DRIFTERS-ドリフターズ- 異なる時代の英雄達   作:金色狼

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どうも、第4話目です。
この前、感想で「坂井さんの階級、ガダルカナル戦の時って一飛曹じゃないんですか?」とご指摘を頂きましたが、作者のミスです。すいませんでした。2、3話の階級をこの4話投稿し終わったら直してきます。

今回で謎の孤島に集められた人達が集合するわけですが、そろそろ「おい、薩人と第六天、あとスナイパーはどうした」とお思いでしょう。この本編では出しません。別のお話で出します。そうだ番外だ。番外編作っちゃえ。そうしよう。

長くなりましたが、本編をどうぞ。
※飛龍と多聞丸の口調は物凄く曖昧です。なんせ艦これでまだ飛龍出てないしねぇ。


艦娘、提督、パイロット、集合!

◇菅野 直&坂井 三郎

 

「坂井サンよぉ···こんな慎重に進む必要あるか?」

 

「あぁ···、もしもの事を考えるんだ···」

 

坂井と菅野は、飛行場で合流した後、鎮守府跡に向かおうと話をしていた。

そして今、二人は鎮守府跡に向かっている。

だが、菅野は坂井の進み方に不満そうだった。

なぜかというと、

 

「こんなに姿勢低くしてよぉ···ゆっくり進むより走って移動した方が良くねぇか?」

 

「いや、ダメだ。もしかしたら、敵がいるかもしれない···」

 

「へいへい···分かりやしたァ···」

 

菅野は不服そうに返事をした。

すると、坂井はピタッと足を止め、手を挙げた。

「止まれ」の合図だ。菅野は「もしかしたら怒られるんじゃねぇか?」と思ったがどうやら違うようだ。

 

「この音·····まさか····!菅野大尉、急ぐぞ!もしかしたら出口が近いかもしれない!」

 

「あァ!?さっき言ってた事と全然違ぇじゃねェか!!」

 

坂井は先程言っていた事を忘れたかのように無我夢中で走った。

 

「あの音が聞こえたということは···近いぞ!」

 

「ちょ···おい!!」

 

二人はがさがさと草を掻き分けながらどんどん進んでいった。

次第に音も大きくなり、坂井は確信した。

 

「この音は···波の音だ···となると···、海が近い!」

 

「海だァ?じゃあ、鎮守府跡が近ぇって事かァ!?」

 

「そうだ!早く行くぞ!!」

 

「さっき言ってたのはなんだったんだろうなァ····まぁ、考えても仕方ねェか···!」

 

そして二人は森を抜けた。すると目の前には坂井の予想通り、海が広がっていた。

そしてもうひとつ、鎮守府跡があった。

菅野はその外見に少し違和感を覚えた。

 

「なんだ···さっきより綺麗になってねェか···?···気のせいか···?」

 

菅野が見た鎮守府跡は最初に見た時より変わっていた。

最初に見たとき、赤レンガが抜けているところがあったが、今はそれが見当たらない。

代わりのレンガが埋め込まれている。回りの雑草もあらかた刈られており、鎮守府跡ではなく、今すぐにでも使える鎮守府になっていた。窓ガラスは割れており、そこから中を覗き込むと、蜘蛛の巣が張り、蔦が割れた窓ガラスから内部に侵入していて、床を見ると、赤いカーペットはあるものの所々破れており、一部カビの生えているものもあった。

 

「汚ねぇな···なんで外装だけ綺麗にしといて中は掃除しねェんだよ···」

 

菅野が鎮守府の内部についてブツブツ言っている後ろで、坂井は海を眺めていた。

 

「本当に···ここはどこなんだ···?敵の艦隊も見当たらないし····何の為に俺達は送られてきたんだ···?」

 

「坂井サンよォ!とっとと中入っちまおうぜ!ずっと外にいてもなんの解決にもなんねぇ!」

 

「あ···あぁ、そうだな···」

 

坂井は菅野に呼ばれ、はっと我に返り、「そうだ、まずは事の進展を望まなければ···このまま外にいると、野宿することになる···野宿するとしたら···洞窟を見つけるか、穴を掘るか···、コックピットの中で寝る····しかないな」と、考えを張り巡らせた。

 

「そうと決まりゃ、とっとと行くぜ!」

 

菅野は鎮守府の重々しい扉を開けると、すぐに叫んだ。

 

「誰かいねぇか!?オイ!いたら返事しやがれ!コノヤロウ!!」

 

「誰だァ?少しは静かにしろ···」

 

「誰だテメェ!って····あ?」

 

「菅野大尉!少しは発言を·····って、貴方は····!」

 

「山口少将!」

 

「山口···あの人殺し多聞丸かァ···!く····ふはは····」

 

「どわっはははははは!!!生きとったんかワリャ!」

 

「出会ってすぐに人殺し、そして大笑いか。大西を思い出すな···まぁ、そんなこたぁ置いておいて、坂井一飛曹、君のことは存じ上げているが、そちらは?」

 

「343空301飛新撰組隊長、菅野 直大尉でぇあります!」

 

「多聞丸は、MIでおっ死んだハズなんですけどねぇ···」

 

菅野はニヤリと笑った

 

「大尉、貴様いつこっちに送られた?」

 

「1945年8月1日!」

 

「ここで聞くのもなんだが、日本はどうなった?」

 

「菅野大尉、私もどうなったのかを知りたいんだ。教えてくれ。」

 

「勝ったか負けたか聞かない辺り、流石ですなぁ、お二人さんよォ···」

 

「何もかんも灰も同然!!聨合艦隊も壊滅!」

 

「大和も武蔵も海の藻屑と果てましたぜ」

 

多聞と坂井は無表情のまま「そうか····」と答えた

 

「だがな、大尉」と多聞は続けた。

 

「聨合艦隊は滅んじゃいない。飛龍がここにいる」

 

「飛龍ゥ?あの空母もMIで沈んだハズじゃなかったかァ?」

 

「確かに飛龍は沈んだ。だがな····ここにいるんだよ」

 

「だから、どこだ!どこにいんだ!?」

 

「飛龍よ!来て良いぞ!」

 

「分かったよ、多聞丸!」

 

二階から元気な声が聞こえてきた。すると程なくして、どたどたと走ってくる音が聞こえた。

 

「呼んだ、多聞丸?って、この二人は···?」

 

「菅野大尉、これが誰だか分かるか?」

 

「あぁ、山口少将···まさか、ソイツが飛龍とでも言いてぇのか···?」

 

「そのまさかだ。この女性は間違いなく、飛龍だ。私と会って、開口一番言った言葉が多聞丸だからなぁ···あと久しぶりとか言ってたかなぁ···」

 

多聞はタバコに火をつけ、口にくわえた。

 

「スゲェなぁ····空母が人間になんのかよ····」

 

「人間みたいな外見だが、身体能力は人間を遥かに上回るらしい。艦娘って呼ばれてるそうだ」

 

「艦娘ねぇ·····」

 

「山口少将、飛龍に搭載されている飛行機を教えてくれくれませんか?」

 

「あぁ···それなら本人に聞けば良いだろう?」

 

「そうでした···では、飛龍。搭載されている飛行機を教えてくれないか?」

 

「え?搭載してる飛行機?えーっとね、零式艦戦二一型、九七艦攻と九九艦爆だよ?」

 

「ハッ···MIと変わんねぇなァ····」

 

「あとは、菅野大尉、坂井一飛曹の航空機もあるんだろう?」

 

「ありますが、損傷していて···、私の零戦は機銃弾を受け、発動機に被弾して燃料漏れを起こしています。そう長くは飛べません」

 

「俺の戦闘機?紫電改っていう飛行機だ。B-24爆撃機と交戦中に左翼の機銃筒が爆発してよォ、飛べなくはねぇが、機銃を撃つと右翼の機銃筒も爆発しかねない。だからあんまり攻撃は出来ねぇ」

 

「そうか···飛龍よ、この二人の戦闘機、直す事は出来るのか?」

 

「出来る限りやってみるけど···この鎮守府、工厰ってないのかな?」

 

「それなら裏手にあるぞ。何か用事でもあるのか?」

 

「妖精さん探してくるね!」

 

そう言うと飛龍は鎮守府の裏に向かっていった。

 

「妖精さんって···何だァ?」

 

「知らんなぁ····」

 

「私も知らないな·····」

 

三人は頭の上にはてなを浮かべた······。

 

◇飛龍

 

「妖精さん···、いるかな?」

 

飛龍は工厰の扉を開けた。

すると、中はかなり荒れていた。

工具は散らかり、オイルがこぼれていた。

 

「誰?」

 

「誰か来たの?」

 

「お客さん?」

 

「やっぱりいた!」

 

「あ、艦娘だ!」

 

「もしかして、飛龍さん!?」

 

「飛龍だけど、お願いがあるの!」

 

「なになにー?新しい艦娘の建造?装備の開発?」

 

「えーっと、直してほしいものがあって···」

 

「直してほしいものー?」

 

「うん、あ···ちょっと待ってて?」

 

「分かったー」

 

―――

――

 

「航空隊、発艦!」

 

弓を引いて矢を撃った。すると矢が4機程の零戦の小隊に変わり、大空に舞った。

 

「島を隅々まで探して!駐輪中の飛行機があったらその上を旋回しながら飛行して!すぐ向かうから!」

 

飛龍は航空隊に命令を出すと、また工厰へ向かった。

 

―――

――

 

「さっきの直してほしいものなんだけど···戦闘機なんだ」

 

「戦闘機?ってことは、航空機を直せば良いの?」

 

「うん、資材はあるから!」

 

「ボーキサイトと鉄鋼、あと燃料があれば十分だよ!」

 

「分かった!あとは、連絡さえくれば···」

 

飛龍が工厰を出た瞬間、連絡が来た。

 

「我レ、駐輪中の航空機ヲ発見セリ」

 

「見つけた!流石私の子!」

 

飛龍が空を見上げると、島の中央付近で零戦が旋回飛行している。

 

「あそこね!···妖精さんを数人連れていった方が良いかな····」

 

「妖精さーん!飛行機見つかったから来て!」

 

「自分の足で行くの!?」

 

「あー、いやいや、私が連れていくから」

 

「ホント!?ありがとー!」

 

飛龍は肩と手に数人の妖精を乗せて島の中央へ向かった。

 

―――――

――――

―――

――

 

「へぇ~、これがあの二人の戦闘機か~···」

 

飛龍が零戦と紫電改を見上げている傍らで、妖精達は被弾箇所を全て見極め、どのような修理をすればいいか話し合っていた。

 

「ここに、あれを~」

 

「ここをこうして~」

 

「これでいけるかな~···」

 

「やってみなきゃ分からないよ!」

 

「「「りょーかいっ!」」」

 

妖精達は早速戦闘機の修理に取りかかった。

トンカントンカンと金槌の音が響くなか、飛龍はもう一度航空隊を発艦させた。

なぜかというと、鎮守府にいる三人を呼ぶためである。

修理が終わって、2機の戦闘機を放っておくのはあの二人に悪い。

 

「鎮守府にいる人達を呼んできて!お願い!」

 

航空隊は速度を上げ、鎮守府跡に向かっていった······。




なんか中途半端なところで終わった気がする。

後書きも短いですけど、また次回!

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