エミヤを魔改造したかっただけ   作:名状しがたい魔王

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猛烈に!幕間を書きたい気分だドーーーーン!

破壊音が鳴り響く訓練場、其処には二人の人影があった。

 

「緩い!緩いぞ!遠坂!」

 

「うっさいわね!ちょっとは加減してくれても良いのよ!」

 

破壊音の正体は二人の拳圧と流された力が地面を破る音である。EMIYAは八極拳(笑)縛り。遠坂は魔術強化と最早宝具に近い宝石剣によるバックアップ、それに並行世界からの無限の魔力と人格矯正無しの転身での八極拳とガン=カタ。

 

「四重展開『虹の彼方(カラドボルグ)』!」

 

遠坂が虹霓剣の名を冠した四属性混合消滅砲の強化バージョンを四つ同時に放つ遠坂、酔狂で宝具の名を取っているわけではない、この砲撃は光を歪め虹を掻き消すのだ、これが戦闘でどう役に立つかというと・・・

 

「はっはー!!」

 

踏み込んだEMIYAがまるで砲撃が無いところをぶん殴る、すると砲撃の魔法陣の一つが消滅!そう、見えているのは光を曲げた結果できた謂わば幻影、本体はまがりくねり相手の死角から相手を撃ち抜く不可視の砲撃、マトモな人間なら見えず更に高速で動く砲撃など弾きようも無いが・・・

 

「返すぜ!『流動』!」

 

「相変わらず、魔力も使わずにノーダメージで魔術を弾いて、在ろう事か流したものをそのままなぶつけてくるなんて!訳がわからないわ!」

 

まあ、常人でないEMIYAは集中すれば微かな光の反射や魔力(気)の動きを察するくらいできる。

 

「じゃあこれよ!吹き飛びなさい!」

 

特殊な歩法の一つ。地面を蹴って進むような歩法『瞬歩』を使い一気に距離を詰めた遠坂はその勢いを魔力放出と魔力爆発で加速させ、途中で発火。魔力の炎を体に纏いそのまま突っ込む。

 

「『ドラゴンブレス』!!」

 

幻想種最強の息吹を模倣した魔力の炎を精密に制御しながらの10連撃。その一撃一撃の軌跡に炎が残り連撃を防いだとしても後から攻めてくる炎に焼かれるというある意味いやらしい技である。

 

「温いぜ!喝!」

 

「うっわ!もう意味わかんない!?」

 

その炎は確かに竜の息吹・・・いやもしかしなくても龍の息吹そのものに近いのだが、連撃を防ぎながらEMIYAが放った『気合』の掛け声で吹き飛ばされる。

 

「ふむ・・・これじゃあ前と変わらねえぜ、遠坂よ?」

 

「わかってるわよ!もう!」

 

度重なる高位魔術(というかほぼ魔法だが)の行使をしたが全く疲労を見せない遠坂。そしてその全てを素手で受けているのにもかかわらず余裕があるEMIYA。ここで遠坂は両手に大型の宝石がちりばめられた銀色と金色のリボルバーを構える。

 

「あんたが居ない間に色々あった!その分を全力でぶつける!」

 

魔法少女化を解除、フォーマルクラフト展開、宝石剣を投擲する遠坂。

 

「『爆ぜよ宝石剣!』そして・・・」

 

「うおっと。」

 

飛んできた宝石剣が目の前で宝石を撒き散らしながら爆発、美しくそして壮大な光景だがマトモに受ければ体が吹き飛ぶし、小カリバーと称された衛宮士郎の模造品すらあの威力なので完璧に第二魔法の行使が可能な遠坂の作り上げた宝石剣の威力はEMIYAを守る八次元防護を貫通する場合があるのでEMIYAも気を抜けない。そしてその宝石群が一向に落ちない。

 

「そこよ!」

 

「な!?」

 

宝石を警戒するあまり何かを仕込んで居た遠坂を一瞬見失ったEMIYA。遠坂が宝石群の外側から弾を撃ち込み、凄まじい強度の宝石にあたりその跳弾がEMIYAの頭を吹き飛ばそうと迫る、流石にそれは避けたEMIYAだったが近くの宝石に触れその宝石が爆発!咄嗟に防御姿勢を取るも左腕が折れ、体に少なくない損傷が与えられた。どうやらこれらの宝石は唯の宝石ではなく砕けた瞬間から小さな宝石剣として機能するように改造された『遠坂の宝石剣』と言えるオリジナルのものだったらしい。

 

しかも攻撃はまだまだ続く。

 

「その剣の中で死になさい!『リジェネレーション』!」

 

「コレは・・・ヤバげじゃん!」

 

遠坂の言葉がトリガーと成り空間に固定された宝石剣の破片がEMIYAが中にいるのも構わず元に戻ろうとし始める。そして・・・

 

「私の勝ちね!」

 

宝石剣の内部にEMIYAを閉じ込めた遠坂。

 

「いいや、お前の負けだよ遠坂。」

 

「ナッ!?」

 

EMIYAを倒したと思ったら遠坂の背後から本人が出てくる。同時に宝石剣の中に居たEMIYAは消える。

 

「にゃはは!魔術も魔力も使ってないがお前の生み出した光の屈折は利用させてもらったぜ!」

 

「ほんっと無茶苦茶ね!!」

 

どうやら最初消滅砲を流した辺りから既に光の屈折そして気配の操作で遠坂の感覚を狂わせて居たようだ。

 

「まあ、だけど前は幻影の俺すら倒せなかったから、進歩はしている!そしてそれのお祝いに俺の新技でやられて☆」

 

そう言ってEMIYAは音も砂埃も立てずにまるで瞬間移動のように咄嗟に後ろへジャンプし距離をとった遠坂の正面に現れEMIYAはそのまま拳を前に突き出し遠坂に当てる、その当てた状態から少しだけ鳩尾を押し込む!次の瞬間遠坂は水平方向に吹っ飛んだ。

 

「ガッはあ!?」

 

「これが俺の新・八極拳(笑)『全反撃』俺が受けた全ての運動エネルギーを相手に体に真っ直ぐと突き抜けるように放つ!勿論、俺もそれだけの運動エネルギーを受けなければならない!まさに諸刃の剣!浪漫だ!」

 

少し遅れてEMIYAの服の上半身部分が吹き飛ぶ。どうやら遠坂の正面に現れるまでに自分が空気や重力から受けたエネルギーを遠坂にぶつけたようだ・・・・唯のパンチな気もするがキニシテハイケナイ。

 

吹き飛び壁にぶつかった遠坂だったが直ぐに復帰、どうやら最初から最後まで自身の防御に魔力を割いていたらしく服は破けてないし、埃すらついてない。

 

「はあ〜全く防御をしてたら攻めきれないし、防御を捨てたら一瞬で貫かれるし・・・と言うか、あんた本当に魔力も魔術も使ってないんでしょうね?」

 

『安心して・・・と言えるか判らないがEMIYAの魔術回路の起動形跡はないし、魔力を放出してる様子さえ観測されてないよ。』

 

遠坂が文句を言うが訓練場の管理と監視をして居たロマンが通信で連絡してくる。それを見てドヤ顔をかますEMIYA。

 

 

こんな感じで次の特異点への接続が安定するまでマスターとサーヴァント、そして規格外は英気を養った。

 

 




次回からローマのローマはローマでローマです。










太陽万歳!

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