艦隊これくしょん:ブラックフラッグ   作:水晶のドクロ

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この辺から艦娘以外の人間が増えてくる


MEMORY02 『それで・・・ 食料は?』

ドクター 「夢ですか・・・ 興味深い・・・ 夢というものは一説には・・・「長くなるか? 」

 

エドワード 「要点は? 」

 

ドクター 「夢は秘宝が船長の記憶、脳にアクセスした結果でしょう。やはり秘宝が何かを再構成するのに設計図として記憶が必要なんじゃないでしょうか? 夢に出てきた人物が船員をのぞいて生き返っていないというのは気になりますが」

 

エドワード 「アドやアンが居ればもう少し楽もできただろうからな」

 

 

ドクター 「人を生き返らせるというのは特殊な条件が必要なのかも? だとすれば・・・ 血! 血統!! 」

 

エドワード 「急に大声をあげるな! 」

 

ドクター 「す、すいません。 秘宝がトバカタストロフ以降の崩壊した世界を再生させるために作られたとすれば、イスにとって反乱を起こした作業用ロボットである人類は必要ないはずです! イスの血を継ぐものつまり血統としてのアサシンなら再生される世界に必要なものとされるはず!! です!! 」

 

エドワード 「それだとクルーや叢雲、金剛はどうなんだ? 」

 

ドクター 「人間じゃない! 」

 

 

エドワード 「は!? 」

 

ドクター 「そんな怖い顔しないでくださいよ・・・ 人間の定義とは、何をもって人間なさしめるのか、なんて哲学的な話は置いておくとして。 船員の人たちには親が誰で、どこで生まれ育ったとかその辺が無いんですよ。知識はあっても人としての物語が」

 

エドワード 「つまり役割以外のものは空っぽってことか」

 

ドクター 「その通り! 」

 

 

ドクター 「でも、飲んで歌いますね。みんな」

 

エドワード 「それは 必 要 だ 」

 

 

 

 

 

 

エドワード 「漂着者のほうは? 」

 

ドクター 「不思議なことに。全員かすり傷一つないんです。意識レベルに関係なく。意識のある子たちも暴れたりもせず落ち着いてますね」

 

エドワード 「すぐに何かできそうか? 」

 

ドクター 「船長の判断を聞いてからって事で寝かせてありますけど、今のところは問題なさそうな子たちは何人か」

 

エドワード 「武器を取れ、そう伝えろ」

 

ドクター 「えっ!? 深海棲艦ですよ!? 」

 

 

エドワード 「常に有能な人材は求めてる」

 

 

 

 

 

--翌朝

 

 

エドワード 「言い出したのはお前だぞ」

 

叢雲 「そうは言ったけど、名前もないような奴らの面倒なんて見たことないわよ」

 

金剛 「ワタシもないデース! だからダイジョーブデース! 」

 

叢雲 「大丈夫な気が全然しないし! 」

 

エドワード 「名前ぐらいつければいいだろ。 面倒見るのはやる気の有りそうなやつだけでいい」

 

 

エドワード 「頼んだぞ。お前らのほうがキャリアが長いだろ」

 

叢雲 「一週間も経ってないけどね! 」

 

 

 

船員 「船長!! たいへんだぁ!! 」

 

叢雲 「落ち着きが無いのね」

 

 

エドワード 「落ち着けないが正解だ」

 

 

 

 

 

エドワード 「こいつは・・・? 」

 

船員 「引き上げた死体でさぁ」

 

エドワード 「でかい血溜まりにしか見えないが」

 

船員 「数が多いんでまとめて焚くか、流そうって話だったんだが、泡吹いて消えちまった」

 

エドワード 「汚い人魚姫だ」

 

 

 

 

 

エドワード 「今はお前が主人か? 」

 

酒場の親父 「必要だろ? 」

 

エドワード 「腕のいい料理人は船にこそ必要なんだが、それはいい。引き上げた深海棲艦を塩漬けにした樽があるだろう見せろ」

 

 

カパッ

 

 

酒場の親父 「こいつは酷え、血を貯めてたつもりはなかったんだが」

 

 

エドワード 「殺されるな・・・ 俺が」

 

 

 

 

エドワード 「その武器は泡になって消えないのか? 」

 

船大工 「ああ、そうみてえだ」

 

エドワード 「随分な数だ。こいつを1人で面倒見るのか? 」

 

船大工 「いや、妖精さんが手伝ってくれるんですさあ! 」

 

エドワード 「小人の靴屋か? 眠気が極限だと現れて手伝ってくれるやつか」

 

船大工 「今でも頑張って仕事してんのが見えないんですかい? 」

 

 

エドワード 「休め」

 

 

エドワード 「これ以上 問題を 増やす な」

 

船大工 「違うんですって! 船長! 」

 

 

 

 

 

 

 

エドワード 「あと半月で俺は死ぬ」

 

金剛 「Why!? 」

 

 

叢雲 「・・・いきなり何言い出すの? 」

 

エドワード 「ビスケットは好きか? 」

 

叢雲 「だから意味がわかんないって」

 

エドワード 「食料の残りは1ヶ月分。だが、誰もビスケットを陸に上がってまで食いたくはない」

 

金剛 「ダイジョーブデース! 我慢出来マース」

 

叢雲 「不味くはあるけど耐えられないってわけじゃないし」

 

 

エドワード 「そいつは船員がウジの沸いてないビスケットをお前らに回してくれてるおかげだよ」

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

エドワード 「それに耐えられるのが持って半月、過ぎれば反乱が起きて俺が死ぬ」

 

叢雲 「うっ・・・ 結構切実ね」

 

 

エドワード 「そうだ。 一週間以内に漂着組を何人か戦える状態にしておけ」

 

叢雲 「で? あんたは? 」

 

 

エドワード 「船を出す」

 

金剛 「Oh~ 離れ離れデース」

 

叢雲 「はいはい・・・ 仕事にかかるわよ」

 




燃料弾薬よりも重要だったりする食料

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