理解力が高い彼女は彼を理解する。   作:如月の夢

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いやぁ、分かってます、あっちもしっかりやります。
m(_ _)m


屋上で咲く、笑顔の花は

「本当に、最低だよな。」

さぁ、舞台は整った。

ここからは俺のターンだ。

「相m「ぷっ」……?」

え?何であいつ笑い出してんの?

「ひ、比企谷、ふふ。」

あの、笑い堪えられてないんですけど……

「なんだよ、いきなり。」

訳が分からない、1度整理しよう。

このままだと。時間がないと判断した俺は、葉山と言う絶対的な証言者を作るために、この場で悪態をつこうとした。

そして、取り巻き達によって、その話は多くの人へと届き……という計画のはずだ。

なのに……

「本当、ふふ、馬鹿みたい。」

当の本人が笑っている。

そして、周りはぽかんとしている。

あの、葉山ですら理解出来ていない。

「まぁいいや、集計結果ね、持ってくよ、時間、伸ばしてくれてるんでしょ?」

「お、おう。」

俺も、理解が追いついていませんね、わかります。

そして、そのまま屋上のドアへと向かう、その足取りは何故か軽そうだ。

突然、ドアの目の前で振り返った彼女は、

「あ、比企谷、片付けとか諸々、終ったら待っててね。」

「は?」

訳が分からない(2回目)

「いいから待つ!分かった?」

「あ、はい。」

「んじゃ。行ってくる。」

「え、ちょ、南まってよ!」

そのまま、勢いよく飛び出していく彼女。

追いかける取り巻き。

呆然と、残される、葉山と俺……

暫く流れる沈黙、破ったのはやはり葉山だった。

 

 

 

「彼女と、最近何かあったのかい?」

「いや、何も、むしろ、嫌われるようなことしか、してない。」

「嫌われると分かっているのなら、やめなよ……」

「いや、俺が好かれるとか、どこに需要があるんだよ。」

「そういう、問題じゃなくてな……」

「とにかく、思いたる節が全くない。」

そう、全くない。

怒りや憎しみを抱かれ、罵声を浴びる、もしくわ泣かれる、それが思い描くものであり、普通なのだ。

なのに、彼女は笑った。

「まぁ、放課後に会えば、わかるんじゃないかな。」

「とてつもなく、嫌なんだが……」

「そう、言ってやるなよ。」

「まぁ、分かったよ。」

 

 

それから、俺ら二人は体育館へ行き、何事もなくエンディングセレモニーを終えた。

終了後、教師陣の激励の後片付けを開始した。

しかし、作業している中、頭の中にあるのは、常にこの後のこと。

あれ、俺相模の事考えすぎじゃない?何好きなの?いや、無いな。

そんなことを考えていたら、雪ノ下がこちらに向かってきた。

「あら、詐欺師谷くん?ちゃんと相模さんを体育館へ誘導できたようね?」

「ちゃんと出来たって認めてんのに、詐欺師ってなんだよ。」

「?……言っしまうのは悪いけど、相模さん、あなたの言うことなんか反発しそうじゃない?」

分かっていたのなら、あの時俺に任せるなよ。

「多分それは、恐らくあっている、にも関わらず、しっかり、"比企谷君に言われて"戻ってきたと彼女も言ったのよ。」

「……」

「そう。名前もしっかり、比企谷君ってね。」

名前をしっかり、覚えられているだと?

「だから、比企谷くんが、何か弱みでも握ったか、騙したのかと思ったのよ。」

「俺は何もしてないし、何もされてない。」

「そう……」

雪ノ下は、納得する答えが出ないらしい。

そのまま、考えながら作業を続けるが、答えの出ないまま作業を終えてしまった。

そして、運命の時間来たり。

担当教師が解散命令をだした所で、相模が寄ってくる。

「比企谷、んー、そうだな、屋上行こ?」

「分かった。」

 

 

 

屋上に付くと、いきなり相模は振り返り、何かを投げてくる。

なにか判断する間もなくキャッチする。

見てみると、馴染みの缶が。そう、あいつが投げたのはマッ缶だった。

「お前、何故これを……」

「何故って、いつも飲んでたじゃん。だから好きなのかなーって、飲まないなら返してくれればいいよ?」

「いや、合ってる、マッ缶なら好きだ、愛してる、妹の次にだがな。」

「妹がどれだけ好きなんだ……」

「愛してるぞ?世界1」

「よく分かんないけど、まぁいいや。そんなことより、」

よく分かんない、そんなことより、とはなんだ、俺は妹とマッ缶があれば生きていける。

「ありがとう。」

「は?」

その一言に、またしても、理解が及ばない。

そう、訳が分からない。(もう、数えるの飽きた)

 

「今回のこと全部だよ。」

「それは、今回の依頼ってことでいいのか?」

「ううん、違う、だったら奉仕部に行くでしょ?」

「まぁ、確に、じゃあ何なんだ?」

「んー、具体的に言うなら、スローガンと、見つけ出してくれたことかな。」

「スローガン?」

「そう、ウチのせいでめちゃくちゃになりかけた文化祭、あそこまで軌道修正できたのは、紛れもなく、比企谷のお陰でしょ?」

「そんなこと「あるよ」被せるなよ。」

「比企谷がいなかったらこの文化祭が無かったまである。」

「買いかぶり過ぎだ。」

「いや、あるよ。」

「でも、スローガンの時、腹たったろ?」

「うん、凄くたったよ。」

「なら」

「だから、色々考えたんだよね、なんでそんなこと言われるんだろーって。」

まさか、こいつ……

「それでね、次の日に分かったんだ、あんなに来てなかった人たちが、ほとんど来るようになったでしょ?

皆はさ、あいつムカつく、とか言ってたんだけど、

結局はそのムカつくっていう感情で、みんな気づいたら、ちゃんと来てた。そして、本来、来にくいはずのあんたが、人1倍、いや雪ノ下さんがいたから2番目か。

とにかく、仕事を頑張ってたでしょ?

だからね、あー、してやられたなーって。」

「俺は何もしてない、言いたかったことを、言っただけだ。」

「だろうね、あんたからしたら、そうかもしれないけど、ウチからしたら、全部救われたってことになるんだよ。」

こいつは、以外に……

「だから、ありがとう。」

「だから、俺は何m「ぁあ、もう、うっさい!」……!?」

「ありがとう。それで終わり、いい?反論したら結衣ちゃんに、比企谷に泣かされたーって泣きつくんだからね?」

「お前、それ卑怯だぞ……」

「卑怯って言葉に関しては、比企谷に言われたくないね。」

「まぁ、いい、好きにしろ。」

もう面倒だ、あとは相手の思い道理にすればいい、その方が平和で、俺も楽だろう。

「んじゃあな。」

そう言って屋上のドアに手をかけた時、突然腕を掴まれる。

「何してんの?」

精一杯の嫌ですよアピールをしながら、相手を確認すると、どうやら下を向いたまま、動かない。

「おい、相模、離してくれ。」

「ひ……」

「なんだよ」

「比企谷さ、今から時間まだある?」

「無い」

もう疲れたんだ、帰って小町のご飯を食べなくては。

可愛い小町のご飯を。

「え……」

すると、何故か泣きそうになる、相模

「え!?」

そのままおかしな声を出す。

「え、ちょ、比企谷やめて、恥ずかしい……」

ん?……あ、

気づいたら、小町専用コマンドが発動していた……

てか、撫でていた。

「す、すまん!」

慌てて手を離すが、既に遅い。

もう、顔を真っ赤に怒ってらっしゃる……

「っ!……!、ねぇ、謝罪のためにさ!ウチとご飯食べに行ってくれない?」

「……」訳が分からないよ……

「行くの!行く!ほら早く。」

 

そう言って、勝手に俺の背中を押していく彼女は、何故か、とても嬉しそうな顔をしていたらしい。

 

ドナドナが流れる、あれか、謝罪って払わされるのか……お金あったっけ……

 

そんなことには気づかない比企谷だった。




うん、相模、よう喋る。
ぶっちゃけヒロイン(笑)の中では相模が一番好きなんですよ。
どうでもいいですね、はい。

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