朝、セイバー以外のナニカに揺さぶられる。
「起きたまえ、そろそろ人間の活動開始時間ではないのか?」
「ん?言峰・・・・・・NECO!?」
「そのとおり、ネコ二十七キャッツが一人、ネコ・カオスだ。」
「ハア?なんでさ?」
「簡単に言うのは些か難しい。ただ、あの手抜きEDと同じ末路辿ったが故にこう成ってしまったのかもな。」
すごいシリアスっぽい喋り方をしているがその実言ってることはメタい。てか、朝からハード過ぎんだろ。セイバーまだ寝てるし妙なことになる前にどうにかしねえとなあ。
「取り敢えず、セイバー、其処の子が起きる前に俺の持って来た何にも入ってない鞄に隠れとけ、今日も俺出掛けるから。」
「ふむ、しかし、別にその子供をあやしてしまっても構わんのだろう?」
「多分お前でも死ぬぞ。」
「・・・猫缶と酒をくれ。後はなんとかする。」
「はいはい。」
まだ朝の五時、セイバーが起きるまで三十分はある。近くのコンビニで猫缶と酒屋でワインを買う位の時間はあるだろうが・・・・酒屋は開いてないな、コンビニ酒で我慢して貰おう。
「はあ、はあ、お、遅かったな!確かに手に負え無かった・・・ガク。」
「か、カオスー!!」
「シロウー、ネコ飼ってもいい?」
マモレナカッタ。・・・・カオスを酒と猫缶と一緒に鞄にしまっておく。
その後、俺はセイバーを抱え朝食をもらい、仕事の報告をしようとしたんだが・・・・
「おっはよ!魔法使いさん?」
「なぜ此処にいるんです?」
「・・・兄さん!この女性は誰ですか!彼女ですか!そうですか!?」
「え、ああ、ううう、し、知り合い?かな?」
「ヒッドーイ!責任とってくれるんじゃ無かったの?」
「「「せ、責任!」」」
うあ〜カオスだな〜。(白目)もうメイドズも秋葉さんも大変動揺してらっしゃる。アルクェイドは大爆笑してるし、志貴は死んでるし。もう、なあにこれ?
「シロウ!エビフライを取ってください!」
「はいはい。」
「ふーん?魔法使いさんは子供ずれなの?」
「まあ、そんな所だ。そう言うお前さんもナニカ目的があってそんな物騒な体質してんの?」
「まあね?」
暫く空気というか、雰囲気を粉砕したアルクェイドだったが志貴がこっそり登校しようとするとアーパー力全開で追っ掛けて行った。それに伴い少しは落ち着いたメイドズに報告書を提出し部屋に戻る。
そして、ぶっちゃけやりたくなかったんだがパソコンを開き記憶をリロードし思い出す。そう、忘れかけていた原作とその関連作品達を。
うへえ、頭痛えヤッパリ気絶したか。外はもう夕暮れ、セイバーは・・・あらら、俺にひっついてる。また服ごと包んで逃れようとするが今回は胴体をバッチリ挟まれてるから動けない。・・・ん?誰か来た?
「お、ま、た、せ!」
其処には左腕のない長髪の俺が立っていた。
「うん、セイバーもよく懐いてるし、召喚の身代わりも出来るとは!我ながら高性能だ。」
「・・・・思い出したよ、そうか、俺は剣だったか。」
「『製薬会社』も潰して来たし、巨大な魔力反応は・・・まあ、名状し難いナニカだったが。きにするな!」
そして、俺は俺に触れられ星の光を束ねる剣に戻った。