完璧超人(?)な提督と艦娘達。   作:neo luna

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第一話 提督の仕事と艦娘の意見

「ふぅ。やっと仕事にキリがついたな。」

 

 今、何時だろうか。そう思い、司令室の壁にかけてある時計を見てみると今は午後6時半らしい。

 

「司令官、お仕事終わったのです?」

 

 そう声をかけてきたのは今日の秘書官、電だ。

 

「あと少しあるが、夕食後にもできるレベルの量だな。」

 

「了解なのです。じゃあ食堂に行きましょう!」

 

「おう。」

 

 食堂に向かう途中、隣を歩いていた電が話しかけてきた。

 

「今日の夕食、なんでしょうね?」

 

「さぁな~カレーとかだといいな。」

 

「私もカレーが良いのです!」

 

 そんなこんなで食堂に着くと、すでに非番だったりもう仕事の終わった艦娘達がお話ししながら楽しそうに夕食をとっていた。

 

「おぉ~みんな夕食を楽しんでるなぁ。さて、今日は……おぉカレーだ!」

 

 その時、喜ぶ俺の声が聞こえたのか食堂中の艦娘達がこっちに挨拶をしてきた。

 

「あ、司令官だわ!電と一緒にこっちに来なさいよ~」

 

 と雷。他にも「提督っぽい!」とか「くま~」とかいろいろ聞こえてくる。

 

 みんな元気でいいことではあるのだが……はっきり言ってこの状況はあまり好きではない。

 

 なぜかというと、俺はただの提督であり、今挨拶をしているのは前線で必死に戦っている艦娘である。

 

 俺は絶対に安全な環境でのうのうと書類仕事ばかりで提督と言われるに値しない、特別な存在になるわけにはいかないのだ。

 

 まぁこれには少し建前が含まれており、本音としてはこんなたくさんの可愛い女の子たちに見られるのに慣れてないだけだ。

 

 とても緊張するなぁ。

 

 全員に挨拶を返したら後にカレーを取り電とともに雷、暁、響たちのいる暁型の机に向かった。

 

 なぜ暁型かというと、単に今日の秘書官が電だからである。

 

 この食堂には提督の机というものが無いためいつもどこかの机にお邪魔しなきゃいけないのだが、勇気のない俺は秘書官と同じ机に座るのだ。

 

 座った後ならいくらでも普通に話せるんだがなぁ……

 そんなことを考えながらカレーを食す。

やっぱりここの食堂のカレーは旨い。今度間宮さんに作り方教えてもらおうかな?

 

「やっぱ仕事の後のご飯はとてもおいしいく感じるし、気分もよくなるな。電たちもそう思うだろう?」

 

 たくさんカレーを頬張りながら電たちに質問する。

 

 すると、電が

 

「どっちかというと、いい気分ではないのです……」

 

 と予想外の返答をしたのだ。

 

 その返答に少し驚きながら、

 

「ど、どうした?なにかあったのか?」

 

 と聞くと、暁、雷。響たちが

 

「「「そんなお決まってるじゃない(か)。」」」

 

 と口をそろえて電の意見を肯定している。 「で、できれば理由を聞きたい。俺が何かしでかしてしまったのならば謝罪するし、改善しよう。」

 

 俺は焦っていた。自分の知らないところで大切な艦娘達が傷つくのは最も避けたいこだ。

 

 すると、電は焦ったように、

 

「べ、別に司令官さんが直接何かしたわけじゃないのです。ただ……」

 

「た、ただ……?」

 

「司令官さんが仕事を頑張りすぎて、秘書官の仕事が全くなくて。ただ座って仕事してる司令官さんを見るのははっきり言って罪悪感しかないのです。」

 

「……え?」

 

 俺は驚いた。確かに俺は秘書官に仕事をさせない。というあまりかさせたくない。

 

 いつも前線で戦っているのだから非番や秘書官の時ぐらいは休ませてあげたいのだ。

 

「い、いや秘書官は提督である俺を守るという大切な仕事があってだな?」

 

「まず鎮守府までくる深海凄艦なんていないし、もし来たとしても司令室に置く劇が行くまでに見張りの人たちが倒してくれるわ。」

 

 と暁。

 

「……いいか。君たちは戦場で戦う大切な艦娘だ。だがそれ以前に俺にとって大切な存在なんだ。休ませたいと思う気もちがあるに決まっているだろう。」

 

「でも、こっちとしては罪悪感とか、精神の疲れが出てくるんだよ。そもそも司令官は書類仕事以外にも艦娘用のでかい風呂の掃除や100人以上の服の洗濯、鎮守府全体の掃除までいろいろしすぎなんだよ。そんなにしてたら体がもたないよ?」

 

「それは大丈夫だ。それぐらいできないようじゃ提督は務まらん。」

 

「そういうものなのかい?」

 

「そういうものだと思っている。」

 

 俺は提督とは艦娘の支援をするための存在であり、それができなきゃ提督とは呼べないと思っている。

 

 なので艦娘が休みの時ぐらい、快適に過ごせるように頑張るのは当然だとも思っていた。

 

 が、この子達はそんなこと思っておらず、自分たちが仕事を手伝わなくて大丈夫なのか、本当に仕事をしなくて大丈夫なのかということを考えているらしい。な、なんて優しい子たちなんだ。

 

「君たちは優しいな。君たちぐらいだよ。こんなことを言ってくれるのは。」

 

「いやいや。皆が言ってないだけでそう思ってると思うわ。だから、もっと私たちを頼ってくれていいのよ?」

 

 と雷

 

「そ、そうなのか?」

 

「当り前じゃない」

 

 そういえばいつも仕事が終わって司令室を出ていくとき、皆心配するような顔をして出ていくような気がする

 

 さっきの言葉を訂正しよう。皆、なんて優しい子たちなんだ。

 

 でも……

 

「その気持ちだけで十分だ。ありがとう。」

 

「え!?そのままじゃ司令官さんがいつか倒れちゃうのです!?」

 

「大丈夫だ。なんせ俺は提督だ。これくらいのことはこなしてみせるさ。まぁ助けが必要になったときには助けてもらおうかな。」

 

「しょうがないわね。もしもの時は私が一人前のレディーとして司令官を助けてあげるわ!」

 

「ははは。頼もしいな。」

 

**

 

 今日の夕食を経て、自分の仕事について艦娘達がどう思っているかという貴重な意見が聞けた。

 

 俺は大事な艦娘に休ませてあげたいという気持ちがあったがそれが逆にストレスの要因になっていたのには驚いた。

 

 でも、俺は自分で全部の仕事をしないと俺は必要な存在なのかと不安になってしまうし……そこは後々考えなきゃな。

 

 あとは、今まであまり艦娘としゃべる機会無かったしこれからはもっとしゃべって意見とか聞いていかないとな。

 

 明日からもっと頑張ろう。自分の大切な艦娘のためだ。きっとできるさ。

 

 そう思いながら残っていた仕事を終わらせた後、自室に行きベッドにもぐった。

 

 

 

 




まだちょっとしか完璧超人感が出ていないし(?)感もないね。
かっこいい感じに話している提督。だけど好物の前では結構しゃべり方が軽くなってる気が……

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