仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
お待たせ致しました。いよいよ神のステージです。
そして、仮面戦隊ゴライダーなるものが発表されましたね。
ブレイド復活は非常に嬉しいですね。
「た、たま、あの鎧武ってのと知り合いなのか?」
「まぁ、そんなものだよ。でも…本当に助けてくれるなんて…」
たまとユナエルは、自分たちを救ってくれた戦士、仮面ライダー鎧武を見る。
鎧武は二人の方を向いて頷く。
「助けてって声は見過ごせない。そして助ける。それが仮面ライダーの役目さ」
そう言った鎧武は、倒れているシスターナナを見つけた。
驚いて、慌てて駆け寄る。
「おいおい、とんでもないやられ方じゃないか」
「神様…鎧武さん。その人を助けてください!」
「あぁ。任せてくれ」
たまの願いを聞き入れた鎧武は、自身の力でオレンジ色の光をシスターナナへ浴びせた。
光を受けたシスターナナは、まだ倒れているが、止血していた所の出血が治まり、刺されていた傷口も完全に消えていた。
どうやら、傷を修復したようだ。
丁度その時に、ヴェス・ウィンタープリズンとウィザードがやってきた。
ウィンタープリズンは、光を浴びて倒れているシスターナナに。
また、ウィザードは鎧武の存在に驚いている。
「な、ナナァ!」
「待て、ウィンタープリズン!って鎧武!?」
「ん?うおっ、ウィザードじゃねえか!久しぶりだな。ていうか何で分身してんだ?」
ウィザードは今にも鎧武に飛び掛かりそうなウィンタープリズンを制止し、鎧武へ話しかける。
「ナナに何をしてるんだ!」
「落ち着け!なぁ鎧武!彼女は生きてるんだよな!」
「あ、あぁ勿論。血を流して倒れてたから治療してるだけだよ」
「治療…?ナナに一体何があったんだ!」
シスターナナの事になると、途端に冷静さを欠くウィンタープリズン。
鎧武の言葉で収まるかと思いきや、より一層強くなってしまった。
すると、ウィンタープリズンの前にユナエルがやってきた。
「…シスターナナは、私が殺そうとナイフで刺した。ごめんなさい…」
「やっぱりお前らだったのか…!許さない…!」
ユナエルの言葉で更に怒りをぶつけるウィンタープリズン。
「私のことはどう思ってくれたって構わない。…でも、たまの事は恨まないでくれ」
「…どういう意味だ…」
「ユナちゃん…」
ユナエルは、一瞬だけたまを見ると、話を続けた。
「たまは、シスターナナの出血を止めようとしたりしてた。それに、さっきまでいた化け物から、シスターナナを守ろうともしてた。あいつは良いやつだから…」
「ウィンタープリズン、言いたい事はよくわかる。でもお前も一旦落ち着け。シスターナナだって死んじまったわけじゃない」
「…あぁ、そうだな。済まない、取り乱して」
ユナエル、そしてウィザードの話で落ち着きを取り戻したウィンタープリズン。
今度はウィンタープリズンがユナエル、たまに詫びの言葉を伝える。
「ユナエル。君のしたことは許されるものではない。それでも、化け物…ファントムからナナを守ってくれたことは、感謝しよう。それと…」
「…?」
ウィンタープリズンは、目線をたまに向ける。
たまは少し不思議そうな表情をしてウィンタープリズンを見つめる。
「今回のこと、君がいなければどうしようもないことになっていた。助かったよ、たま」
「えっ…いや、私なんか、全然力になれなくて…」
「そんなことないさ。たまがいなかったら、本当にどうなっていたか…」
たまは驚きながらも感動していた。
これまでの人生、称賛されたことなど、ほとんど無かったからだ。
魔法少女となっても、誰かの指示に従うだけの“犬”だったたま。
それが今回、初めて自分の意見を貫いた。
直接的ではないが、結果として人の命を救うことが出来たのだ。
「おーい、これで大丈夫だ」
鎧武が声をかける。
どうやらシスターナナの治療が終わったようだ。
「ナナ…」
「傷が治ってる!」
「あ、あんたが治したんだな…」
目を覚ましはしないものの、傷が消えているシスターナナを見て、驚いている。
「あれだけの傷を治すなんて、鎧武、お前やっぱとんでもない力だな」
「まぁ、そりゃ神だしな」
鎧武の能力に改めて驚くウィザード。
そして、安全を確認したウィザードはフレイムスタイルに戻り、分身を解除した。
王結寺で戦うウォータードラゴン、ランドドラゴン、そしてスイムスイム、ミナエル。
スイムスイムの猛攻が続くも、劣勢という訳ではなくカウンターで押し返すウォータードラゴン。
ミナエルをグラビティの魔法で封じ込め、ソードガンでダメージを与えるランドドラゴン。
「ぐうぅ…」
「どうだ、俺の魔法は」
「邪魔…!」
スイムスイムが猛スピードで襲い来る。
薙刀“ルーラ”の攻撃は強力であり、丸腰で喰らえばかなりの威力になるだろう。
バインド、プリーズ!
バインドでスイムスイムを拘束する。
なんとかスイムスイムを押さえ込んだウォータードラゴン。
ランドドラゴンも、ミナエルを圧倒して吹き飛ばした。
「こいつら…強い…」
再び戦闘態勢を整える二人だったが、相対するウィザード二人の前に魔方陣が現れた。
「おぉ、どうやら上手いこと行ったみたいだな」
「じゃあな、お前ら。もうこんなことはするなよ」
そう言い残し、二人のウィザードは魔方陣に消えていった。
「なっ…待てよ!」
「…逃げられた」
完全にしてやられたスイムスイム達。
向こうの思い通りに事が進んでしまったようだ。
「上手いこと行ったって…ユナは大丈夫なのかな…」
ミナエルが相方、ユナエルの心配をしている。
もしユナエルに何かあったらと思うと、ミナエルも気が気でないのだろう。
「(ルーラだったら、もう少し上手に出来たのかな…)」
スイムスイムには、そんな思いが頭を過っていた。
足止めされた挙げ句、現在ユナエルとも連絡が取れず、どうなっているのかも分からない。
まだまだ未熟なんだなと思いつつ、スイムスイムは新たな作戦を考えようとしていた…。
「う…こ、ここは…?」
「ナナ!目を覚ましたんだな!」
目を覚ますと、そこには自分の最も愛する女性が寄り添ってくれていた。
周りには、ウィザードにたま、更には見慣れない白銀の鎧を纏った戦士の姿。
そして、ピーキーエンジェルズの一人、ユナエル。
「あっ…!」
ユナエルを見た瞬間に、先程までの出来事を思いだし、驚いた表情を見せるシスターナナ。
それに気付いたのか、ユナエルは詫びの言葉を話す。
「ごめんなさい…シスターナナ。あんたを騙すような事しちゃって…」
「いえ…いいんですよ。人は誰しも間違うこともありますしね」
「シスターナナ…ありがとう」
シスターナナは、すぐに受け入れた。
これが彼女の包容力なのだろう。
何はともあれ、シスターナナは救われた。
これも、たまや駆けつけて来てくれた鎧武のお陰だろう。
「鎧武、ありがとうな。助けてくれて」
「気にすんなよウィザード。俺達ライダーだって助け合いが大切だしな」
「あぁ、そうだな」
鎧武に礼を言うウィザード。
鎧武もそれに応えた。
しかし、鎧武は近くに何かが接近してきているのを察知した。
それは、数は少ないが、巨大な何かだ。
「おい、ウィザード。何かが来るぞ。あの娘達を避難させてくれ」
「何…?分かった。でも一体どんな奴が…」
「ただの化け物じゃない、とんでもない大きさだ…」
ウィザードにも、ついにその化け物の姿が見えた。
正体は、巨大ファントム・ウロボロス。数は3体。
「マズイ、お前ら!今すぐここから逃げて家に帰れ!」
「ウィザードさん?どういうことですか?」
「とんでもない化け物が来やがった…!」
「化け物!?」
「とにかく急げ、ここは危険だ」
「ウィザードさん達は?」
「俺達はここで奴らを食い止める」
「大丈夫なんですか?」
「心配するな。俺達は負けない…」
「私達も力にはなれないか?」
たまやユナエル、ウィンタープリズンが訴える。
ただ逃げるだけというのも性に合わないのだろう。
しかし、ウィザードは首を横に振った。
「お前らを助ける為だ、こんな所で死なせるわけにはいかない」
「ウィザードさん…分かりました。気をつけて下さい!」
「生きてまた会おう、ウィザード!」
「あぁ!任せろ」
たま達を逃がした後、ウィザードは鎧武と共にウロボロスに立ちはだかる。
「一難去ってまた一難だな」
「悪いな、鎧武」
「気にすんなって言ったろ?さっさとやっちまおうぜ」
「そうだな。行くぞ、鎧武」
「あぁ!ここからは俺達のステージだ!」
「さぁ、ショータイムだ!」
ウィザード、鎧武はウロボロス3体に立ち向かう。
ウィザードはドラゴタイマーを呼び出し、オールドラゴンへ変化する。
《ウォータードラゴン!》
《ハリケーンドラゴン!》
《ランドドラゴン!》
《ファイナルタイム!》
《オールドラゴン!プリーズ!》
鎧武はベルト、戦極ドライバーに装着されている極ロックシードを操作して、アームズウェポンと呼ばれる武器を呼び出す。
《大橙丸!》
《バナスピアー!》
オレンジモチーフの刀、大橙丸。そして、バナナをモチーフにしたバナスピアーを召喚し、鎧武は空を飛ぶウロボロスへ飛び込む。
「鎧武、お前空も飛べるのかよ」
「まぁな。神だからな」
「何でもアリかよ神…」
ウィザードもオールドラゴンの力でウロボロスに立ち向かう。
オールドラゴヘルクローでウロボロスの頭部を攻撃する。
「コイツら、でっけえな…」
「まだまだ行けるだろ、ウィザード!」
「あぁ、この程度、大したことないさ!」
鎧武はウロボロスの尻尾を大橙丸で切り裂く。
ウィザードはオールドラゴスカルから炎を放ち、頭部を焼却する。
「3体なのが面倒だな…さっさと倒さないと…」
「よっしゃ、任せろウィザード!」
鎧武はヘルヘイムの植物を呼び出して3体のウロボロスを全て拘束する。
動けなくなったウロボロスに鎧武はバナスピアーと大橙丸で斬りかかる。
戦極ドライバーのカッティングブレードを一回倒し、必殺技を発動する。
《極スカッシュ!》
オレンジとバナナのエネルギー波で、鎧武はウロボロスを吹き飛ばした。
ウロボロスの1体はそのまま爆発した。
「おいおいすげえな鎧武…。俺も負けてられないな」
ウィザードは、オールドラゴテイルでウロボロスを弾き飛ばし、魔方陣で拘束する。
ドラゴンの幻影と共にウィザードはウロボロスに必殺、ストライクエンドを放つ。
「はぁぁぁぁ!」
ウィザードの必殺の一撃が、ウロボロスに炸裂する。
蹴り飛ばされてウロボロスは大きく爆散した。
「後は一体だな!」
「あぁ!一気に決めるぜ!」
鎧武は再び極ロックシードを操作して、新たな武器を召喚する。
《火縄大橙DJ銃!》
《無双セイバー!》
無双セイバー、火縄大橙DJ銃を呼び出して、合体させる。
大剣モードに変形した火縄大橙DJ銃を持ち、残り1体に立ち向かう鎧武。
今度はウロボロスの動きをヘルヘイムの植物で抑え込み、植物を使ってウロボロスを自由自在に操り、更に上空へ突き飛ばす。
ウィザードも、鎧武の援護をしてウロボロスに一撃一撃を与えていく。
ほぼ瀕死の状態までウロボロスを追い込んだ二人。
「さぁて、終わらせようぜ」
「あぁ、フィナーレだ」
鎧武は火縄大橙DJ銃に、オレンジロックシードをセットする。
《ロックオン!》
《一、十、百、千、万、億、兆…フルーツバスケット!》
大剣にエネルギーが籠る。
果物のオーラに包まれて、鎧武は一気に必殺技を放つ。
ウィザードも、オールドラゴヘルクローに力を込めて、一撃を放つ。
「セイハァァァ!」
「ハァッ!」
ウィザードと鎧武の一撃がウロボロスに直撃する。
真っ二つに切り裂かれたウロボロスは為す術も無く爆散した。
「うっへぇ…つっかれた…」
「ふぃー…なんとかなったな」
ウィザードと鎧武は地上に降りる。
二人は変身を解いた。
「久しぶりだな…って本当にすげぇ格好だなお前」
「この格好で会うと大体驚かれるよ…」
「そりゃそうだろ、多分永夢とかにもそんな反応されるぞ」
「ははっ…まぁとにかくお疲れ、ウィザード、いや、操真晴人」
「こっちこそ、お陰で助かったよ、葛葉紘汰」
晴人は、変身を解いた鎧武、葛葉紘汰に感謝の言葉を述べた。
紘汰は、それに笑顔で応えた。
「そういえば、結局お前って何で地球に来てたんだ?」
「たまって娘の願いを聞き入れたってのが第一かな」
「そうなのか。たまも成長出来たみたいだし、本当にお前のお陰だな」
「まぁ、人助けが仮面ライダーの使命だからな。それに、この騒動も気になるしな」
「魔法少女とファントムの一件か?」
「あぁ。何やら嫌な予感がするんだ。俺にも協力出来ることがあると思ってな」
「そうか、それは助かる。これからもお願い出来るか?」
「勿論さ。一緒に戦おう」
晴人と紘汰は、握手を交えて、協力を誓った。
「じゃあ晴人、俺は今からやることがあるから行ってくる」
「やること?」
「あぁ。でも、後に俺達の助けになることだ」
「そうか、分かった。そっちは任せる」
「おう、それと、たまの事も俺に任せてくれ」
「そりゃ助かる。じゃあ頼むな」
「あぁ。また会おうな」
「おいおい、一体どこに連れてく気なんだよ…」
「すいません、仁藤さん。この先ですから…」
「全く、この男を連れてくる必要があったのか研修医。ウィザードと合流させれば良かっただろう」
「あぁ!?お前、この俺が邪魔って言いたいのか!?コノヤロー、今度お前のケーキにマヨネーズぶっかけてやる!」
「お前、それはやめろ!そんな物食えるか!」
「まぁまぁ二人共やめてください。もう少しですから」
聖都大学附属病院の研修医、宝生永夢と外科医、鏡飛彩、そして仮面ライダービーストこと仁藤攻介は、ある場所に向かっていた。
目的は、永夢の知り合いに会って、この魔法少女の一件の手助けをしてもらうためだ。
「あっ、見えてきましたよ」
「なんだここ?」
「寺じゃないか。結構な大きさだな」
目的地に到着した3人。そこには大きな寺があった。
ここが目的地である。
寺を散策していると、寺の掃除をしていた一人の男がこちらに話しかけて来た。
「お前達、何をしているんだ。参拝か、参拝なのか」
「い、いえ…その…」
返答に困っている永夢の前に、また一人、住職らしき男が現れた。
「これ、ジャベル。お客方には誠意を込めて対応するのです」
「あの、すいません…」
「って!おやおや、あなたは!つまり何かあったのですな。呼んできましょうぞ、お待ちくだされ!」
「あっ、ちょ…」
住職の男と、ジャベルと呼ばれた男は、寺の中へと入っていった。
「あぁ…行っちゃった…」
「ここの奴らは話を聞かない奴らばかりなのか…」
「融通きかない奴らだな!」
「お前が言うな、仁藤攻介」
暫くして、寺から一人の青年がやってきた。
「ごめんね…騒がしくて大変だったでしょ?」
「いやいや、気にしないで」
「ところで、今日は何かあったの?」
「うん。忙しいところ悪いんだけど、君に協力してほしい事があるんだ。協力してくれる?」
「分かった。大変な事だってのは分かるから」
その青年は、永夢の願いをすぐに受け入れてくれた。
「ありがとう。タケル君」
「困った時はお互い様だよ、永夢先生」
永夢が尋ねた青年、天空寺タケルは、笑顔で協力することを決めた。
晴人、紘汰、進ノ介、タケル、永夢。
5人の戦士が次々とこの騒動に巻き込まれていく。
彼らが一同に会する日は、遠くないかもしれない…。
はい、お久しぶりの投稿でございます。
ちょっと今回は仮面ライダーメインで進めました。とにかく神を強くしました。
そして最後の一人が登場したことにより、いよいよ…!?
ですが、集合するのはもう少し後になります。
その日までお楽しみに。