完璧超人(?)な提督と艦娘達。   作:neo luna

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第二話 お風呂と提督の危機

 今の時間は午前5時。お昼とは違い静寂と闇に包まれている。そんな中、一つの動く人影があった。

 

「ふぅ…こんなもんかな。」

 

 提督だった。

 

 こんな時間に何をしてるのかというと、お風呂掃除である。

 

 今日の朝、遠くに遠征していた子たちが帰ってくるため、彼女たちを出迎える前にお風呂を洗っておこうと思ったのだ。

 

「やっぱり遠くまで遠征に行ってくれたんだし、きれいなお風呂に入ってほしいよね。」

 

 この鎮守府にはお風呂が2つあり、片方は入ると艦娘達の傷が癒えるという不思議な力を持つドッグ。そしてもう片方がこの露天風呂である。この露天風呂にはドッグのような不思議な力はないが、艦娘達の癒しとして結構大人気だ。

 

「やっぱ、いつみてもでかいなぁ…まぁ、ここには艦娘達がたくさん入ったり、潜水艦の子たち、主にまるゆが泳いでたりするもんなぁ。マナー悪いけど。」

 

 と、洗い終わった風呂場を見ていたらこっちに妖精さんがやってきた。

 

 頭に俺のお手製帽子をかぶっているこの妖精さんは俺が提督になる前から面識のある、妖精さんたちの中でも一番仲のいい妖精さんだ。

 

「ん?どうした?こんな時間に。」

 

「テートク、テートク、カガ!カガ!」

 

「な、なにぃ!?なんでこんな時間に来るんだ!いつもはこんな時間には誰も来ないだろう!」

 

 今の妖精さんの声を訳すなら『提督!加賀さんが更衣室に!』だ。普通、風呂場から出るには更衣室を抜けるしかない。つまり、どうやっても加賀さんと出会うことになってしまう。

 

 もし、裸の加賀さんと出会ってしまったならば俺は殺されてしまい、この世ではないどこかに行ってしまうだろう。

 

「ど、どうすればいいんだ…」

 

「テートク!モウスコシ!モウスコシ!」

 

 妖精さんによるとあと少しで服を脱ぎ終えるらしい。

 

「考えろ、考えろ…」

 

 俺がとっさに思いついた選択肢は2つ。一つ目は『ドアに背を向けて立ち、加賀さんに気付かれたときに土下座しながら謝る。』2つ目は『塀を登って逃げる。』この2つだ。

 

 はっきり言ってどっちも危険性がある。1つ目は許されずに殺される可能性があり、2つ目は登っている最中に見つかる可能性があるのだ。

 

「あぁもう!どうすりゃいいんだ!」

 

 と、その時、ドアの開く音が聞こえた。

 

「ふぅ、点呼前に起きたのは久しぶりだわ。朝練の加減がわからなくなって結構な汗をかいてしまいました…あら?今、人の気配が…」

 

 俺は打の開く音を聞き、とっさに第3の選択肢、『岩の裏に隠れる』を選んだ。

 

 正直この方法が一番危ない。これが見つかればどこからどう見ても覗きにしか見えないからだ。

 

 しかも隠れる前にこの後遠征組を出迎えることを考えて服を脱ぎ塀の外に投げたが、今考えると、俺の服装はパンツ一丁になってしまった。

 

 今見つかれば、覗きどころかただの変態だ。

 

(どう考えたって無理だろ…今のうちに辞世の句でも考えておくか。)

 

 一応できるだけバレない様に動かずじっとしていた。

 

 妖精さんが教えてくれるには、今加賀さんは体を洗っており、今のところはバレている様子は見当たらないそうだ。

 

 そういえば、加賀さんは汗をかいたため体を洗いに来たのだ。このままいけば加賀さんは湯船に入らない可能性も出てくる。

 

 これならワンチャンあるんじゃないのかと思っていたのだが、

 

「体を洗って終わりましたがまだ時間があるようですし、少し湯船に浸かりましょう。」

 

 と加賀さんが湯船に入ってきた。

 

 …絶望的だ。このまま見つからないわけがない。それでもできる限りバレないよう、1%の可能性を信じて、細心の注意を払った。

 

 …が、俺は艦娘の索敵能力をナメていた。1%の可能性もなかったのだ。

 

「やっぱりそこに誰かいるんでしょう?」

 

 加賀さんが俺のいる岩に近づいてきた。

 

 

 

 




前後半に分けてみました。
…もしかしたらもっとgdって中編とかも出るかもしれません

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