Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス2wei!   作:雛宮メリー

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7話 とりあえずの決着

 

拳と莫耶が打ち合う。

蹴りを干将で防がれる。

飛んできた剣を光線で迎撃する。

クロも俺もスピードで攻めるタイプなので互いに互いの一撃が決まらない。

 

「やっぱりラチが明かないわね」

「今日はもうこの辺でやめにしないか?」

「愚問ね。わたしはここでイリヤを殺すわ」

「そうか……なら仕方ないな。

気絶させてでも終わらせて俺たちの家へ帰るぞ」

「……まだ、わたしを連れて帰る気なのね」

「こうして打ち合ってるとはいえ俺はお前のことが嫌いじゃないしな」

 

距離を取って青黒い炎を撃ち出す。

クロは炎を両手の干将・莫耶を投げることで相殺した。

やっぱあの剣厄介だな。魔力の続く限り幾らでも出せるし。

 

「何よ、それ。口説いてるの?」

「く、くどっ!?違うぞ、断じてそんなつもりは…!?」

 

両手の炎が危なく霧散するところだった。

 

「……はぁ、分かったわよ。

エドに免じて今日のところはこの辺で…「魔力を薄く…鋭く……刃の様に……!!」…へ?」

 

イリヤがクロに向けてステッキを振るった。

放たれた魔力弾はおおよそ弾と呼べるものではない。言うなれば斬撃。

 

「わっ」

「あっ」

 

気を抜いていたクロはイリヤの放った魔力の斬撃が直撃してしまった。

 

「くっ…いったぁー……。

油断してたとはいえやるじゃないイリヤ。ちょっと予想外だわ」

 

クロの服だけ切れていた。

器用だな、オイ。

 

「裸ッ!?っていうか斬れたの服だけ!?」

『でもなんか効いてますよ!!』

 

俺は素早く纏っていたマントをクロに放る。

クロはそれをキャッチすると素早く前を隠した。

 

「ありがと、エド♪」

「きっ、きき気にすんななな」

「……動揺してる?」

「してないし」

「いやらしー」

 

ニタニタ笑うクロ。誰が小学生女児の裸程度に動揺するか!

 

「さっさと帰れ。どのみちこれ以上は戦えないだろ?」

「…そうね、今日はあなたとイリヤの頑張りに免じて見逃してあげるわ」

「なにを…」

「でも気を抜いちゃだめよ?

油断してたら殺しちゃうからね、お姉ちゃん」

 

ニッコリと満面の笑みを浮かべるクロ。

 

「おねっ…!?」

「んじゃ、エド。私、先帰ってるから。じゃーねー」

 

そのままクロは去っていった。

 

「っていうかその顔で裸マントで街に出るなーー!!」

「コスプレ少女から露出狂に進化しましたねぇ」

 

ちなみにここで俺が変身を解除するとマントが消滅するので露出狂からストリーキング少女にジョブチェンジする。

 

ーーー

 

「なんかすんごい疲れたけど、結局黒いヤツはエドの家に居るの?」

「そうだな。まぁ、踏み込んで捕まえるのは勝手だがお前らは俺の家の位置知らないしどうしようもないな」

「結局なんにも解決しないし…」

 

帰り道、イリヤは溜息をついていた。

 

「さて、授業もだいぶサボっちまったし。そろそろ俺は戻るわ」

「待って。あの黒いイリヤをあなたが監視することは出来ないの?」

「あいつとは業務外時間帯での行動制限はかけてないからな。期待するだけ無駄だ」

 

彼風に言うなら『俺なんぞに期待するなバカ者め!』といったところか。

 

「ま、それでも後で一応話してはみる」


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