仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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某掲示板にて既にエグゼイドの最終フォームの画像バレがあって驚きました。
ここでは言いませんが、この時期にもう分かっちゃうんですね。


第31話 これは殺し合い

 スイムスイム、ピーキーエンジェルズのミナエル、ユナエル、たまは今日も王結寺に集合した。

しかし、雰囲気はいつもよりも重い。

それもその筈、今日はシスターナナとヴェス・ウィンタープリズンを殺す為の作戦当日である。

全員が集合したのを確認したスイムスイムは、3人を集めて話を始めた。

 

 

 

「シスターナナ達はもうすぐここにやってくる。その時に一気に倒す」

「いいねー!モチベ上がって来たぁ!」

「心が踊るねぇ!」

 

 

 

 やる気いっぱいのピーキーエンジェルズであるが、たまは乗り気でないのが見た目だけでも理解出来る。

それを感じ取れていたのかは分からないが、スイムスイムは続けた。

 

 

 

「ウィンタープリズンが厄介なのはみんな理解しているはず。だから先にシスターナナを潰す」

「でも、シスターナナってこの前変な銃持ってなかったっけ?」

「追尾するとか言ってなかったっけ?面倒じゃね?」

 

 

 

 ピーキーエンジェルズが異論を唱えた。

2人は、シスターナナの持つトリガーマグナムを警戒しているようだ。

 

 

 

「心配要らない。シスターナナは戦い慣れはしていない。私が直ぐに殺す」

「うわぁ、リーダーこえぇ」

「こえぇ」

 

 

 

 殺すと言い切ったスイムスイムは、自身の武器である大きな薙刀を掲げた。

結構なサイズである薙刀は、寺の電気の光を浴びて輝く。

 

 

 

「ところでさ、リーダー。その武器ってなんて名前なの?」

「気になるー。カッコいい名前なんだよね?」

 

 

 

「…ルーラ」

 

 

 

 スイムスイムのまさかの答えに、ピーキーエンジェルズも一瞬硬直した。

薙刀に付けられた名前は、スイムスイム達の元リーダー、ルーラを踏襲しているのだろう。

 

 

 

「ま、まさか…元リーダーの名前とは…」

「ま、マジクール…」

 

 

 

 しばらく、“ルーラ”を見つめていたスイムスイムだったが、目線はたまへと移った。

今日は全く発言していないたまに、さすがにスイムスイムも声をかけた。

 

 

 

「どうしたの、たま」

「うぅ、スイムちゃん…。」

 

 

 

 ずっと顔を下に向けていたたまが、今日初めて顔を上げて言葉を発した。

その声音は震えていた。

 

 

「私、この作戦を抜けよう思うんだ」

「…何で?」

 

 

 

 あくまで冷静なスイムスイム。

たまは緊張でもしているのだろうか、体が小刻みに震えているが、再び話を始めた。

 

 

 

「やっぱり、魔法少女同士で殺しあうのはダメだと思うんだ」

「今さら何言ってんだよ!」

「たまは死ぬのが嫌じゃないの!?」

「…」

 

 

 

 たまの言葉でピーキーエンジェルズが猛反発した。

しかし、スイムスイムはその言葉に怒るわけでもなかった。

 

 

 

「そう思うなら、たまは抜ければいい」

「えっ…」

 

 

 

 予想外の返答に呆気にとられるたま。

もう少し反発されると思っていたからか、呆然としている。

 

 

 

「戦いたくないのに、無理にこの作戦に参加させるのは良くない」

「でも…スイムちゃん達は?」

「戦う。二人を倒せば大分楽になる」

「そーだね!あの二人、ムカつくし」

「そーいうこと、まぁ後は任せて!」

「みんな…」

 

 

 

 たまは3人の意見に押され、結局自分だけが戦いに参加しないという形になってしまった。

こんなつもりで言った筈じゃなかったのに。

 

 

 

「今日はここから離れた方がいい。ここは危ない」

「う、うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スイムスイムに促され、たまは寺を後にした。

3人は残ってやはりシスターナナ達を襲うようだ。

たまは、本当はスイムスイムとピーキーエンジェルズにも、戦うのをやめてほしかった。

しかし、現実はそんなに甘くはなかった。

これでは今までと同じ、ただの臆病者ではないか。

そう思っていても、スイムスイム達に言い返せなかった。

心の何処かで恐怖心を感じていた。

自分が異論を唱えることで、今まで築き上げてきた仲間との関係が崩れてしまうのではないだろうか。

たま自身も、仲間がいなくなるのは嫌だった。

だからこれまでも、色々な言うことを聞いてきたのだ。

そして、今回も。

 

 

 

 

《変身だよ。》

 

 

 

 

 夢の中で出会った男がそう言って自分を励ましてくれた事を思い出した。

結局、自分は変われなかった。

たまは、そんな自分が悔しかった。

 

 

 

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

 

 

 そう嘆いて、寺から少し離れた通りの公園で泣き始めるたま。

その心には、後悔の感情しか残っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ着くぞ、ナナ」

「結構掛かりましたね。ウィンタープリズン」

 

 

 

 一方、シスターナナとウィンタープリズンは、スイムスイム達と合流するために、王結寺へと向かっていた。

シスターナナは、協力者が増えると思っており、気分は良い様子。

だが、同行するウィンタープリズンの表情は優れない。

それはスイムスイム達を警戒しているためであり、もしシスターナナの身に何か起こっては遅い。

そんなことは起こってはいけない。

だから今回は“彼”に助っ人を頼んだのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し時間が経ち、ウィンタープリズンとシスターナナはやっと王結寺に辿り着いた。

この中で、スイムスイム達が待っている。

 

 

 

 

「ナナ。私の後ろについてきてくれ」

「えぇ。じゃあ行きましょうか」

 

 

 

 ウィンタープリズンが先に、一歩一歩ゆっくりと寺に足を踏み入れる。

その後にシスターナナも続く。

そして、寺の内部へ入った二人。

老朽化の為か、歩く度に軋む床が不気味な雰囲気を醸し出す。

 

 

 二人は、そのまま広間までやってきたが、そこには誰もいない。

何やら嫌な予感を感じているウィンタープリズン。

しかし、シスターナナはそんなこと気にもしないで奥へ進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時だった。

広間にあった電灯の一つが、姿を変えて、天使の姿になってシスターナナへ襲いかかった。

その正体は、ピーキーエンジェルズのミナエルだ。

 

 

 

 

「かかったなぁ!バカめ!」

「えっ…」

 

 

 

 ミナエルに気付いたシスターナナだったが、反応が遅く、このままでは攻撃を受けてしまう…。

ウィンタープリズンが必死にシスターナナへ駆け寄ろうとするも、間に合わない。

それを悟ったウィンタープリズンは、大声で叫んだ。

 

 

 

「頼む!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の出番みたいだな。ハァッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ビッグ、プリーズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 シスターナナの横に魔方陣が現れる。

その魔方陣の中から、仮面ライダーウィザードが現れた。

直ぐ様ウィザードはウィザーソードガンでミナエルの攻撃を防ぐ。

 

 

 

「えぇ!?何でウィザード出てくるんだよ!テレポートなんて卑怯だぞ!」

「奇襲してきたお前が言えた事じゃないだろ!それに俺はテレポートじゃないさ」

 

 

 

 ウィザーソードガンでミナエルを押し返したウィザードは、宙を舞いながらキックをお見舞いした。

蹴り飛ばされて後退したミナエル。現状はウィザードが優勢だ。

 

 

 

「俺は最初から居たさ。ただ、お前には見えないくらい小さくなってたけどな」

「ハァ?やっぱあんた反則だよ!魔法たくさん使いやがって!」

 

 

 

 そう、ウィザードは最初からシスターナナ達に同行しており、スモールの魔法で蟻程度の大きさに縮小していたのだ。

気に食わない。とでも言いたげな顔で、ミナエルはウィザードに襲いかかる。

ウィザードはミナエルの攻撃を避け、ウィザーソードガンで一撃を与えた。

 

 

 

「んぐぅ…シスターナナをさっさと殺すつもりだったのにぃ!」

「ひっ…」

「やっぱりお前達は最初からナナの話を聞くつもりなんてなかったのか!」

 

 

 

 ミナエルの言葉を聞いて怯えた声を挙げたシスターナナ。

ウィンタープリズンはミナエルに憎悪の眼差しを向ける。

ミナエルは、口を歪めて笑みを浮かべる。

 

 

「誰がお前達なんかに協力するもんかバーカ!鬱陶しいんだよ!」

「貴様ァ!」

「おぉおぉお怒りだねぇ!ヒューヒュー!」

 

 

 ウィンタープリズンを散々挑発するミナエル。

そしてウィンタープリズンは、今にも襲いかかりそうな勢いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、そんなミナエルの顔を一発の銃弾が掠めた。

 

 

それは、ウィザードの放った銃弾である。

 

 

 

 

「おいミナエル…いい加減にしろ」

「え…へっ…」

「お前が今やろうとしていることは人殺しだぞ…」

「だったら何だ…効率の良いやり方を選んだだけだ!」

「よくそんな事が言えるな…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フレイム…ドラゴン…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィザードはフレイムドラゴンスタイルに変化してミナエルと相対する。

 

 

 

「もうこんな事はやめろ…」

「ヤダね。こうでもしないと、生き残れないから…」

 

 

 

「そうか…死にたくないのは分かる」

「だが、お前がシスターナナを殺すのは間違ってる。だから俺はお前を止める」

「ふーん。でもね、私ばっかに気を取られると、痛い目見るよ」

 

 

 

 ウィザードはその言葉ではっとした。

後ろを振り向くと、シスターナナとウィンタープリズンに向かって、大きな薙刀が振りかざされた。

 

 

 

 

「危ないっ!」

「きゃあ!」

 

 

 

 間一髪、ウィンタープリズンの壁を作る魔法で防いだものの、二人の目の前には、薙刀“ルーラ”を持った魔法少女が一人。

 

 

 

「スイムスイム…」

「ちょっと予想と違ったけど、ミナエル、ありがとう。こっちは私が相手する」

 

 

 

 そう、スイムスイムだ。

無表情なスイムスイムは、ルーラを構えて、ウィンタープリズンに襲いかかる。

シスターナナを守るようにしてウィンタープリズンは壁を作って攻撃を防ぐ。

しかし、壁は次々と破壊されていき、スイムスイムの猛攻が続く。

ついには、ウィンタープリズンはルーラによって切り傷を与えられてしまう。

 

 

 

「うぁぁぁっ!」

「ウィンタープリズン!」

 

 

 

 シスターナナが悲鳴を挙げる。

しかし、怯むことなくスイムスイムは再び襲いかかる。

 

 

 

「…遅い」

「……フッ…」

 

 

 

 ウィンタープリズンは小さく笑うと、シスターナナを寺の外に押し飛ばした。

そして、スイムスイムを思いっきり蹴り飛ばした。

 

 

 

「ウィンタープリズン!?いきなりどうしたの!」

「君は逃げろ!ここは危険だ!」

「逃げろって…でも、あなたは…!」

「絶対に生きて帰る!だから心配するな!」

 

 

 

 そう言ったのを最後に、ウィンタープリズンは寺の入口に壁を複数作った。

これで、シスターナナはもう寺に入れなくなってしまった。

だが、シスターナナは最後に、ウィンタープリズンに向けて祈りを捧げた。

 

 

 

「絶対…帰ってきて…雫」

 

 

 

 

 

 シスターナナの祈りは、ウィンタープリズンに届いた。

不思議と力がウィンタープリズンにみなぎる。

 

 

 

「ありがとう。奈々…」

「ウィンタープリズン!行けるか?」

「勿論さ」

 

 

 

 ウィザードに、ウィンタープリズンは笑みを浮かべて返事を返す。

ウィンタープリズンの言葉には、自身が籠っている。

 

 

 

「ウィザード…あなたも邪魔をするなら容赦しない」

「やっちゃえ!スイムスイム!」

「俺はお前達を止める。こんなところではやられない!」

「ナナを襲った報い、受けてもらうぞ」

 

 

 

 2対2で向かい合うウィザード、ウィンタープリズン。

そしてスイムスイム、ミナエル。

 

 

 

 一瞬訪れた沈黙を突き破り、スイムスイム、ミナエルが先に動く。

ウィザード、ウィンタープリズンがそれを迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

 スイムスイム達はこちらを殺す気でいる。

だからと言って食い下がる訳にもいかない。

ここで負けるわけにはいかない。

ウィザードはウィザーソードガンを構えてウィンタープリズンと共に応戦に入る…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、ウィザードとウィンタープリズンは、この戦いすらもスイムスイム達による陽動作戦であることを知らない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつまで泣いていたのだろうか。

たまの気分が落ち着いたのは、寺から帰ってきてしばらく時間が経っていた。

今頃、スイムスイム達はシスターナナ達を殺すべく、作戦を実行しているのだろうか。

 

 

結局自分は何も出来ずにここで咽び泣くだけだった。

たまが今いるここは寺から少し離れた住宅街の公園。

昼間の活気は全く無く、一つしかない電灯に照らされる遊具が不気味さを際立てる。

魔法少女であっても、夜中にこんな場所は訪れたくはないところだ。

あまりこういう場所が得意ではないたま。

直ぐにでも家に帰ろうと思って立ち上がった時、寺の方から誰かが走ってくるのを見かけ、慌てて隠れた。

 

 こんな時間に一体誰だろうか。

恐る恐る覗くと、なんと走ってきていたのはシスターナナだった。

とにかく一心不乱に走ってきたのか、かなり疲れている様子だ。

だが、シスターナナがここに来たということは、作戦は失敗したのだろうか。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…ここまで来れば、大丈夫かしら…」

 

 

 

 

 シスターナナの声が近付いてきた。

そして、それと同時に別の人物の声も聞こえてきた。

 

 

 

 

「ナナ!おーい!」

「あ、雫!」

 

 

 

 

 雫と呼ばれる女性の声だ。

だが、明らかにヴェス・ウィンタープリズンの声だ。

ウィンタープリズンの本名は雫というのだろう。

 

 

 

 

「無事だったのね!雫!」

「あぁ、生きて帰れて良かったよ」

 

 

 

 

 再びたまが覗くと、やはりウィンタープリズンとシスターナナであり、抱き合っている。

どうやら作戦は失敗したようだが、二人が生きていて、たまは内心嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、それからは二人の声が聞こえなくなった。

ちょっと前に大きな音がしたため、もう帰ってしまったのかと思い、もう一度たまはシスターナナ達がいた場所を覗いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、たまがそこで見た光景は、たまの想像を絶する、衝撃の光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シスターナナは、ヴェス・ウィンタープリズンに言われて、寺から離れた場所に逃げてきた。

そして、そこで自分の後に恐らく逃げてきたウィンタープリズンと再開した。

ウィンタープリズンが死んでしまうのではないか、と心配してただけあり、生きて会えたのは本当に嬉しかった。

 

 

 

「雫、本当に生きていて良かった」

「ナナ、君もね」

 

 

 

 シスターナナは、あまりの嬉しさにウィンタープリズンに抱き付いた。

そして、ウィンタープリズンも、優しく抱きしめてくれる。

これ程幸せな時間はない、と思っていた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 右の脇腹に、違和感を感じた。

最初は、全く気にならなかったが、段々その違和感も大きくなったので、ゆっくりと右の脇腹を見てみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シスターナナの衣装も、ウィンタープリズンの衣装も、こんなに赤い箇所は無い。

 

 

 

 

 

 その赤い何かは、段々と大きくなっていき、シスターナナの衣装に侵食していく。

そして、息苦しさを感じ始めた。

 

 

 

 

 

 

 そんな時である。

 

 

 

 脇腹から何かを抜かれた感触がした。

 

 

 

 

 

 そして、シスターナナはその抜かれた物を見てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 包丁だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィンタープリズンを見ようとした。

 

 

 

 

 

 だが、もうそこにウィンタープリズンはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 白い羽に天使の輪を付けた魔法少女の姿が、そこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 その魔法少女は、こちらを見て満面の笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで全てを悟った時は、もうシスターナナの意識が遠のく寸前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 地面に倒れる感触。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰かの叫び声が聞こえる。

誰なのか、そんなのは分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……ん、で……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出せた言葉はこれだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう視界が暗くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これから自分はどうなるか、そんなの考える余地はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただ、最後に頭に浮かんだのは、一人の女性の名前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雫………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女の笑顔を思い浮かべ、シスターナナの意識は暗く深い闇に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやああああああああああああああああああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深夜、ほとんどの人間が眠った時間。

 

 

 

 

 静かな住宅街に、魔法少女・たまの悲鳴が轟いた…。




あれあれ?最後のはどういうことかな?(すっとぼけ)
僕は魔法少女を救済するとは言ったけど、生かすとも殺すとも言って無いんですよ(暗黒微笑)

これからの展開、どうなるのか、お楽しみに。



最近仁藤が出てませんが、理由はあるのでご了承を。



最後に、ピーキーエンジェルズ、シスターナナのファンの方々、申し訳ございませんでした。

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