「真の月光をお見せしよう!月光剣を触媒に古の月光を発動する!」
まるで何を言っているか理解できないエミヤと遠坂、しかしその強烈にして鮮烈な神秘と魔力を前に息を飲むしかない。
「くそ!おまえ!」
何故その剣を持っている!そう言いたげな顔と眼光でEMIYAを見るシンジだったが自分の知るそれよりも強化され神秘と狂気と魔力を何段階も叩き上げられ原型を留めていないその剣が向けられる先を見据え、仕方なく戦闘体制に入る。
「みんなはゴリディーン、ゴリディーン、言っているけど、エクスカリバーだって実際月の祝福を受けた剣なんやで?」
そう呟き、縮地によって先頭に躍り出たEMIYAは無造作にそれを横薙ぎにする。
瞬間、光が溢れた。
カッ!
「後は貴方方の闘いだ。雑魚は任せてくれ。」
『黒い・・・鳥!』
能天使と呼ばれた機体以外のすべてが吹き飛んだ。
「くはは!俺は黒い鳥なんかじゃない。衛宮士郎だよ。」
高笑いをしながらサーヴァントを軽く超越した動きをして次々に雑魚を滅していく、多くのものその中でもとりわけ魔術師と呼ばれる者はそれが振るう輝きに目が眩み、大地はその神秘に耐えられずひび割れて行く。
「・・・あは、アハハハハハ!あーはっはっはあっっは!イイねぇ!サイコォだよ!」
『何故!何故私の邪魔をするのです!主任!』
一方主任と呼ばれた男とキャロりんと呼ばれた女はその機体スペック以上を叩き出しながら戦闘していた。
『我々は企業です!対価に見合わない彼らを見捨てる事に何の無駄があると言うんですか!』
「君も知っているだろう?ならば、もう一度証明しよう。人間の可能性ってやつをね!」
そのあまりに高次元の闘いにマトモな人間なら混じることすら不可能である。そう、マトモなら、である。
「るおおおおぉぉぉぉぉお!」
『なっ!?』
最早骨格だけと言えるまでに、病的なまでに余計な装備を切り、病的なまでにブレードと加速に命をかけた機体、地上にありながら常にマッハを超える速度でなおかつ変態的な起動を行う機体、それを駆るのはシンジである。
「人ってえのはね、救われるもんじゃないんだよ、自らを救うモンなのさ!」
『くっ!馬鹿な!』
こちらは真逆だ。不必要なまでに火力を一撃の重さと弾幕という二つの相反するコンセプトを元に武装を積めるだけ積んだ、むしろ積めなくなっても積んだ。頭の悪い逸品、しかし、それだからこそできることがある。その武装はどれもが一撃必殺を冠する変態巨砲や実用不可能まで言われた浪漫砲、しかしそれを一斉にしかも狂い無く相手に向かって放てばどうなるだろうか、答えは簡単、
ドギャア!
『クッ!旧型の!それもマトモな武装の一つもない機体が!何故!』
「必死、と言いたかったんだけどねぇ?」
いくつかの運動機能と特殊シールドを粉砕され、地に堕ちる能天使、まるで翼をもがれた様にその理解不能な状況を確認する。
「アイ、だよ。」
そしてチェックメイト、主任はその機体の四肢を撃ち抜きメインもサブのカメラも殺した。
『・・・はあ、またそんな不可解なものに負けるのですか』
「そうだキャロりん、俺も君も既に死人だ。そりゃこんなミラクルがあるんだ。カタチのないものに負けるくらい幾らでもある、だろう?」
機体から青白い燐光が漏れ出し周囲を汚染する。
『・・・・ふふ、最期です。決め台詞をお願いします。主任。』
「ああ、そうだな。」
青白い燐光とともに盛大な爆音が響きカルデアの計器にまで影響を与えた。主任の叫びは掻き消された。
「と、思うじゃ無いですかー!」
全くもって度し難い、変態の声が聞こえてきた。
「うーん、声から判る通りスーツの似合う大人のおねいさんですなぁ〜、BBAではない、断じて!」
そう叫ぶ黒いフナムシは女性の手から聖杯を奪い取り…
「ふんぬ!」
「アパー!?」
月光を携えた真の変態に首を飛ばされた。
「デュフフフフフフフ…ハハハハハははは!出番もほぼ無くいざさらば!ですぞーw」
「イイから死ね!」
聖杯を持っていたキャロルと呼ばれる女性の心象世界が崩れる。大地が消え去り海が帰ってくる。
「・・・出番、有りませんでしたね。」
「全くもって度し難い、今度こそ仕留められると思ったのだが。」
「ああああああ!」
「ショタでも幼女でも、一向に構わん!」
「うーん、有り?」
「いや、無しだろ!?」
しかして狂宴は続く。
特異点X
修復(笑)
もっとおかしくし無いと、この小説じゃ無い、そうだろう?