仮面ライダーウィザード ~Magic Girl Showtime~   作:マルス主任

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平成ジェネレーションズの鎧武の声は鎧武本編の佐野さんの声の流用説が浮上しておりますね。
一応本人集結ですね。


第15話 VSファントム

「…ねぇ、これ本当にキャンディーだけで買えるの?」

『心配しらないぽん。キャンディーで買えるぽん』

 

 

 

 スノーホワイトは、よくラ・ピュセルと一緒にいた鉄塔で一人、ファヴと話していた。

スノーホワイトが見ているのは、マジカルフォンのアイテム購入ページ。

魔法のアイテムは開始直後に無くなってしまい、残されたのはキャンディー交換の武器である。

キャンディーは生死に関わる為か、どれも売れずに残っている。

そのため、キャンディー所持数ダントツのスノーホワイトは、この武器を見ながら悩んでいた。

現在5万も持っているスノーホワイトにとって、一つぐらい購入するのにデメリットは無い。

 

 

 

 

「やっぱり、持ってた方がいいのかな…?」

『そりゃ、持ってた方が安全ぽん。キャンディーを大量所持しているスノーホワイトは、余計に有利ぽん。でも一人一つまでぽん』

『今回のアイテム導入はスノーホワイトのように、戦闘魔法を持っていない魔法少女用のイベントぽん。いつ誰に襲われるかも分からない状況で、丸腰は痛いぽん』

『自分を守るためぽん。いつまでも他人に頼っていてはいけないぽん。』

『ラ・ピュセルはもういない。あの魔法使いだっていつも君の近くにいるわけじゃないぽん』

 

 

 

 ラ・ピュセルはもういない。その一言が、スノーホワイトの心に突き刺さる。

ラ・ピュセルのことを思い出すと、自然と涙が溢れてくる。

これまで魔法少女として共に活動してきたラ・ピュセル。自分の剣となって、守ってくれることを誓ってくれた。

でも、もう会えないかもしれない。もう3日も行方が分かっていない。

不意にラ・ピュセルと颯太の笑顔を思い出した。

もう、涙を抑えられなかった。

 

 

 

「そうちゃん…そうちゃん…」

『名前を呼んだってラ・ピュセルは来ないぽん。自分は自分で守るしかないぽん』

「うぅ…そう、だよね…戦うのは、好きじゃないけど…」

「(私を守って、そうちゃん…)」

 

 

 そんな思いを込めて、スノーホワイトは、ブレイラウザーの購入ボタンを押した。

 

 

 

『購入完了ぽん。毎度ありぽん。』

 

 

 

 すると、マジカルフォンが光に包まれ、スノーホワイトの手には大きなスペードの付いた長い剣、ブレイラウザーが握られていた。

 

 

 

「これが、ブレイラウザー…」

『魔法の国の物じゃないから、使用方法とかは全く分からないぽん。でも、持ち手の辺りを展開させると、カードが13枚収納されてるぽん。能力は未知数ぽん』

「分かった…。でも、これは本当にピンチの時にしか使わない」

『使用するのはスノーホワイトの自由ぽん。これからの活動に良い影響が出ることを期待してるぽん』

 

 

 

 そういうと、ファヴは消えてしまっていた。

スノーホワイトがもう一度アイテム購入ページを見ると、なんと他の武器ももう売り切れてしまっていた。

恐らく他の魔法少女達も、貴重なキャンディーを使って購入したのだろう。

 

 

 

 果たしてそれは人助けをする為か、それとも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく時間が経っただろうか、突然ファヴから連絡が入った。

 

 

 

『ファントムが現れたぽん!みんなで倒すぽん!キャンディーは弾むぽん!』

『場所はマジカルフォンに転送するぽん!』

 

 

 

 心機一転、人助けをしていたスノーホワイトは、マジカルフォンを開いて場所を確認した。

場所は市街地。一般の人が襲われる危険性もある。

スノーホワイトは急いで市街地へと向かった。

 

 

 

 しかし、その後ろから、スノーホワイトを追うように向かっていった魔法少女がいたことを、スノーホワイトは知らなかった。

そして、その手にはファイズエッジが握られていたことも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 市街地では、やはりファントムが暴れまわっていた。

棍棒を振り回すファントム・バルバトス。

そしてもう一体は両手剣を使って人々を襲うファントム・アサシン。

そして二体の他にも、下級ファントム・グールが大量にいた。

 

 

 

 スノーホワイトが到着した時、もう既に各地区から魔法少女達は集まっていた。

手裏剣を投げてファントムに攻撃するリップル。今日はトップスピードとは別行動なようだ。

購入した薙刀を振り回して次々となぎ倒していくスイムスイム。

巨大な穴にグール達を落としていくたま。

ミナエルの変身した剣を使ってグールを切り裂くユナエル。

自身の魔法で呼び出した銃でファントムを消していくマジカロイド44。

壁を作って攻撃を防ぎつつ、ファントムを撃破していくウィンタープリズン。

そして、見慣れない青い銃を構えてファントムに直撃させていくシスターナナ。

青い銃は避けようとしたファントム達を追尾し、確実に当てていく。

能力からして、あの銃はトリガーマグナムと呼ばれる物だろう。

 

 自分も援護に行こうとするスノーホワイトだったが、あまりスイムスイムの一味には関わりたくなかった。

しかし、そんな事を言っている場合ではない。

スノーホワイトはファントムを避けつつ、シスターナナ達の元に向かった。

 

 

 

「シスターナナ!ウィンタープリズン!大丈夫?」

「スノーホワイト!こいつら、何だか数が減らなくてな!」

「って、スノーホワイトも武器を買ったのですね」

「うん。シスターナナも?」

「はい。この銃、自動追尾で役立つんですよ」

「そうなんだ。」

「でも、今のままじゃ押されています。スノーホワイトも手助けしてもらえますか?」

「あまり戦いたくはないけど…このまま関係無い人が傷付くのは黙ってられない…!」

 

 

 

 

 スノーホワイトは、ブレイラウザーでファントムを切りつける。

威力は絶大であり、一撃でグールを仕留めた。

確実にグールを撃破していくスノーホワイト。

 

 

 グールのほとんどを殲滅した魔法少女達。

彼女達にマジカルキャンディーが2500個追加された。

 

そして、残ったのはバルバトスとアサシン。

しかし、スイムスイム達は…

 

 

 

 

 

「雑魚は倒した。キャンディーは十分。ウィンタープリズン達に後は任せる」

「「お願いしまーす」」

「あ、あの、ごめんなさい…」

「私、レアキャラデスノデ。コレデ失礼シマス」

 

 

スイムスイム達4人と、マジカロイドは帰ってしまった。本当にキャンディー目当てだったようだ。

 

 

 

「あいつら…薄情な奴らだ」

「十分ありがたい支援でしたよ」

「邪魔なのが消えただけだ…」

「4人になっちゃったけど…あいつらを倒そう」

「チッ…仕方ないか…」

「はい。スノーホワイト」

「一気に攻めよう!」

 

 

 4人になってしまったが、こうなったらやるしかない。

そんな彼女達の前に、思わぬ増援が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドリフトカイテーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああああああああ!」

 

 

 

突如トップスピードが回転しながらこちらに現れた。

 

 

 

「待って待って待って!回りすぎぃぃぃ!」

「トップスピード?」

 

 

トップスピードは回転しながらファントムに攻撃を与え、何とかリップルの前に降り立った。

 

 

「…遅い」

「悪ぃ悪ぃ…この剣の回転凄すぎだろ…危うくぶつかる所だったぜ…」

 

 

 そんな彼女が持っているのは、ハンドルの形を模したハンドル剣である。

 

 

「この剣、なんかごちゃごちゃ音がするけど、性能は半端ないぜ」

 

 

 援護にやってきたトップスピード。そして…

 

 

 

 

 

「お前ら!大丈夫か!?」

「おっ、ウィザードじゃねえか!良いところに来たなぁ!」

「トップスピードが回転しながら飛んでいくもんだから何だと思ったら…まさかこんなことになってるとはな」

 

 

ウィザードも助けに現れた。しかし、彼が驚いたのはトップスピードのことだけではない。

 

 

「…お前ら、その武器どこで手に入れた?」

「キャンディーで買ったのですが…何かありました?」

「えぇ…そうだったのか」

 

 

平然と答えるシスターナナに、ウィザードは答えた。

 

 

「いや、これは俺の仲間達の武器なんだ。まさかファヴ達がこんなもん持ってるとはな。」

「これ、ウィザードさんの仲間が使ってたんですね…使い方って分かったりします?」

 

 

 スノーホワイトがウィザードに使い方を尋ねた。ウィザードは勿論。と答えてブレイラウザーを手に取り、展開させた。

 

 

「こうやって展開させて、入ってるカードを剣先の細い間にスキャンしてみて」

「分かりました。やってみます!」

 

 

 スノーホワイトは、カードの絵柄はよく分からなかったが、展開したカードの中から強そうなカードを選んでスキャンした。

 

 

 

サンダー!

 

 

 

その瞬間、ブレイラウザーが稲妻を纏い始めた。これがこのカードの能力のようだ。

 

 

 

「どうよ。二枚以上同時スキャンすると、コンボ技が使えるぞ。」

「はい!じゃあ、次はこれかな?」

 

 

 スノーホワイトはもう一枚選んで、カードをブレイラウザーにスキャンした。

 

 

スラッシュ!

 

ライトニングスラッシュ!

 

 

 ブレイラウザーは輝き始め、稲妻も一層強くなっている。

 

 

「もしかして、必殺技?」

「そうだな。そのまま切りかかれ!」

「えっ、わ、分かりました!」

 

 

 スノーホワイトはアサシンに向かって必殺技を放つ。

アサシンも二刀流の剣で迎え撃つ。

 

 

「くらえぇぇ!」

 

 

 スノーホワイトの一撃が、アサシンの剣を破壊し、アサシン本体も一刀両断した。

アサシンは一瞬にして爆発した。

 

 

「やった…んだよね」

「おぉ、やるじゃん」

「後は一体だぜ!リップル!みんな!俺たちもやろうぜ!」

「あぁ、協力しよう!」

「こういうの、私大好きです!」

「チッ…邪魔くさいけど、仕方ないか…」

「トップスピード!シスターナナ!使い方は分かるのか?」

「ある程度はな!」

「私も、撃つだけなら…」

「分かった。でも、シスターナナの銃にはUSBメモリみたいなのが刺さってるだろ?」

「えぇ…これが何かあるんですか?」

「銃先を上に上げてみて。それで必殺技が撃てる」

「トップスピードのは、ハンドルがUターンっていうまで回してみてくれ」

「はい。分かりました」

「了解!」

 

 

 

 こちらの隙を見て飛びかかってきたバルバトスを、ウィンタープリズンの壁で防ぎ、リップルの手裏剣で吹き飛ばす。

そして、シスターナナとトップスピードはウィザードが言った通りに武器を使った。

 

 

 

トリガー!マキシマムドライブ!

 

 

ターン!ターン!ターン!Uターン!

 

 

 

ウィザードも負けじと必殺技を放つ。

 

 

 

フレイム…!スラッシュストライク!ヒーヒーヒー!

 

 

 

「受けてみなさい!」

「フィナーレだ!」

「また回転かよぉぉぉ!」

 

 

 

 トリガーマグナムからは何発もの追尾弾、トップスピードは一回転してハンドル剣で切りかかる。ウィザードも炎の剣撃を放った。

避けたバルバトスをトリガーマグナムの追尾弾が遅い、トップスピードが追撃を与え、ウィザードの一撃が直撃した。

ウィザードの一撃が致命打となったバルバトスは燃え盛る炎の中で爆発した。

 

 

 

「ふぃー…」

「勝ったんだな、ナナ」

「そうみたいですね。皆さんの協力のおかげです」

「目が…回るぅ…」

「大丈夫…?」

「サンキュ、リップル。やっぱ相棒って最高だわ」

「やりましたね。ウィザードさん」

「あぁ、みんなお疲れ」

 

 

 

 その場の全員に、キャンディーが3000追加された。

魔法少女達はしばらく雑談した後、自分の担当地区へ帰っていった。

 

 

 

 

 

 その後、スノーホワイトとウィザードは残って話をしていた。

 

 

「そうちゃんの手がかり、何か見つかりましたか?」

「ごめん、まだ何も見つかってないんだ…」

「そう、ですか…やっぱり、そうちゃんはもう…」

「いや、何も手がかりが無いのが怪しいんだがな…」

「もう少し、せめて何か見つかるまでは、絶対に探し続けるから」

「すいません。晴人さん。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 ウィザードは、ラ・ピュセルの手がかりが何故どこにも無いのかが気になっていた。

死んでいるなら、どこかに遺体があってもおかしくない。

有り得る可能性は、本当にオーガに喰われてしまったか、或いはまだどこかで…

とにかく、今は探すことしか出来ないが、仁藤にも協力してもらい、せめて何か見つけてみせる。そう晴人は誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、今日も来たぞ」

「あ、仁藤さん!観てよこれ!魔法使いプリキュアだよ!」

「お、おぉ…すげえな」

 

 

 仁藤はさすが魔法少女マニアだな。と思いつつ部屋にやってきた。

大きな病院の一室ではあるが、外からは街が一望できる。

元々は車に轢かれそうなのを助けたことから知り合ったのだが、サッカーと魔法少女が大好きという珍しい趣味であった。

時にサッカーをしたり、時に魔法少女アニメを観賞したりと、スポーツマンとオタクの生活を交互にしている。

助けた時には満身創痍であったが、傷の治りも早く、明後日には退院できるだろう。

 

 

「みらいちゃんは本当に可愛いなぁ、でも、他の二人も捨てがたい…。仁藤さんは誰が好き?」

「お、俺はみんな大好きだなぁ。みんな揃ってプリキュアなんだし」

「あぁ、それもいいね!みんなでプリキュアだもんね!誰が一番とか無いよね!」

「おう、というか、お前確か身分を知り合いに言うなって約束だったよな?何でなんだ?」

「それは退院してからしか言えないよ。だってそういう約束でしょ」

「それもそうだな!まっ楽しみにしとくわ!」

 

 

 仁藤は話が気になって仕方がなかったが、今は彼の健康が一番。

気長に待つことにした。

 

 

 

 

 それが、意外な展開を巻き起こすとも知らずに…




はい、焦らしていくスタイルです。
プリキュアは友情出演です。本編には出ません。

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