仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
勝つのはどっちだ!?
どうでもいい話ですが、この前Fate/grand orderをクリア致しました。
スマホゲームとは思えない良いシナリオで楽しかったです。
マシュ、生きてて本当に良かった。
スノーホワイト、そしてラ・ピュセルを逃がした後、ビーストはクラムベリーとの激しい戦いを繰り広げていた。
ビーストがダイスサーベルをクラムベリーに向かって振りかざすものの、クラムベリーは確実に避けていく。
そして、何故かクラムベリーは反撃を仕掛けない。
ひたすらにビーストの攻撃を避け続けている。
「おい、何で反撃しない」
「何故…ですか。小手調べという所ですね」
「へぇ…随分と舐めてくれてるじゃねえか」
「ですが、それもここまでです。小手調べは終わりました」
「何…?」
ビーストの放つ攻撃を受け止め、背後に回るクラムベリー。
ビーストが後ろを振り向くが、もう遅かった。
「さぁ、ここからが勝負です」
クラムベリーがビーストを全力で殴り飛ばす。
ビーストは後方まで飛ばされ倒れこむ。
しかしクラムベリーは隙を作らず、ビーストに襲いかかる。
「危ねっ!なかなかやるじゃねえか…」
「いつまでそんな余裕を出せますかね!」
クラムベリーは続けて猛攻を仕掛ける。
先程とは一転、ビーストはクラムベリーに押される展開になっている。
ビーストは反撃どころかクラムベリーから次々と繰り出される拳を避け続けるしかない。
「くそっ、さっきまで避け続けてたのは、これのためか!」
「それに近いですね。あなたの行動パターンを読んでいました」
「行動パターンだと?」
「そうです。あなたの行動はほぼワンパターンでした。だからこうやってあなたの行動を先読みしているんです」
「何だと!?」
「今のままではあなたは私に勝てない。さぁ、見せてください。仮面ライダーとやらの力を」
「だったらこれだ!」
ビーストはなんとかクラムベリーの攻撃を避けきり、新しい指輪を使う。
カメレオ!ゴー!
ビーストの今まではファルコマントだった所に、新しく緑色のマントであるカメレオマントが装着された。
ビースト・カメレオマントになったビーストは、マントに付いているカメレオンの顔から長い舌を伸ばし、クラムベリーに巻きつけた。
そして、クラムベリーを空中に浮かせた後、地面に叩きつける。
「いつものファントムだったらそろそろ倒せるんだが、お前はそうは行かなさそうだ」
「その通りですね。やっと面白くなってきました」
「ご期待に沿えそうで何よりだ。まだまだ行くぜ!」
飛びかかってくるクラムベリーに、ビーストも応戦する。
両者隙を見せることなく、攻撃を出し合い、避け合い、五分五分の戦いが続く。
すると、先に動いたのはビーストであり、再びカメレオマントの舌を伸ばしてクラムベリーを巻きつけて、動きを封じた。
「一先ずこれだ!」
ビーストはダイスサーベルのスロット部分を動かし、指輪でサイコロのスロットを止めた。
出た目は3。1~6のサイコロの中で、目が多い方が威力は大きいのだが、今回は微妙である。
スリー!カメレオ!セイバーストライク!
「あちゃー、まぁいいか。くらえ!」
ビーストがダイスサーベルをクラムベリーに向かって振りかざすと、魔方陣より現れた小さいカメレオンの群れがクラムベリーに飛びかかった。
しかし、威力はサイコロの3相当であるため、クラムベリーへの致命打になりはしなかった。
少しばかり後ろに仰け反るクラムベリーであったが、直ぐに体勢を立て直した。
「どうしました?その程度ですか?」
「運が悪かっただけだ!悪いか!ってぐわぁ!」
ビーストが言い終わる前に、クラムベリーから攻撃を受けた。
「せめてもう少し待ってくれてもいいじゃねえか!」
「この戦いに容赦は必要ありません。さぁ早く次の力を見せてください」
「仕方ねえな…じゃあこれでどうだ!」
バッファ!ゴー!
ビーストは指輪を再び付け替え、ビースト・バッファマントへ変化する。
クラムベリーの攻撃を、バッファマントの力技で押し返す。
そのままダイスサーベルでクラムベリーの体を切り裂く。
「これならどうだ!おりゃあああ!」
「ふふっ、やっと本気を出してきましたか。いいですよ、楽しくなってきました」
「一気に終わらせるぜ!」
ビーストはペースを戻し、一気に攻めに入る。
バッファマントの力もあってか、徐々にクラムベリーを押し始める。
「これがライダーの力だ!」
「先程より攻撃が避けられるようになった…?一体何故…」
「何か知らねえが、俺も攻撃パターンってのが分かるようになってきたのかもな」
「…それと、お前の攻撃といい雰囲気といい、どっかで会ったことある気がするんだよなぁ」
「!?…ですが、あなたとは会ったのは初めてですよ…」
「でも、どっかで会った気がするんだよ…お前というか、お前に似た雰囲気のやつに」
ほんの一瞬だけ焦りを見せたクラムベリーだったが、体勢を立て直して防御に徹する。
しかし、ダイスサーベルの威力は増していき、ついにはクラムベリーに直撃する。
後退りするクラムベリーを、ビーストは逃がさなかった。
「今さら逃げたって遅いぜ、さぁ、メインディッシュだ!」
ビーストは、再びダイスサーベルのスロットを回した。
今回止まった数字は6。最高威力である。
シックス!バッファ、セイバーストライク!
「さぁ喰らえ!」
ビーストの放った一撃から、大きなバッファローの大群がクラムベリーを襲う。
カメレオンの群れより大量で、しかも強力な攻撃である。
さすがのクラムベリーも大きく吹き飛ばされた。
そして、最後にビーストが自ら一撃を与えた。
その一撃は、クラムベリーを完全に捉え、右腕を完全に切り裂いた。
魔法少女とはいえ人の腕を切った音がビーストに伝わった。
「ふぅ…これで分かったろ、仮面ライダーの力を」
「…」
クラムベリーからの返事は無い。クラムベリーを吹き飛ばした衝撃で砂煙が立ち込めており、クラムベリーの姿を確認出来ない。
「ありゃ、もしかしてやり過ぎちゃった?おーい、大丈夫か?」
ビーストは、砂煙の中に入っていく。
しかし、その直後である。
「ぐおっ…!お前、マジかよ…」
「フフフ、残念でしたね。仮面ライダー」
「これは…死んだフリって…やつか…」
ビーストは、突如飛び込んで来たクラムベリーに首を絞められる。
突然の事で、対処仕切れなかった。
「お前、その腕…確か俺が切ったハズだが…」
「私は魔法少女ですよ?魔法を使えなくてどうするんですか」
「実はあなたが切ったと思っていたもの。それはただの偽装」
「何…だと…?」
「しかし、本来この偽装戦術は実戦には使用しないんです。私が危険になったときを除いて」
「それは…」
ビーストが尋ねると、クラムベリーは笑みを浮かべて続けた。
「あなたがもう少し用心していれば、こうなることも無く、あなたは私に勝っていた」
「残念でしたね…仮面ライダーの力…とても強力でしたよ。ですが、強敵を倒してこそ私の王道…あなたは殺すには惜しいですが、ここで消えてもらいます」
クラムベリーがとどめの一撃をビーストに与えようとするが、ビーストは全く動じない。
「あなた、死ぬのが怖くないのですか?」
「…死ぬ?逆にこれで俺を殺せると思ってんのか」
「え?」
ドルフィ、ゴー!
ビーストの予想外の返答に驚くクラムベリー。
するとビーストはクラムベリーの体をすり抜け、あっという間に脱出した。
ビーストは新たな姿、ドルフィマントへ変化している。
「その力は…?」
「どんな場所でも水みたいに潜れたり出来るのさ!」
「まだ力を持っていたのですか…しかもスイムスイムと似ている…」
「私も本気を出しましょうか」
「だったらこっちも更に本気を出してやる!行くぜ、キマイラ!」
ビーストは、今までの指輪とは一回り大きい指輪を付け替えて、スロットに装着した。
ハイパー!ゴー!
ビーストが大きな魔方陣に包まれ、今度はマントではなく、全身が青と金をモチーフとした姿、仮面ライダービーストハイパーへと変化した。
手にはビーストハイパーと同じカラーの銃、ミラージュマグナムが握られている。
「さぁて、第二ラウンドだ。クラムベリー、こんなんでくたばらないよな?」
「いいでしょう…やはりあなたと戦うのは面白い…!」
ビーストハイパーとクラムベリーは再び対峙し、両者共に相手に飛びかかっていく。
クラムベリーは今までより強力な拳を振るうが、ビーストハイパーは腕に備わっているフリンジスリンガーと呼ばれる紐を自由自在に伸縮させ、攻撃を弾き返していく。
更にミラージュマグナムから銃撃をクラムベリーへ着弾させていく。
「うっ、まさか…今までとここまで威力が違うとは…」
「お前も仮面ライダーを侮ったのがいけなかったな!」
ミラージュマグナムで更に攻撃するビーストハイパー。クラムベリーも押されるだけでなく、反撃の機会を伺い、隙を突いてビーストハイパーに攻撃を与える。
「なかなかですね…。ここまで緊迫する戦いは久し振りです…!」
「結構タフじゃねえか、だったら限界までやってやるよ!」
ビーストハイパーは、ミラージュマグナムの装着口に指輪を装着させて、必殺技を放った。
ハイパー!マグナムストライク!
「うおりゃあああ!」
ビーストハイパーは、渾身の必殺、シューティングミラージュをクラムベリーへ発射した。
必殺技が直撃したクラムベリーは倒れてこそいないものの、かなりダメージを受けており、フラフラとしている。
「流石ですね…仮面ライダービースト…覚えておきましょう…」
「やっと勘弁してくれたか…」
「フフッ、今日は楽しかったですよ…では、またどこかで…」
クラムベリーは、そう言うと何処かへ去っていった。
戦いを終えたビーストは変身解除して地面に倒れこむ。
「うへぇ…ここまで戦ったのは久しぶり過ぎて疲れるわ…」
「おい、仁藤!大丈夫か!?」
仁藤の所へウィザードが帰ってきた。
ウィザードは倒れている仁藤を見て驚く。
「あぁ、心配すんな…小雪ちゃんと颯太は帰したよ」
「お前はどうなんだ、メアリにここまで…?」
「いいや…クラムベリーってのにだ。颯太を一度倒したってだけはあるわ…」
「クラムベリーだと…?」
「なんとか勝ったけどな…でもこっちも腹がペコペコだよ…」
「分かった分かった…。ほれ」
ウィザードは、コネクトの魔法でヘルヘイムの実とマヨネーズを取りだし、仁藤に与えた。
「おっ、サンキュー晴人…ほらキマイラ、食えよ…っていうか何でこれ持ってるんだ?」
「久しぶりの仲間に会ってな、そいつ神になっててヘルヘイムの実を自由に生産出来るようになったからいつでも持っていっていいってさ」
「へぇ…そりゃすげぇ…って神!?」
「うん、神。そりゃ驚くよな」
「晴人、お前神と友達なのか」
「まぁな、というか…仁藤、お前が颯太を助けたのっていつだ?」
「え?そういや、そろそろ一週間くらい経つな」
「!…じゃあ、そろそろ次の脱落者が…!」
そう、明日は、ランキングの発表であった…。
森で作られているヘルヘイムの実。少し前に地球に戻った際に仲間にヘルヘイムの実を作っておいてくれ、と頼まれて数個作っている。
本当に使うのか?なんてことを考えていると丁度、魔方陣が現れてヘルヘイムの実を5つ持っていった。
一瞬だけ出てきた手がこちらに手を振っていたが、すぐに魔方陣と消えていった。
「大食いだなぁ…ビーストって言ったっけ?ウィザードも大変だな…にしても魔法ってすごいな…あ、舞!ヘルヘイムの実、追加で10個頼む!」
「え…」
気づけば大晦日ですね。皆さん今年もお疲れ様でした。
最後のあの人はただのサプライズ登場ではないので今後にご期待下さい。