「強奪男のとこはお断りだし、逆ハー女のとこも嫌だ。あとゴラオンはソ連が面倒そう。だから俺たちに協力するってことでOK?」
「ああ。他の転生者と違って俺と承太郎は拠点も母艦もなければ仲間もいない」
「個で動くには限界があるのがわかったからな」
みたいな感じで転生者のアーチャーと承太郎は共闘のお誘いに快く応じてくれたとタケシが報告してくれた。きっとMuv-Luv主人公であるタケルも一緒にいるってのも大きかったと思う。
あとアーチャーと承太郎のどちらにも、案内役というかお目付役というか、なサポートはついていないらしい。タケシにもいなかった。ハロぐらいつけてくれればいいのに。
他の転生者たちにも聞かなければ確実ではないが、どうやら拠点を特典に選んでるとサポートがつくのかも知れない。空井の工場衛星は移動可能だけどサイズ的には基地なワケだし。
他の転生者の艦も寄港できるから球神も重要視したんだろうかね?
「悟空と恭也も仲間と一緒にきてくれたんだね、さすが義兄さん! これで転生者が勢揃いする日も近いかな?」
「義兄さん?」
「タケルちゃんが女性になっちゃったって説明したろ。あれ、俺の嫁さんと融合しちゃったからっぽい」
「融合?」
「そうだ。俺が羽山浩一と融合したように、この現象が他にも複数発生している。ユウヤ・ブリッジスと篁唯依もそう。他にもランバ・ラルと18号がいるのを確認している」
俺の説明に驚いた表情を隠せない転生者たち。以前のリモート会議ではここまで詳しく説明しなかったもんなぁ。まさか多数融合ってのは予想してなかったに違いない。
他に融合しているやつの情報もほしい。唯ちゃんたちのように俺の嫁さんの可能性もあるのだから。
「フュージョン? それともポタラ合体?」
「どうなんだろ? 今のところ分離はできないっぽいが。丈太郎、スタンドで分離させることはできないか?」
「クレイジー・ダイヤモンド! ……無理のようだな」
丈太郎が叫ぶようにスタンドを呼ぶと、一瞬だけ気配を感じたが姿を見ることはできなかった。残念ながら俺にはスタンド能力はないようだ。羽山浩一じゃなくて広瀬康一と融合してたら見えたのかな? でもあいつのスタンド能力は矢による発現だったか。
というかさ、聞いたのはたしかだけどいきなり試すなよなあ。
「スタンドってやつ、気は感じっけど見えねえのは気持ちわりいな」
「悟空も感じたのか」
「どうやら転生者たちはスタンドを視認はできなくても知覚することはできるようだな。丈太郎、こっそりと悪さはできんぞ」
「やれやれだぜ」
アーチャーの発言に待ってましたとばかり「やれやれ」を繰り出す丈太郎。
うむ! 中身が違うとはいえど外見だけでなく声までも一緒の連中がこうやって馬鹿話する空間って感動ものだよね。
空井のやつも誰かに転生すりゃよかったのに。……それだと俺が影武者できないか。
とりあえずはタケシのバイク戦艦を母艦として行動することにした俺たち。転生者の悟空と恭也、その仲間たちとともに日本に戻ってきた。ミスター・ポポとパプワ少年は離れるワケにはいかないということで現地に残っているのは残念だが。
ウイングガンダムとウイングガンダムゼロも着艦している。グンマもMSを操縦できたのね。
「主役ガンダムが3機とか豪勢だよなぁ」
「そうは言っても地上戦じゃローリングバスターライフル使いづらい。フレンドリーファイアしそうだ」
「単機で敵陣突っ込んでやるのがコンセプトなんだろうが、危険すぎる」
いや、ローリングしなければいいだけだろう。ふむ。恭也じゃなくてヒイロだったら自爆時の破壊力はウイング系よりも戦術機のS-11の方が大きそうだから換装したいとか言い出しそうだ。
「壊れてもスタンドで直すことができるが死人は俺では無理だ」
「俺ができるが蘇生時には失うものがある。なるべく死ぬな」
「そう考えるとやっぱり義兄さんは前線に出ない方がいい」
蘇生させるのは俺じゃなくて空井なんだけど、空井としてここにいる俺。これではウイングかユニコーン借りたいなんて言い出せない。スキャンだけで我慢しよう。
「煌一には私たちがついている。無茶はさせない」
「こやつが簡単に死ぬとは思わんがな」
白蓮とアルの発言に肯く転生者たち。
「白銀
「まさか12番が、デモンベインが選べないのにアルを選ぶほどに幼女好きだったなんて!」
「俺も特典で女性キャラ仲間に入れとけばよかった! マリーダさんとか!」
アルが特典って勝手に勘違いしてくれた。訂正する必要はないけど、注目するのそこ?
転生時の会議で12番こと空井がうまくやっていたのか評価が高かったのが、ちょっと下がったっぽい。いや、空井の方だって女の子に囲まれて喜んでますから!
「オラだって女の子仲間にしてっぞ。2人も!」
「チチじゃない時点で」
「10歳児な時点で」
「ほよ?」
フォロー入れてくれた悟空だったが、他の転生者からは論外扱いされてしまった。ブルマ可愛いのに。
そのブルマはMSやバイク戦艦のデータをチェック中。濃くはあるがイケメン揃いの転生者に色目を使ってないのは悟空への好感度が高いからだろうか?
かわりにアラレちゃんがグンマの作品を着込んで遊んでいる。センベエさんの発明品に近いセンスがあるのかもね。アラレちゃん好みなのは確かだ。
俺たちがこうしている間にも戦いは続いている。
強奪男こと剛田ツヨシのクロガネは九州。
シャーリーの黒の騎士団は大阪。
ダバのターナとキラのエターナルは京都。
鎧衣尊人のエルシャンクは神出鬼没気味に各地を遊撃。
それぞれ転生者たちは帝国軍と連絡を取りながら戦線を支えている。あ、トルストールのゴラオンはたぶんソ連だろうけどリモート会議でしか情報が入ってこない。
転生者たちは損耗した機体や燃料弾薬の補充はBETAを撃破して得たポイントを交換して行っており、今のとこは徐々に押し返している状況。俺たちも頑張らねばなるまい。
「俺たちもBETAを駆逐してポイントを稼がねばならん」
「オラちっと戦ってくる」
「仙豆の貯蔵は十分か?」
サイヤ人である悟空は死にかけた方が強くなるからって、生身でBETAの群に行かせるのはどうなんだろ?
アーチャーと丈太郎がついていればなんとかなるか?
「悟空は人間の気が分かるんだろ? 瞬間移動を活かして人命救助に回ってくれた方が今はいい気がする。逃げ遅れた民間人や動けなくなった軍人を救出。重傷者は丈太郎がスタンド治療。アーチャーが支援していれば乗れる機体がなくても住人からの評価は上がると思う」
「人命優先か。そんな余裕のない世界なんじゃないのか?」
「余裕がないから人命を優先だ。生き返らせるのにも限界がある。まずは生き延びて、それから復興。BETAは駆逐したけど人類がほとんど残ってない、じゃどうにもならん」
嫁さんたちが簡単に死ぬとも思えないが、融合しちゃってて記憶が戻ってないとやばい。彼女たちのためにも救助活動を行ってほしい。できれば大規模になんだけど、今の日本にはそんな余裕はないのが現状だ。
「BETAを駆逐した後に転生者たちが生きやすくなるためにも、住人に恩を売っておくのは大事だろう?」
「悟空は超能力者だとでもするとして、スタンド治療の説明はどうする?」
「なんかそれっぽい外見だけの治療器具をブルマとグンマに用意してもらえばいい。メディカルマシーンっぽいやつ」
2人なら外見だけじゃなくてちゃんとしたのを作れるかも?
なんなら俺が
俺たちは元の世界に戻るので、ずっと空井の影武者はできない。
「力が怖いからって人類の敵扱いされるってパターンは嫌だよなぁ」
「こっちの人間が俺たちを驚異に思わない程度に戦力を持ってもらわないといけないとでも言うのか?」
「リモート会議でも言ったけど、転生者全員が力を合わせれば今すぐにオリジナルハイブを落とすことはできるかもしれない。でもその後は? 世界大戦すら起きかねないから、今のままの日本だとアメリカにいいようにされそうだろ。転生者たちだってどうなるかわからん」
俺の提案に転生者たちは思案中。使徒としての俺は救済する世界で例え嫌われ疎まれたとしても暮らすとこは別の世界にもあるので問題はなかったりするが、こっちの転生者たちは違う。この世界で暮らさなければならない。オリジナルハイブを破壊してハイ終わり、じゃないんだ。
球神からの説明もなかったようだし、このままこの世界に残ることになるんだろう。
「強奪男がヤケになって世界征服とか言い出しかねない、か」
「そんなことしたら、あとがもっと面倒になる。もし征服できたとして誰が管理するんだ?」
「オラには無理だ。BETA倒したら……武闘会やんねえかな?」
やったとしても悟空が優勝する未来しかないだろう。タケシが黙っているのはハルケギニア行きを教えたからか。
他の転生者たちはBETA戦後どうするつもりなのかね?
「シャーリーんとこのルルーシュならどうにかできそうだけど、あの子はどっかに御殿でも建てて逆ハーレムを堪能して暮らすんだろうなぁ」
「あんたもだろ?」
「俺は嫁さんとのんびり暮らしたいかな。みんなだって活躍すればモテるだろう? 顔もいいんだしさ。この世界だって可愛い子多いじゃないか。好きなMuv-Luvキャラとかいないのか?」
男子学生的な軽いノリで聞いてみる。篁唯依って言われたら困るが、こいつらの好みは知っておきたい。
その相手がもし死んじゃったら空井が生き返らせることもできるのだし。
「好みというワケではないが、神宮司まりもは死なせたくないな」
まさかのアーチャーが一番に発言した。しかもまりもちゃんとは。そりゃトラウマメーカーなだけに俺だって助けたいけどさぁ。
フッて笑ってるのは、どういう意味だろうか? まりもちゃんは自分に任せろという宣言?
「俺は特にいないな」
「ま、まさか恭也、男の方がいいというのか? 仲間も男だけだし」
「いや、Muv-Luvキャラにそんなに詳しくないというだけだ。そのうち見つかるかもしれないし、いざとなったらポイント召喚を目指せばいい」
よかった。腐女神が喜ぶ展開はなさそうだ。俺はトラウマじみた過去から美形の男とは距離を取りがちなんだけど、こいつらなら
嫁さんたちもいるし、男に狙われるワケにはいかないのである。
「丈太郎は?」
「眼鏡の似合うメイドさんなんて、この日本にはいないだろう?」
「丈太郎の癖にそんな趣味かよ! いや、俺もメイドさんは嫌いではないが」
他のとこは転生したキャラクターに引っ張られていても、女性の趣味までは丈太郎になりきってないみたいだな。
あ、丈太郎の祖母であるスージーQはメイドさんだった。そこからだろうか? でも眼鏡は趣味だろう。
詠なんかピッタリかもしれない。会わせたくはないな。
「となるとポイント召喚になるか。眼鏡のメイド……やっぱりエマか? Zのエマさんが召喚されたりしてな」
「月詠真耶は眼鏡メイドなんだがな。BETAのいない世界ならばだが。この日本じゃメイド喫茶すらあるのかも疑わしい。BETAを殲滅できたらメイド喫茶を広めるのもありかもしれん」
「なんか丈太郎じゃなくて金剛番長が混じってないか?」
あれはメイドさん好きじゃなくて甘味好きだぞタケシ。スージーQの孫がスジを通すって、むう。
丈太郎がいいやつだったら嫁さんではない眼鏡メイドに心当たりがあるが、も少し様子を見ようか。
「人命救助してその中に可愛い子がいたら教えてくれ。Muv-Luvだと死んじゃう娘だって美人が多い」
「ずいぶん他力本願じゃないか。そんな転生先を選ぶくらいだ。Muv-Luvには詳しいんだろう?」
「詳しいからヒロインたちが恋愛原子核な姉貴に持ってかれるのがわかっちまうんだ」
それを聞いて唖然とした白蓮。白蓮はMuv-Luv詳しくないから自分と融合したのがそんな存在なんて知らなかった。そりゃそんな
「女同士だけど純夏があの調子だから他もきっとそうなる」
「ちょ、ちょっと待て。純夏がなんだって?」
純夏はタケシ以外の転生者たちとはまだ会わせておらず、ここにもいない。だって転生者たちの話を聞かせるのもちょっとねぇ。
白蓮の様子に鈍感系主人公を感じたのか転生者たちは納得した模様。慌てる白蓮をスルーして話を続ける。
「ならばタケシはどうするんだ? ポイント召喚か? 稼ぐためにユニコーンで出るのか?」
「戦術機の開発に協力するつもりだ。Muv-Luvのタケルみたいに。BETAを直接倒さなくてもそれに貢献すればポイントが貰えるはずだから、うまくいけばかなり稼げるかもしれない」
戦術機開発ね。たしかにさっき話したように人類に戦力を持たせるにはそれが手っ取り早いか。
俺はヴェルンド工房の連中と似たような経験があるからそれに協力するのも悪くはないような気がする。基地もできることだし。
「このままいけば横浜基地はできないだろうが、倉木の基地ができる予定がある。そこで開発を行おうか」
「ありがとう義兄さん」
「まあそれは日本を防衛できてからの話になる。タケシもバイク戦艦を出してくれないか? 救助時の搬送先になるだろう。それでポイントが稼げるか試せばいい。BETAを倒すことへの貢献になるかどうか、球神が評価してくれるかどうかを」
ポイント稼げなきゃ仲間召喚だってできはしない。ただで動いてくれなんて言えない。これで仲間が少なかったり、ロボがないやつの方向性を決められる。
「恭也、今回はバイク戦艦を護衛してくれないか? 俺も死なない程度に護衛する」
「いいだろう。俺もポイントがほしい。艦もお前も護る」
「待て、高町恭也。お前、完治していない右膝も再現されてるだろう? クレイジー・ダイヤモンド!」
またも視認できない強力な気配。それがスッと恭也を通り過ぎたように感じた。頷く丈太郎を見てから軽く歩いたり飛び跳ねたりして動きを確認する恭也。
そういえば高町恭也は右膝を壊していて完治はしていないんだっけ。そんな不利なとこまで球神は再現していたというのか。
あ、恭也が瞬間移動した? いやこれは人外レベルの高速移動。これってたしか。
「神速まで獲得していたのか」
「ああ。10個目の特典だ。これがほしいから高町恭也になったが、膝のことは失念していた。おかげで使える回数が増えていそうだ。ありがたい」
神速って思考速度まで速くなって、周りの動きが止まって見えるほどの技だけど負担も大きく、ゲームの恭也は膝の傷のせいで1日に3回だか4回ぐらいしか使えなかった。
それに気づいた丈太郎。観察力だけじゃなくてとらいあんぐるハート3をプレイ済みか。
「きさまあのゲームやり込んでいるなッ!」
「答える必要はない」
俺のネタ発言に即座に花京院の台詞で返してくれた丈太郎とピシガシグッグッ。タイミングもバッチリの2人に他の男たちも思わずパチパチと拍手。悟空でさえもだ。
こいつらってばもう。
「今の治療はサービスだ。だがもしも恩に感じているのなら妹の高町美由希をポイント召喚した場合、メイドになってくれるように説得してくれ」
「それが目的か? あいつはポイズンクッカーだ。メイドにはむかん」
ゲームではメインヒロインなはずなのに正妻扱いされないあの残念ヒロインか。この丈太郎はメイドよりも眼鏡が重要?
◇ ◇ ◇
あれから数日。日本にいるBETAの数は減っていき、バイク戦艦のチームも救助活動で活躍していた。球神も評価しているらしく、ポイントもちゃんと入っている。
「仲間までのポイントは遠いな」
「まさか転生者によって必要なポイントが違うとはな。転生時に選んだ作品以外のキャラクターはかなり高くなってしまうみたいだ」
「他の連中にも聞いたけどキャラクターだけじゃなくて装備品や補給物資もそんな感じだな。転生者間での物資や人員の融通も視野に入れた方がいいかも」
空井の方もポイントを得ている。俺がBETAを倒した分の他に、蘇生した人間がBETAを倒すと追加でポイント入手できているとシャロンが言っていた。
転生者たちのことは適当にぼかしながらも一般に公開され始めていて人気も出始めているようだ。なんか秘密部隊とか噂されてるらしい。
「ヒーローなんて柄ではないが人助けも悪くない」
「治療が間に合わなかった人もこっそり義兄さんが蘇生してくれてるのは助かっているよ」
「気づいていたか」
転生者たちの働きによって帝都である京都はいまだ健在。
間近に迫った8月15日。Muv-Luvシリーズだと京都が陥落するその日こそ、次期将軍の
呼び出された俺はお偉いさんと面会することとなってしまっている。
「
「はい。私がお借りする武御雷の名前だそうです。武御雷とは似て非なるモノと調査した者たちは言っています」
「なるほど。どっちも剣の神様の名前ね」
次期将軍予定の煌武院悠陽の説明に補足したのは我が嫁さんである由真ことユウヤ・ブリッジス。シャロンが付近のスピーカーを操り、唯ちゃんからなにやら魂を揺さぶられるようなメッセージを受け取って、一気に記憶を取り戻した。
ビニフォンで連絡を取り現状を認識すると急いで母親であるミラ・ブリッジスに会いに行きエリクサーを投薬、彼女の回復を確認し、父親のことを知ったことと、自分と妹が異世界の人間と融合してしまったことを説明する。
それから、軍を辞めてでも日本へ行くことを告げるとなぜかミラもついてきてしまった。
「見事な戦術機であると外見からでも理解できますわ」
「母さん徹夜したの? まだ病み上がりなんだから無茶しないで」
「あなたの薬のおかげで以前よりも調子がいいくらいだから大丈夫よ」
ミラは個人的にというか、ブリッジス家の私財から出した救援物資とともに来日。データ収集という口実でテスト中の戦術機すら持ち出していた。
しかも自身が開発に関わったF-14ベースのだ。日本にいる米軍も使用しているから補給や整備面で都合がいいんだろうけど、これはかなり嬉しい。近くでじっくり見ることができたしスキャンもしちゃった。戦術機の中でも好きな機体なんだよね。
だってさ、
せっかくだからタケシがやりたいという戦術機の開発、その素材にすることってできないかな。
かなり強引なスケジュールでいろいろ持ち込んだせいでミラは手続きその他で忙しいようだ。まだユウヤの父親である篁祐唯とは会っていないほど。まあ、あっちも忙しいからなんだろうけど。
というか、その時に俺も一緒に会わなきゃいけないようだ。気が重い。「娘さんを下さい」だけではなく、唯ちゃんの方の母親もきたら修羅場になりそうでね。
「ご援助、感謝します」
「オルタネイティヴ0との接触を優先した結果ですからお気になさらずに」
「素直に父さんを護りたいからって言えばいいのに」
「ユウヤ!」
頬を染めて怒るミラとてへぺろして誤魔化す由真。甘えているのかな?
唯ちゃんとはもう再会していて、2人でなにか企んでいるっぽい。
「相棒、俺はデルフリンガーなんだぜ」
ツインアイをチカチカ点滅させながら断音主が喋る。いや、断音主となったデルフリンガーが。
煌武院悠陽の操縦に多少の不安があった俺は、デルフリンガーを
同じ刀剣ってことで皆琉神威の方がいいかもだけど、あれもまだ返してもらっていない。
「その身体が断音主ってことだから納得してくれ。それとも元のボロ剣の方がいいか? 俺はあれ使わないんでベンチを温めることになるんだけど」
「あそこは勘弁してくれ」
デルフリンガーはスタッシュを嫌っている。俺はスタッシュ空間に入ったことはないけどそんなひどいとこなのかね?
俺が使えばいいのかもだけど刀での戦いだと二刀流だし、向いてないんだよね。ザンリュウジンもいるしさ。ということでナイト2000のキッドや龍神丸ポジションとなってもらったワケだ。動かすことはある程度できても、人間が操縦した方がいい動きができるってのも同じかな?
「お世話になります、デルフリンガー」
「そう呼んでくれんのか、将軍の嬢ちゃん」
まあ、断音主が戦闘することはないし、もし戦闘になったとして俺と唯ちゃん、白蓮が戦うことになるので煌武院悠陽の腕はあまり関係ないのだけど。
由真はまだ所属をこっちに移している手続き中なので、当日の出撃は予定されていない。ティスちゃんもさすがに見た目が幼いから、次期将軍はこんな小さな子まで出撃させるのか、と言われかねないのでお留守番。
「無礼な。もう少し丁寧な口調はできんのか!」
斯衛軍の眼鏡美人が怒鳴っている。丈太郎が気にしていた月詠真耶だ。月ちゃんでも詠でもない。融合している可能性は低いだろう。
「あいつに言っても無駄だ。それより当日の打ち合わせだが護衛の俺たちも戦術機の方がいいんだよな?」
「そうだ。だが、修理が間に合わないどころか廃棄するしかないような機体でいいのか?」
「そっちにだって余裕はないだろう。うちにはいいメカニックがいる。なんとかなるさ」
もう既に破損機体を受け取っていて、丈太郎のスタンドで修理、ブルマとグンマが魔改造中……ミラママが目を光らせたような。
いざとなったら俺の
3 高町恭也
〈強奪返し〉、転生:高町恭也、〈御神流〉、〈MS操縦〉、ウィングガンダム、ウィングガンダムゼロ、〈眼魔砲〉、パプワ島、仲間:グンマ、〈神速〉
?が神速になりました