エミヤを魔改造したかっただけ   作:名状しがたい魔王

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愛のままに我儘に

「なんかさー、特異点この後たくさんあるのに此処で手こずって居ていいのかと、そう思ったわけですよ。」

 

「ほう?」

 

荒野をアヴァロンの超防御と佐々木の斬撃で探索する中でEMIYAがポツリと言った不穏な言葉にエミヤは反応する。

 

「マシュマロとドクターが・・・1.5章?新鯖?アバババ!?」

 

「どうしたんですか!?先輩!」

 

「魔神柱とおまんじゅうそして歯車が合わさり最強に見える・・・」

 

「マスター?大丈夫〜?」

 

グダ男グダ子が何かを受信したようだが、まあ、いつも通りである。

 

「いやさ、この前・・・そう、つい2000年くらい前にだな」

 

「待ってくれ、それはいつの2000年くらいだ?と言うか何処だ?」

 

EMIYAの時間感覚に突っ込みを入れざる得ないエミヤはいつも不憫である。

 

「あー、なんだったかな?別世界と言うか、フロム世界と言うか、な?」

 

「て言うか貴方、世界の外側で隠居してたんじゃないの?この前料理してた時も『この世界にはない調理法』とかアーチャーが叫んでたじゃない?」

 

遠坂がEMIYAの要領を得ない答えに少々というかいつも通りキレ気味に追求する。

 

「うむ・・・そ「EMIYA!来るぞ!彼奴が来る!」わかった船長、すまない遠坂時間がないようだ。」

 

「ええ、そうね。」

 

ドレイクとシンジはEMIYAと主任の共同開発によってさらに変態度を増した機体を量子世界から取り出し乗り込み、それとほぼ同時にそれは来た。

 

『神様は人を助けようとした。』

 

死神部隊、主任やシンジドレイクは身構える。彼らは人では無いもっと言えば生命体かどうかすら怪しい、電子化された人格を更に矯正し作り上げられた戦闘用の機械

 

『でもいつも、それを邪魔する者が人間の中から出て来る。』

 

「キャロりん・・・」

 

それを率いるのは主任にとってはもはや懐かしい過去、闘争に明け暮れ尚も人間の可能性を信じ続けた。黒い鳥を仕留めるには些か不足して居た機体。

 

「能天使・・・か、ドクター?聖杯は?」

 

『あ、ああ、あの機体に搭載されているようだけど・・・これは・・・まるで・・・』

 

地表を埋め尽くすような膨大な数にあっけにとられるマスターや常識的なサーヴァントを置いてEMIYAはアヴァロンの展開を強め、設置状態にする。

 

『貴方は確かに証明したわ、人類の可能性を、でも私には・・・やはり信じられませんでした。現にこうして人類は消滅して居ます。』

 

「また・・・そう言うのか、君は。」

 

珍しくシリアスでEMIYAも遠坂もとりあえず空気を読んでいる。が、どうにもままならないもので

 

「なあ、主任?」

 

「あ゛?」

 

「おしゃべりは後にしようぜ、何よりもそんな腑抜けた貴方はまるで覇気がないぜ?」

 

『ふぅ、それがいいでしょう。さあ、今此処に証明しましょう。人類に可能性などないことを!』

 

堪えしょうがないなぁとEMIYAは思いつつもあまりにもそれらしい彼らの戦いに介入する気は起きなかった。珍しく、本当に珍しくだが、

 

「楽しいものが見れそうだ。そう思わないか?」

 

凶暴さを前面に出した笑みを浮かべ胸から神秘を感じずには居られない、月光の如き剣を引き出すのであった。

 


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