仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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お待たせしました、3話です。
土日は出来るだけ投稿していくので宜しくです。


第3話 魔法少女の世界

 ラ・ピュセルの正体にウィザードから変身解除した晴人の思考は完全に停止した。

日中は一緒にサッカーをしていた颯太が、魔法少女になっている。

颯太は紛れもない男である。

何故彼が…?そう思っていると、変身解除した颯太が顔を赤らめながら呟く。

「やっぱ、変かな…?僕が魔法少女って」

「い、いや…別にそうでもないと思うぞ」

「ほ、本当!何か嬉しいよ」

 颯太は恥ずかしがりながらも、どことなく嬉しそうである。

「みんなに知られたら、絶対引かれると思ってたから…」

「そうだったのか。というかお前は魔法少女とか興味無さそうに見えたんだがな」

「隠してただけだよ。DVDとか借りに行くのも一苦労だったんだよ…」

「それは大変だったんだな…。というか何で魔法少女になったんだ?」

「魔法少女育成計画っていうスマホのアプリがあって、それで遊んでたら急にファヴっていうアプリのマスコットが出てきて、僕を魔法少女にしたんだ」

「魔法少女育成計画…やっぱりそれと魔法少女には関係があったんだな」

「え?何か知ってたの?」

 颯太は晴人の予想外の返答に驚く。

しかし晴人は颯太の質問に首を横に振る。

「いいや、俺は名前しか知らないんだ。ファントムと一緒にこっちも調査してくれって仲間に言われてな」

「そうなんだ。晴兄も大変なんだね」

「まぁな…もっと話したいことはあるけど、もう時間も時間だ。今日は帰った方がいいぞ、家の近くまで送ってくよ」

「分かった。ありがとうね」

「あぁ、また明日でも会えたらまた話そう」

 

 

 その後颯太を家まで送り、晴人は木崎に連絡を入れた。

日付はとっくに変わった後であったが、木崎は着信に応じてくれた。

「魔法少女とファントムの関係性は分からないが、とりあえず魔法少女と接触できた。」

「そうか、ご苦労だったな。悪いが私は当分そちらに行けそうにない。引き続き調査をお願いできるか?」

「もちろん、任せてくれ。俺もやりたいことがあるし」

「分かった、では今後も宜しく頼む」

 

 木崎との電話を終えて少し休憩していた晴人だが、気づけばもう朝日が昇っていた。

その日も晴人はファントムを探していたが、日中はやはり何の動きも無かった。

「魔法少女の活動は夜が多いみたいだな。また夜にふらっとしてみるか」

 時間が経ち、夜がやってきた。晴人はバイクで街を散策していたが、民家で火事が起きているのを発見した。

「おい!まだ中に人がいるんだ!」

 中には人が残っているらしく、かなり危険な状況のようだ。

「ありゃやべえな、ちょっくら行ってくるか。変身」

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

ウォーター、プリーズ!

 

 晴人は青い姿の、ウィザード・ウォータースタイルに変身して民家へ突入する。

「お、おい!あの家に誰か入っていったぞ!無謀すぎる!」

民家を近くで見ていた人々がウィザードを発見し、驚きの声を発するが、ウィザードは気にせず入っていった。

「こりゃ早めにやんないとな…こいつでやってみるか」

ウィザードは指輪を付け替え、魔法を発動する。

 

リキッド、プリーズ!

 

 ウィザードは液状化し、中を捜索する。

「た、す…けて…だ、れか…」

声を聞き取ったウィザードは聞こえた方向へ進むと、夫婦が倒れていた。

「まだ息はあるな、さて、一気に終わらせるか」

ウィザードはリキッドをもう一度発動し、夫婦を包み込み、民家から脱出した。

「ふぃー、救助活動は初めてだったがやれるもんだな」

ウィザードは夫婦を安全な所まで連れていき、民家から離れた

「お、おい!二人が見つかったぞ!さっきの人が助けてくれたんだ!」

その声が聞こえ、ウィザードは安心してその場を後にした。

今日はもう休むか、そう思っていたウィザードは、背後から声を掛けられた。

「ウィザードさん!」

声の主はスノーホワイトだった。その隣にはラ・ピュセルもやって来ていた。

「おお、二人とも。どうしたんだ?」

「さっきの火事で救助してくれたのは晴兄だったんだね」

「え、そうちゃん晴兄って…」

「スノーホワイトには言ってなかったね。ウィザードは僕の知り合い、晴兄なんだ。」

「そうなんだ。私、そうちゃんの幼なじみの姫河小雪です!」

「俺は操真晴人、宜しくな」

「スノーホワイト、そうちゃんはあんまり言わないでよ…」

そういうラ・ピュセルは少し恥ずかしそうである。

「ごめんね、ラ・ピュセル。晴人さんも宜しくお願いします!」

「あぁ、というか二人共、その丸いのが光ってるぞ」

 ウィザードがそう言うと、二人も丸い端末のようなものが光っているのに気付く。

「チャットルームに集合だって、行こうスノーホワイト」

「うん!」

「チャットルーム?何だそりゃ」

ウィザードはいきなり分からない話になり、困惑している。

「チャットルームっていうのは、このマジカルフォンの機能の一つで、他の魔法少女と会えるんです」

「へぇ、じゃあ俺はそれ見てるよ」

 ウィザードは二人のマジカルフォンという端末を覗き込んだ。

そこは意外にもファンシーな雰囲気だった。

スノーホワイト達魔法少女はデフォルメされ、二人も会わせて10人程居ると見える。

昨日居た魔女っぽい魔法少女と忍者っぽい魔法少女も居るようだ。

すると端末にデータ映像のようなもので丸くて動く生き物のようなのが現れた。

恐らくこの生き物がラ・ピュセルの言うファヴというマスコットだろう。

~チャットルーム内~

『みんな今日もご苦労ぽん。今日はみんなにご報告があるぽん』

『昨日、スノーホワイト、ラ・ピュセル、トップスピード、リップルの4人が怪物に襲われたぽん』

「何ですって!?」

「物騒だねー」

「怪物って何よ!」

魔法少女達はざわつき始めていたが、トップスピードがその場を収める。

「まぁまぁまぁ、怪物っていってももう倒されたし」

「というかファヴは何であの時居なかったんだよ」

『ファヴだって忙しいぽん。いつもいつもお助け出来ないぽん』

「で、怪物を倒したのは誰なのよ」

多くの魔法少女の中でも見た目から女王感のすごい魔法少女が話を戻す。

「…俺だよ」

男の声が聞こえた。魔法少女達がその声の方向を見ると、ラ・ピュセルが居た場所に見慣れない赤い顔をした魔法使いが立っていた。

「ラ・ピュセル!?どこいった?」

「あんた、昨日の…」

リップルが声を発し、続いてファヴが質問する。

『誰ぽん?思いっきり魔法少女じゃないぽん』

 

「俺はウィザード、魔法使いさ」




というわけで3話でした。
次回からもオリジナルをぶっこみつつ書いていきますよ。
民家の火事は魔法少女育成計画2話から頂きました。
今回も閲覧ありがとうございました!

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