多少、書き方にブレがあるかも……
界王神界……それは我々界王神が住む世界であり、全宇宙の安寧を見守る場所でもあります。
普段我々は下界に干渉したりはしません。そもそもそういう下界における必要な破壊は破壊神の役割なわけで。
しかし、今回ばかりはあのぐうたらな破壊神を待っているほどの余裕はなく、早急な対処が求められていました。
そう魔人です。
「大界王神様!もはや我慢なりません!今までの魔人たちの行ってきた悪行の数々、これ以上の放置は余りに危険すぎます。」
そう、今や破壊神ビルスと並んで全宇宙で恐れられる魔人ブウとビィ。
二人の凶悪な魔人の誕生によって破壊された惑星は数百個におよび今も多くの星々が危機に陥っています。
そもそもこのような事態のためにいるはずの破壊神が深い眠りに入っており起きてこないのが原因なのですが……
「そうだね~、どうにかしないといけないのはわかっているけどね~」
「大界王神様!そんなのんびりとしていていいんですか!?」
ああ、大界王神様お菓子なんかのんきに食べてないでなにか策の一つでも考えてくださいよ。
「そうは言ってもね、もう西の界王神や北の界王神が向かったみたいだしね~」
「は!?い、いつの間に!?」
そういえば西も北も南もいない!?もしかして私だけなにもせずにいる?
「ま、彼らならどうにかできるでしょう。位置的には西の界王神が先にたどり着くかな。」
「そ、そうですか。た、確かに彼女ならおそらく魔人共をどうにかしてくれますよね。あははは、は……はは……」
完全に出遅れてしまった。これでは他の皆になんて言われるか。とほほ……
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魔人ブウとビィ、今や宇宙に進出している人間で彼らを知らない者はいないと思う。
それほど彼らは危険視されている。
破壊した星の数は数百におよび、打倒するべく立ち上がった勇者たちをことごとく殺しつくした正真正銘の化け物。
そんな魔人ブウとビィを界王神として放っておくことなどできなかった。
例えそれが破壊神の仕事なのだとしても、苦しめられる人たちを見捨てることなどできない。
それに彼らが凶暴なのは理由がある。生まれてから邪悪な心ばかりを学んできた悲しい存在……
今彼らは生き物のいない極寒の星、惑星ブリザドにいる。
今までのビビディ達の暴れっぷりが嘘のように沈黙している。
何故彼らがそこを選んだのかはわからないけど私はひとりの界王神として向かうのだった。
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惑星ブリザド、極寒のこの星をビビディが選んだのは界王神の墓場にするためだとビビディは言った。
生き物が生まれることのない寂しい星で惨めにくたばる姿が見たいからだとか……
心底どうでもいい話ではあるがここからが俺にとってのターニングポイントだ。
ここでの界王神との一戦からブゥの物語は一気に進む。
つまりブウが太った無邪気なブウになりビビディによって封印され地球に放置されるまで上手く雲隠れできればしばらくの間自由になれるのである。
一つ懸念があるとすれば破壊神ビルスの存在だろうか……魔人が二人いるからってビルス様を起こしたりしてないよな!簡単に破壊されるぞ俺……
まあ考えてもしかたないので成り行きに任せるとしよう。
魔人となってから難しく考えるのが難しくなってきている。性格もここまで荒くなかった気もするし……
そう考えていたときに相手をする界王神が目の前にやってきた。
そこで俺は初めての感情に困惑する。
「貴方たちがビビディと魔人の二人ですね。今すぐ星々を荒らして回るのを止め悔い改めなさい。そうすれば私たちはなにもしません。」
記憶が正しければ今回俺達の元に来る界王神は西の界王神で、女性である。
そもそも界王神に性別などはないらしいのだが、見た目も声も地球の一般的女性のそれと違いはないように見えた。
故に……その……美しいと思った。
所詮一目惚れである。相手は界王神だとしてもこの人を殺すことだけは俺にとって容認できそうになかった。
というか傷つけることすらはばかられる。ヤバい、どうしようこんな気持ち初めて……
「ふっふっふ、馬鹿な界王神が一人ノコノコやってきたよ。悔い改める!?どうしてそんことしないといけないのかな~。やっちゃえ魔人ブウ、ビィ!!」
「ウキャキャーーー!!」
「くっ!」
「アゥギャ(うるさい)!」
「グギャ!?」
思わず界王神に殴りかかろうとしたブウを殴ってしまう。
「ビィ!?何をしている。」
「グギギギギ!!」
ブウがこちらを睨む。普段の俺ならビビってこんなことはしない。腐っても俺と同じ魔人、それに向こうの方がセンスがある上に動きが読めないという強みがある。
けど、でも、今だけはこいつに喧嘩を売らなければならない。
確かにブウの方が強い、だが俺はブウと違い理性と技がある。あいつがパワーとセンスでごり押してくるなら、こっちは足りない分を技術で補う。
それだけが俺の強み!それにここでの目標はブウを殺すことではない。
ブウに殺されたと見せかけて、あの美しい界王神を匿い一時的に姿を消す。それが今ここで決めた俺の作戦!
「グヒャギャバーーーーー(惚れたんじゃーーーーー)!!!!」
「グギャギャギャギャギャギャ!!!」
ブウが殴りこんでくるのを、掴んで止める。下手に受け流すと伸びる腕に絡めとられることを考え、掴むと同時にブウの腹を蹴る。
「ガァッ……グギヤァ!!」
「!!……ムウ!ギャッ(くらえ)!!」
しかしブウも腹を蹴られつつももう片方の手から気弾を放ち、放たれた気弾は俺の頭を吹き飛ばす。
頭を吹き飛ばされ一瞬思考が停止したもののすかさず頭を再生させ、俺も片方の手の指から圧縮した気弾を指一本につき一つずつ作って放つ。
「ギャッ!!」
放たれた5つの気弾はそれぞれ頭、左腕、腹、両足の五か所に当たりブウを大きく吹っ飛ばす。
しかし、俺はブウの右腕を掴みっぱなしなので勢いよく吹っ飛ぶブウがまるでゴムのように俺の元へ戻ってくる。
そこにすかさず巨大な気弾を叩き込む。
さしものブウもばらばらになるが数秒もせずに復活する。
「ウウ~~~!!」
そうだ魔人ブウ、もっと怒りやがれ。俺を殺す気で来い!!
二人の魔人のぶつかり合いは激しさを増す。
互いのパワーはほぼ互角、殴り殴られ、蹴りあい、気弾を打ち合う。
あまりのパワーにブリザードは吹き飛ばされ、惑星ブリザドに誕生以来初の晴天が広がる。
殴り合いの余波で氷山は砕け散る。
そして揺れるのだ。大地ではなく。星そのものが悲鳴のごとく揺れる。
「や、やめろー!魔人ブウ!ビィ!喧嘩をするなーーー!!」
「くっ!これが魔人の力!なんてパワーなの。」
いつまでも終わる気配を見せない戦いがついに動く。
激しい殴り合いから一転、急に距離を取ったブウが巨大な気弾を生み出す。
その大きさ、ドラゴンボールを知るなら誰でも知っているだろう光景を彷彿させる。
そう、かのフリーザが惑星ベジータを吹き飛ばしたときのような巨大な球体がビィ目掛けて放たれる。
で、でかい。しかしこれはチャンスだ。これだけデカく強い気弾ならさしものブウでも俺を見失うはず。
これを上手く受け止め爆発を隠れ蓑に姿を消す。
一歩間違えれば即死だが、これが今できる俺の最善!
「アハ~!」
ブウが腕を振り下ろす、それと同時に巨大気弾は俺に向かって勢いよく突っ込んでくる。
「ウーガァーーーー(だりゃーーーー)!!!」
それを俺は両腕で受け止め気弾が星に食い込まない様、けれども大地には接触するというギリギリのラインを探り当て気弾内部に俺の気を無理やり送り込み爆発させる。
「うわーーーー!!!ブウ、ビィ止めないかーーー!!私を殺す気か!!」
「きゃーーー!!」
気弾の爆発は星を大きく揺らすその余波は周囲の氷を全て溶かし、星の軸をずらし、軌道をずらすほどであった。
「ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!……」
爆心地の中心からまるでゴリラのような雄たけびが聞こえる。
そして煙の中から現れたのは魔人ブウただ一人だった。
「ぶ、ブウ、ビィはどうした。」
「ンン~~?」
この時、西の界王神は理解した。魔人ビィが死んだのだと。そしてさすがのブウもあれだけ激しく戦った後でかつ、あんな巨大な気弾を放ったのだ。
もうブウの体力も限界に近いはず、倒すなら今しかない。
「はあぁ!!!」
そう思っていた。
「……」
だがここで西の界王神は勘違いをしていた、確かにブウはビィとの戦いで疲労している。魔人同士の戦いにより少なからずダメージは負った。
しかし、基本的に魔人の体力は無限なのだ。
顔を殴られた魔人ブウは西の界王神に対して思うところはなかった。
しいていうなら……ニヤ
「ギ、ギャハハ、グゥギャギャギャ!!!!」
「え……かはっ……」
新しいおもちゃができたそんなところだろうか。
そこからは一方的な蹂躙だった。
殴り、蹴り、叩きつける。相手の驚いた顔や絶望に歪んだ顔がおかしくて仕方なかった。
界王神の放つ渾身の気弾を何事もなかったように弾き飛ばし、一瞬で背中に回り込む。
「ひッ!」
界王神が気づいたときにはもう遅く、ブウから放たれた巨大な気弾は界王神を包み込み跡形もなく消し飛ばしたのだった。
放ったブウも思ったし、それをビビりながらも見ていたビビディもそう確信した。
「ふ、ふん。界王神ともあろう者が情けない。手も足も出てないじゃないか。ってブウどこに行くの!!もう、ビィは死んじゃうし。ブウは言うことをちっとも聞きやしない。」
こうしてビビディとブウは惑星ブリザドを離れる。惑星を覆う氷の下で灰色の球体が点滅しているのも知らずに……
西の界王神が可愛い、西の界王神が可愛い、西の界王神が可愛い
でもどんな話方なのかわからないから
アニメでの声から多分こんな感じだろうと考えて書いている。