Fate/ANOTHER FAIRY 作:ユーリ・クラウディア
月と正義の魔法使いは別の理由で更新していませんがこっちは若干スランプですわ…
それでは、短いですけど本編どうぞ
「全員伏せろぉぉぉっ!!」
エルザが叫び換装しながら前に出る。
「魔道砲 ジュピター 放て」
ギルドに向かって放たれた高濃度エーテル粒子魔道砲ジュピターを止めるべくエルザは金剛の鎧で受け止める。
しかし流石のエルザもこれを受けきる事は出来ない。
後ろで唖然としてるギルドメンバー達ももうダメかと思ったその時
『I am the bone of my sword』
「
エルザとジュピターの間に七枚の花弁が咲き誇った
内一枚が砕けそこでジュピターは終息した。
「これはどういう状況だ?」
その場に居た全ての者が声のした方向に目線をやる。
「「「士郎!!」」」
そこに居たのはSランククエストに行っていた士郎だった。
「ああ、ただいま、それで?取り敢えずあの動くダサい要塞をぶっ潰せばいいのか?」
士郎は余裕の表情で問いかける。
「貴様ァァァ!!何者だ!邪魔をするなァァ!!」
ジョゼフの怒声が響き無数のシェイドが湧き出てきた。
更に要塞からアームが出て来て魔法陣を書き始めた。
「五月蠅いぞ、吠えるな雑種…」
「面白そうな事やってんじゃん」
しかしそのシェイドも湧いて来た瞬間に消し飛ばされていき、アームも切り飛ばされた。
「お、モード、ギルお帰り…って言っても俺も今帰ったところだけど…」
「あー、ただいまだ、それにしても帰って来て早々なんか面白そうな事やってんじゃん!俺も混ぜろよ!」
「フッ、この程度の雑魚に手こずりおって…」
「まあまあ、それでだ、ナツ、グレイ、後はそうだなぁ、エルフマン、この三人でちょっとあの要塞の中に殴りこんで来いよ。外は俺らが受け持つから。」
「ちょ…ちょっと待て士郎!どういう事だ?話について行けないぞ?」
三人の行き成りの登場に混乱する面々
「ん?ああ、この程度の相手ならお前らでも対処できそうだから行って経験を積んで来いって事だよ。お前ら血の気が多いから行きたくてうずうずしてるみたいだしな」
「成程…」
「何かよく分かんねーけど兎に角ぶっ飛ばしてこれば良いだろ!」
「漢だ!」
エルフマンが若干意味わからない事を言っていたが士郎の言っている事を理解した三人はダッシュで要塞に突入していった。
「おい士郎ぉー、俺も暴れたいんだけどぉー」
「Sランククエストで暴れて来たばっかりだろ。我慢しろよ。」
ごねるモードを取り押さえながらシェイドを屠って行く士郎
「「「…」」」
この状況に殆どの者達がついて行けていない。
「士郎さん…」
「ん?どうした?」
ルーシィが今にも泣きそうな顔で士郎に声を掛けた。
「この状況ね…私のせいなんだ…」
「そうなのか?」
「うん、私がハートフィリア家の令嬢だから…そんな令嬢がフェアリーテイルに入ったのがズルいって、向こうのギルドマスターが嫉妬しちゃって…」
「ふ~ん、で?」
士郎は心底分からないといった表情で首をかしげる。
「だから…私のせいで「悪い事をしたのか?」…え?」
「ルーシィは悪い事をしたのか?他人に何か迷惑になるような事を進んでした事は有るか?ないだろ。寧ろナツ達の暴走を止めて迷惑を掛けないようにしたり困っている人を出来る範囲で助けようとしたりする事だってあるだろ。」
「でも…」
「分かった。今この状況で俺達に迷惑が掛かって居ると思っているなら今すぐこの下らない戦いを終わらせる。ギル!」
士郎はギルに一声かける
「チッ、この仕事は高くつくぞ…」
「一週間食材込みで俺持ちで最高級フルコース三食で手を打ってくれ!」
「その言葉忘れるなよ!」
ギルは天の鎖を操り要塞の中に鎖を侵入させる。
士郎は弓を投影して手に取る。
「
そして、次いで投影したのは捻じれ曲がった歪な剣だった。
その剣から発せられる魔力と禍々しさに周囲の者達は気圧され大量の汗をかき始めた。
それは離れた位置に居るジョゼフも同じである。
「な…何だ…アレは……」
士郎は剣を弓につがえる。
その瞬間ジョゼフは猛烈な死の予感に駆られた。
本能に従い急いでその場から離れようとする。
そこでギルの天の鎖が要塞から出て来た。
その先にはナツやグレイ、エルフマン達突入組と向こう側のギルドメンバーと思われる者数人が縛られていた。
「
士郎が矢を放ったその時には既に矢がジョゼフを捕えていた。
その速度は早いでは済ませられない程で音速を突破して更に早かった。
「
しかしそれだけでは終わらなかった。
矢がジョゼフを捕えた瞬間に士郎は矢に内包された魔力を一気に膨れ上がらせて爆発を引き起こした。
その規模は要塞全体を飲み込み跡形も残さず消し飛ばされていた。
そして、その爆風で此方のギルドメンバーも数人後方へ吹き飛ぶ。
未だ粉塵収まらない中士郎が口を開く
「これでこの戦いは終わりだ。向こうはギルドマスターが沈んだ。この壊れたギルドも新しく出来ると思えば悪い事じゃ無い。この程度の障害で君を迷惑だと思う者はこのギルドにはいないと思うよ。」
答えは聞こえてこない。
それでも答えは分かった。
流れた涙は粉塵に紛れて誰にも気づかれる事は無かった。
「さあ、君の冒険はまだ始まったばかりだ。」