さてさて!所変わって俺の店、今は放課後に立ち寄って来たセレブな高校生や小学生、主に女性客でいっぱいな店内を駆け回る真っ赤なウェイトレス。
「苺のショートケーキが三つ、店長の気紛れ紅茶が三つですね。少々お待ちください!」
振り向くと煌びやかに揺れる髪に少しだけ見惚れてしまう、瞳は青いが時として紅くも見える、黒髪ツインテの赤のよく似合う女の子それが・・・
「やっぱり、どこの世界でも遠坂だよな。」
「いいから、注文の品を早く出して。」
まあ、遠坂を雇ってみた、それだけだ。
夜になるとこの店は一般人にはしまっているように見える。
「よくもこんな面倒な術式を編むものですわ。」
「いいだろ、オリジナルだぜ。」
遠坂の綺麗さとはまた別ベクトルな美しさを持つルヴィアが少し呆れながら店先の立て看板を突く、看板だけでなく設計から建て方まで全てが計算され尽くされたこの店は退魔の効果と魔を寄せ付ける効果と言う相反した効果を持つ結界に包まれており魔に属していても、そうでなく唯の人であっても夜発動するこの店の結界には入れない。
「うわ〜!綺麗なお店〜・・・・料理も美味しそう!」
「・・・ちょっと歪な感じがする?」
「お!美遊ちゃんは鋭いな〜褒美にこの新作タルトをやろう。」
皿にタルトを載せて出す、それをモグモグと食べる姿を見てやっぱり小学生なんだなと再確認しつつ隣で羨ましそうに見ているイリヤにもケーキを出した。
この店はどんな並行世界とも繋がる可能性があり、それが恐らく歪さを感じさせたのだろう、時期が来れば・・・も吸い込めるだろうし、それにこれなら何処にいても俺のマスターキーでこの店を開くことができる、まさに何処にでもあって何処にもない店なのだ、勿論店名は『シュレーディンガーの猫』だ。
「さあ!作戦会議を始めよう、まず、俺は今回ちょっと別の用事で行けません!」
「「「「『『はあ!?』』」」」」
はい、早速ブチ切れられそうなのでケーキを出す。むしろこのためにケーキカフェを開いたと言っても過言ではない。
「ま、落ち着けよ、そもそも俺はこの世界の住人じゃないし、抑止力と取引したとはいえやっぱり排斥対象なんだ、暴れたら相応に静かにしてなきゃならん訳よ。」
「?前から出て来てたけど抑止力って何なの?」
イリヤが首を傾げながら言う。そこで魔術師組とステッキがそれぞれざっくりと一般的な事項を説明していく。まあ、俺は本人に会えばすぐわかる間違いがあっても教えたりはしない、それも現世に居る為のコツである。
「て言うことは・・・EMIYAさんは悪者?」
「いやいや、俺ほど仕事をしてる正義の味方はいねえよ?むしろ星が俺に耐えられなくなったと言うか、俺が星レベルになったと言うか・・・まあ、強くなりすぎたんだよ。」
いきなりのぶっ飛んだ回答につい色々言ってしまったがまあ許せ。
「ゴホン、じゃあ今回はお前さんたちだけで極力頑張れ・・・多分倒せるけどな。」
『ホントですか〜?怪しいですよEMIYAさん?』
「大丈夫だって、ちゃんと観測もしたし、それにイリヤと美遊ちゃんなら必ず勝てるさ。俺はそう信じてるからな!」
おっと、店内に胡散臭げな空気が漂ってるぞー?て言うかみんなそんなに見つめないで穴が空いちゃうから。
「まあ、て言うかちゃんと作り直した遠坂とルヴィアの魔術礼装でもルビー、サファイアレベルにしたんだからカレイドの魔法少女が四人だぜ?勝てるって。」
「・・・まあそうね、イリヤ達から離れなければ魔力もほぼ無限になったし、て言うかこれだけ出来ないと魔法使いになれないのかしら?」
「まあ、なんにせよそろそろ時間ですわ!出発しますわよ!」
それぞれ行って来ますと言って、店を出て行き鏡面界へジャンプしたようだ。少し店内が広く感じたが・・・まあ、俺も人間だと言うことだろう。
「じゃ、礼装と術式の強化に勤しむかねえ。」
そう言ってパソコンを開き次々と解析結果や英霊という存在の意味や概念を打ち込んでいく・・・
バーサーカー戦はどうやらヘラクレスとフランちゃんだった様だ。まあ予想の範囲内で少々ガッカリしたが全員余力を残して勝てた様で何よりだった。
EMIYAの魔導の極みその礼装を少しだけ。
『英霊擬似保管場:擬似的な『』の生成機能をつけた無色の魔力の塊の集合体、魔力の一つ一つが英雄達にデータによってよりその英雄の様に進化させられる。また、その過程であらゆる可能性やあり得ない様な状況や状態もシュミレートされる為常に全く存在するはずにない英霊や存在になったりするがそれもまた良いらしい、現状最も再現率が高いのは『セイバー、アーサー王』、最も暴れて居るのは『アヴェンジャー、ifヘラクレス』