仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
ウィザードのグラス、そして龍騎、ディケイドのフィギュアが当たりました。
個人的に当たりで嬉しかったです。(強いて言うならカブトのフィギュアが欲しかった)
それはさておき今回はエグゼイド、ブレイブ登場です。
すいませんがマジカロイド救出は次回となります。申し訳ございません。
何やら今回はギャグ多めの予感です。ご注意を。
ウィザード、ビーストがマジカロイド44もとい、安藤真琴のアンダーワールドへ入っていくのを見届けたエグゼイド、宝生永夢は、残された3人の少女とブレイブ、鏡飛彩の行方を追っていた。
ベルトの左側に装着されているスロットホルダーのスイッチを押すと、場所を移動出来る。
ブレイブもこれで移動したはずだ。
今何が起こっているのかエグゼイドは理解出来ていない部分も多いが、取り敢えずはブレイブに会わなければならない。
しかし、エグゼイドは一緒に行動する少女達が気になって仕方がなかった。
ピンクの髪をした少女や、葬式帰りかと言わんばかりの全身に黒い衣装を着ている少女。
剣を持っている少女に至っては、肌の露出が多く、尻尾も生えている。
ウィザードから聞いた話では、彼女達は名深市出身だとか。
名深市ではこれが普通なのだろうか?
「あの、ちょっと聞きたいんだけど…」
「はい、何でしょうか?」
ピンクの髪の少女、スノーホワイトと呼ばれていた少女が振り向いてくれた。
早速本題を切り出してみる。
「もしかして、コスプレショーか何かの帰り?」
「いえ、違いますよ」
スノーホワイトは笑顔で答えてくれた。
しかし違った。早速思っていた事が外れた。
この娘達は何者なんだろうか。
ウィザードからも大したことは聞いておらず、正体は本当に分からない。
だが、この娘達の見た目は、最近名深市で噂になっているという魔法少女とやらに似ている気がする。
魔法少女育成計画をやっていれば魔法少女になれる。とかいう変な噂の張本人達かもしれない。
いやいや、そんなはずがない。第一あの噂こそ嘘に決まっている。
ソーシャルゲームの知識もあるエグゼイド、もとい永夢だが、どのゲームにしたって、ああいうプレイ中の抽選等に関しては、課金者が優遇されるはずだ。
課金をすればするほど、運営に気に入られてプレゼント等がよく当たるはずだ。
だが魔法少女育成計画はプレイ無料。
つまりゲーム内ランキングの上位者に魔法少女の権利が与えられるのではないか、と永夢は踏んでいた。
ゲームの事になるとつい熱中する永夢は、使える時間の全てを使って、ゲーム内ランキングで3回連続1位を獲ったのだ。
しかし、運営からの通告等何もなく、ただランキング報酬が配られただけだった。
恐らくは、ただプレイ人口を増やしたい運営のガセネタであると感じた永夢は、ランキングに挑戦するのを諦め、普通にプレイしていたが、何やら最近緊急メンテナンスが多く、プレイ出来ない時が多くなってしまい、自然にプレイをやめていた。
この娘達は魔法少女が大好きなのだろう。だからこういう格好をしているんだろう。
コスプレショーが無くたって好きなキャラの格好をするのも変ではない。
永夢は自然解決して、もう気にしないことにした。
もう、考えるのは止めた!
少し前に自分達を助けてくれたあの人の言葉を借りてみる。
そう言えば、あの人にウィザードの事を相談出来ていない。
明日にでも一度行ってみようか。
「すまない…あなたに話したい事が」
「え?何?」
今度は、騎士のような格好をした少女が話しかけてきた。
ラ・ピュセルと呼ばれていた気がする。
「さっきは、私達の事をコスプレショー帰りか?って聞いてきましたよね?」
「あ、あぁ…そうかなって思って。そんな格好してる人、あまり見ないから」
「つかぬことを聞きますが、もしかして私達を夜なのにコスプレしてる痛い人って思ってないですか?」
「えっ…いやそんなことはないよ。別に痛い人とは…」
ヤバい、結構バレてた。
あの騎士の娘、察しが良すぎる…。
今度は、先ほどこっちが質問した少女、スノーホワイトが話しかけてきた。
「お医者さん。もしかして私達が魔法少女って気付いてなかったんですか?」
「えっ」
「スノーホワイト。何でそんなことが分かったんだ?」
「だって、お医者さんの心の声が、完全に私達を哀れんでるんだもん」
えっ、魔法少女だったの…。
衝撃的な事実に、再びエグゼイドの頭は混乱した。
彼女達は、どうやら魔法少女だったようだ。
しかし、スノーホワイトやラ・ピュセルといった名前はランキング上位にはいなかった。
判断基準が余計に分からなくなってきた。
と、ここで今まで考えてもなかったが、まさに結論という答えが頭に浮かんだ。
男じゃ、魔法少女になれないじゃないか。
そうだ、今まで何を思っていたのだろう。
なれるわけないじゃないか。自分は男だ。あぁ、スッキリした。
「というか、あの人に魔法少女って言っても良かったのか?」
「大丈夫だよ、お医者さんも仮面ライダーだし」
「…なんなら、ラ・ピュセルが男ってことも明かしても大丈夫なんじゃないでしょうか…」
「おい!アリス!それはよせ!絶対にいけない!…って、もしかして聞いてました?」
「…何の事?俺は聞いてないよ」
「なら良かった…アリス、次からはこのような事をするのは止せ」
「…あなたがスノーホワイトを諦めてくれるなら…」
「だから君は私とスノーホワイトを何だと思ってるんだ!大丈夫!いくらでもあげるから!」
「あ、あげるって…そうちゃん…私のことを…ひどい…」
「いやぁぁ!そういうことじゃないんだな!アリスも何か言ってくれ!」
「…最低です」
「アリスゥゥゥゥ!君達実はグルだろ!私を陥れる為に何か仕組んでるだろ!」
盛り上がっている三人を差し置いて、エグゼイドは一人再び悩んでいた。
咄嗟に聞いてないって嘘をついたが、バッチリ聞こえていた。
真実が人の人生を狂わす事だってあるんだよ…!
今日のこの瞬間ばかりは、この言葉にすがりたくなった。
実際にあの騎士の娘が男ならば、もはや性別は関係ない。
だったら判断基準は余計に分からない。
あのゲームを頑張りすぎたせいで、実際に研修中の小児科の医者に怒られたこともあった。
あの努力と恥は一体…。
しばらく経ち、森林ステージに移動したエグゼイド一行。
なんとそこには、ガンマンの女性と戦うブレイブの姿があった。
この女、力が尋常じゃない。
レベル1で戦うブレイブは、相対する女の拳銃攻撃に、苦戦を強いられていた。
しかもあの拳銃、威力も恐ろしく、そう簡単には倒れそうにもない大きな樹木を、あっという間になぎ倒し、一面焼け野原が広がる。
「どうしたどうしたァ!威勢が良かった割にはそこまでだねぇ!」
「くそっ、レベル1では分が悪いか!」
「そんなお遊戯会みたいなので歯向かうからさ!消えな!」
「調子に乗るな!」
銃弾をなんとか避け、女に蹴りを浴びせる。
後ろに飛ばされた女は、少し怯んでいるようだ。
今しかない。
ブレイブはゲーマドライバーのレバーを動かした。
「術式レベル2!」
ガッチャーン!
レベルアップ!
タドルメグル!タドルメグル!タドルクエスト!
ブレイブはレベル1から、青を基調にした戦士、仮面ライダーブレイブ・レベル2へと変身した。
「へぇ、それが本気ってかい」
「こんなところで倒れるわけにはいかないからな!」
ブレイブは自身の武器であるガシャコンソードを持って女に攻撃を仕掛ける。
女は次々と銃弾を発砲してくるが、ガシャコンソードを持つブレイブの逆襲が始まる。
ガシャコンソードを氷モードへ変化させ、銃弾を凍らせた。
「おぉおぉ…やるじゃないの…余計にイライラしてきたねぇ…」
「お前…本当に何者なんだ…」
「私に勝ったら教えてやるよ!」
「くっ…ならば…そろそろ終わらせたい所だ!」
ブレイブはガシャットをゲーマドライバーから取りだし、ガシャコンソードに装着した。
ガシャコンソードが炎と氷を纏い、必殺技が発動する。
キメワザ!
タドル!クリティカルフィニッシュ!
「ハァァァァァ!」
「なっ…!」
ブレイブの周りに、氷の道が作られ、女を拘束する。
ブレイブは氷の道に駆け込み、一気に剣の一撃が、女の完全に炸裂した。
「やったか…」
「…残念だったねェ!消えなァ!」
「何ッ!?」
ブレイブの一撃を受けた女ではあったが、直撃は避けていた。
女は一瞬油断したブレイブに向かって、強力な銃弾を放った。
しかし、その銃弾は弾き飛ばされた。
マイティ!クリティカルフィニッシュ!
「ハァッ!」
銃弾を弾き返したのは、エグゼイドだった。
エグゼイドの持つ武器、ガシャコンブレイカーで銃弾を弾き返したのだった。
「お前…研修医!」
「ブレイブ!大丈夫か!」
「俺は問題無い。というかお前の後ろの奴らは仮装大会にでも行ってたのか!?」
ブレイブはエグゼイドの背後にいるスノーホワイト達に気付くと、驚きの声をあげた。
「何故一般人を連れてきた!?」
「一般人じゃない!魔法少女だ!」
「魔法少女…?お前、ついに頭までおかしくなったのか!?」
「いいや、そいつの言うことは本当だよ」
「どういう意味だ!」
ブレイブは状況が理解出来ないようだ。
すると、先ほどまでブレイブと戦っていた女が口を開いた。
「どういう意味もないさ、私も魔法少女だからね。そいつらと一緒だよ」
「カラミティ・メアリ…!」
「ラ・ピュセル、待って!」
「あいつがマジカロイドをやったんだろ!許せるか!」
「…スノーホワイトを苦しめる奴…」
「お前ら、知り合いか…?」
「そうですけど、メアリは私達の敵です…」
「はっきり言ってくれるじゃない…。私は悲しいよ…」
「今更何を!」
「止せ。激情しても何も変わらない」
「フッ、5対1じゃ敵わないなぁ…あたしは帰らせてもらうよ…」
「おい、待て!結局お前はあの患者に何をしたんだ!」
「キャンディーを奪っただけさ、でも、どうせあの魔法使いがどうにかするんだろ?」
「魔法使い…晴人さんのことか!」
「そうさ…しっかしつまんないねぇ…もっと刺激が欲しいもんだ…じゃあな、お医者さん方」
メアリはそう言うと、遠くへ飛び去っていった。
一方エグゼイド達は、病院へ戻り、変身を解除した。
「しかし、魔法少女等と言う存在が実在しているとは…」
「飛彩さんにはケガも無くて安心しました。でも珍しいですよね」
「何がだ」
「その…一人の患者に対して飛彩さんから助けようとするなんて」
「結局はあいつ…ウィザード頼りなんだろ?…それに…」
「自分が救える命を救うのは、医者としての義務だからな」
「じゃあ、俺は失礼する。お前らも早く帰って休め。人間、無理は良くない」
そう言うと、飛彩は病室を出ていった。
「あの人…かっこ良かったよね…ラ・ピュセル、アリス…」
「ま、まぁまぁだね」
「…嫉妬でしょうか?」
「余計な事を言うなァァァ!」
「ハハハッ、君達って仲が良いんだね」
「それは無いです!」
「…ひどい…です…そうちゃんさん…」
「うわぁ…そうちゃんひどい…」
「二人とも僕をいじめて楽しいかあああああああああ!」
~次の日~
永夢は警視庁に来ていた。
来客用の椅子に座っていてくれと言われた永夢は、やがて資料を持ってこちらに来る一人の男を見ると、立ち上がって挨拶をした。
その男は、永夢を見ると申し訳なさそうな顔をしたが、やがてネクタイを締め直し、椅子に座った。
「すまないな、来てくれたっていうのに待たせてしまって」
「いいえ、良いんです。こちらこそ、お忙しいのにすいません」
「話はある程度こちらでも調査してあった問題だ。お前が協力してくれて嬉しいよ」
「いえいえ、先日こちらであったことや、晴人さんの事を話しておきたいと思って」
「分かった。今日は頼むよ、永夢」
「はい、こちらこそ。泊巡査部長」
はい、エグゼイドの戦闘が少なくてすいません。
ですが、後でたっぷりご用意するので許してくだせえ
そして、最後でいよいよあの男が参戦です。
どこまで絡んでくるか、お楽しみに。
そして永夢の魔法少女育成計画ランカー化は感想でのご意見を参考にしました。ありがとうございました。