Fate/kaleid liner エドモン☆ダンテス2wei! 作:雛宮メリー
「ってあら、エドじゃない?どうしてここに?」
「偶然だ」
俺と目が合ったクロは驚いたように尋ねてきた。
「えっ?えっ!?どっ、どういうことーー!?!」
「コイツは昨日、大空洞の近くで俺がスカウトしたハウスキーパーだ」
「わけわかんないんだけどーー!?」
『これは中々面白くなってきましたねーー!!』
どうするんだこの
収集つかなくなってきたところでクロが再びイリヤを狙っていつの間にか投影していた莫耶を投げつけてきた。
「ひゃっ!?」
「むぅ…また避けた。
やっぱり直感と幸運ランク高いわねー、ムダに。
なるべく自然にやっちゃおうと思ったんだけど全部ギリギリ回避されちゃったし。
あ、エド、さっきの殺人シュートは中々だったわよ」
「なっ…なななな…」
「ちょっ!俺のシュートをナチュラルに暗殺扱いすんな!
アレはホントに事故だって!…だからその敵を見るような視線はやめてほしいなエーデルフェルトサン」
クロと俺を見ながらガクガク震えるイリヤと何故かこちらを睨む美遊。
というか俺、美遊に何か悪いことしたかなぁ!?
「しょうがないからーー直接殺すわね」
このままではラチがあかないと干将・莫耶を投影したクロ。
「ル…ルビー!!」
『
おっ、衣装が前に見た時と違うな。髪型とか。
呑気なことを考えながらも俺は懐から
そしていつものように変身しようと考えて、ふと止まった。
「俺もこだわるべきだろうか?」
いつもいつも変身の一言でなんの面白味もない。
ここは彼女らに倣って少しカッコイイ変身をしてみようじゃないか。
「
構えたカードから青黒い炎が溢れ出す。
そのまま溢れ出した炎は俺の全身を隠し、一瞬の後に消し飛ぶ。
その中から現れたのはポークパイハットにマント、青白い雷光と青黒い炎を纏った復讐鬼。
「さぁ、地獄を見せてやる」
変身完了!さぁ、行く……って。
「いねぇし」
イリヤたちは空に上がり、そのまま飛んで行ったようだ。
俺は溜息を一つ吐いて後を追う。
もちろん《
ーーー
「ちょっと痛い目みても恨まないでよね!」
人通りの少ない郊外まで下がったイリヤたちに追いついたので隠蔽解除。
あいつら空飛ぶから追いつくのがめんどくさいのなんのって……。
「《
ポンッ(←イリヤの砲射)
べんっ(←クロが片手で魔力弾を弾く音)
ごんっ(←弾かれた魔力弾が俺の額に当たる音)
「ファッ!?」
なんでこっちに!?と思う間も無く飛んできた魔力弾が当たった。
軽いゴムボールが当たったみたいな感触だったので痛くはなかったが。
「………あれ?」
あまりの威力のなさに首を傾げたイリヤだが、そんな彼女に容赦なくクロの攻撃が襲いかかる。
「あわわわわわわ!!」
『ちょっと手加減しすぎですよイリヤさん!
もっと本気で撃ってください!』
「もっ…もう一度…!《
ボンッ(←イリヤ渾身の砲射)
ばしんっ(←クロが砲射を弾く音)
ズゴン!(俺の鳩尾に魔力弾が当たる音)
「ごふっ…!?」
今のは痛かったよ!?というかクロはわざと俺の方に飛ばしているのか!?
鳩尾の痛みに思わず蹲ってしまった。