今日もEMIYAの朝は早い。と言うか寝てない、現在、彼のロンドンにある事務所、と言うか軽い別荘にいるのだがその机の上には大量の報告書や書類の山、講師としての書類や決算の書類も合わさりEMIYA的には昨日の敵よりずっと手強い。
佐々木小次郎はEMIYAに礼装『雷電』の調整とそこらで手に入れたと本人は言っていた『超電磁抜刀術用鞘』と『高周波刀』の魔改造を依頼し、此処で日がな1日刀を振り本を読みを繰り返している。本人曰く。
「今回の戦で技も磨かねばならないが、それ相応の武器も必要だと感じ申した。」
と言っていたので何か心境の変化があったのだろう。
セイバーは珍しくしんみりとしていてブリテンを歩き回っている。もちろん飯時には帰ってくるが。
さて、昼頃漸く書類が三分の一ほどになって報告書や教材は時計台に送り終わり後は論文に現在経営中の四つの会社の報告書やその裏どり情報、不正や腐敗などの取り締まり結果の書類を処理していく。実は今日は赤い弓兵の店で戦勝会と聖杯戦争後についての談話会があるのですごい速度で正確に処理していく。
「ふう〜!終わった。次は、調整と改造か・・・佐々木呼ぶか。」
三階建のビルで上に二段地下に一段の三階建である。事務室やトイレ、バスルームは二階、一階はリビングとキッチンを最小限に殆どを屋内をコンクリそのままにしている。此処にいるとき佐々木は大概此処で剣を振り、本を読み、たまに漫画の技を真似しようと謎の努力をしている。
一階に降りる。冷蔵庫からワイン梅酒を取り出しグラスに炭酸と一緒にいれる。飲む。
「うーん、久々にゆっくりしてるなあ〜。」
「お!書き物は終わったのか?」
佐々木が近寄ってくる。今振っているのは・・・黒い棒の様な重さを調節可能な鍛錬道具の様だ。
「そうだな、これから調節とかしようかと思ってるから地下に来てくれ。後、七時にはアーチャーのとこ行くからセイバーを呼んどいてくれないか?」
「応!あのウッカリ娘と違って文明の利器の力を発揮出来るのでな。では下にいるぞ。」
「ああ、飯食ったらすぐ行くから。」
そう言って、EMIYAはサンドイッチを適当に作り、口に押し込んでから階段を降りて行った。地下には魔術師らしい工房と、近代的な電子機器類や工具が揃っている。今日はひとまず電子魔術礼装『強化外骨格:雷電』の最終調整である。ぶっちゃけニカラグアの荒野のテントで戦闘前の気休め程度に組んだので今回の様なハードな使い方には慣れていない。よって・・・
「うん!全部作り直しだな。」
「だろうと思ったでござる。」
こうして礼装をそんなに早く組めるはずもなく半分ほど進まないうちに約束の時間になってしまい、セイバーは既に着いているそうなので大慌てで出て行く佐々木小次郎とEMIYAであった。