エミヤを魔改造したかっただけ   作:名状しがたい魔王

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農民は・・・死なず!

さて、この市街地に近い空き地のような場所に一人倒れる男がいた。頭や体に矢がつきささり、聖剣やダガーでの殴打痕があるが全て鎧で防げているようだが・・・・

 

「矢が・・・刺さって・・・ござ・・・る」

 

そう言いながらフラフラと鞘付きの刀を杖に立ち上がる青髪の男。

どうやら動けないところにアタランテの流れ矢が突き刺さり悲惨な状態になっていたのは佐々木だったようだ。

 

「ふう、どうやら彼方が主戦場でござるか・・・というか・・・・デカイでござる!?」

 

EMIYA謹製ミラクル回復薬(主成分不明)を飲み傷やダメージはおろか汚れすら無くなった佐々木が森の方を見るとスカイツリー的な大きさの黒い龍が見えた。

 

「バイザー起動、遠視効果を発動でござる。」

 

『了解。魔導プログラム起動します。』

 

機械的な音声と共にバイザーに遠視効果が付与された。

 

「む、赤のセイバーとヒロイン殿それにジャック殿もおるな。・・・まあ、アレは仕方がない遠坂殿が犠牲にならなければ恐らく今頃泥塗れであったからな。・・・EMIYAは・・・弱体化解除中でござるか。解析起動頼む。」

 

『解析、弱点看破、伝承との類似点捜索中・・・』

 

遠視機能で現在の状況を把握した佐々木が機械が作動している間に武装の確認をする。

 

「武器はあるが・・・ちと魔力が足りないのう・・・まあ斬れば回復するじゃろう。」

 

『解析完了、敵性体名アジ・ダカーハ。弱点はありません。』

 

「なんですと!?」

 

武装の確認完了と同時に厳しい現実を叩きつけられながら戦場に急ぐ佐々木、そこに機械音声は続ける。

 

『しかし伝承より大幅に弱体化されています。存在強度C、霊体への攻撃が有効です。』

 

「わかり申した!『固有時制御術式:加速』発動!いそぐでござる!」

 

『固有時制御術式アクティベート。加速二倍、空気抵抗を減らすため前方に円錐形の結界を具現化、魔力残量10%です。』

 

「フン!」

 

少しだけ顔に余裕の戻った佐々木は地面を蹴り縮地と時間加速に寄って更に加速する。

 

凄まじいスピードで進む佐々木は直ぐに森を抜け巨龍の前に躍り出た。

 

「佐々木!本体への斬撃でなく相手の霊体を削りとれ!」

 

叫びながらも自身の弱体化を解析、解除して行くEMIYA。

 

「判っておる!この礼装はお主が作ったのだろう?」

 

そう言ってスピードを維持したまま、むしろ加速して突っ込んで行く佐々木。

 

『電磁抜刀術式チャージ、着弾の瞬間に刀を霊体化させます。』

 

「ルオオオオオオオオオ!」

 

佐々木が叫びながら刀を抜き、

 

『霊体化開始。』

 

刀は金属部分で加速しながら次々と青白く霊体化して行く。そして・・・

 

 

 

 

斬!

 

 

 

「GUUOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

 

斬り捨てる。

 

『敵性体の霊体の30%を吸収、魔力へ変換します。』

 

機械音声は少々喜色を滲ませながら魔力残量を回復させる、しかし佐々木は不満そうな顔をしてこう言った。

 

「ぬう、真っ二つだと思ったんじゃがのう。」

 

三分の一ほど龍を削り取った男はそう嘯いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッ!私の方が☆三つも多いのに!」

 

「なにそれ?でも私達もなんだかむかついちゃうかも!」

 

「何か・・・負けた気がする!そんな気がするぞ!父上!」

 

「だから!私は!乳上じゃねえええええええ!」

 

なんだか台無しだよ。

 


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