Fate/ANOTHER FAIRY 作:ユーリ・クラウディア
「なるほど、闇ギルドが…」
目的地、オニバスの街に向かう列車の中士郎達はエルザから事の詳細を聞いていた。
「そのララバイってのはどんなもんなんだ?」
「ああ、それが詳細までは分からなかったんだ。」
「それで、事実確認の為にこんな物騒なパーティー組んだの?」
「ああ、闇ギルドが関与した時点で危険な物の可能性が高い、大事を取ってナツ達を連れた来たのだ。ところで君達の実力はどのくらいなのだ?ナツが強いと言うくらいだ、かなりの物だとは思うのだが…」
「凄いなんてものじゃないわよ!前にモードレッドさんと士郎さんが模擬戦してる所を見た頃があるけど、早すぎてまったく内容が分からなかったわ!ナツも所々見えなかったっていってたし!」
「ほぉう、それほどなのか…」
「そんな大したものじゃないよ、まだまだ修行の身さ、それより着いたみたいだぞ。」
列車を降りる面々
「で?此処からどうするんだ?」
「取り敢えずこの街に居る闇ギルドメンバーを探し出し尋問する。」
「了解」
「所で、ナツが見当たらないんだが…」
「ん?」
出発する列車
「まさか、アイツ…降り損ねたのか…」
「トカゲめ、手間を掛けさせる。」
「トカゲって…、」
今回最初のギルの言葉がナツのトカゲ呼びだったことに呆れるルーシィ
「取り敢えず列車を追うぞ!ナツを回収する!」
そう言ってエルザは駆け出して行った。
「先が思いやられる…」
士郎は遠い目をしてそう呟いたとか。
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「で、何此の愉快なデザインの乗り物…」
「これは魔道四輪車、操縦者の魔力を使って走る乗り物よ」
士郎は馬車と車を合わせたようなデザインの乗り物に苦笑いする。
しかし性能はそこそこで列車に追いついた。
「あ」
そこに列車からナツが飛び出て来た。
「これでやっと本題に移れるな…」
「それにしても、なんで飛び出て来たんだ?」
「確かに酔って動けなかった奴があんなダイナミックな登場しないな。」
「士郎よ、我は飽きて来た、何か面白い事をせよ」
「無茶言うなよ…」
この三人は常時マイペースなようだ
「何だと!」
そこにエルザの声が聞こえて来た。如何やら雑談をしている内に話しが進んでいたようだ。
「集団呪殺魔法だと!今すぐ奴らを追うぞ!」
そう言って動き出す魔道四輪車
「集団呪殺って…、なんか思ってたより物騒なもんが出て来たな…」
「そう言うのって俺達英霊にも効くのか?」
「大丈夫じゃないか?駄目でもなんか笛らしいし吹かせる前にやれば何とでもなる。」
「我がその程度の事でどうにかなる訳があるまい、我が財宝にもその手の物はあるが、我はレジストする術を持っておる。」
この三人は会話からして次元が違うようだ。
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オシバナ駅
「で、絶賛囲まれ中なわけだ」
「こんな人の居る所で万が一にも笛を吹かれないように敢て逃がしてみたけど取り押さえてもよかったな…」
「我はこの様な雑種の相手など面倒だぞ」
「定例会が狙いならもっとスマートに事を運べばよかったのに…、確かにこれじゃあ悪人とてしても三流以下だな…、あの笛は一級品だったのに…」
「なあ士郎、あの笛解析できたか?」
「ああ、剣じゃないからそこまで詳しくは分からなかったけど、あれは笛の音以外にも何か在るな…」
三人はエルザが雑魚相手に無双しているのを眺めながら未だマイペースで談話する。
「それにしても士郎、お前正義の味方なのにこの状況で全く動かないのはなんでだ?普段のお前なら我先にと突っ走るもんだと思ってたんだが…」
「ああ、それはな、思ったより相手が格下だったからアイツ等に、特に新人のルーシィに経験を積ませようと思ってな。」
「ああ、なるほど」
「まあ、ヤバくなったら手伝うさ。おっ、この結界から抜け出す手段を手に入れたみたいだな」
「我はあんな道通らぬぞ」
「じゃあ自力で出てくれ…」
「言われるもでもない」
そう言ってギルは宝物庫から宝具を取り出し一人結界を抜けて行った。
「俺等も行きますか」
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「さて、多分ナツ達が何とかすると思ったから先に定例会会場に先回りしたけど…ギルが我慢の限界だな、アイツ暇を持て余し過ぎてイライラしてるよ…」
「全く…しょうがね~奴だな~…」
ギルの相手に四苦八苦し始めたその時、巨大な悪魔が姿を現した。
「ハァ…アイツ等、詰めが甘い…、ギル、大取だ、アイツなら多少暇もつぶれるだろう?」
「フッ、良いだろう…、この私が相手をしてやろう。」
そう言って歩いていくギル
「あれ!?ギルガメシュさん!?それに士郎さんにモードレッドさんも!?今までどこに行ってたんですか!大変だったんですよ!」
此方に気づいたルーシィが叫んでいる。
「騒ぐな雑種、この程度でギャーギャー言っていては此処先直ぐに死んでしまうぞ?」
「マカロフ殿、あの者達は…」
他のギルドマスター達も士郎達の登場に疑問を投げかける。
「あの者達は最近入った者達での、聞いた事くらいは在るんじゃないかの?
「なんと…!最近噂のAランククエストを総なめにしていると言うあの!」
士郎達は入団早々有り得ない速度で高難度討伐クエストを攻略しまくった常識破りの速度と、その何者おも寄せ付けない戦闘力から
まあ大体はギルが高火力で敵を屠ったのが元の原因だったりもする。
「そいつの相手は我が直々にしよう、少々暇を持て余していたのだ…、精々楽しませろ。」
ギルは言い切ると悪魔の周囲に宝物庫を展開する。
そこから先はワンサイドゲームだ
剣群がその威力から突き刺さる事無く貫通し悪魔をハチの巣にする。
「バカな!バカなバカなバカなバカなーー!!」
あまりの事態に悪魔が叫ぶ
「他愛もない」
巨人は四肢を裂かれ胴体を穴だらけにして動きを止めた
「士郎、この木片の処理は任せたぞ」
「後処理は俺かよ…」
「貴様の贋作で爆砕すればよかろう?
「ハァ…、分かったよ
「な…!?貴様!」
士郎は若干頬を赤くして抗議しようとしたギルを無視して悪魔の残骸に歩み寄る
「
憑依体験 共感完了
剣群が悪魔の全身に突き刺さる
「
爆発
悪魔は完全に木っ端微塵に爆砕する。
「さて、帰るか…」
「士郎、今日の晩飯は何だ?」
「今日はパスタ」
「なんだよ、肉にしよーぜ!」
「士郎よ、今日は我が用意した食材でフルコースに変更だ」
「はいはい…」
「よっしゃ!これで多少は肉が食えるぜ!」
三人は何事も無かったかのように去って行った
この光景に周囲は唖然とし、我に返ったのは少し先の事だった。
今回はちょいとマイペース過ぎましたね。
基本我が道を行くってスタイルで三人を書きました。
若干モーさんの見せ場が無かった事に残念な気分になります。