エミヤを魔改造したかっただけ   作:名状しがたい魔王

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きっとその体は・・・・無数のカオスで出来ていた!

さてさて、今回の特異点は海である!いや、海だったと言うべきか?

 

『これは・・・・・どう言うことだ!?』

 

ロマンが通信装置越しに目を見開き全くあり得ない今の状況に叫ぶ。

 

「・・・此処は・・・」

 

「今回のブリーフィングでは特異点は海だと聞かされていたのですが?」

 

目の前に広がるのは果てしない荒野、真っ白い荒野である。所々に巨大な結晶塊があり、エミヤには遠くの方に巨大な山や丘が見えていた。そう、此処は海だった場所。なにがしかの要因で海が消滅した世界だった。

 

『・・・!気をつけてくれ、その付近で巨大な何かが高速移動しながら戦闘している!』

 

ロマンが通信を入れて付近の警戒を促す。

 

耳をすますと何か機械の駆動音と空気の破裂する音、爆発音やジェット音がそこらじゅうから聞こえていた、そしてふとマシュとグダーズが何かを感知したかのように上を見上げると・・・

 

巨大な、と言うべきか恐らく人間がそれを最も的確に説明するとするならそれは『山』だった、その山の様なものの砲塔部分が光り輝きー

 

「『上書き(オーバーライト)』!みんな伏せて!」

 

遠坂が叫ぶと同時にグダーズ、エミヤ、遠坂、アストルフォ、マシュ、メディア、キャスニキは光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ・・・此処は、海か!」

 

「えー!おかあさん!こんなの全然海じゃ無いよ!」

 

「いえ、確かに海いえ、海だった様ですね。」

 

「楽しみ・・・だったのに。」

 

例によって例のごとくだがEMIYAはまたもや本隊とは別の場所にいた、今回に限ってロマンがには何の落ち度もない確かにカルデアスから観測できていたのは無尽蔵に広がるのは海だった。しかし、特異点はその姿を全く違うものへと変貌させていた様だ。それに伴いと言うかその余波に煽られ個人で転移しているEMIYAと今回から付いてくるEMIYAのサーヴァント達は本隊とは別の場所に送られてしまったのである。

 

EMIYAの目と魔力感知が遠坂の魔法とそれに向かって攻撃を放つ巨大な金属兵器を見つける。それと同時にある人物を感知しニヤリとする。

 

「いいとこ取りかよ。」

 

「「「?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠坂達が目を開けると彼らの周りの地形が大きく変貌していたものの人的なダメージは無かった、しかし遠坂は自身の張った空間の上書きが全く損傷していないのに違和感を覚える、更に言うのなら空間の上書きで受けた場合こんな風に周りにダメージを撒き散らしたりしない。すると巻き上がった砂煙の中に人影が。

 

「カッカッカ!いやー些か遅れてしまい申し訳のうござる。」

 

砂煙の中から出てきたのは、青い髪を結い少しばかり無精髭の生えてはいるもののその特徴的な刀と重圧を感じさせる佇まいを持つ男。

 

「佐々木小次郎!生きていたのか!?」

 

「ちょうど今帰ってきたところでなあ!・・・それはそうとアレは何でござろうか?」

 

エミヤがどこかの漫画的なセリフを棒読みし佐々木は山の様な大きさのナニカを指差す。

 

「アレは敵よ!それも強力なね!」

 

「ほう・・・それは良かった。」

 

遠坂が端的に説明すると佐々木は胸をなでおろす。そして山の様なナニカをもう一度見て言う。

 

「なかなか脆くて壊してしまったのを言い出せなくてのう?」

 

次の瞬間、まるで今まで問題なく動いていた山の様な鉄の怪物は徐々に斜めにズレ鉄クズとなった。

大質量が砂の地面に叩きつけられ大量の砂が舞い上がる中爆発!

 

「全く、斬りがいのない柔らかさよ。」

 

髭を撫でる佐々木を見て唖然とするカルデア一行、ちなみに今回オルガマリーは居ないがそのオルガマリーもロマンがとダヴィンチちゃんもモニターの前で固まってしまって居た。

 

計測される数値の全てが馬鹿馬鹿しい、何せ『全く人間を辞めず』に『人間で無くなった』佐々木もまたEMIYAと同レベルの内包世界を持った『人型の世界』であることを示して居たのだから。




今日から始める時計塔現代理論魔術科生徒名簿〜!

出席ナンバー82

方向(ベクトル)魔術(マジック)』アロウズ(偽名)年齢20歳

元は加速や減速などの速度を操る魔術刻印を持つ小さな魔術の家の生まれだったが幼い時から魔術の才能より計算や物理学などの才能があり三男だったこともあって家は長男が継ぐので時計塔には大学に行くついでに来て居た変わり者。
しかし、ある日気まぐれで取った現代理論魔術科の講義内容が『全反射』と『方向支配』だったのが運の尽き、演算力や発想力が重視されるその魔導にどっぷりとはまってしまい気づけば無意識下であらゆる魔術、物理攻撃、呪術、果ては抑止力まで反射し始めフィードバックが怖いためそのまま過ごすことに。
得意技は太極拳と八極拳、そしてベクトル操作を組み合わせた近接戦で受けたパンチの力を倍にして返したり地球の自転の向きを少しだけ反射しその莫大な運動エネルギーを拳や発勁、果ては防御に使う。
根元にはまだ到達して居ないが概念的な反射も可能で人理の焼却を自身の周りから反射しジワジワと魔術王に返すと言う人間を超えた真似をしている。
必殺の攻撃は色々あるが一番は常時発動型の『自動反射』彼の魔術の中で最も長く使われそして最もリソースを割かれている魔術なだけあり最近EMIYAの次元貫通攻撃も反射できる様になってきた。

弱点は演算負荷の高さ故か少しだけのんびりとしているところと気分屋なところ。
最近彼女募集中。

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