仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~ 作:マルス主任
アニメもいよいよ最終回が近づいてきてますね。
スイムスイムを許すな(概念)
ファヴから明かされた真実。
魔法少女の数を半分に減らす。その真の目的は、強い魔法少女を選び出す為のものだった。
更に、脱落した魔法少女は、力を失うことだけではなく、自らの命も落としてしまう。
ねむりん、ルーラの一件から、察していた魔法少女も少なくはないが、もし二人をウィザードが救っていなかったら、両者共に死んでいただろう。
このゲームを終わらせることが一番安全な策なのだが、主催者であるファヴは、ゲームを止める気など全く無い様子。
魔法少女の中にも、クラムベリーのような戦闘狂がいることも、ラ・ピュセルにより伝えられ、魔法少女同士でも、今まで以上に牽制し合っており、協力しよう等とも思えない状況である。
そして、以前のラ・ピュセルの一件により、魔法少女達の思考には、こんな考えも生まれていた。
”誰かを殺して脱落させれば、自分は生き残ることができる。”
元々は魔法少女同士で時には協力し合ったりして、平和な時を過ごしていた。
しかし、何を何処で間違えたのか、今ではサバイバルゲームになりつつある。
スノーホワイトは泣いた。こんな筈じゃなかった、と。
魔法少女の世界は、自分が思っていたものとかけ離れていた。
こんなの終わらせなきゃならない。でも死にたくない。
自分でも何をすればいいか分からなかった。
泣き続けるスノーホワイトは、一緒にいるラ・ピュセルに抱きついた。
「そうちゃん…私分からないよ…これからどうすればいいの…」
「私にも分からないよ。これからのことなんか誰も分かりはしない」
「でも、一つだけ分かることがある…」
「何…?」
「スノーホワイト、絶対に君だけは守る。君を死なせはしない」
「そうちゃん…!」
「これからは、他の魔法少女達が私達を殺しに来るかもしれない。以前のクラムベリーのように。でも、絶対に君だけは守り抜く。この剣に誓って…!」
「…ありがとう…!でも、そうちゃんも無理しないで…」
「もう…一人になるのは嫌だから…」
「当たり前さ。絶対に生き残ろう」
「うん!」
そう言うとスノーホワイトは、もう一度ラ・ピュセルに抱きついた。
そしてラ・ピュセルもスノーホワイトに抱きつかれ、内心緊張しているものの、絶対にスノーホワイトを守ると心に誓った。
しかし、二人は気付いていなかった。近くに別の魔法少女が一人、少しずつ迫って来ていることを…。
一人、殺ってこい。それがカラミティ・メアリからの条件だった。
当時は承諾したものの、いざ殺すとなると気が引ける。
ニュースでよく見る殺人事件の犯人は、どんな気持ちなのだろうか。
マジカロイド44は、この時だけはそんな彼らの気持ちを知りたくなった。
取り敢えず、魔法少女を適当に探していると、スノーホワイトとラ・ピュセルの姿を捕捉した。
何やら話しているようだが、そんなことはこの際どうでもいい。
どちらを殺すか。マジカロイドはそんなことを考えていた。
スノーホワイトの魔法は心の声が聞こえるという魔法らしく、戦闘能力も大して無さそうであり、殺しやすい相手ではある。
だが近くにいるのはラ・ピュセル。彼女は恐らくかなりの実力者だろう。
容易に戦闘を仕掛ければ一刀両断される可能性も無くはない。
どちらかを殺すにしても、スノーホワイトもラ・ピュセルも、どちらを殺しても必ず自分に復讐するべく襲いかかってくる。
それにウィザードという魔法使いも彼女達とは関係が深そうであり、ウィザードに目を付けられればこちらに勝ち目はもう無いだろう。
ならば、どちらも殺してしまえば良い。
今は隙だらけだろうし、殺れなくもない。
マジカロイドは自分の魔法、一日一回だけ、未来の道具を呼び出せる能力を使い、道具を取り出した。
「おやおや、これは当たりじゃないデスか?」
取り出したのは、透明にできる刀だった。
十分過ぎる程の道具である。
こうなれば決行するしかない。
マジカロイドは覚悟を決め、二人の近くへ一気に接近する。
ディフェンド!プリーズ!
急に目の前に巨大な壁が現れ、マジカロイドは勢いよく衝突した。
弾き飛ばされ、地面に倒れる。
この壁は誰が作ったんだ。ウィンタープリズンか?いや、違う。
ウィンタープリズンは魔方陣を使わない。
まさか…。
マジカロイドが感じた嫌な予感が、的中したようだ。
「おいおい、あの状態の二人に突っ込むなんて、趣味悪いなあんた」
「お、おやおや…コンバンワ…ウィザード。」
そう、ウィザードが現れたのだ。前にみた赤い姿ではなく、黄色い姿をしているが、間違いなくウィザードだ。
しかも、一番出会いたくない状況で会ってしまった。
「なんか二人に用でもあったのか?」
「まぁ…そんな感じデスね。でもまた今度にシマス。デハデハ~」
面倒なことになる前に、さっさと逃げてしまおう。
マジカロイドは帰ろうとしたが、何故だか体が動かない。
そう、マジカロイドは足を鎖で縛られてしまった。
「待て。このまま逃がすわけないだろ」
「あ、アハハ…何でしょうカネ…」
「…マジカロイド、あんた二人を襲おうとしたろ。」
「な、ナンデ…」
「スノーホワイトから話は聞いてるよ。こんな状況で事前連絡も無しに他の魔法少女に会いに行くのは怪しいと思ってな。案の定だったな」
「何か理由があるなら聞いてやる。言ってみろ」
「へぇ、カラミティ・メアリと組むために一人殺さないといけなかった…というわけか」
「ウィザード、あなたの言う通りこの状況では一人では厳しくてデスね」
「確かにそうかもな。でも、そんな事言う奴と組んでどうするんだ」
「強い味方がいれば、それだけこれからも安泰だと思ったのデス」
「他にも方法があったと思うんだが。カラミティ・メアリは危険だ」
「危険な人程、味方に付けたいじゃないデスか」
「はぁ…だったらこれならどうだ。俺がお前を守ってやる。キャンディー集めも手伝ってやるよ」
「…と、言いマスと?」
「あんたに協力してやるから、あんまり危険なことはするなよ」
「…それなら、別に構いまセンガ?」
「意外と軽いんだな、まぁ良いけど」
そんな事を話すウィザードに、どこからか銃弾が襲い掛かる。
「ウィザード、危ないデスよ!」
「うおっ!何だ!」
「…何だい何だい…散々馬鹿にしてくれた見たいだねぇ…」
「あちゃー…来ちゃったか…」
「か、カラミティ・メアリ…」
正体は、カラミティ・メアリだった。かなりイライラしている様子である。
「カラミティ・メアリに逆らうな。煩わせるな。ムカつかせるな。そう言ったはずだよ」
「前にも言ってたが、相当の自信家だな」
「…!あんた、本当にムカつくねぇ…」
そう言うと、メアリは銃をもう一度構える。
勿論標的はウィザードである。
「前にやられた時からずっとあんたにはイライラしてたんだよねぇ。こんだけ忠告して変わらないってことは…そういうことだね」
「やるなら、仕方ないか。掛かってこいよ。今度も返り討ちにしてやる」
「ぶっ潰してやるよ…」
ウィザードはウィザーソードガンを、メアリは銃弾を構える。
「さぁ、ショータイムだ」
「ここであんたを消してやるよ…」
一瞬の沈黙が流れ、その直後にウィザードとメアリは引き金を引いた…
はい、引きが少し適当感ありましたがウィザードVSメアリ開始です。
メアリ編には入ってないのであしからず。