「ようし!これより我々シュレディンガーの猫は海の家を展開すべく、近くの海浜公園に出張出店します!時給もご飯も豪勢にしてやろう!」
「やはりアイスキャンデーを売るのですね!」
「何、このテンション。」
さて、半袖長ズボン、ポニテの爽やか男子に変身したEMIYAと水着エプロンなバゼットさん、そして真っ赤なウエイトレス遠坂は朝からEMIYAのバンの前で今日から始まる夏休み海でぼろ儲け大作戦の概要説明をEMIYAから受けているのである。因みにEMIYAが二人いるのは仕様です。
「さて!この夏という期間のためだけに海の周辺の天気を快晴に操作した俺が!今回の作戦の説明をするEMIYA本体だ!夏期営業中はポニテに白いTシャツ、黒い長ズボンがデフォルト装備だ!」
「そして、俺は運転手EMIYA!基本幻影か透過で見えないからきにするな!」
「・・・・ツッコミどころが多すぎて頭痛いわ。」
EMIYAが二人いてしかも然りげ無く可笑しなことを言っているのに耐えられず頭を抱える遠坂。
「どうしました?熱中症ですか?」
「・・・そうであったら良いのにね。」
遠い目をする遠坂を新人研修と言う名のSYUGYOUによって楽しい感じになっちゃってるバゼットさんが心配しているが遠坂的にはそこにも色々ツッコミどころがあって更にこめかみをおさえている。
「よく聞け!この期間中稼いだ金は殆どが利益だ!水を凍らせて削ってやっすいシロップ掛けたら二百円以上で売れるぱらだいすだ!稼げば稼いだ分ボーナスだ!気合い!いれて!行くぞ!」
「おー!!」
「嬉しいはずなのに釈然としない・・・まあいっか。」
主に遠坂が心配だがその他が楽しそうなので遠坂も引き摺られつつ次々とバンに乗り込んで行く一行だった。
海の家と言うのは基本儲かる、それこそ建築費が掛からなければ大儲け間違いなしである。
「ここをカフェとする!」
「以外と広い敷地を取れましたね・・・こう言ったものは古参の者が居たはずですが?」
意外にもまともなことを言うバゼットさんだが・・・
「ふ、俺に常識は通用しない!此処の四角形の空間は買い取った、つまり!この海浜公園の此処の部分だけは完璧に我がカフェの占有地とかしたのだ!」
「マネーパワーじゃないの!・・・て言うか店がないわよ?」
見事なツッコミと問題提起を見せる遠坂だが、そんな普通の質問では乗り越えられない壁があるのだ、主にEMIYAの無茶苦茶とか言う壁が。
「ふむ、まあ此処に材料は既に用意してある、これを!『練金』!」
青白いスパークとともに土地が隆起し材木が飛び交いガス栓やらなんやらがグチャグチャと混ざり合った・・・そして謎の爆発エフェクトの後、現れたのは・・・小洒落たコテージ風カフェだった。
「「はあ!?」」
これには流石のバゼットさんと遠坂も大喜び(びっくりしてるだけ)。
「よし、完成だ!早速準備しよう!」
「え?あ・・・え?」
「うん?いつからうちの従業員は言葉が不自由に?」
バゼットと遠坂が口をパクパクさせて震えているのを見てこう言ったEMIYAだったが、次の瞬間ー
「「取り敢えず海に沈んでこい!!」」
「良いパンチDA☆」
宝石魔術と魔術礼装による強化フルでぶん殴られ水平方向に吹き飛んだ。
「ふう、落ち着いた、では仕事を始めましょう。」
「わかったからバゼットは外でアイスキャンデー売ってて、価格は三百円よいい、店には私がいいって言うまで入らないでね?」
透明EMIYAと遠坂は店の開店準備を、バゼットは台車を引いてアイスを売りに、そしてEMIYA本体は・・・
「お!あれはイリヤと衛宮士郎君たち一行か!よし!冷やかしに行こう!」
水平方向に吹き飛びながら体を捻ったり魔術で加速したりして衛宮士郎の方へ吹っ飛んで行っていた。
「おっと、忘れてた。」
此処で一旦時間を停止、透明EMIYAに念話する。
「NECO出しといて。」
「オーケー。」
こうしてトランク内の魔物、NECOを店の中に放すよう指示した後時間停止を解除し再度吹っ飛んで行った。
「にゃにゃにゃにゃにゃ!久しぶりのシャバの空気にゃ!」
「海・・・か、いい場所だ。」
「フンフンフン!」
「おお!プリヤ世界線かよ!最高だな!」
「うう、私の恋のトラウマ大爆発な季節よ!」
いつもより多めにカオスってます。