ハードゴア・アリスです」

『そうか、私はクリム・スタインベルトだ、今はこうやってシフトカーというメカを通じて君達と会話しているが…』

 

 

 

 

ㅤそう言うと、赤い車の中からベルトがシフトカーに連れられてやって来た。

 

 

 

 

『私はこのようにベルトだ、ベルトさんとでも呼んでくれ』

「は…はい。分かりました」

「すごいな…仮面ライダーって何でもありなんですね」

 

 

 

スノーホワイトとラ・ピュセルが驚いている一方、晴人はある男の存在をクリムに問う。

 

 

 

「そういえば、進ノ介は来てるのか?」

『あぁ…進ノ介はこのトライドロンの中に休ませているよ』

「休ませてる?どういう事だ…?」

『実はだね、さっきの爆発に進ノ介が巻き込まれたみたいでね…』

「何!?大丈夫だったのか?」

『負傷はしているが、命に別条は無い。シフトカーに治療をさせているよ』

「そうなのか…でも一体何で爆発なんて…」

『何者かが事前に爆弾を仕掛けていた可能性があるな…』

「事前にか…」

 

 

 

 

 

 と、晴人達とクリムが話していた時だった。

晴人達の前に、突然グール軍団が現れた。

それも、今までに無いくらいの

 

 

 

「こいつら、一体どこから!」

『ロイミュード…ではないな…』

「こいつらはファントム。人々を絶望させようとする怪物だ」

「クリムさん、ここは私達に任せて下さい!」

『君達…』

「進ノ介を安全な所に移動させてやってくれ」

『了解した。こちらもやれることはやってみよう』

「あぁ。またどこかで合流しよう」

 

 

 

 

 クリムはトライドロンに戻り、グール軍団を弾き飛ばしながら進んで行った。

残ったウィザード達はグール軍団を殲滅するために戦い始めた。

 

 

 

「みんな、行けるか?」

「大丈夫です!晴人さんだけには戦わせません!」

「晴兄、一緒に戦おう!」

「…みんなで力を、合わせましょう」

「よし、行くぞ!」

 

 

 

 ウィザード、スノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスの4人は、ウィザードの掛け声で、一斉にグールに向かって走り出す。

グール軍団と、ウィザード達の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懐かしい声を聞いたような気がして、進ノ介は目を覚ました。

自分は死なずに済んだのか…。

しかし、そんな進ノ介の考えは一瞬で吹き飛んだ。

 

 

 

「ここ…トライドロンの中か…何で…」

『やあ進ノ介。やっと目を覚ましたかい』

「…!?」

 

 

 

 

物音に気付き、クリムが進ノ介に声を掛ける。

一方進ノ介は、クリムの声を聞き、完全に思考が停止している。

 

 

 

 

「ベルトさんの声…やっぱ俺死んだのか…」

『勝手に殺さないでくれたまえ。私も君もまだ死んでいないさ』

「すまないベルトさん…ちょっと混乱し過ぎた。でも何でベルトさんがいるんだ…?」

『また鎧武に呼び起こされてね。君達が危険だと聞いて飛び出してきたんだ。それと、爆発に巻き込まれた他の人々もディメンションキャブの力で安全な場所へ移動させた、安心したまえ』

「ありがとう、ベルトさん、キャブ。それに神様…やっぱあいつすごいな…何でもありじゃないか

…」

 

 

 

 

 

進ノ介が改めて鎧武こと紘汰の凄さを実感していたが、進ノ介の脳裏にリップルと、トップスピードの姿が思い浮かぶ。

確か、カラミティ・メアリとかいう魔法少女と戦っていたはずだ。

 

 

 

「ベルトさん!力を貸してくれ!行かなきゃいけないところがある!」

『無茶はしちゃいかんよ進ノ介。軽傷だったとはいえ君は爆発に巻き込まれているんだぞ』

「大丈夫だ、それに、俺の側にマッドドクターがいるってことは、俺の傷を治してくれたんだろ?」

『まぁ、それはそうだが…』

 

 

 

 

進ノ介は、シフトカーのマッドドクターを撫でながら話す。

 

 

 

 

「助けなくちゃいけない仲間がいる。頼む、ベルトさん」

『…やはり君は、変わってないな』

 

 

 

進ノ介の熱意に押されたのか、クリムもやがては諦めたのか…。

 

 

 

 

『ここで止めても、君には無意味だろう。1度ギアが入れば、君はもう止まらないんだろう?』

「ベルトさん…ありがとう」

『ならば急ごう、進ノ介。ここからの運転は君に任せるよ』

「よし、行こうベルトさん!」

「(待ってろよ、2人とも…)」

 

 

 

トライドロンの運転席に乗った進ノ介は、トライドロンの速度を上げて、リップルとトップスピードがカラミティ・メアリが戦う場所へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の一部が、メアリの爆弾で一瞬にして火の海になった。

爆発が起こった近くには、人々の救助に向かった進ノ介が居たはずだ。

みんな爆発に巻き込まれて死んでしまったのだろうか。

リップルは、絶望感と共に、メアリへの怒りの感情も湧いていた。

 

 

 

「ハハハハハァ…ファハハハハハハァァ!」

 

 

 

 メアリは狂気のような笑いを見せる。

明らかに隙を見せているメアリにリップルは攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「メアリィィィ!」

「おい、リップル!」

 

 

 

 リップルの行動に、トップスピードは呼び掛けるも、リップルは聞かずに特攻する。

 

 

 

 

「フゥハハハハァー…いいねいいねぇ…!」

「お前だけは許さない!」

 

 

 

 メアリの攻撃を掻い潜り、接近戦に持ち込んだリップル。

メアリの腹部に拳を与え、怯ませた…が。

メアリが右手に隠し持っていたのは、手榴弾で…。

 

 

 

「詰めが甘いね、お嬢さん…」

「ッ!?」

 

 

 

 リップルはメアリによって蹴飛ばされ、手榴弾を投げつけられた。

リップルの近くで爆発を起こし、リップルは大ダメージを受けたのか…

 

 

 

「どうだいお嬢さん、流石に限界かね?」

「…残念だね、俺を忘れんなっての!」

「何?」

 

 

 

 そう、再びトップスピードがリップルをギリギリで救いだし、致命傷には至らなかった。

トップスピードは、メアリが放ってくる銃弾を避けながらリップルに喝を入れる。

 

 

 

「お前、また無茶しやがって!今のは本気で危なかったぞ!」

「…ごめん」

「街の人をやられた怒りは分かる泊刑事だって助かってるか分からない。でもお前まで死んだらどうしようもないだろ!」

「そう…だね」

 

 

 

トップスピードの本気の説得に、リップルは自分が冷静さを欠いていた事に気付く。

自分がトップスピードを守らなければならないのに、これでは迷惑をかけているだけじゃないか…。

なんて自分は情けない奴なんだ、と自分を責め立てた。

 

 

 

「トップスピード、本当にごめん」

「…へへっ、何言ってんだよ、相棒らしくねぇぞ」

「えっ…?」

「ほら、行くぜ、メアリを倒すんだろ?」

 

 

 

そうだ、自分にはやる事がある。

自分を責めている場合では無いと奮い立てるリップル。

そして、空気を読んだかのように、メアリの弾丸が再び2人を襲う。

 

 

 

「お説教は済んだかい、お嬢さん方よォ」

「あぁ…第二ラウンドだ、メアリ」

「よっしゃ、一丁ド派手にやっちまおうぜ相棒!」

 

 

 

メアリに言い放つ2人。

その言葉を聞き、再びメアリは笑みを浮かべて銃を構えた。

 

 

 

「ぶっ潰してやるよ…あんたら2人も、この街の連中もなァ!」

 

 

 

そして、メアリは再びスイッチを取り出した。

それも、2つ。

 

 

 

「何っ!?」

「まだ持ってやがったのか!」

「だァれが1つなんて言ったのさ!」

 

 

 

リップル達の驚きの表情とは正反対に、メアリは睨みつけるような形相でこちらに視線を向ける。

 

 

 

 

「2度も同じ手に引っかかる気分はどうだい!ヴァハハハハハハァ!」

 

 

 

 

リップルとトップスピードは焦っていた。

このままでは被害が拡大してしまう。

なんとかしてあのスイッチを破壊しなければ…。

だが、正面から飛び込んでもメアリの銃で蜂の巣にされるだけだ。

 

 

 

 

「一か八かだ…!」

 

 

 

リップルは一瞬の動きで手裏剣をメアリ向けて投げつけた。

メアリはそれに直ぐに気付き、銃で破壊する。

その瞬間、リップルはトップスピードの箒に飛び乗った。

 

 

 

「トップスピード!」

「よっしゃぁぁ!全速前進!特攻だァ!」

 

 

 

手裏剣にメアリが気を取られた隙に、2人の乗った箒は直進する。

箒の両脇から現れた推進装置が火を噴く。

その速度は、メアリが銃の次の弾を発射するよりも早く、銃を構えたその時、スイッチを握っている左手にはリップルの小刀があった。

スイッチは真っ二つに両断され、その横を箒が通り過ぎていく。

スイッチを破壊されてしまったメアリ。

しかし、メアリが銃の照準を向けていたのは…

 

 

 

「やったぜ、相棒!これで仕切り直しだぜ!」

「うん…!?いや、トップスピード避けて!」

「は?…何で…って…!?」

 

 

 

トップスピードが気付き、回避しようとした時には、もう弾は発射されていた。

そう、メアリはこの動きを予知していたのか、見切ったかの如くリップルとトップスピードに向けて弾を発射していた。

最大速度とはいえ、弾の速度から逃げ切るのは困難だった。

このままでは2人諸共撃ち殺される。

 

 

 

「残念だったね…あの世に2人仲良く送ってやるよ!ヴァァァァァハハハハハ!」

「クッソぉ…!」

 

 

 

 

 

 

この状態では、2人共死んでいただろう。

しかし、あの男が2人を死なせなかった。

 

 

 

 

「…!?」

 

 

 

 

メアリの銃弾を、赤い小さなミニカーが破壊する。

その赤いミニカーに続き、炎のような橙の色、深い紫色、明るい緑色をした、様々なミニカーがメアリに襲いかかり、注意を逸らす。

邪魔されながらも、メアリは再び銃の引き金を引き、弾を発射したが、それは最後に飛び込むように現れた大きな赤い車が弾き飛ばした。

その車はメアリを牽制するかのように彼女の目の前で一回転し、リップルとトップスピードを守るような形で停車した。

 

 

 

 

「何が起こったんだ…?取り敢えず、俺達は死んでないみたいだけど…」

「あ、あれは…!」

 

 

 

予想もしない事態に、ただ困惑するリップルとトップスピード。

小さなミニカーを追い払ったメアリも、緊急事態に驚いている様子。

そこにいる全員が困惑した中、大きな赤い車から現れたのは、リップルとトップスピードには見覚えのある男だった。

戻って来た小さなミニカー、シフトカーが男の右腰のホルダーに装着される。

そして、赤いシフトカー、シフトスピードを男は手に取る。

そのまま、男の腰に巻かれているベルトのイグニッションキーを回した。

 

 

 

 

『Start Your Engine!』

 

 

 

 

ベルトから声が聞こえた。そして、機械音が流れ続ける。

シフトカーの後部を回転させ、腕に付けられているシフトブレスにセットする。

そして、セットしたシフトカーをレバーのように倒すと同時に、大声で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『Drive!Type、Speed!』

 

 

 

 

 

 

派手な音と共に、赤い装甲が装着されていく。

その後は、大きな赤い車、トライドロンからタイヤが形成され、赤い戦士の胸部に装着された。

 

 

 

 

「何なんだい、あんたは…!」

 

 

 

メアリが声を荒らげて口を開いた。

現れた戦士は、手を動かしながらこう名乗った。

 

 

 

「俺はドライブ…仮面ライダー、ドライブだ!」

 

 

 

“仮面ライダー”という言葉を聞いた途端、リップルとトップスピードが安堵の表情を見せ、反対にメアリは怒りで腸が煮えくり返るような感情に支配された。

 

 

 

「また、お前らか…仮面ライダー…!」

「悪いが、お前の悪事もここまでだ、魔法少女」

「なぁあんた、泊刑事なんだよな…?」

「あぁ、そうだ」

「助かったけど、何で変身出来たの…?」

『それは私から説明しよう』

「…喋ったァ!?」

 

 

 

 改めて、仮面ライダードライブ、泊進ノ介のベルトが話し出したことに驚く二人。

 

 

 

「やっぱりみんな似たような反応するな…」

『鎧武に最初会った時もそうだったね、まぁ、簡単に言うと私は進ノ介の使うこのベルトに意識を移したのさ』

「それで、こうやって戦ってたんだ。戦いが終わって、ベルトさんは眠ってたんだが、今回はこうやってもう一度力を貸してくれてるんだ」

 

 

 

 

と、ドライブが話している中を、1発の銃弾が通り抜ける。

 

 

 

 

「お話は終わったかい?あんたら」

「メアリ…!」

「悪いな、今からが本当の勝負だ、フルスロットルで行くぞ」

 

 

 

話を断ち切るかの様子でメアリは弾を放った。

ドライブは気を取り直して対峙する。

 

 

 

「仮面ライダーはムカつく奴しかいないのかい…!」

「…行くぞベルトさん」

『あぁ、そしてあの魔法少女はガンマンだ。銃には銃。ドア銃を使いたまえ』

「分かった。来い、ドア銃!」

 

 

 

ドライブはトライドロンから送られてきたドア銃を手にしてメアリに挑む。

メアリの銃弾は早いが、ドライブの敵ではない。

イグニッションキーを回し、シフトブレスのシフトカーを3回倒す。

 

 

 

『SpeedSpeedSpeed!』

 

 

 

加速して銃弾を避ける。

そのままメアリに接近してこちらもドア銃から銃弾を放つ。

銃弾はメアリを掠めたものの、完全な直撃はしなかった。

メアリもただ避けるだけじゃなく、次々に銃弾を発射してくる。

ドライブも、メアリも、避けつつ、撃ちつつの一進一退の攻防が続く。

 

 

 

 

「あぁ!面倒だ、こうなりゃタイプテクニックだ!」

 

 

 

 

ドライブは、今度は緑のシフトカー、シフトテクニックをシフトブレスに装着した。

 

 

 

 

『Drive!Type!Technic!』

 

 

 

 

 

緑のドライブ、タイプテクニックに変化したドライブ。

更に、水色のシフトカー、シフトロードウィンターを装着してタイヤ交換する。

 

 

 

 

『タイヤコウカーン!ロードウィンター!』

 

 

 

 

タイプテクニックのタイヤから、ロードウィンターのタイヤに付け替えたドライブ。

そこに、リップルとトップスピードも駆け付ける。

 

 

 

 

 

「よし、一気に畳み掛けるぞ!」

「俺達も手伝うぜ」

「数が多い方が奴を倒しやすい」

 

「随分安く見られたもんだねェ」

 

 

 

メアリは更に怒りに支配され、大量に銃弾を発射した。

大量に襲いかかる銃弾だが、ドライブはシフトブレスのボタンを押し、レバーを倒す。

 

 

 

『ヒッサーツ!フルスロットル!ウィンター!』

 

 

 

ドライブは、ロードウィンターの力で銃弾を全て凍らせた。

そして、ドア銃で凍った弾を撃ち砕いた。

上空に、銃の砕けた欠片を吹き飛ばし、メアリに向けて上空から降り注がせた。

 

 

 

「うぐっ…面倒な…」

 

 

ガラス片のように降り注ぐ欠片を撃ち落とすメアリだが、全てを避けきれるはずもなく…

次々に身体に掠っていき、突き刺さり、ダメージとなっていく。

 

 

 

「リップル、トップスピード、今だ!」

「オッケー!やっちまおうぜ相棒!」

「ハァァァァァ!」

 

 

 

メアリが攻撃を受けている隙に、箒に乗ってリップルとトップスピードが突撃する。

そして、そのままメアリに突撃した。

更に、箒から飛び降りたリップルがメアリに蹴りを与えた。

 

 

「グアアアッ!」

 

 

 

 

廃墟の屋上で、蹴り飛ばされるメアリ。

かなりのダメージを与えたようだ。

 

 

 

「ハァ…ハァ…余計に、イライラさせてくれるねぇ…」

「もう一押しか…」

「よし、ナイスだ相棒!」

「トップスピード、泊さん、ありがとう」

「だが、まだ終わってないぞ、気を引き締めて」

 

「あっ、泊刑事、このハンドル剣使ってくれ!」

「いや、それはお前が使え」

『我々にもハンドル剣は用意出来る。君もハンドル剣を持っていたまえ』

 

 

 

ドライブは、一度受け取ったハンドル剣をトップスピードに返す。

ドライブ達3人は、各々武器を構えて体勢を整える。

一方メアリはライフル銃を構える。

 

 

 

そんな時だった。

メアリの後ろから、ある人物が現れた。

 

 

 

 

「…こんばんは、リップル、トップスピード、カラミティ・メアリ。そして、仮面ライダーさん」

 

「なっ、なんだこいつ?」

「クラムベリー…!?」

「気を付けろ泊刑事。こいつは前に俺達の仲間を殺しかけた奴だ」

 

 

 

現れたのは、森の音楽家クラムベリー。

ラ・ピュセルを倒そうとした、という話が出て以降、チャット等から姿を消していた。

 

 

 

「お前、何をするつもりだ…まさか、お嬢さん達を殺すのに、乗ってくれるのかい?」

「いいえ、私はリップル達にそんなことをする為に来たのではありません」

「じゃあ、なんだってんだい?」

 

 

 

メアリがそう聞いた瞬間、ドライブ、リップル、トップスピードの思考は固まった。

そして、肝心のメアリは、銃を落として倒れ込んだ。

何故なら、クラムベリーは、メアリの腹部に強烈な一撃を与えていたからだ。

 

 

 

「な…何すんだ…あんた…」

 

 

 

 

 

呻きながらの、メアリの驚きとも、怒りとも取れる質問にクラムベリーは淡々と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カラミティ・メアリ。貴方に死んでもらう為です…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜王結寺〜

 

 

 

こちらでは、スイムスイム、たま、ミナエル、ユナエルが、以前の作戦以来の計画を立てていた。

 

 

 

 

「今、あの街はすごい。混乱に乗じて魔法少女を減らすのに最適。前回はミスがあったけど、今回こそ、成功させる」

「そうだね!一気に行こうぜリーダー!ねっ、ユナ!」

 

 

 

スイムスイムとミナエルは、魔法少女を減らすべく、この作成に乗り気のようだが…

 

 

 

「ごめんなさい、スイムちゃん、ミナちゃん、私は嫌だ…」

「またたまはそうやって逃げるのかよ…で、ユナは?」

 

 

 

謝りながらも断るたまに、如何にも“ノリが悪い”とでも言いたそうなミナエル。

ユナエルにも賛同を求めたが、意外な返答が帰ってきたのだ。

 

 

 

「ごめん、お姉ちゃん。私もパス。もう、そういう無益な戦いをしたくないわ…」

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

これが、スイムスイムチームの一大事のきっかけを作る事になったのを、まだ誰も知らない…。




はい、てなわけで、今回はドライブ登場メインでした。
まだまだ次回も活躍させるので、戦闘は次回から本気出します。
そして、最後のはどういうことかな?
スイムスイムチームは、原作とは少し違った動かし方をしようと思うので、そこら辺宜しくです。

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